2016/05/07 のログ
ご案内:「転移荒野」にエリンさんが現れました。
■エリン > 白い鴉が空をとんでいる。
風を受け、荒野の空を自由に飛んでいる鴉はエリンの頭上あたりを飛び回っている。
狼が地を駆けている。
風を纏い、素早く荒野を駆ける狼はエリンを体に乗せて走っている。
緑色の謎生物が抱かれている。
風に靡き、ゆらゆら動いている謎生物はエリンに抱かれたまに殴られている。
エリンは三匹の御供と一緒に荒野を廻っていた。
■エリン > 『カァ』と一鳴き。
それは敵を見つけた、警告の声。
『ヴルルル……』と一鳴き。
それは敵と相対する、臨戦態勢の声。
『ミーン』と一鳴き。
それはエリンから打撃に対する、悲鳴の声。
エリンは荒野を駆ける狼から飛び降り、地面を滑る。
緑色の謎生物は、その際エリンに潰され緑色の液体を撒き散らす。
■エリン > 「カムロイ、白兵戦モード。
ハクウ、周囲の警戒。
ニラミン、ストライク用意」
右手の腕輪を光らせ、三匹に命令を下す。
カムロイと呼ばれた狼は姿を変え黒い風を纏う。
ハクウと呼ばれた鴉はエリンの頭上から離れ、さらに遠くを飛び回る。
ニラミンと呼ばれた緑色の生物はエリンの足元に無数に湧き出す。
エリンはそのうちの一匹を掴み、投擲の姿勢に入る。
■エリン > 数秒の静けさ。
のち、2匹の魔物が現れる。
先手を取ったのはカムロイ。
2.5Mの狼は、体長3Mほどにもなりそうな魔物へ飛びつき、食い殺そうとする。
もう一匹の魔物はエリンへと走ってくる。
が、エリンもその行動派予想済み。
持っていたニラミンを魔物へ投げつけ、ヒットするとニラミンが爆発し、緑の液体と衝撃波を相手に与える。
「ニラミンズ、ゴー」
その一言で、数百……いや、数千、万にも及ぶかもしれない緑色の物体か、魔物へと走り出し我先にと爆発し始める。
■エリン > そこからは完全な蹂躙だった。
カムロイは魔物の肉を引きちぎって解体していく。
ニラミンは数の暴力で、魔物に飛びついて爆発しては地面から生え、魔物に飛びついて爆発しては地面から生え、を繰り返している。
威力は小さいものの、液体による溺れと、ちりも積もれば戦法で圧倒していく。
その間、エリンは周りを警戒し、新手が来ないかを注意していた。
■エリン > 数分後。
そこは解体された魔物と、色々な箇所がへこみ緑色の液体に溺れた魔物が存在していた。
「カムロイ、ニラミン。お疲れ様。
ハクウも、こっちにきていいよ」
右手の腕輪が再度光り、三匹へ言葉を伝える。
ばさ、ばさと白い鴉がエリンの肩にとまる。
■エリン > カムロイをゆっくりと歩いてエリンの元に戻ってくる。
ニラミンズは一匹を残して全て地面へと潜っていき、一匹は走って帰ってくる。
「お疲れ様。
三匹とも、大丈夫そうね」
ニラミンを抱き上げ、カムロイの頭を撫でる。
■エリン > 『ヴルル……』と嬉しそうに鳴く狼。
『カァッ』と羨ましそうに鳴く鴉。
『ミーン』と何を言ってるかわからない謎生物。
荒野で三匹と一人が、魔物退治で遊んでいた。
■エリン > そんな空間で、先ほど緑の液体に沈んでいた魔物が体を起こす。
べこべこに沈んだ肉体でも、何の問題もないようにゆっくりとエリンへ近づいていく。
気配を殺し、姿を殺し、匂いを殺し。
そしてエリンを殺すために、背後から襲い掛かり――。
■エリン > 「――やっぱり、もう上手くはできないみたい」
手をグー、パー、と繰り返す。
困ったような顔をして、自分の腕を見つめていた。
「もうあの子がいないから、だめかしら……」
だるそうな声で呟きつつ、カムロイの体を優しく叩いて
「……今日はもうかえりましょ。
美味しいお肉とか、買ってあげる」
ひょい、とカムロイに乗る。
カムロイは了承したように吼え、荒野を再び走る。
■エリン > エリンを襲った魔物は、体に穴を開け遠くへ吹っ飛んでいた。
ご案内:「転移荒野」からエリンさんが去りました。