2016/09/10 のログ
ご案内:「常世大ホール」にリリーさんが現れました。
■リリー > 「んー…。」
周りを眺めひとしきり唸る少女。
「…って!?何処よここ!?」
と思えば、その桜色の髪を激しく揺らし、動揺。
一旦落ち着いて考えてみよう。
どんな簡単な問題でも、焦っていては解けないのだから。
そう自分を言い聞かせて、現状把握に努める。
昔書いていたとっても汚い魔法陣を見つけた。
うひゃあだなんて声を出しながらもなんとなくで魔力を流してみた。
次の瞬間、魔法陣から光があふれ出した。
気が付けばここに居た。
「………。どう考えても、あの魔法陣が原因じゃろなあ…。」
魔法陣魔法陣と書いているが、子供の落書きと言われれば納得するほどの不出来具合。
きちんと書いた精巧なものであればまだ納得しやすいが、あんなヘタクソの、自分の書いたものだ。
とはいえ、そう嘆けば現実が変わるわけでもなく。
「はあああああああ………。どうするかのぅ…。」
頭を抱え、暫くは現実から目を背ける。
■リリー > 「…ぬぅ。」
時間にしておおよそ10分。
ひとしきり唸って、再び現状の確認。
やることは沢山ある。
ここは異世界なのかどうなのか。
異世界だとしてここは何処なのか。
地理は、気候は、歴史は、勢力は。
そして、自分の力はここで通用するのか。
幸い、周りに人は居ない。
設計を見る限りは恐らくは何かの練習場のようなところだろう。
気兼ねなく魔術をぶっぱなせる。
「我は願う!幾万の魂を焼き尽くす炎を!我は願う!我が覇道の前に立ちふさがる悪鬼を蹴散らす力を!我が魔力を糧として力を示せ!…『烈火一蹴脚』!」
雄雄しい呪文と技名を唱えれば、彼女の肉付きのいい脚は直ぐ炎に包まれる。
それを振り払うかのように大きく前蹴り。
呼応するかのように纏っていた炎が刃のように前方に飛び、壁に一直線に向かった。
「………。威力的には、元のところとそれほど変わらんのか。」
黒こげの線と化した壁をみて、満足そうに笑みを浮かべる。
■リリー > 「で、ここは何処なのじゃ…。」
それが問題だ。
魔力の質的には元のところと大差がない。
つまりそれで判断は付かない。
適当に誰か人を捕まえて、その人に聞くのが一番手っ取り早い。
が。
「…埃被っておるぞ。これ。」
近くにあった装飾の時計。
見えたのは時刻ではなく段差。
綺麗な茶色をした木目の上に白い埃がこれでもかと言うほど被っていた。
「…使われてない。と言う事か。」
時計が日時計か電池式かはわからぬが、きちんと動く辺り10年20年放置されているわけではないのだろう。
恐らくは1ヶ月2ヶ月と言ったところ。
「誰も来ない、と考えたほうがいいかのぅ…。」
そうつぶやくのも、仕方のないことではある。
ご案内:「常世大ホール」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
■櫛鉈 蛟 > 「あ~~この辺り来んのもクッソ久しぶりだなぁオイ…」
ボヤき交じりの独り言を漏らしつつ、口の端に火の付いた煙草を咥えながら足を踏み入れる。
訳あってこの近くで【お仕事】を引き受け、それを終えた帰りの道すがら。
さっさと塒のある落第街やスラムなり、娯楽に溢れる歓楽街に赴くのも良かったが。
「……あン?」
単なる気紛れで訪れてみれば、どうやら先客が居たらしい。
咥え煙草のまま、サングラスの奥の赤い蛇眼を細めた。
目を細めて先客の方を数秒、観察するように凝視していく…。
「――見ない顔だな…つーか、何だあのカッコ?」
女だ。そしてマントだ。まぁ、それはいいが問題はマントの下だ。
チラッと見えた限りでは…どう見ても下着の上下っぽかった気がする。
(……まさか新手の痴女って訳じゃあねぇよなぁ)
何気に失礼な思考である。
■リリー > 「………?」
自身の「能力」に思考の…人の気配が見えた。
そちらに視線を向ける。
ライダースジャケット。サングラス。
ろくに手入れもしてなさそうなぼさぼさの黒髪。
その以下にもイケてます系の服を窮屈そうに筋肉が押し上げているのが、この距離でもわかる。
タバコを咥えながらこちらを見る視線。
「視」れば、動揺、疑問の感情が乗る視線がサングラスの下から飛んできているのだろう。
「なっ…ななななななぁっ!?何よその格好!」
思わず素になり素っ頓狂な声をあげる、変な格好をした少女。
三つの三角形とマントと、この距離では見えない程の細い紐で構成された格好で「その格好はおかしい」と言う顔をしている。
「なんじゃなんじゃなんじゃあ!?この我に何か文句でもあるのか!?」
■櫛鉈 蛟 > 「……?」
何だか知らないが、こちらの内面…思考、いや感情を探られている気がする。
それは漠然とした感覚で、魔術や異能を使った訳ではない。そもそも男はそれらを使えない。
「…いやいやいやいや、お前さんのカッコの方がむしろ何よ?眼福だけどよ…」
一方、こちらはこちらで無駄に落ち着いたマイペースさ。煙草を咥えて尚も少女をガン見中。
(…つーか、身長の割りに胸はデケーなこのお譲ちゃん)
無駄な観察眼で無駄な洞察を発揮しつつの内面の呟き。
相手が新手の痴女なのか、コスプレ好きの娘なのか、それとも別の何かか。
考えるのも億劫なので、無造作にそちらへと暢気な足取りで歩み寄っていく。
「文句はねーけど、そんな格好で人通りの多い場所でウロついたら…下手したら通報されるぜ?」
■リリー > 「か、かかかかっ、かっこいいじゃろうが!?」
ぴょん、ぴょんといかにも怒ってますと言わんばかりに跳ねる。
それに釣られて彼女の持つ二つの山脈も存在を激しく主張する。
「い、いいじゃろうがマント!これ、龍から剥ぎ取った素材で作ったんじゃぞ!?」
彼女の言う事は事実である。
空を翔け、大地を割り、炎で焼き尽くす。
この世界にも龍が居るのかは知らないが―――
少なくとも多少なりとも戦闘に関わった事があるものなら、つけているマントの上等さはわかるはずだ。
なお、下着もどきは上司が買ってきた市販の物である。
「人通りも何も、ここは我らしかおらんじゃろ。まさか貴様が不埒な事を考えているわけでもあるまいし?」
ろくに「視」たわけではないが、戦闘自体はかなりのレベルではあるが俗に言う戦闘狂の類ではないのだろう。
「大体、人通りが何だといわれても、我は今日始めてここに来たのだぞ?
寧ろ通報して誰かに会わせてくれと頼みたいレベルじゃ。」
■櫛鉈 蛟 > 「……いや、むしろエロいんだけど。」
基本、嘘や誤魔化しなど面倒なのでストレートに言うタイプ。
なので、真っ向から正直な己の感想を返していく。
と、いうか仕草が子供っぽいし、飛び跳ねると山脈が自己主張凄いんだが。
当然、そこはきっちりサングラス越しにガン見はしておく。それが男だ。
「あ?龍種から剥ぎ取った?…つぅと、結構上等なマントって事か」
成る程な、と相槌を打ちながら少女のマントを改めて眺めている。
まぁ、そうしていても自己主張の激しい山脈やら、どう見ても下着!な格好にも目が行くのだが。
「不埒も何も、俺だって仕事帰りに偶々立ち寄っただけだっつーの。
それに、そこらの輩なら叩きのめせそうだしなぁお前さん」
目を細めて告げる。彼女の実力は未知数だが、個性的な格好だけではない。
少なくとも、直感が告げる範囲では中々に手強い戦闘能力を持つ、という推測。
だからこその先の言葉のような感想が漏れるわけで。
ちなみに、戦闘は嫌いではないが自分から売る事はしない。面倒だからだ。
「……あ?初めてっつーと…島の外から…いや、もしかしてアレか?異世界から来たっつーノリか?」
彼女の言葉に訝しげに眉を潜め…が、直ぐにピンと来たのかそう尋ねようか。
■リリー > 「お前は…いや、いい。」
堂々と言い放つ姿は自身の上司を思い浮かべる。
あのドスケベアホのようにここまでストレートに言われると、一周して潔いとさえ思える。
なおそのマントの下のほぼ下着。
服飾の道の人間でなくとも名前を知る超有名店で買ったものだ。
魔力増幅や防御強化、自動復元、魅了強化等様々なパフ効果がかかっていて。
王族や大手貴族が自身の妻にプレゼントする最高級の貢物とさえ言われている。
「い、異世界かぁ………。はああああああああ………。」
とはいえ、この世界にはその店も、その価値の高さが分かる物もいないようだが。
うすうすは予想はしていた。
だが思い出すように言われたと言うことは、この世界ではよくあると言うことであり、もしかしたら仲間もいるのかもしれない、ということ。
「そ、そっかぁ…ぬぁー…。」
とはいえ、何の慰めにもなっていないようだけれど。
その場に座り込んだあと、なにが見えるのも気にしないで大の字に寝ころがる吸血鬼。
人の目などまるで気にしてないかのように嫌だ嫌だとごろごろと現実を直視しようとしていない。
■櫛鉈 蛟 > 「…と、いうか俺でなくても普通に男にガン見されると思うぜそのカッコ。
まぁ、お前さんが気に入ってるなら、俺は別にそのカッコだろーが文句ねーけど。
それに、詳細は知らねーが、その下着…実はかなりの上物だろ?」
ツッコミこそ入れたが、彼女の格好そのものにケチを過剰に付けるつもりはない。
そして、異世界の下着に付いては当然知らない。…が、その作りが一級品だとは観察眼で見抜いていた。
「おぅ、この世界つーか、この島では珍しくも何ともねーな…異邦人街っつぅ、異世界の住人が暮らす街もあるくらいだぜ?」
と、簡潔にそう答えながら…なんか座り込んだかと思えば寝転がる娘。
羞恥心があるのか無いのか、どっちなんだこの女は…マントで隠すのにも限度はある。
と、いうか自己主張抜群の山脈が、寝転がる事で逆にハッキリ窺える訳だが。
そんなこんなで、何時の間にか少女の傍まで歩み寄ってきていた男。
煙草を咥えながら少女をサングラス越しに見下ろしていて。
「取りあえず、この島の法的機関代わりの連中に保護して貰うしかねーかもな。
一応、そっちへのツテはあるがどーするよ?それが嫌なら、スラムとかで暮らすしかねーけど」