2018/11/03 のログ
ご案内:「常世大ホール」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 > がらんとした大ホール。土曜祝日とあって日中は多くの催し物が行われていた。
それは夜間であっても同様で、つい先程まで有志によるクラシックの演奏会が盛大に行われていたところ。
スポンサーも多く、客層が裕福だったこともあり、演奏会終了後は送迎の高級車が列を成して大ホールの前に横付けされている光景が見られただろう。
そんな喧騒とは無縁のホール内。既に幕は下り、機材などの片付けも終了し、僅かに残る熱気だけが演奏会の余韻を伝えている。
そのホールを見下ろす所謂貴賓席で、端末片手に言葉を紡ぐ己の姿。
「……今更穏健派の横槍が入ったからと言って泣き言を言ってどうする。十分に予想できた事だ。その為の予算も対策もあっただろう。………厳しい状況なのは理解している。だからこそ、威圧的な任務を行うべしというのが上の意見だろう。それを汲まないでどうする」
苛々しています、といった様子ではあるが、その感情を抑え込んで淡々と言葉を続ける。
「…ああ。此方は礼の演奏会が終わったところだ。この演奏会だって、相応に金を出している。裏方からの支援はしてやるから、実働部隊は何とか工面したまえ。どうしてもというなら、私が話をつける。また明日連絡する。今夜は君も休むと良い」
半ば強引に通話を打ち切ると、深い溜息と共に端末を懐へしまう。
貴賓席から見下す舞台は、空調が効いていても何だか薄ら寒いものを感じてしまうだろう。
■神代理央 > 薄暗い貴賓席で何気なく演奏会のパンフレットに目を落とす。
豪華な装飾の施された質の良い紙で作られたパンフレットには、参加者のプロフィールや指揮者の来歴が細かく記載されている。
最後のページにはスポンサーとして金を出した者達の名前も載っており、その中には勿論風紀委員名義ではあるが自分の名前も記載されている。
「文化的活動に協力を惜しまない風紀委員会です、とはとても言い切れたものでは無いがな」
所詮、攻撃的な任務に対する批判を交わす為の捨て銭に過ぎない。本当にそういった活動を行うのなら、志を持った部活動を応援すれば良いのだから。
これは島の有力者達へのアピール。といっても、スポンサーの殆どがそういった面々なので余り気にする必要も無いかも知れないが。