2018/10/31 のログ
神代理央 > 銃弾の威力というよりも、叩き付けられる質量に負けて盾が刳られ、1体のスクトゥムが地に伏せる。
それを踏み潰して現れるのは、新たに召喚されたスクトゥム。20m進む間に、既に3体が倒れ、11体が新たに召喚されていた。

「召喚に際してのコストパフォーマンスが良いのは便利だな。一々面倒なイメージを組まずとも、容易に召喚出来る」

最初は横一列しかいなかった盾の異形の壁は、今や3列に及び重厚な壁を形成している。
銃弾が盾に叩き付けられる音と、金属が床を踏みしめる音が耳を打つ中、半分ほど減った缶をぷらぷらと振りながら満足気に頷いた。

神代理央 > 倒れても倒れても、新たに召喚される盾の異形は黙々と銃弾を防ぎ続ける。30m進む間に最初に召喚されたスクトゥムは全滅したが、その数は既に5倍を数える程となっていた。
40mを超えると、銃口が増えて降り注ぐ銃弾が一層激しくなった。機械の複眼を撃ち抜かれるモノ。圧力に負けて膝を折り後続の仲間に踏み潰されるモノ。被害は甚大であり、そして皆無であった。

「…さん、に、いち……っと。やはり、通常の銃弾くらいでは問題ないか。次は、魔術か大口径の銃口を試してみなければな」

そして、ボロボロになった最前列のスクトゥムが、掲げた盾で壁際のボタンを押し、甲高いブザー音と共に訓練は終了した。

神代理央 > 「とはいえ、近接戦での攻撃力不足は課題だな。まあ、壁がある限り火力の投射能力に不安は無いだろうが…」

今回の訓練が満足出来る結果だったからといって、別に自身の異能が強化されたと言うわけでも、完全無欠の能力になったという訳でも無い。
弱点を理解し、強みを活かした戦い方をより考えていかなければならないだろう。

「…さて、偶にはカフェテラスで甘味を頂いていくか。この時期は、流石に外のテラスは寒いかも知れんが…」

細かい事は、今回のデータを見ながら家で考えれば良いかと思考を切り替え、秋のデザートが並んでいるであろうカフェテラスに思いを馳せながら訓練施設を後にした。

ご案内:「訓練施設」から神代理央さんが去りました。