2018/07/26 のログ
ご案内:「訓練施設」に國宏一実さんが現れました。
■國宏一実 > 『ソレジャア、始メルゾ』異形の声を聴けば目を瞑り、意識を自分の中にいる異形に移す。
先日、風紀委員に喧嘩を売りはしたが結果はよろしくなかった。
という訳で居候からの提案、戦闘訓練しようぜということだった。
『無駄ナコトヲ考エルナヨ。』
「わかってるから話しかけんな。」
意識を集中させる。数ある訓練室の一室の中央で胡坐をかきながらイメージする。
水の中でインクが広がり、溶けていくイメージ。どんどん黒ずんで、広がる感覚。
能力の第二段階の扉をこじ開ける。それと同時に異形が体験した様々な経験が脳内を駆け巡っていき。
『モウ少シノ我慢ダ。イイヤツ探シテヤル』
■國宏一実 > 『コレトカドウダ?脳筋ノオマエニピッタリダ。』
誰が脳筋だ。気分の悪さを我慢しながら目を開ければそこには全身黒ずくめ、というよりもシルエットと例えた方がいいだろうか。
見た所筋肉質でそれでいてでかい。
「お前が見せてるのか?てかこんなこともできたのかよ。」
『シャドーボクシングッテ奴ダ。オ前ノ脳弄ッテミセテル。』
異形ってのは随分と便利なものを持ち合わせているようだ。
話によれば殴る感覚もあるだとか、練習には十分すぎる相手だ。
無論相手に殴られればその感覚はこっちに来るようだが。
『アッ、ソウダ。俺コノ記憶ノ制御デ忙シクテ、オ前能力使エナイカラ。ヨロシク。』
「あぁ?!んまぁ...やるだけはやってみるわ。」
■國宏一実 > ものは試しだ。
姿勢を低くし、拳を構え、リズムを合わせるようにステップを踏む。
今までの自分の経験と異形の経験を吸収して辿り着いた構え、さて。相手の様子は?
「ッて!!危ねぇッ!!」
両腕で受け止める相手の跳躍からの踵落とし。この相手間違いなく人間じゃない。
受け止めた両腕がビリビリと痺れる程に強力な一撃。膝をついてしまい中々力は入らないが腕力だけで相手を押し返す。
「...!!痛ッてぇなぁ!!」
退いた相手に向かってこちらも負けじと接近し、鳩尾目掛けて蹴りを入れる。
相手に実体がない為いつも通りの技が使えないのが難点だが、一撃の技に関しては練習になる。
それにしても実体がないにも関わらずこの攻撃が命中する感覚、受けた際に感じる痛み。人間の脳ってのはすごいと思った彼であった。
「って...まぁ効かねぇよな...。」
■國宏一実 > 相手の図体の大きさもあるが、何よりも感じたのは筋肉量。
完全に隙をついた蹴りだったはずなのだが...。
シルエットではっきりと姿が分からない相手に眉を顰め舌打ちをすれば、それを操作しているであろう異形に声をかける。
「おい居候。コイツ一体何者だ?明らかにレベル高すぎじゃねぇか。」
『別ノ世界ニ存在シタオ前ト同ジ脳筋ダ。人間ジャナイガ。』
普通何も能力使えない奴にそんな大物ぶつけてくるだろうか。と悪態をつきながらも視線を相手に戻す。
さて、どう攻めようかと作戦を考えていると異形が『ジャア少シ本気出サセヨウ。』
なんていらないことをしてくれるのだと、あからさまに嫌な顔をしたその瞬間。
「速ッ!!右かッ!!」
視界から相手が一瞬消え、視認した時には既に相手の回し蹴りがこちらに飛んで来ていた。
とっさに右腕で相手の蹴りを受けるが、重い。まるで自動車がぶつかってきたような感覚だ。
■國宏一実 > 「痛ッてェッ!!マジでこれヤバイって!!」
『ダッセェ、ボコボコジャナイカ!!』
この糞野郎、さては昼間の録画の件根に持ってやがるな。なんて器の小さい奴だ。
自身の中の異形は嬉しそうな声色でただただ笑っている。
そして肝心の自分はというと相手の蹴りに耐えきれず、壁まで吹き飛ばされ、全身が痛む。こんなシャドーボクシングがあってたまるか。
ふらふらと立ち上がり、意識を無理やり奪い返すと、相手はスッと消えた。
『モウ終ワルノカ?根性ナイナ。』
「お前覚えてろよ...。」
はたから見れば一人言を大声で叫ぶ危ない人だと思われるだろうか。
こんなんだからいつまでたっても周りから敬遠され続けられるのだ。
■國宏一実 > 「あーもう終わりだ。練習になんねぇよ。」
はぁ、と大きなため息を吐けば部屋の隅に置いてあった荷物をまとめ始める。
異形の記憶の連中とやりあえるのはいいことなのだが、流石にあれは無理だと萎えてしまった。
気持ちよく勝たせてやろうという気はないのだろうかと再び舌打ち。
『ソウ気ヲ落トスナ。次ハモットレベルニ会ウノ探スカラ。』
無論相手の声を無視しながら、鞄を肩にかければ、そのまま部屋から出ていく。
この頭の中の居候をどうにかしてとっちめてやりたい気分だといつも通りの不機嫌そうな顔で廊下を歩いて行った。
そして今回の訓練において、意識の融合率が過去最高を記録していたのはまた別の話。
ご案内:「訓練施設」から國宏一実さんが去りました。