2018/08/19 のログ
ご案内:「演習施設」に國宏一実さんが現れました。
國宏一実 > ブザーの鳴り響く音が聞こえると同時に、瞑っていた眼を開く。
周囲は先ほどまでの無機質な場所ではなく、コンクリートで覆いつくされた市街地へと変わっていた。
同時に聞こえる無数の足音、恐らく訓練用の標的だろう。

「オイ居候、意識を半分渡す。細かいことは頼む。」

『ワカッタ、浸食ヲ開始スル。』

その言葉と同時に、左目を中心に血管が浮き出ては赤黒く変色し、全身に同様の色をした液体が漂う。
大きく息を吸えば、目の前にいる数十の敵を前に拳を構えた。

國宏一実 > 脳内に流れ込んでくる今までに異形が食ってきた人間の記憶。
気持ちの悪いこの感覚を無理矢理抑え込めば、地を蹴り、標的の目の前まで一気に接近する。

「合わせろ居候ッ!」

『了解シタ』

同時に放つ回し蹴り、足の周りを覆っていた液体が硬質化し、刃のように放たれる。
標的は当然のように両断、背後にいた数体も巻き込み、地に沈んでいく。
続けて足元を思いきり踏みつける、それと連動するかのように液体は硬質化、正面に人一人隠せるほどの壁が構築され。

國宏一実 > 「もっと浸食率を上げろ!」

『訓練デハ不可能ダロウ』

融通の利かない居候だ。
舌打ちをすれば目の前にある壁を蹴りつければ、破片が弾丸のように相手に向けて飛来していく。
標的に次々と突き刺さってはいるが、倒しきるまでには至らない。

「居候、任せる。」

そう言った直後、突き刺さった破片が膨張し、増殖し、その標的達を飲み込んでいく。
この光景は見たことはずはないのだが、自分に流れ込んでくる記憶がそれを覚えていて、なんとも複雑な気分だった。

國宏一実 > 「記憶ってのは...なんか気持ちの悪いもんだな。」

気持ちが悪い、自我を保てる程に抑えてはくれているが、それでも。
正面にいる標的を無心で殴りつけながらも、記憶を辿り、技術を使い、経験を積む。
非常に役に立つが...気分は最悪だ。

『アト半分ダ。』

そんな中はっきりと聞こえる唯一の声を聞けば、口元に笑みを浮かべる。
彼の戦いはあと数十分続くのだった。

ご案内:「演習施設」から國宏一実さんが去りました。