2018/10/23 のログ
ご案内:「訓練施設」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > がらんとした空間が広がる訓練施設。
その一角で、意識を集中させて異能の発動準備を整える。
召喚すべきモノを。求める従僕を。己の力を振るう代行者を。
イメージされた物体は、異能の発動と共に顕現する―

「…駄目か。人型に近づいてはいるが、微妙にズレを感じるな。あと一歩、というところだと思うんだが…」

召喚された異形を見て、溜息を一つ。
その異形は、辛うじて二足歩行をしているものの、腕も頭も無く、胴体から無数の銃口を生やした不気味なモノだった。
これはこれで使い道があるのだろうが、求めているスペックに達していない。
もう一度、上半身の可動部分からイメージし直さなければならないだろうか。

ご案内:「訓練施設」に白鈴秋さんが現れました。
白鈴秋 >  人が少ない時間。そう思って来るからこうなるのだろう。
 前もここで出会った人物が練習をしていた。お互いに人が多い時間を避ける傾向でもあるのだろうか。
 前のように戦闘訓練をしているわけではないのでホログラムを弄ったりせずに普通に歩いていって声をかける。

「随分と禍々しい物作ってんだな。趣味って訳じゃなさそうだが」

 溜息をした姿を見てそんな事を言う。
 目の前に立っていたのは人のような何か。SFか何かの敵で大量生産されそうな姿をした人型の何かだ。
 火力という意味じゃ十分かもしれないが……足が二本では射撃と同時に足が折れるんじゃないかとか色々と考えてしまっていた。

「で、こりゃなんの練習だ?」

神代理央 > 不意に投げかけられた声に頭だけ振り向いて視線を向ける。
というのも、この場所でその声を聞くのは既に二度目。今更警戒する理由も、何者かと首を傾げる理由もない。

「どうにも見栄えが悪いのが俺の異能の欠点でね。B級映画くらいなら、CG無しで作れる気がするよ」

肩を竦めて彼の言葉に応える。
そのまま、再度自分の召喚した異形に視線を戻して―

「……近接戦闘用、というより、単純に人型の異形が欲しくてな。色々データを集めて試してみてはいるんだが…」

どうにも上手くいかない。と言葉を締めくくり、召喚した二足歩行の異形を隅に移動させる。
よたよたと身を震わせて歩く度、金属の擦れ合う音が訓練場に響くだろう。

白鈴秋 > 「機械っぽいのは上手く魅せれば良い見栄えにはなりそうなものだが」

 技術屋としてそういった物を作ったことは数多くある。
 そうして言われて視線を移す。人型の異形。

「なるほどな……データ……ね」

 移動する様子を眺めていた。よたよたと歩く姿。金属のこすれあう音。上手くいかないという言葉を聞いて少し考える。
 そしてふと理央の方へ視線を移した。

「……見た感じイメージしたのを召還するって能力みてぇだが。図面とか書いてねぇのか?」

 技術屋としての観点からそんな疑問を投げかけてみた。

「イメージとしてでも。部品ごとにmm単位で図面書いてみて。それこそプラモデルでも組み立てるみてぇにやってみたら良いんじゃねぇか。やっぱり図面書いたか書いてねぇかってかなりイメージに差出るしよ」

 あれ結構めんどくせぇけどと肩をすくめながら笑う。

神代理央 > 「図面…図面か。確かに、設計図の様な物は用意したことが無かったな。今までは、欲しい砲塔だけイメージしていれば良かったし…」

彼の言葉に、ふむ。と考え込む様な素振りを見せる。
思えば、昨夜収集したデータにも設計図はあったのだ。
それを思い返し、彼の言うように部品として細分化し、頭の中で組み立てる。
細かな図面を書いている訳では無いが、大雑把な組み立て方を描き上げていき―

「………こんなもの、か。確かに、より正確に召喚するには実際に図面を引いたほうが良さそうだな」

現れたのは、先程とは随分違う風貌の異形。
機械、というよりも甲冑の騎士に近い風体ではあるが、その鎧の所々に銃身の一部が突き出している。
何より、武装が無い。徒手空拳で現れたその異形は、さながら素体といった風貌のものだろう。

白鈴秋 > 「さっきよりは良い感じになってんじゃねぇか……ちょっとまってろ」

 カバンを探る。そしてあったと声を出すと取り出すのは紙と少し変わったペンケース。
 紙はかなり目の細かい言ってしまえば技術系の専門職が持つような紙。ペンケースの中に入っているのも同様で線を引く為の鉄製の定規やボールペン。コンパスや分度器といった物が多く入っている。

「俺が一応仕事で使ってるやつだが、もし図面書くなら使えよ、一応で持ち歩いてるサブだから別に仕事に支障はでねぇし」

 それらとまとめて差し出す。
 まぁお前の場合持ってるかもしれねぇけどさと付け加えるが。

神代理央 > 「…ほう?良い道具を持ち歩いているではないか。貴様も設計技師か何かを修めているのか?では、お言葉に甘えて貸して頂こう。といっても、絵心や手先を使う作業は得意では無いのだが…」

興味深そうに道具を見つめた後、差し出された道具類を受け取る。
しげしげとそれらを眺めた後、不慣れな手付きで道具を使い図面を書き始める。

「………むう…。雑とはいえ、素体はイメージ出来ているから後は武装を施したいところだが……バランスが悪い。いっそ銃身は諦めて、剣と盾でも持たせてみようと思うが、貴様はどう思う?火力を活かすのは以前と同じ異形を用いて、近接戦と護衛に徹する異形にしても良いかと思うのだが」

大雑把に描いた鎧騎士の肩や腕に、升目を使って細かく砲塔や銃身の位置を調整して記入する。
しかし、どうにも気に入らないのか溜息を吐き出しながら彼に意見を求めるだろう。

白鈴秋 > 「本来はそっちが本業だ、設計図も描いてやろうかって言いたいが……自分でかかねぇとイメージも何もねぇだろうしな」

 そういって渡した後にカバンの中に入れてあった水を取り出す。
 意見を求められるとふむと考える様子を見せる。

「……結局はお前がどうしたいか。って所に行き着くからあくまで俺ならって意見にはなるが」

 水をカバンに戻してメモ帳を取り出しサラサラと簡単な絵を書く。
 人とその周辺には移動を一切無視した超火力特化の異形。そして前には盾のみを装備した防御特化。

「見た感じ剣とかより今慣れてる銃を生かしたスタイルにした方が良いと思ってな。守りに特化した前衛が抑えている間に攻撃以外を除外した攻撃特化で制圧する……とかの方が変更点もすくねぇしやりやすいんじゃねぇか?」

 剣の場合動きの中に剣の動きも入れなければならないし機械系が比較的苦手な動きもいくつか取り入れなければならない。
 反面守りに特化ならば大きな盾を持たせれば良いし恐れを知らない機械には最適だ。

「まぁあくまで俺ならって意見だけどな。剣には剣の利点もあるし」

神代理央 > 「確かにな。腕を動かして得るものもあるということか。しかし、設計が本業だったとはな。機械か何かでも作っているのか?」

彼の言葉に興味深そうに首を傾げる。
とはいえ、自身の問いかけに答えた彼の言葉には真面目な表情で聞き入って―

「……成る程。下手に半端な攻撃手段を持たせるよりも、前衛は盾として活用すべきということか。となれば、必要なものは防御力、筋力、ある程度迅速に展開出来る機動力……」

後半の言葉は、彼に答えるというよりも独り言に近かっただろう。
サラサラと紙に図面を起こし、首を傾げて書き直しという作業を数回繰り返した後―

「……大雑把で細部を詰めなければならないだろうが、こんなものか」

図面を見ながら異能を発動する。
現れたのは、正しく歩く門。戦場を駆ける為に肥大化した二本の足。盾と一体化した両腕を持ち、構えれば一つの巨大な盾となる二対の盾腕。その上部には、昆虫の様な機械仕掛けの複眼が戦場全体を見渡さんと蠢いている。

「……自分で作っておいてなんだが、相変わらず酷い見た目だ」

白鈴秋 > 「聞いたことあるかしらねぇが魔具って道具だ。魔法や異能を封じ込めた道具……本来はそれの設計技師だったんだよ」

 別に隠すようなことでも無いので普通にその辺は言う。
 彼の手元を見て図面を見ながらなので本当にサラッと答えていたことだろう。

「ああ、変に攻撃を持たせても逆効果だろうからな」

 その後の独り言に近い言葉はそうであろうと理解したので聞いていて頷く程度だったかもしれない。
 そして出来上がったのを見て。

「なるほどたしかに機能てプッ」

 その後の独白で思わず少しだけ笑ってしまう。
 ある意味技術職とそうじゃないのの違いだろうか。自分には目の前のものが機能的ですばらしく見えていたのだが。

「しかたねぇさ。見た目を気にしちゃ機能性なんて確保できねぇから……聞いた話だが。マンガとかであるロボット。まじめに作ると戦車に圧倒されるらしいしな」

 少し笑いながらそう答えた。
 かっこいいロボットも無骨な戦車に勝てない。ある意味そんな物なのだろう。
 機能性を重視すれば見た目が疎かになり逆もまた然り。少し残念な話だ。