2015/08/05 のログ
ご案内:「転移荒野」にテリメーラさんが現れました。
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ご案内:「転移荒野」にテリメーラさんが現れました。
ご案内:「転移荒野」にテリメーラさんが現れました。
テリメーラ > うだるような暑さが残るお昼過ぎ。
お日様は先ほどてっぺんをすぎていったところだ。

そんな中、小さな池を独占して、水浴びをする真っ白な竜の姿。
一人用の雨雲をシャワー代わりにして、爬虫類特有の目を、うっとりと細めている。

テリメーラ > 一応人の姿では毎日水浴びをしているし、時には女子寮のお風呂を借りてしっかりと、洗ってはいるけど、なんかこう、鱗の間とか洗えてない気がして、ということらしい。

彼女の鱗のように真っ白な綿雲が、身体を独りでにごしごしとあらっていく。
…実際には竜の鱗に雲が勝てるはずもなく、表面の汚れしか落ちていないが、そう、気持ち、気持ちの問題なのだ。
現に彼女は、人間だったら鼻歌でも歌いそうな楽しげな顔をしているのだ。ほとんど読みとることは難しそうだが。

ご案内:「転移荒野」にウェインライトさんが現れました。
テリメーラ > 大人しい草食動物達が、「のどが渇いた」とでも言いたげに池をみるが、当の本竜は我が物顔でまったりまったり身体を洗っていく。
野生動物だというのに、呆れたマイペースだ。

ウェインライト > 靴音が高らかに木霊する。
小さな池の畔に一つの長駆が現れた。

燃え上がるような金の髪/融かし尽くすような赤い瞳/蕩けさせるような美貌

「陽の光に照らされた白き鱗。なかなか様になる美しさだね」

周囲の動物たちが吸血鬼の道を作る。
その道を歩むようにしてからウェインライトが目を眇めた。

テリメーラ > ゆっくりとこちらに歩いてくるのは…人、だろうか。
動物達の様子がなんだか、人と相対したときのそれに見えない、と感じつつも、野生をどこかにおいてきてしまった彼女にはその程度だった。

いつもであれば、びくっと身体を揺らし驚いていたのだろうか。
突如現れたにも関わらず、落ち着いて対応できたのは、美貌に頭が真っ白にされてしまったからかもしれない。
賞賛に対して、感謝を伝えるようにもじもじと頭を下げた。

ウェインライト > 頭を下げる白竜。
視線を返す赤い瞳。

畔の小岩に腰掛けて、ウェインライトは足を組む。

「気にしないでくれたまえ。僕も涼みに来ただけさ」

湛えられた艶やかな笑み。
身体を曲げて頬杖をついた。

「竜か、久々に見かけたね。雲を操るのは実に珍しい」

赤い瞳が白竜を見据える。
欠け月のように細められた光がじっと彼女を照らしていた。

テリメーラ > 気にしないでくれ。
と、言われたものの、じぃっと見られるのは恥ずかしい。
その上、動物のくせに、何を今更とおっしゃる方もいるかもしれないが、普段は服を着て生活して、現在は自分が服を着ていないことを強く意識してしまう水浴び中。なんだか心がとってもむずむずしてしまう。

そして、そのまま、身体を隠すように伏せの姿勢。
池からはみ出た首も尻尾もぺったりと地面につけて、欠け月のような目を、恥ずかしそうにじっと見つめ返す。

ウェインライト > 「これは失敬。ミスの水浴びを眺めるものではなかったかな!」

美を愛でるためのウェインライトの審美眼。
それが彼女の性別を確かに見抜いていたようだった。

だからウェインライトは立ち上がる。
そのまま背を向けようとして、

「あ」

苔生した岩に足を滑らせた。

吹き上げる水柱/重く響く着水音/水底に突き立つウェインライト

そう、ウェインライトは死んでいた。

#死因・犬の神的な人々

テリメーラ > やってみるものだ、いいたいことが伝わるなんて
という驚きだとか、
何でメスだって解ったんだろう…まさか!見られちゃった…?
なんていう疑問は一瞬で銀河の果てに吹き飛んでいった。

自分が急かしたせいだろう。
美しき謎の訪問者は、にしお○すみこの一発芸よろしく池に突き刺さっていた。

よし!を言われた犬のように、伏せから飛び起きる。
周りをいくら見てもこんな僻地に助けてくれる人が居るわけもない。
この人は僕が助けなくてはと、心に強く思うテリメーラ。
時すでに遅しということも知らず、必死に考える。
甘噛みで引っこ抜くべきか、尻尾でつかんで引っこ抜くべきか。
それとも、一度人の姿になるべきか。

その案で行くことを決めたらしい。
みるみると身体は縮んでゆき、角としっぽを残し少女のすがたとなる。

そして、水しぶきをあげ駆け寄っていく。
ああ、こんなときに限って携帯電話は巣において来てしまった。

ウェインライト > 死んでいる。徹頭徹尾、死んでいる。
5・7・5調で刻まれる残酷な真実。

その肢体を引き抜けば、その死に様を確認できることだろう。

モザイクがかった死体。
良い子が見ても安心仕様。
しかしながらどうしようもないほどに死んでいる。

誰か人を呼びに行くだろうか。
それともその場で立ち尽くすだろうか。

どの選択肢を取ろうともウェインライトは死んでいる。

だが、彼女がまばたきをしたそのほんの一瞬の間に死体が掻き消える。

いつの間にか消えていて/はじめからそこに居なかったかのように

真夏の陽炎のように不確かに消えたその姿。
同時に彼女の後方、対岸の畔から打ち鳴らされるフィンガースナップ。

「すまないね。少し足を滑らせてしまった!
この美しい僕としたことが、ミスの手を煩わせてしまったみたいだ」

自らを掻き抱くようにしなを作ってウェインライトは立っている。

ご案内:「転移荒野」にテリメーラさんが現れました。
テリメーラ > 白いワンピース姿の少女が恐る恐る引っこ抜いたソレは。
なんとなく勘でわかる。最早息をしていない死体。
生きている者にあるはずの何かがすっぽりと抜け落ちてしまった物。
狩りを行う動物故、見慣れていない訳ではないのだが…
 否、モザイクのかかったお子様向けの死体など初めて見た。
今更手遅れだろう、死体を元通りにぶっ刺して、そっと目を閉じる。

あっという間にすっ転んで死んでしまうとは。
自分のせいとはいえ、今は呆気に取られて冥福を祈るコトしかできなかった。

と、思いきや、突如先ほどまでの声が聞こえる。
目の前で主が死んでいるというのに、その声が。
そして、眼を開いたその場所には何もない。

動かない、死体となった、その人は
 なぜか遠くで ぴんぴんしてる。
といった塩梅だ。

度重なる不思議すぎる現象にぽかんと口を開け、そちらを見ている。
「だ・・あれ・・今・・アレ・・?死ん・・あれ・・?」

ウェインライト > 「死してなお美しきこの僕に驚いてしまうのも無理はない」

繊細な睫毛を震わせてつぶやくウェインライト。
陶酔気味にステップを踏み、流し眺める白竜の姿。

その姿は紛れも無く健康だ。
ほの赤く色の浮く白い肌。身体の熱が口から吐き出された。

「今の僕は少々特殊でね。すぐ死んでしまうが、すぐ生き返る。
世界の美たるこの僕の損失に怯えることはないよ、ミス!」

絶対なる自信のもと手を広げて行われたのは高らかな宣言。
ウェインライトによる心の底からのものだった。

テリメーラ > 目の前で起こる超常現象。
この学園に居るからには、大抵の現象が『HAHAHA、何を今更驚くコトがあるんだィ!?』となりそうな物だが、目の前にいるのは、この世のほぼ全てに等しく訪れる死をも乗り越えた何か。
人間に比べれば長く生きる竜ですら、本能的な畏敬を感じるのであった。

少なくとも彼女には、すごいなぁ…という小学生並みの感想しか持てなかったわけだが、その言葉をぽろりと口から出し、小さな両手で拍手をした。
その顔は、嘲笑うでもなく、恐れるでもなく、思考が追いつかずにただただ茫然としていた。

ウェインライト > 「シンプルな賞賛痛み入る。
お初お目にかかるね、ミス。僕は最も優美で最も華麗なウェインライト!
是非僕の名、そしてその美を讃えてくれたまえ……!」

少女の姿もその正体も知っているかは定かではない。
しかし知っていたとしても些事だと笑い飛ばすように自らを賛美する。

自信たっぷりにもう一度指を鳴らすと、くるりとターン。

「名前を聞かせてくれるかな、白き鱗の君。
陽に照らされ水に煌めく鱗はなかなか美しかった」

感極まったかのように/芝居がかった様子で

一礼しながら彼女を讃える。

テリメーラ > 褒められているのはわかるのだが、まだ超常現象を目の当たりにした後遺症は深いようで、よそよそしい態度をしてしまう。

「はじめまして、ウェインライトさん、テリメーラ、です。」
優雅で滑らかなくるっとターンからの一礼に対して、こちらはまるでロボットがやっているかのような、ぎくしゃくとしたぎこちない礼を返す。

挨拶の時くらいは、笑顔を見せようという意識すら、頭からすっぽ抜けているようだ・。

ウェインライト > 「これはしたり!」

相手のぎこちない姿に身体をのけぞらせて顔を覆うウェインライト。
ネジの抜けた聡明な頭脳が今の事態に気づいてしまう。

「緊張するのもムリはない。
そもそも僕は背を向けようとしていたのだから」

その途中で足を滑らせてしまっただけだ。
彼女の水浴びを邪魔してしまうことは実に美しくない。

美しくない行為で血が喉から登ってくることを我慢しながら背を向ける。

「邪魔したようだね、ミステリメーラ。
もし縁が合うならまた会おう。
次はお互いの美に正面から向き合えることを祈っているよ!」

高笑いを腹から発するウェインライト。
そのままゆっくりと転移荒野から去っていく。

両性でなければただの覗き魔の変態であった。

ご案内:「転移荒野」からウェインライトさんが去りました。
テリメーラ > そう、まさに嵐。
突然に現れて、突然に去って行った。

小さな声で
「さよーならー・・・」
と呟き頭を下げる。

ウェインライトさんの居なくなった池には、そんなテリメーラがポツリと取り残されるだけであった。

次に会うときは、もう少しちゃんとおしゃべりできるような態度を取らなくては、と思いつつ、まだまだ世界は広いなぁ、と改めて痛感させられるテリメーラであった。

テリメーラ > なんだか、どっと精神的な疲労が溜まった気がするので、池のほとりに腰掛け、少し休憩することにした。
あまり長い時間水に浸かることはよろしくないので、日向ぼっこも兼ねて。

(こんなことが有った時のために、みんなが“携帯もっておきなさい!”って言ってくれたんだなぁ…)
と、風に揺れる葉を見上げながら思う。

テリメーラ > (うーん、無事でよかったって言うべきなのか…なぁ…。)
ふあぁぁと溜息をついて。
濡れると壊れちゃうよって言われたから持ってこなかったけれど、
それでも手元にあるべきだったようだ。

水浴びの続きはそれを取ってきてからにすることにしよう。
こくこくと一人で頷くと、ちいさな雲に乗り、空の彼方へと消えていくだろう。

ご案内:「転移荒野」からテリメーラさんが去りました。