かつて闘技場であった場所。
現在は「常世大ホール」という名称に変わっており、闘技場としての機能は「演習場」へと引き継がれた。
学園都市として、公式に「闘技場」という施設を運用することに対して疑問が提示され、生徒会の協議の結果、「闘技場」はなくなり、この「常世大ホール」が誕生した。
コロッセオ状だった闘技場に、天板が重ねられてドームのような形態になっている。
この天板は晴れている日には仕舞うことも可能である。
普段イベントが何もない日などは学生や島民に解放されており、運動場などとして使われている。
様々な部活の練習などにも使うことが可能である。
競技場としての機能も備えており、スポーツも行うことができる。
多目的ホールのため、イベントの度にその姿を大きく変える。
競技場になり、コンサートホールになり、劇場にもなり、競技場にもなる。
それが、この常世大ホールなのである。
●この部屋には固定パスワードが設定されています。
参加者(0):ROM(1)
Time:02:12:20 更新
ご案内:「常世大ホール」から神代理央さんが去りました。
■神代理央 > 僅かに懐の端末が震え、着信がある旨を己に伝える。
開いてみれば、スポンサーの一人から夕食の誘いが入っていた。
「…やれやれ。食事くらい一人でしたいものだが」
再び深い溜息を吐き出し、薄暗い貴賓席を後にした。
■神代理央 > 薄暗い貴賓席で何気なく演奏会のパンフレットに目を落とす。
豪華な装飾の施された質の良い紙で作られたパンフレットには、参加者のプロフィールや指揮者の来歴が細かく記載されている。
最後のページにはスポンサーとして金を出した者達の名前も載っており、その中には勿論風紀委員名義ではあるが自分の名前も記載されている。
「文化的活動に協力を惜しまない風紀委員会です、とはとても言い切れたものでは無いがな」
所詮、攻撃的な任務に対する批判を交わす為の捨て銭に過ぎない。本当にそういった活動を行うのなら、志を持った部活動を応援すれば良いのだから。
これは島の有力者達へのアピール。といっても、スポンサーの殆どがそういった面々なので余り気にする必要も無いかも知れないが。
■神代理央 > がらんとした大ホール。土曜祝日とあって日中は多くの催し物が行われていた。
それは夜間であっても同様で、つい先程まで有志によるクラシックの演奏会が盛大に行われていたところ。
スポンサーも多く、客層が裕福だったこともあり、演奏会終了後は送迎の高級車が列を成して大ホールの前に横付けされている光景が見られただろう。
そんな喧騒とは無縁のホール内。既に幕は下り、機材などの片付けも終了し、僅かに残る熱気だけが演奏会の余韻を伝えている。
そのホールを見下ろす所謂貴賓席で、端末片手に言葉を紡ぐ己の姿。
「……今更穏健派の横槍が入ったからと言って泣き言を言ってどうする。十分に予想できた事だ。その為の予算も対策もあっただろう。………厳しい状況なのは理解している。だからこそ、威圧的な任務を行うべしというのが上の意見だろう。それを汲まないでどうする」
苛々しています、といった様子ではあるが、その感情を抑え込んで淡々と言葉を続ける。
「…ああ。此方は礼の演奏会が終わったところだ。この演奏会だって、相応に金を出している。裏方からの支援はしてやるから、実働部隊は何とか工面したまえ。どうしてもというなら、私が話をつける。また明日連絡する。今夜は君も休むと良い」
半ば強引に通話を打ち切ると、深い溜息と共に端末を懐へしまう。
貴賓席から見下す舞台は、空調が効いていても何だか薄ら寒いものを感じてしまうだろう。
ご案内:「常世大ホール」に神代理央さんが現れました。
ご案内:「常世大ホール」からステーシーさんが去りました。
■ステーシー >
この島には色んな人が生きてて。
その中に悪い人がいる。
良い人だっている。
どっちでもない人ももちろんいる。
全部合わせて、常世島なんだ。
なんだか、涙が出てきた。
これも歌が素晴らしいからだ。
帰ったらCDをもう一度聴こう。
今なら、彼女たちの歌の良さが十全に理解る。
今日は、良い気分転換になりそうだ。
■ステーシー >
よく周りを見ればウルトラオレンジのサイリウムを持っているのは自分だけだった。
そうか、曲のイメージに合わせた色のサイリウムを振っているんだ。
っていうか……今日のライブ十数曲あるんだけど…みんな何本サイリウム持ってるの…?
恐るべし、歌姫ガチ勢。
でも初見やエンジョイ勢を排除しに来ない辺り、みんな本当にライブが、歌が、彼女たちが好きなんだろうなぁ。
次の歌は確か、STEEL HEARTsだ。
ええと……ダメだ、手持ちのサイリウムだとメタルグレーはない。
ううん、悔しい。
次の機会があったらサイリウムもっと用意しておこう。
立ったまま、歌を、ライブを楽しんでいる。
いつからか、常世にいることに緊張を感じていたのかもしれない。
百鬼や白の暗殺者と戦っている間に、この島が戦いの場になっていたんだ。
でも、本当は違う。
■ステーシー >
『みんな来てくれてありがとうー!!』
『今日は暑いから熱中症に気をつけてねー!!』
歌姫たちの言葉に、自分が汗ばんでいることに気付いた。
種族としてのフェルパーは高性能な体温保持の能力があり、汗をかくことは珍しい。
それだけ興奮していたのか、まるで刀で戦っている時みたいだ。
とりあえず持ってきていたスポーツウォーターを一口。
『相棒ならともかく可愛げのないアタシにまで声援サンキュー!』
その言葉が出た瞬間、周りが動いた。
『オオオオオオオオオオオオ!!!』
ファンクラブと思われる男性たちが動いた。
な、なんだ。なんの呪い(まじない)だ。
『宇宙一可愛いよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!』
男性たちは絶叫としか言い表せないレベルに声を張り上げた。
なに。なに。なんなの。
『ははっ、いつもありがとうねー!』
あ、これ毎回やってるの!?
ライブって変なお約束事があるって聞いたことあるけど!!
これを、毎回、やってるの!?
■ステーシー >
『Ground Zero! 歌えこの世界に!』
『Close to You! 熱く響き渡れ!』
サイリウムを手にぶんぶん振った。
もう座っていられない。
座っていると私の感情で制動が利かない、動き回る尻尾が鬱陶しい。
知らなかった。
歌声ってすごいんだ。
ライブってすごいんだ。
ツヴァイフリューゲルってすごいんだ。
熱狂のままに一曲目、二曲目と終わり、歌姫たちがトークを始める。
■ステーシー >
二人の歌姫がステージに上がる。
そして流れ出す音楽。メロディアスで、激しい。
パ、とライトアップされると歌姫たちはマイクを手に歌いだす。
周囲の観客がウオオオオオオオオオオオオって感じに盛り上がっている。
自分は、周りの大音声にビクッとなりながら周りを見てウルトラオレンジのサイリウムをパキった。
『静寂を切り裂く声に 集え今すぐFollow Me♪』
『闇を打ち破るこの剣に 駆け抜けてSinging Heart♪』
歌声は、美しかった。
CDで聞いた時には、ありふれた歌だとさえ思ったのに。
二人の歌姫が創り出す世界は、私を一瞬で魅了した。
鼓動が高鳴る。
――――――これが、歌なんだ。
初めてそれを知ったかのように、心を震わせた。
■ステーシー >
夕方、客席にて。
はっきり言って期待はしていない。
楽しめればいいとは思うけれど、私がエンターテイメントに求めているのはサメとゾンビと悪魔兵団がメインだ。
そこ、クソ映画好きとか言わない。
周りはみんな始まる前から異様な熱気に包まれている。
みんな純粋にツヴァイフリューゲルが好きなんだ。
そう思うと、なんだか気後れする。
刀剣の類は家に置いてきた。
剣客が丸腰は何とも、据わりが悪い。
異世界から来たマレビトに、この世界産の文化は門戸を開いてくれるのだろうか。
そろそろライブが始まる。
■ステーシー >
常世大ホール。
今日は常世島出身のツインボーカルユニット『ツヴァイフリューゲル』のライブがある。
最近、戦って怪我して入院して不味い飯を食っての繰り返しだったので、気が滅入っている部分はあった。
それを気遣って友人が今回のライブのチケットをくれた。
それと同時にCDを何枚か貸してもらい、今回のライブで歌いそうな楽曲を覚えた。
とまぁ、それくらいしか準備はしてきていない。
物販でサイリウムを買ったくらいだ。
ファンでないのに、ライブって来ていいのだろうか……
ご案内:「常世大ホール」にステーシーさんが現れました。
ご案内:「常世大ホール」から佐伯貴子さんが去りました。