2016/01/27 のログ
ご案内:「転移荒野」に獅南蒼二さんが現れました。
■獅南蒼二 > 水晶のような煌めく宝石の欠片。アダマイトを思わせる鉱石の破片。
流木はすでに風化して石となり、その隣には向日葵が生える。
この荒野を形容するのなら“混沌”と言う言葉が最も適当であろう。
それは、様々な怪異が無差別に出現した世界の縮図のようにさえ思える。
「………さて、呼び水も無しに井戸を掘りあてられるとも思っては居ないが。」
珍しくこの異形なる地に足を踏み入れた白衣の男は、暢気に煙草を吹かしながら小さく呟いた。
■獅南蒼二 > さて、何故こんな場所にいるのかといえば…事の次第は単純である。
【レコンキスタ】に属する優秀な魔術師であるクローデットが、何者かと交戦した。
落第街の“教え子たち”によれば、相手は【ロストサイン】の脱獄犯だという。
クローデットは相当の使い手であるはずだが、研究室に現れた際の様子を見る限りでは、
かなりの苦戦を強いられたに違いなかった。
クローデットに甘さがあるのは確かだ。だが、彼女は自分に比べても相当量の魔力を内包し、知識も豊富である。
だとすれば結果は明白であり、魔術学によって敵を打ち倒すことが出来なかったのである。
■獅南蒼二 > 彼女がどのような攻勢に出たのかは分からない、だが、
その服飾に施された【防御術式】は極端に損傷しており、もはや殆ど意味をなしていなかった。
どのような相手とやり合ったのか。
何にせよ、魔術師が“防御”に問題を抱えているのは間違いない。
■獅南蒼二 > 硬度操作、魔力障壁、コーティング、呪術的防御。
一般的な魔術師は様々な方法で攻撃を“防ぐ”ことを考える。
それは肉体的に決して恵まれているとは言えない人物が多いことに起因するのだろう。
幻影、移動術、時間操作、空間操作、反射。
そのような“避ける”発想をもつ魔術師はごくわずかである。
手のひらを地面に向けて、僅かな魔力を解放し、安定した空間を湾曲させる。
こんな僅かな空間操作であっても、この移転荒野では致命的な結果を生む。
なぜ魔術師は“避ける”ことをしないのか。
それは実に合理的な判断であろう。魔術とは主に魔力を操作し、属性と指向性を描いて現象を生じさせる術である。
そこに必要なのは集中力と、それから、確実性。