2015/08/10 のログ
アーヴィング > お、おう……よっぽど故郷に残したもんがあったんだろうな…
俺はもうやりきってからこっちに来たけど…
まあ…元気だせや、な…?
肉食うか、肉
(ついさっき退治したばかりの新鮮なリザード種の骨付き尻尾肉を差し出す
 岩塩と各種スパイスで味付けをしたレガリア式
 なおレガリアは焼肉だけで16品目を達成できる勢いの肉食国家である
 ビタミンはモツから取る)

まあ…実際俺も死んだ気で居たし、こっちじゃ死後の余生を過ごすつもりで居たからそれであってんだけどよ…
ああ、おう、20年経っても元気でやってるみたいだな陛下は…そこは安心した
(苦虫を師団単位で噛み潰したかのような苦い笑みが浮かぶが
 王が健在であるという事は…救いだった
 何もかもを捨てて、己の命すら投げ打った選択の唯一の後悔がそこだったのだから
 その笑みはどこか晴れやかで)

んで、まあ…どうするよ?
こっちに来て長くはねーけどよ、一応…馴染んでっから世話くらいは出来んぜ?
ああ…アルワルド、だったな?
(自分の作られた…生真面目で爽やかな好青年で時には苛烈な騎士の気概を見せるという
 なんかもう理想像をこれでもかと詰め込んだ姿に憧れを抱いていたとは露とも知らず
 とりあえず面倒みてやるか…と)

アルワルド > あー……いえ、思い遺した事は………陛下や家族の事を思えば心残りではありますが……って肉!?
(頭を揺るく振り、慮ってくれた事に義理の笑顔を向け
次には道化芸のような早代わりで頓狂な顔をしてしまった。
何時の間にかアーヴィングさんは僕の隣にいて、しかも肉を差し出しているのだからそうもなろう
……と、思いたい。)

い、いえ僕は余り……そ、そうそうレガリア王は御元気でしたよ。
先月、虚空戦争終結20周年の式典が開かれた折にお会いしたのですが
手ずから参列者に料理を、その…まあ"レガリアらしい肉料理"を切り分けておられました。
(両掌を彼に向け、制する様に辞退をしながら話題の転回を図る。
ちなみにちなみにザインドロフ陛下はレガリア王に捕まり、しこたま料理を盛られて面白い顔色をしておられました。
そして援護をしようとした僕も捕まって面白い顔をする事になったのですが、これはまた別の話です。)

で……どうすると言われましても、此処は結局何処、なのでしょうか?
空は遠く、空気が少し、詰まるようなものを感じる奇妙な場所ですが……
貴方の言からすれば、他に人跡があると察せれる所でもありますし。
(言葉の意味は「どのような異世界なのか」と言う所でしょうか。
僕は財布を取り出し、中の貨幣を視てやや眉根を顰めながら今後の事を相談しようかと思います。)

アーヴィング > おう、まあ腹が膨れりゃ死ぬ事はねぇ
死ぬ事がねぇなら、まあ色々と考えまとめる余裕も生まれんだろ
食う気力があるってこたぁ、生きようって気概があるってこった
俺もこっちに来た時はかなり混乱したしよ
あ、ジャハンナムかもって思ったのも一緒だな
(クカカ、と笑い飛ばして、おら食え食えと肉を押し付ける
 なお善意100%でコレである)

20年かぁ…俺の人生一回分、となりゃまたずいぶん故郷は遠くなったもんだ
それで陛下が健勝なら一安心だ
ははっ、陛下は宴を取り仕切るのが好きだったらなあ
陛下がその手で切り分けた肉なんざ顔よりでかくても食うしかないよなぁ?
(楽しそうに、楽しそうに語る
 もう二度と出来ないと思っていた故郷の話
 自分の死後の歴史の話
 楽しくて楽しくて…まるで、これを最後にしようとばかりに嬉しそうに)

ああ、そうだな……
話は長くなるけど、ここにゃ俺達騎士みたいな、魔術戦闘の力を持った人間や魔物はいねえ
数十年前まではな
まあ、歴史の影だなんだっつー話になると大昔から居たみたいだけどな
(と、この常世島…常世学園がモデル都市である事をはじめとしてさまざまな情報を伝えていく
 それは必要な部分をぎゅっと濃縮していたため、海の存在や泳ぐ人達の話などは断腸の思いで削らせて貰った
 お前も俺と同じように驚けなどという思惑は一切ない)

んで、まあ治安維持機構と傭兵契約を結んで今に至るっつーわけだ
あと…飛翔機の技術なんかはここの奴らに見せてやって調べさせてやったら金くれるぜ?
俺もそれで家買ったしな

アルワルド > (異世界に転移をしたら、そこには大戦の英雄が居て、なんて
まるでコミックノベルの世界だなと自嘲気味に口端が歪んだけれど
――不思議と心が昂揚するのを感じた。

……頬に、肉の塊が押し付けられている状況ではあったけど。)

あ、いえ、その。僕はどちらかと言うと菜食な方でして
ご好意は大変有り難いのですがぐごももも――


(※暫くおまちください)

――顔どころか僕の身体より大きかったんですけどね……
まったく健勝も健勝、精霊に愛された人ってああいう方の事を言うんですよ。
正直言うと、若干苦手なタイプですが嫌いじゃ無いです。
(愉しそうに語るアーヴィングさんの横で肩をすくめ、苦笑交じりの悪罵を向ける。
それは無礼な代物に違いは無くて、平時の僕ならば決して言わない類のものだ。
でも今は、咎められたら先程ザインドロフ陛下をガキ呼ばわりした事でも持ち出してしまおうと思ったから
ついつい。

そうして一頻の話が済み、事がこの世界の事になれば自然と笑みは消える。
聞けばどうも面妖な世界であると知れたが、騒乱の最中と言う程でも無いようだ。)

異界の統制や治安については一先ずとして……飛翔機の技術が先立つものになる。
というのは些か悩ましい所……まあ、見せるくらいなら構いませんが……
(と、その時僕の脳裏に天啓のように有る事が浮かんだ。
それは話題の腰を粉微塵に砕く事ではあったけれど、ある意味では文脈に則ることでもあった。)

……今度、落ち着いたときにでもで良いんですが……シルバランサー、見せて頂いても?
(言葉が不自然に跳ねるのが自分でも良く判った。それを隠そうと口元を手で抑えたから
傍から視れば少し奇妙な風だったかもしれない。)

アーヴィング > 騎士っつーのは体が資本だぜ?
草食っても力出ねぇーって
(がはは、と豪快に笑いながら肉を食わせる
 なおレガリアでは菜食系というのは肉と野菜を1:1の割合で食べる事を言う
 辺縁領域に国土があったため、外へ外へと開拓を進めていった結果
 そこで魔獣と戦い、仕留め、肉を食いまくったのである
 今でこそ廃れたが昔は強い獣の肉を食えばその強さをとりこめるという信仰すらあった)

まあ、あの方は王だから玉座に座ってっけど
騎士やってたらどんな凄い事になってたか想像つかねーお人だからなあ…
あの陛下を手放しで好けるのってたぶん王妃様くらいだと思うぜ?
飲むとおもむろに脱ぐし
(下街の酒場には若い頃に良く通っていたらしく
 レガリアの賢王フェリックス若かりし日の肖像、としてテーブルの上で全裸でキメている絵が飾られていた
 「余はこの身に纏う一糸までもが民の税により賄われている、ゆえにこの姿こそが余が余として誇れる姿である。余の誇りの大半は民の力あってこそのこと」
 と大変素晴らしい言葉が添えられているのだが
 なにも自身の魂装具(隠語)までさらけ出す必要はなかったのではないだろうか)

こっちにゃ俺達みたいな飛翔戦力は個人の才覚に頼ってるらしいからな
魂装機関は流石に再現不能だろうが、魔術刻印装備くらいはあって損はねーしな
総合力の話だ
とはいえ…お前にゃまだそんな踏ん切りはつかねーか
(抵抗があるのは仕方ない
 いつでも呼び戻せるからという安心感があるからこそ預けたようなもので)

あん?別にいいぜ?
市街地で呼び出したら轟音だなんだって怒られっけど
この辺なら問題ねぇって言質取ってるしな
別に今でもいいけどよ?
(と、軽く応じる
 彼にとって飛翔機とは己の体の一部のようなものであり
 ゆえに惜しむような気持ちは微塵たりとも存在せず、ごく自然体で)

アルワルド > ぼ、僕は魔術師でもあるので……!
(咳き込みながら言い訳にならない言い訳を述べる
砂漠が国土の大半を占めるアルクスでは水質資源の確保の為、魔術を修める者が多い。
より効率的に無駄なく、理路整然と魔術的細緻の篭る美しい大庭園や果樹園は国の宝と言っても過言では無い。
その為か風土に反して実りの多い国でもあったから、食事の主は必然的に果実や野菜になっている。

……のは建前として、僕が単に苦手なだけである。と言う事も多分に含まれるのだが、それは秘密だ。)

あ"ー……脱いでました。全力で脱いでました。確か、今年で60歳であらせられると言うのに
それはもう見事な筋肉で……
(色々な意味で視線を逸らしたのを覚えている。今も同じように逸らしているのだけどそれは一先ずとしたい。)

……って良いんですか!今!?で、では……その、どうぞ?
(今は、踏ん切りその他の凡そ大切らしかった会話を踏んで、飛び越えて、天翔る白青の王者たる姿を一目視る時である。
……と、したい。

勢いこんで近付いて、額同士が激突しそうになる所で急速転回をし、務めて厳かに、こう、手をゆるりと流して促す。
完璧な作法的動作だと思ったが、場にそぐわない気が少しした。でも今は気のせいと言う事にしておこう……!)

アーヴィング > あー、魔導騎士か…すげぇな
あれ実戦領域に持ち込むの大変だろ……
シャンドラのエルネイストとかコイツが強敵でなあ…
(星降りの騎士と異名を持つ彼は天を覆うと豪語してそれが虚言にならない実力の持ち主だった
 彼との騎士決闘映像は無数の流星のような弾幕の中、最小限の被害で身を削りながら正面突破を仕掛けるという見せ場もあってかなりの人気だった
 最も、20年後の騎士決闘のような華麗さとは別種の物だったが)

脱いでたか……60越えて陛下脱いじまったか…
それでマッスルってどんだけ内包精霊力持ってんだあの人…
(全く変わらないその…奇行にほっとする
 変わってないなぁ…と
 ちょっとくらい変わってくれていても良かったのだが)

お…おう!?近ぇよ!?
そっかぁ、そんな見てぇか…よっしゃ、今呼ぶからな!
(そこまで求められてはこちらも嬉しくなってしまう
 なにせ自慢の相棒…最強の飛翔機と呼ばれるようにとロールアウトの時に誓った記憶が蘇る)

魂装!
(ザハリトを引き抜くと一挙動で魂装を完了する
 その姿は青い騎士服に白銀の胸甲、手甲、脚甲を装備したもので
 髪と瞳の色は真紅に染まっている)

其は天翔ける騎士の翼 白銀の輝きを蒼穹へと刻みこめ 一迅の流星が如く!
アーヴィング・ヴァン・オルブライトの名において命じる!来い、シルバランサー!
(ザハリトを天高く投げ上げると回転しながら上昇して生き、光の飛沫が撒き散らされる
 それは宙へと固着し、四重円積層魔法陣を描き、四隅に補助円を配置
 ゲートを構築すればその中央から白銀の輝きが炸裂する
 鏃の中央にスリットを入れたような独特な形の機首を持ち、可変式の前進翼、可変式の外側傾斜尾翼を持ち
 装飾性がほとんど無い分、研ぎ澄まされた刃のような機能美を持つ騎士の翼を
 呼び出されたそれはゆっくりと旋回し、目の前に着地する)

アルワルド > 大戦の英雄にそう言われると些か照れ臭いものがありますね。
……父母が知ったら、きっと喜んでくれたと思います。
(感嘆の言葉を向け、そして今飛翔機を呼び出す為に背を向けた彼に感嘆の眼差しを向ける。

文言に寄りて周囲の気温が余計に高まるのを感じる。
魔力の織り成す多重魔法陣円の煌きは目にも鮮やかで、周囲に十全を兆すに十分が過ぎた。
顕れたる白銀の飛翔機、騎士の翼は如何なる記録映像よりも僕の瞳に輝いて映った。)

ほ、本物だ!本物のシルバランサー……!
やはり大きいな……これだけの機体があってこその推力なのだろうか…?
表面に刻まれた魔術刻印は障壁展開の応用だな、機体自体に貫徹力を持たせようとしたのか……
いやそれならば可変式の翼なんてものは要らない筈だ、まさか本気でこの様式で戦闘機動を……
下手に動かせば被弾なんかしなくてもバラバラになるぞ……
(砂埃を巻いて英雄の機体に近寄り、その白銀の美しい装甲を見上げて感嘆の声を落とす。
落ちた言葉は誰かに向けられたものではなかったから、荒野を何処へと転がっていった。

どれくらいそうしていただろうか
言葉は次第に減り、その全てが無くなる頃には頤に指を添えた姿勢でただじいっと
シルバランサーを見上げる僕が居た。
そして、その思考に憧れが無い事に自分で気付き、それが可笑しくて小さく笑った。

馬鹿げている。僕ならばどう、この白銀に挑むかなんて考えている場合じゃあ、無い。)

うん、うん……ありがとうございます。こういうの、眼福と言うのでしたっけ?
(思考を切り捨てて踵を返し、真紅の白銀を飾った騎士礼装姿のアーヴィングさんに一礼)

アーヴィング > 英雄っつーのも照れくせーけどな
ま、それに恥じねーように頑張れたっつーのも事実だが…
(父母という言葉にはわずかに笑みに苦いものが混じる
 自分は成人してしばらく立っているが、彼の場合は成人して間もないように見える
 まだ、両親を必要とした年齢だろう、と)

お、おう…急に早口になったなお前……
あー、その障壁はあれだ…魔力応用した可変翼だ
そいつで風の受け方に変化を付けて戦闘機動に変化を加えんだよ
機体自体の可変翼は普通に使うと馬鹿みてぇなエアブレーキになっから…こう、風の隙間を狙って切るように変化させてだな
(ものすごい勢いでまくし立てられると一瞬その言葉の圧に押されたが
 自分の機体の事となるとやはり嬉しそうに解説を挟み
 人造ミスリル合金製の地金のままの装甲を拳でコツンと叩いて)

おい、目が笑ってねぇぞ?
勝ち筋さぐったな?
(と、彼の視線が憧れから戦闘能力を探る物になった事を敏感に察すると
 その覇気が心地よく、笑いを含んだ声をかけて)

よっしゃ、お前が落ち着いたら今度一緒に飛ぼうぜ?
とりあえず今は…お前が不法滞在者にならねぇように顔見せか
当面の寝床は俺のを貸してやっからよ
(飛翔機に手を添えると光の粒子へと解けていき、再び魂の座へと格納され、魂装態も解除する
 今すぐ飛びたい気分もあったが、こっちへと転移してきたという事は死ぬような目にあったという事だろう)

ちっと遠いから、飛ぶぜ?
(と、足元に光のリングを生み出すと、そこから生まれる暴力的な推力で、ふわりと柔らかく浮き上がって)

アルワルド > ……さて。さてはて。
(耳に心地よい咎めの言葉を受けたなら、瞳は感情の見えない糸のように細くなる。
とはいえ言葉は短く、言外ではあるものの否定はしない。

かくしてシルバランサーは光の粒子と成りて消えて行き、その折の提案には頷きを返す。
前者も後者も、共に魅力的と言えたからだ。)

ええ、問題無いですよ。飛ぶ事に何一つ問題なんてありはしません。
(光を曳いて飛び上がる彼に続き、此方も宙へと飛び上がる。
足元に構築された光球は周囲に様々な色彩の光を粒子状に振り撒き
アーヴィングさんと同じ高度まで上がり、滞空している間も目に喧しく続く。

遠くから見るならば、赤と白、その周囲に微細な光の流れがとりまきながら二色が流れ往く光景が見えたかもしれない。)

アーヴィング > (こうして一人の住人が常世に増える事となった
 彼がなにを選び、なにを決めるのか
 選択肢は与えども、そこに干渉するつもりは無い
 自分で選び、自分で決め、自分で歩むがままに
 それが自分と敵対するような道でも構わない
 
 願わくば、自分が繋げた未来に生まれ育った騎士に
    ニューエイジ 
 平和な空を知る翼の行く先に幸いがあらんことを)

とりあえず今日は歓迎会で、肉焼くか
(幸いの一つが目の前でへし折られたが、それはさておこう)

ご案内:「転移荒野」からアーヴィングさんが去りました。
ご案内:「転移荒野」からアルワルドさんが去りました。
ご案内:「転移荒野」にテリメーラさんが現れました。
テリメーラ > まだ涼しい明け方の草原を闊歩する一匹の竜。
その口には、まだ傷の新しい小鹿の死体が咥えられている。

テリメーラ > 朝露の着いた草を掻き分けて、のっしのっしと進んでいく。
その後には、まだ小さな足跡と赤い雫の落ちた道が残っていく。

上空からの敵を避けるために、草原を抜け、屋根の様な森の中へと入っていく。
獲物を咥えたままあまり動くのはあまり褒められたコトではないが、草原では上からも横からも目立ちすぎる。

草原が見えなくなるほど森の奥へ進んだ頃。

(やっと落ち着いて食べられるなー)
そっと地面に獲物を置く。

テリメーラ > 背中を何度も鋭い竜の爪で引き裂かれ、首元には幾つもの牙の痕。
人間がドラゴンの表情が解らないように、
彼女に獲物の表情なぞわかるはずも無い。はずなのに。

(苦しかったんだね、ごめんね。)
苦痛に歪んだ顔は、彼女に狩りの未熟さを思い知らせるには充分だった。

話せるはずの無い竜の口で
「いただきます。」
と小さく呟くと、再びその獲物に牙を立てる。

テリメーラ > 未熟さを恥じたい気持ちはあるが、そんな中途半端な気持ちでは失礼にあたる。
そう言わんばかりに一心不乱に喰う。

まだ生暖かい臓物の中身、排泄物一歩手前のそれらを前足で器用に押し出して、再び喰う。
久しぶりの、狩りの味、命の味。
真っ白な鱗を血でべっとり汚したその姿は、凶暴で、傍若無人なおとぎ話の竜そのものか。

テリメーラ > 内臓のほとんどと肉の半分ほどを食いつくし、
白い肋骨は剥き出しになっている。
不器用でマイペースな上、久しぶりにしてはなかなかにスムーズに食べられた方だと思う。
ココは少なくとも褒められる点だろう。

が、ここで鳴り響く終了の声がテリメーラの耳に届く。
死体を横取りしようとギャアギャア喚く鳥の群れ。
それを聞きつけて野犬達が現れるのは時間の問題か。

彼女が大人しい事を知ってか知らずか、容赦なく鱗をひっぺ返し、鱗の間に爪を立ててくるのだ。
まさに、数の暴力だ。
叩き落とし、踏み潰し、焼き払い蹂躙すれば済む話なのだろう、強い竜達は。

雲などという軟弱極まりない物しか出せぬ彼女は。

獲物に小さく
「ごちそうさま」
と呟き、その場をのっしのっしと後にするのだった。
名残惜しそうに何度も振り返りながら。

テリメーラ > 血塗れのまま、街に戻るわけにも行かないし、どこかで水浴びでもして行こう。
森の奥へ、水場を探し、のっしのっしと歩いていく。

(こっちから水の流れる音がする気がする…かな…)
あまり耳がいい方ではないが、それでも聞こえるということは、程々に近いのだろう。

耳を澄ませ、きょろきょろと辺りを見回してから。
だいたいの目星をつけ、そちらへと進んでいく。

テリメーラ > そしてたどり着いたのは、森の中を流れる小川。
その水は透き通り、川底の石が見える。
思っていた以上に小さく、浅いけど、顔と爪を洗う分には充分かな。

アライグマの様に、両手を小川につけて、ごしごしごしと洗っていく。
血は乾き始めてはいるが、乾ききってはいない。ほとんどがするすると落ちていく。
爪の間には多少残ってしまってはいるが、人間の姿で洗った方が楽そうなので、保留。

テリメーラ > 伏せをして、頭を下げて、今度は顔を水につける。
鱗の間にこびりつきそうな血も、爪でかりかりとこそぐ。
こればっかりは人間の姿の時には洗えないから、念入りに。

時には、水面に顔を写して、確認したり。
一応は身だしなみを気にする女の子らしいところなのだろうか。

テリメーラ > 満足したのか、そのまま水をごくごくと飲み始める。

(後でお風呂に入りなおして…ゆっくり反省会にしよう。)
立ち上がり、水の滴る顔をぷるぷると振るう。

来たのはこっちで合ってたっけ?と怪しい記憶を辿りながら、帰路につくのであった。

ご案内:「転移荒野」からテリメーラさんが去りました。