2015/08/07 のログ
ご案内:「転移荒野」にギルゲイオスさんが現れました。
ギルゲイオス > (昼も過ぎた頃合い、ジリジリと荒野に太陽が照りつける中。
再び自分が墜落した地点へと、向かおうとしていた、のだが)

…………
(岩陰に隠れる魔王様)

…………アレは、何であるか。
(疑問を呟く声は、とても小さかった。
周囲に響き渡るのは、大きな足音。
先ほど一瞬と見つかったせいもあり、どうやら此方を探しているようだ)

(二本の大きな足で歩行し、手にあたる部分は体格に見合わず小さい。
大きな頭部と顎を備え歯は鋭く、全長にして13m程の巨体。
魔王様はその名前を知らないが、例えるのならば『ティラノザウルス』
恐らくは、門から呼び出されて来たので、あろうが)

ご案内:「転移荒野」に蒼穹さんが現れました。
蒼穹 > (夏真っ盛り。
―――夏が最も暑いのは、昼ではない。
昼過ぎだ。太陽が一番空のてっぺんに登る時間は2時頃。
さて、今はこの荒野はもはやどちらかといえば砂漠と言うべき様な気候になっているのかもしれないが…。)

………。

(さしづめそれは大きな問題にはならなかった。)

あ、あっれー?おかしいなぁ、
………ジュア紀にタイムスリップした?

(どうみても恐竜と言うべき見た目の何かがそんな砂漠を闊歩している。
遠く、遠く、遠くからでも分かるが―――凄く、大きいです。
流石転移荒野、何があるか分かったものじゃない。混沌そのもの。
目測で…少なくとも、10mはありそうだ。)

…でも、かっこいいなぁ、あれ。
それに、面白そう…!
(どずぅん、どずぅん、と一歩踏み拉き歩くたびに、
荒野をその強靭な足が打ち据える音が響く。ここまで聞こえるくらいには大きいだろうか。
尚、岩陰の魔王様と己、彼我の距離は…結構ある。それに、まだこちらは気付いていなかった。
なにせ、その恐竜という存在が圧倒的にインパクトが強いが故に。

二人の再開を喜べるか、それとも、恐竜が暴れて台無しになるか―――。)

ギルゲイオス > 翼は、無かった様であるが……ドラゴン、にも似ていた気がするの。
地竜、とでも言った所、であるが……
(そっと、覗きこむ。
唸りを上げて周囲を見渡す、その眼光)
超おっかないのである。
(見つかる前にささっと再び隠れると、感想が思わずと小さく口に出た)

しかし、ここを抜けねば目的地へは辿りつけぬし。
さて、どうしたモノかな。
(1、倒す。2、突っ切る。3、諦めて逃げる。4、説得する)
1は、あ奴も不意に飛ばされてきた被害者であるし、無用に手を加えるのは避けたいのだが。
2は……我の魔術で、どうにかできる、か?
3は一先ず置いといて。
4は、言葉が通じる気がせんのである。
(思案を巡らすその合間、ちょいと気を逸らしすぎたらしい)

……おぉう?
(割と近くから感じる、生暖かい呼吸。
ぴちゃりと頭部にしたたる、粘液状の物質)
………………
(ゆっくりと、視線を上へと上げれば。
自分を丸のみできそうな程に大きく開かれた口と、並ぶ鋭利な牙)
……………………今日は、暑いので、ある、な。
(咄嗟に4を試みる魔王様。
口元も思いっきり引き攣ってるぞ。
軽くと挨拶代りに片手をあげたその、直後)

ぬぅおっ!!
(5、現実は非情である。
巨体が噛みついてくれば、咄嗟に後ろへと飛び退いて。
魔王様の顔が更にと引き攣る)

ひとまず、ここは!
戦略的撤退!!
(ダッシュ、全力でダッシュ。
そして、『ティラノザウルス』の様な生き物も、足音を響かせて追いかけてくる。
まるでどこかの恐竜パニック映画の様な光景だ。
なお、一人と一匹が走る方向は、蒼穹が居る辺りである。
お互いにまだ気づいてない状態だけど)

蒼穹 > ほう…。
(強靭な竜が、明らかに「獲物を狩る目」をした。
何だろう。こうも獣が殺気をむき出しにするとは恐ろしい。
といっても、別に己は恐れないのだが。
まるで何かのアトラクション。因みに龍の目的の岩陰の下に誰がいるかはまだ知らない。
ただ、口をあんぐりと開けて、
下品にも涎を垂らしたのが分かった。
ああ、あれはこの転移荒野に竜の餌も一緒に紛れ込んだのだろうか。
絶対に捕食体勢だと察する。)

ひゃー?!何か来たー!!
(コメディを思わせる。
両手足をぶんぶんと振っているであろう魔王様のその姿は漸く己の目に映った。
まるで部下のドラゴンのエサやりにでも失敗したような、そんな光景。
肉を食わせようとしたら俺はベジタリアンだと激昂した、そんな感じ。
まるで空想的なその状態、ああ、これはきっと流れに乗ったら楽しいな。
こんな楽しい事は―――。)

やっほー、ギルー!何してんのー!?
(―――避けてたまるか!
この間は大きく見えた魔王様の体も、恐竜と距離感の所為で小さく見える。
それは、間違いのない、巨躯。
此方の方に走ってくるなら…どうせなら、このビッグな流れには乗るしかあるまいと。
何故かその場で一人と一匹が来るのを待つのだった。
何を考えているんだろう腐った邪神様。)

ギルゲイオス > ぬぅおぉぉおおおおお!!!
(灼熱の転移荒野にて、長い手足を全力で振り抜き疾走する魔王様。
と、魔王様を捕食するべくこれまた全力で追いかける巨大な生物。
どこぞの猫とネズミの追いかけっこみたいに可愛いモノではなく、どこからどう見ても食うか食われるか、そんな様相である。
飛べばさっさと逃げる事は出来るのだが……何か、お約束のような力が働いているのかもしれない。
謎の巨大生物と遭遇した事と、ものっそい追いかけられている事に、ふと対処を間違えてしまった様だ)

って、ソコは危ないのである!
早く逃げ――
(人の姿が見えた。
どうやら、女性らしい。
全身から汗を流しながら、声を張り上げる、が)

げぇぇぇえ! 破壊神様!!
(前門の破壊神、後門の恐竜。
何この絶望感。
とても、とても、危険な流れを感じる)

やっほーって、余裕であるな!!
いや、まぁ、破壊神ってそういうモノなのかも知れぬがっ!!
(必死に声を上げて逃げる魔王様、追いかけるティラノザウルスっぽい生き物)
見たまんまである!!追いかけられているのである!! 食われそうになって――おぅあ、あぶね!!
(迫る気配に反応して、跳躍。
振り抜かれた牙が、身を僅かに掠め。
一人と一匹、そして邪神の距離がすぐ近くに)

蒼穹 > やー、ギル。…マラソン大会?
(どうみてもその雰囲気ではない。
生と死の境界をなぞり歩く様な、正しく肉弾戦の死のレースである。
魔王様ってこんなキャラクターだったろうか。
魔王様なら「不躾である、我に従えッ!」との一言で屈服させていそうなのだが。
彼にも彼なりの事情があるのだろう。
しかし、この暑い中、…大分走りつかれてしまっているようだ。
それが、疲れていなくとも、大声で叫び、全身から汗を流して居る様子はとても疲れているように見えた。
炭酸飲料でも差し出したい気分。)

はーい、破壊神様だよー。
元気してたー?
(手を振ってご挨拶。
このまま世間話でも興じてしまいたいのだが今日は他にもお客がいた。
しかし、この転移荒野。
予想外のお客様が紛れ込むことが多い。だから、この地に来るのはやめられない。
異界に住む魔王様と、現世に生きる暴君竜。
二人の王の壮大な激突。いや、激突というか、追いかけっこ?)

いやぁ、破壊神ってのは、そういうもんだよ。
私も面白い事がないと退屈しちゃうんだ。
ま、魔王様…が、頑張れ。ファイトっ!!
(龍が一撃ぶちかます。
あわや魔王様に刺さってしまいそうなほどの肉薄。
ああ、これが弱肉強食の摂理か。
闘技場や演習では決して得られないスリル。
路地裏やスラムには決してない、ただただ本能のままに生きる動物《ケダモノ》。
それは、きっと、ティラノサウルスではない。
例えそれがティラノサウルスであったとしても、この場においてはそれは魔物であり怪異。
この世の絶対悪。本能のまま食を求めて殺戮する存在そのものが悪たる化け物。
殺気の籠った眼差し、一切合切の躊躇もない牙。)

いいよね…獣は。
(少し、そういう本能のまま生きるという存在も羨ましい、と思うと同時。)

大丈夫?ギル。
…大分デカイのと鉢合わせたね。
これは厄介だよ、何せでかいから。…いける?さっき一発貰ったみたいだけど。
(戦る気満々に、すぐ近くの彼へと駆け寄る。

それから、その彼と愉快なコメディを繰り広げてくれた恐竜を見上げよう。
近づけば、より一層分かる。
一匹の巨躯。すぐそこの2m弱の魔王様をゆうに超える巨大な龍の覇気。
荒い息と、それに伴って滴り落ちる汚れた水。
ああ、これ、ひょっとして私も食い物にしたいのかな?なんて心中で笑うが。
彼の方は大丈夫だろうか。
あの鋭い刃の様な歯は、一撃であっても普通なら捻じ切られてしまいそうだと、
それは誰にでも分かることで。さっきの一撃は、その大きさも相俟ってまるで当たったように見えた。)

ギルゲイオス > そんな呑気な光景であるかなぁこれ!?
いや、マラソンが呑気ってのも選手に失礼で、ある、がっ!!
(必死になりながらも、律儀に突っ込みをぶつけていく魔王様。
実際のところ、巨大とはいえ竜などの幻想ではないただの生物と、平和な世界出身とはいえ魔王。
その気になれば、文字通り一撃なり一言なりで決着がついても、おかしくない実力差、ではあるが。
『なんか追いかけられる展開の方が面白そう』という世界の意思が働いてしまっているので仕方ないのである)

元気はしてたが、一瞬油断したら次の瞬間には元気じゃなくなりそうであるな!!
(貪り食われるという意味で。
さしもの魔王様であっても、巨体に追いかけれられては息も切れてくる。
これだけ逃げられる分、むしろ驚くべき健脚、ともいえるのだが)

邪神という名に偽り無し、まさに混沌の――というか、応援してる暇があったら助けて欲しいのであるがっ
(牙に僅かと触れた魔王Tシャツが破れると、布地が乾いた空気に舞う
幸いにも、怪我は負っていない。
もっとも、所持枚数の少ない魔王Tシャツが1枚、コレでお亡くなりになってしまったが)

何を呑気にしみじみと……
(相手の呟く声に、疑問を浮かべる暇……は、無い)
流石にここまでデカいのは、我の世界でも珍しい。
今のところ、怪我が無いのは幸い――ぬぉ、ぱっ!!
(此方へと駆け寄ってくる蒼穹との擦れ違いざま、迂闊にも足を絡ませ転がる無様。
荒れた地面を転がれば、すぐさまに、恐竜の足が振り下ろされ)
あっ、ぶっ!!
(紙一重、避けたのか、外れたのか。
巨体から繰り出される圧力を間近に感じながら、追跡者の後方に出る)

(追いかけていた獲物の姿が視界から消えようとも、巨体の走る勢いはそうすぐにとは失われず。
大きく広げた顎、あらわとなる牙。
恐竜にとっては、もしかしたら『幸運』にも表れた、新たなる獲物へと襲い掛かる)

蒼穹 > …いやちょっと待とうよ?
普通に考えたら勝てると思うけどなぁ。
(コメディである。お約束なのかもしれない。
追いかけられているのがただの男性ではなく魔王様であるから滑稽。
しかも、服に魔王と書いてあるではないか。お約束、フラグという宇宙的な意思は凄いと思う反面、
魔王の威厳は何処に言ったのかと悠長に腕組み。)

元気してたなら幸い。すっごく元気そうじゃん。
(魔王様ならきっとベ○マとかそういう回復呪文も持ってそうなものだ。
それに、6倍はあろうかというサイズの差で、よくここまで逃げ切ったとも言うべきか。
ガリバーと小人が追いかけっこしてどちらが勝つかなど明白。
だが、そのサイズの差をひっくり返せるほどの能力はあるのだ。
…何故、彼は戦わないのか。正面からぶつかったとしてもまぁ勝てるだろうに。)

私は混沌じゃなくって寧ろ単純なんだけどなぁ。
…そう?ギル一人で十二分じゃない?
(跳躍の際、踊り見えたその横姿から察するに、
彼は避けた。あの一撃を。あの強大で巨大な、殺戮の牙を。
正しく紙一重と言うべき身のこなし。)
勿体ないね。これ。
(布の一旦に、魔から遊離した鬼と書かれたその一欠けらを右手でふわりと絡め取る。
…彼は着替えを持ってきているのだろうか。
いや、涼しいから良いのかもしれないが、流石に転移荒野でもその格好は…。)

…あはは。なんでもないさ。
(ただ、本能のままずっと生きられれば。
それは、きっと楽しいのだろうと思った。それだけ。)
化物だね。流石。
あれ?いないの?こう…50万トン級のモンスターとか。
…いやぁ、楽しくなってき…お、おいおいっ?!
(今までずしんずしんと音を立てていた足が、いよいよこちらに。
荒野の土が、足を中心に捲れて、大地が揺れる。
存在しているだけで圧倒されそうな威圧感だが、それでも己は楽し気である。
異界の魔王様が恐れる様な化物なんて、とてもじゃないけどお見えにならないよね、とにやり。)

やぁ、暑いねぇ。
…あ…やる?
ん、じゃあちょっと遊ぼうかな。
(龍に、きっと挨拶は当然通じない。
何故か魔王様の二の舞を踏みながら悠々とご挨拶。陽気に片手も上げてみる。

―――こいつは、本能で生きている。
だから、己と同じで恐れを知らない。暴君だ。
少しでも魔力を感じたり、考えることが出来るならば、己に襲いかかる事なんてしないはず。
いや、もし、己がどういう者か分かった上で襲い来るなら、それはそれで暴君だ。
大きく、無遠慮におっぴろげた顎。相変わらず滴る汚水。
肉を切る為だけにあるかのような悍ましい牙。
どれをとってもスリリングで面白いものだ。弱肉強食。その頂点に君臨している存在。
吐く息はなまぬるく、夏の暑さを想起させ、ここが砂漠めいた空間であることを知らされる。
逃げることは不可能。それに、逃げるなんて面白くない。)

やるしか―――ないよね!
(びしり、と人差し指を恐竜に突きつけて、尚も笑った。
要は、魔王様の御前にて大見得を切った。
己がしたことは、…それだけ。)

ギルゲイオス > ………………
(至極真っ当な言葉に、訪れる沈黙)
……なんで我、忘れていたのであろうな?
(首をかしげる。
『逃げる』が先決に来ていて『倒す』が完全に抜け落ちていた。
「混沌の意思」とか、「ギャグ時空」とか、そんな世界に魔王の威厳は消え去っていた模様)

勿体ないのであるな。
ぬぅむ……数が少ないので、あるがな。
(器用な場所でちぎれたモノである。
そして背中丸出し魔王様。
なお、当然だが着替えは無い……が、魔王の身嗜み、を使えばまだマシか)

大型のヤツはおるにはおるが、そう言うのは余り人の前に姿を現さんからの。
人里離れた場所で、独自の生活をってのが多いのである。
(そもそも極端に体格差があると、ろくずっぽ生活もできない。
それもそうだ、歩いただけで踏み潰しかねないのだから)
……なんか悪い笑みを浮かべているのである……
(何を想っているか、までは分からないが。
みっつの瞳でじっとりとした半眼を送る)

やるしかないよね、って……つまり、我にやれという事であるか。
(指を突きだしてはみるものの、それ以上と何かする気配も無い。
一つと息、吐き出して)
レイヴン!
(黒い、微細な粒子が魔王の周囲に舞って散り。
一足、地面を蹴り出すと恐竜の体躯を超える程に、跳躍。
戦闘用の飛翔魔術。重力制御と風による推進を得ると、位置するのは相手の、直上)

多少は加減するが、――恨むなよっ
(見下ろすままに右手、強く握りしめる)
純然たる破壊、暴虐の乱舞――
(周囲に浮かび上がるのは、圧縮した魔力塊が5つ。
狙い定めるは、頭部から背中の中ほどまでにかけて)
アブトレージッ!!
(魔術は声を基礎として、術式を形成。
発動し、解放される。
連打にして、乱打。
瞬間にて数十撃。
高度に圧縮された魔力の塊は、物理的破壊力を伴って。
幾度も幾度もと巨躯へと叩きつけられ、その衝撃に砂塵が舞いあがる)

蒼穹 > それは私が聞きたい。
言っとくけど私、魔王様みたいなオーラ出せないからね。あれで威圧するのも良かったんじゃないかな。
(暫し、己も沈黙した後、やや呆れかえった風にギャグの世界から帰ってきた魔王様を迎える。
彼の吹き出したあのオーラは、魔王を魔王たらしめるものの一つなのだろう。
それに害はなくとも、魔王としてある者の拘り。それは純粋に良いものだと己は評する。
が、しかし。…大きさに感けて完全に逃げ腰の魔王様はあまり格好良くは見えないのは自明の理。)

…ま、今度買いに行けば?
あ、「邪神」とか書いてるTシャツ欲しい!売ってる?!
(何と人のファッションを丸パクリしようとしているのだった。
因みに、この服装は…格好良いと思う。変なところで千切れた布きれはポケットにしまった。
鬼と書かれた欠片。)

そうだね、大きい者は大きい者同士、なんだろうね。
もしかしたらさ、この恐竜も、そんな大きい者同士の、
独自の生活ってヤツから無理矢理引きはがされてきたんじゃないかな。
(だから今、こうして小さい者を、小さいという理由だけで踏み拉き、襲いかかっている。
彼の言う事はつまり、こういう事なんだろう。
大きい者が出てきたらこうなると、今目の前の事象がそれを示していた。
ただ、大きさ関係はこちら2人が負けているが、きっと力関係はこちら2人が勝っている…筈。)
あっはは、…気にしない気にしない。
要はさ、楽しそう。…それだけ。

いや、…私も殺してしまえって命令されたら何時でもやるよ。
でも、コメディ面でR-18Gの映像が流れるなんて良くないでしょ?
…私は、ちょっとスイッチはいると加減分かんなくなっちゃう。
そうなったら、ギルの方も危ないからね。特に、こう言う化け物とやると…。
(そんな言葉は何処まで聞こえたか。魔王は飛ぶ。飛び上がる。
風と重力の魔術に依る、複合魔術。効率的で、早い。
そして、獣の往々にして急所であろう頭上を取った。)

あっはは、やるねー。魔王様。

(魔術を使えば自分にも真似できる芸当だが、この発想はない。
強力な"破壊力"が獣に示される。
ああ、やはり彼は魔であり王なのだと。
大きな体は乱れ打ちをするのに格好の的だろう。
夏の荒野の砂塵が舞い上がれば太陽光を遮って涼しい。
視界は遮られるが、心配はない。
彼が負ける筈ないと、そう確信している故に。
手助けなんて、不要ではないか。
それとも、己も少し横槍をした方が良かったか。)

…でも、格好いいとは、思うなぁ。
(己へと襲いかかった獣を「加減はするが」と言いつつ数瞬で叩き据えるのは、
魔王と言うよりも、寧ろ別の者に見える…気がした。)