2016/06/21 のログ
ご案内:「転移荒野」に高峰 司さんが現れました。
高峰 司 > 「…………」

手の中でルーンストーンをいじりながら、呼び出した相手を待つ。
いや、手っ取り早く召喚してもいいのだが、魔力の消費が勿体無いので普通に呼び出したのだ。
ちなみに、顔はいつも以上に仏頂面である。

ご案内:「転移荒野」に蕎麦屋さんが現れました。
蕎麦屋 > 荒野の向こうから軽快なエンジン音が響く。ぼへぼへぼへぼへ。

訂正。割と気が抜ける。
徐々に大きくなる音は、近づいてくる証。
出前専用の荷台が付いスーパーカブ。

「――はい、到着。」

司君の目の前で止まれば、ひょい、と降り立つ。
もちろんノーヘル。違反です。

高峰 司 > 「……用事は分かってるな?」

呼び出しておいて、視線に温度が無い。
そんな司は、取り敢えず呼び出した蕎麦屋を指さした。
……しっかり手にはウルのルーンストーンを握りこんでいたりするのだが。

蕎麦屋 > 「はい?――さぁ?
 あ、あと私の方も諸々用事がありまして。」

分りかねます、と言わんばかりに盛大に首を傾げる。
その割に、くるりと手の内を回せば、握り込まれるのは至って普通の金属バット。

さて、今日のホームランは何本か。

高峰 司 > 「おーおー、んなもん持ってるってこたぁわかってんじゃねーかテメェ!」

相変わらずのユルい態度に怒り爆発。
いい加減、誰が主かとかそう言う以前に。
迷惑がかかりまくってることを教え込んでやらねばなるまい。

「ウル!ウル!ウル!ウル!ウル!」

ルーンガンド、五連射。
ちなみに全てデッドボール狙いである。
ウルは荒々しい力を表すルーン。ルーンガンドとして放てば、単純な威力として襲い掛かる。
まあ、師範クラスの空手家の中段逆突きくらいの威力はあるだろう。下手すれば死ぬ。
……まあ、この戦乙女はその程度では大したことになるまい、と言う打算慢心僅かな信頼ありきの攻撃であるわけだが。

蕎麦屋 > 「え?いえいえ、気のせいですって。」

思いっきり振りかぶってますが。
振るとなんかすごい音が聞こえる、というかバットが見えないのはきっと気のせい。

――と。飛んできたルーンはどれもどう見ても狙ってる。

「――しんぱーん!?危険球ですよー!?」

腰が引けたりしつつ、言いながら。思い切りバットが振り抜かれる。

――カッキーン。

魔力と神格を纏ったただの金属バットは、いとも簡単に呪力を纏めて捉えて。
空高く、吸い込まれていった。

というかなんで音が鳴った。

高峰 司 > 「うるっせぇ!オマエのせいでアタシがどれだけ面倒蒙ってるか分かってんのか!」

責任はお前にあると言われ、挙句何故か契約に関しても口を出され説教までされた。
振り回されてばっかりで、役立つがそれ以上に気苦労をばら撒いてくれやがっているのがこの蕎麦屋と言う戦乙女である。

「ウルウルウルウルウルウルウルティール!ウルウルウルウルウルウルウルウルウルティーール!!」

時折、ティールのルーンガンドを織り交ぜて殆どヤケクソで蕎麦屋に呪詛を打ち込んでいく。
ティールのルーンガンドは勝利を司るが、攻撃的意味を抽出した場合は貫通力に長けたルーンガンドとなる。
とりあえず いっぱつ ぶちこんでやる。

蕎麦屋 > 「――あー。まぁ、あれだけ大事になったのはちょっと驚きですけどねぇ。」

カーン、カーン、カカカカカカーン、カコーン。
とりあえずバットは振って打ち返しておく。今何本目―――あー、あれはセンターフライコースかなぁ。

それはともかく。面倒蒙った、と言われれば少しは考える。

「いやまぁ、契約果たす前に攫われたのがビックリですし。
 そのあと私がいるときに病院まで乱入してくる子がいたのに更にビックリですし。
 しかも一発で見て分る神格が病院で先生してるというのに三度ビックリです。」

とりあえず言い訳はしておこう。
だからって態々当たってあげる気にもならないけれど。

高峰 司 > 「はぁ……はぁ……人間社会で生きるんなら……人間社会の常識を身に着けろってんだ……」

ぜーはー。
大体23発くらい打ち込んで、殆どホームランである。
1個ほどなんかセンターフライコースだったので、ワンナウトも取れず防御率∞、高峰・インフィニティ・司にならなくて済んだが、既に投手としては完全敗北である。
……もともとそう言う勝負ではない。

「まあ、一つ目はアタシの過失だし、それ以降も言いたい事は分かるがな……ああクソ、ムカつくツラ思い出した」

一目で見てわかる神格、と聞いて苛立ちを隠せない顔をする。
なんせ、先日いきなり部屋に襲撃してきて、なんでか知らないがいきなり不機嫌そうな態度のまま、いきなりこちらの責任を追及したかと思うと、いきなりこちらの召喚関係にまで口出ししてきたのだ。大して関係性も無いというのに。
正直なところ、司にとってはあまり好感の抱きようのない相手であった。

蕎麦屋 > 「いえ、常識はある方だと思いますけど。
 ――この島が異常すぎるだけだと思うのですけどね。

 あ、終わりました?」

ホームラン22本かー。ちょっと調子悪いですねー。などと。
とりあえずバットは仕舞おう。くるり。

「あの場で捕まってても別段良かったのですけど。
 まぁ、彼女の言い草が気に喰わなかったのと、ちょっとやる事抱えてましたので。

 ――お陰でそれなりに味方も出来たかとは思いますけれど。――?」

まぁ、十分すぎるほどのリターンはあった、と思う。
一箱分の新鮮なトコヨオオエビはともかく、一般の連絡手段と何人かの顔見知りができたことは。
まぁ、それは落ち着いてから話すこととして――

「おや、彼女から何か言われました?」

高峰 司 > 「それは、否定しねぇがな……」

実際、この島は異常ではある。だが流石に蕎麦を病院で振る舞うのはギルティだろう。
それはいいとして。

「まあ、オマエは確かに役に立ってる……と言うか、率直に言えば助かってる。あの時もな。
……アタシの契約スタイルが気に入らねーんだと、あの先生はよ」

何か言われたか、と聞かれれば不機嫌そうに吐き捨てる。
いきなり現れて、人が積み重ねてきたモノにケチを付けた挙句、意図してかせずかは分からないがデリケートな部分にまで言及した。
そう考えれば、不愉快にもなろうものである。

蕎麦屋 > 「あ、それは恐悦至極。――そのついでに後でちょっとサンプル下さい。
 伝手で研究機関探してもらいましたので。」

たすかっている、と言われれば朗らかに。
後ついでに言いづらいお願いも流れでさらっと流しておこう。

とりあえずホームランダービーは終了したので、屋台を取り出し。
簡易の組み立て椅子を取り出して。――座ります?と示し。

「で。えー……契約スタイル?ああ、契約方法。
 いや、個人で考えたか、家の技術か、古代の文献に乗ってたのかは分りかねますけれど。
 普通の召喚術としてはよく出来てる方じゃないでしょうかね?」

実際よく出来ている方だと、思ってはいる。
契約に際しての強制力こそないものの、相手が納得さえすれば半永久的に続く。万一の時に召喚主への反動も全く考慮しなくていい。
膨大な魔力を保持したかつての大召喚士ならいざ知らず、極一般的な魔力しか持たない目の前の主が扱うなら、こういう手法が最も賢い。

そして同時に――何を言われたのかも察しは付くが。

高峰 司 > 「あぁ?サンプル?」

言いながら椅子に座る。何のサンプルなのだろう。

「いいたかねーが、実家の技術だ。1代しか続かないが、前提となる契約を締結すれば半永久的。アタシはこれで戦ってきた」

いわば、召喚術師高峰司のアイデンティティともいえる術式だ。
『魔術師はその本人が最強でなくとも、己が使役するモノが最強であればいい』
その考えを強く体現したこの魔術は、平均程度の魔力量しか持たない司にはマッチしたのである。

蕎麦屋 > 「皮膚やら粘膜やら血液やら。要するに細胞のサンプルですね?」

あ、採取・保管する道具なんかは準備してありますので。などと付け足しつつ。
此方は一応、立ったままだ。

「一代限り、但し死ぬまでは有効。――血や知識で継げない事を除けば優秀なのですよ。
 ただ優秀ではありますけれど、万能ではない。一代限りで続かない以外に欠点があるのには、気付いてます?」

多分、あの神が何か言ったとすれば――この辺りであろう。
――自信は足元を掬う。そうなる前に気付けるに越したことはない。単なる老婆心。

高峰 司 > 「……何に使うんだ?」

ウイルスの検査、なのだろうけれど、一応確認する。
信用出来る相手でないと、自分の体細胞を渡すのは流石に不安である。

「一方的な使役が出来ず、相互の同意が必要な事、か?召喚術ってのは大概そんなもんな気もするが」

首をかしげる。
正直、その初動の手間以外で特に困ったことはない。
後は精々上位の召喚獣を呼ぶ場合は別途ルーンを刻む必要性がある事だが、それはそれで司の魔力不足が原因だ。
召喚術自体の欠陥とはいいがたいだろう。

蕎麦屋 > 「ウィルスの検査と特定。あとは駆除できるかどうかの実験、らしいですね。
 ――信用はまぁ、出来ると思いますけれど。」

想像通りの内容ではあるが、相手の名前までは明かせない。
適度にはぐらかしつつ――

「それは召喚術の基本部分ですから。ちょっと違います。
 ――実践してみましょうか?」

何気ない様子で左手を差し出す。最初に契約のルーンを刻んだ場所。
笑顔ではあるが、不穏な雰囲気は感じるだろうか。

高峰 司 > 「なら、いい。皮膚の一部でいいか?」

案外あっさりと、皮膚を渡そうとする。
それなりにこの召喚獣を、無意識下で信頼していると言うことだろうか。

「……おい、どういうことだ?」

差し出された左手。
握れと言うことなのだろうが、不穏な雰囲気に躊躇い、それを躊躇してしまう。

蕎麦屋 > 「出来るだけ多部位が欲しいらしいのですよね。
 ――まぁ、それは後で。」

流石に内臓のサンプルは取れないしなぁ、などと。
必要のないと思ったことは一切言わない。のだが。

「ああ、いえね。
 ――例えばこうやって。」

主人が握るのを躊躇した、自信の左手へ――
右手に握ったナイフを突き立てる、抉る。適当に魔力と神格で、そこに刻んだルーン、パスごと――ぶちぶちと、寸断する。
笑顔を浮かべたまま。――血は吹き出ない。代わりに傷口が明るく燃えたのが見えただろうか。

「契約者の能力に頼らない分、力技で割と簡単にブチ破れるんですよ、これ。」

流石に普通の妖魔だ怪物だだとこういう行為をする発想がないですけど。と付け加えながら。

高峰 司 > 「……は?」

目を丸くする。
おかしい、この契約術はそんなに簡単なものではない。そんなものが秘術として受け継いでいかれるわけがない。
そもそも、最初に『相互了解』を経由するのは、自らその契約に合意する事で『それを破る事は出来ない』と言う制約を付与するためだ。
これはかなり強固な縛りで、少なくとも『力技を使えばあっさり』と言うレベルのものではない。
……そこで思い至る。そうか、そう言えば。

「仮契約……そりゃ、オマエとの契約が不完全だからだろ。
契約条件を満たせてないから、制約がユルいんだ。普通はいくらオマエでも、簡単にブチ破れるなんてモンじゃねーよ」

睨み付ける。
これに関しては、この状況が特殊なのだ。通常は契約条件を先に満たしてから契約するのだから。

蕎麦屋 > 「――ばれました?
 あ、あとで契約は結びなおしてくださいね。面倒だっていうならどっちでもいいですけど。」

ぺろり、と舌を出してみつつ。
――やはり、絶対的な自信を置いている技術だけに。
やっぱり危ないよなぁ。とは、思うのだ。

「今回は、条件が特殊すぎますけどね。――まぁ。」

驚きこそすれ、揺るがない。なら、これ以上は――

「まぁ、話を戻しましょうか。
 ――とりあえず、ウィルスのサンプル提供は先ほど話しましたけれど。
 あとは何でしたっけね。餅は餅屋じゃないですけれど。門なら門について調べてみると良いらしい――ですが。」

かくり、と首を傾げつつ。
何事もなかったかのように話を続けた。

高峰 司 > 「この程度なら補修出来る。ったく、めんどくせぇ事するんじゃねぇよ」

文句を言いつつ契約パスを再構築。
一瞬ひやりとしなくもなかったが。縛りに関しては、今後もう少し気を付けた方がいいかもしれない。

「門なら門……精神接続系の異能持ちか?言っとくが心当たりねーぞ?」

そもそもそこまで交友範囲は広くない。
それに、精神接続は司の認識ではかなり希少。そのようなタレントを持つ人間には、今まで出会ったことはなかった。強いて言えばベッドマンくらいである。

蕎麦屋 > 「――ん、まぁ。」

様子をうかがいながら、ふむ、と。
とりあえず――暫くは大丈夫そうだろうか。

「過去に門になった事例、あるいは門そのもの。
 ――あとはまぁ、行方不明か、急死した研究者。そういう類、だそうですけどね。
 交友関係というよりも、情報検索の端緒、といった所でしょうか。」

さーっぱり分りませんけどね。と肩を竦める。

高峰 司 > 「そっち関係は……凛霞でもちょっと怪しいかもな。
どうやって探って行くか……こういう過去を探るのは、フギンとムニンじゃどーしようもねぇからなあ」

フギンとムニンは、基本あくまで斥候。
状況を遡って探る行為は専門外。リアルタイムが主戦場なのである。
そして、そう言うタレントを持つ召喚獣は……。

「いる、っちゃあ、いるが……アイツの場合は、霊の口寄せ系だしなあ。後は凛霞のサイコメトリー……も、怪しいか」

あくまで『誰かが体験した記憶を聞きだす』と言う口寄せや、『遺留品から当時を見る』と言うサイコメトリーでは、しっかりと探り切れるかは分からない。
研究者の霊を口寄せできれば、話は進むのかもしれないが。

蕎麦屋 > 「いや、素直に情報あたればいいんじゃないです?」

なんでそっちに思考が流れたのか、とそんな顔。

「今は情報ありふれる社会ですし。
 そっちからまずはいくらでも情報引っ張れるでしょう?」

私はそうしますけど。と。
実際異能や魔術なんてものは最後の確認くらいのもので、基本はそういう所から始めるものだろう。

高峰 司 > 「…………そういやそうだな」

迂闊。
異能や魔術と言ったものに頼り過ぎて、地に足のついた情報探索を失念してしまっていた。
単純にそっち方面を当たってしまえばそれでいいじゃないか。

「神話の戦乙女に、近現代での情報戦を指南されるっつーのも複雑だけどな……」

時代的には普通逆である。迂闊だったのは司の方だが。

蕎麦屋 > 「でしょう?
 あ、現代戦の方がお得意ですよ?私。」

というか古代の武器とか、便利なので使うときは使いますけど。目の前で使ってましたっけ私。

「あとまぁ、情報が基本、というのは時代がどれだけくだろうが結局のところかわりはしませんし。
 そういうわけで、私の方も――優秀な情報屋が当たってくれるはずですので。」

あと物量。ですけれど。
――まぁ、彼も一応はやってくれてるみたいですし。

高峰 司 > 「まあいい、調査に関してはある程度任せる。こっちでもやるけどな」

言いながら取り敢えず凛霞に相談しようか、それとも率直にそっち方面にアクセスしようか、などと考え始める。
ちなみに、戦乙女の情報網なので、そっちの伝手を元々持っていたのだろう、と考えていた。

蕎麦屋 > 「言われなくても勝手にやりますけどね?
 あ、あと電話番号渡しときましょう。」

袖口からメモを取り出す。描いてあるのは電話番号がひとつだけ。

「というわけで。――あ、気は済みました?
 でしたら私そろそろ行きますけど。」

気が済んだ――とはホームランダービーの事だろう。
とりあえず話しておくことは済んだし、止めてあったカブに乗る。

高峰 司 > 「分かった、登録しとく」

二人目である。

「それと……そうだ。
あの神格の教師。アレのとこ行って身分貰って来い。それで契約履行だ」

割と適当だが、処理としてはまあこうなるだろう。
ついでにクドクド文句でも言われて来ればいいのだ。

蕎麦屋 > 「はーい、出前はいつでもどうぞ。」

本当に出前しかとる気がない感じである。
それはともかく。

「あ、あー、把握しました。
 まぁ、そのうちに行くとしましょうか。――そういうわけで。」

気のない返事だが、とりあえずは了承。
キーを回せば、ぼへぼへと気の抜ける音が響き――走り出した。

おいまたノーヘル。

高峰 司 > 「……どうせだ、そこも絞られて来い」

溜息。ノーヘルも咎められて来ればいいのだ。神格同士仲良くやればいい。
そう思いつつ、エオローに魔力を込める。

「来な、ゴーレム」

ゴーレム……主に使役される前提で生み出され、主を失い崩壊しかけていた岩石人形。
主として定期的に魔力を供給する事で契約した、物理型の召喚獣である。

「さっきのとこまで運べ」

命ずれば、ゴーレムは手を差し出し、その掌に司が乗り上がる。
そして、手に持ったままその場を去って行った……。

ご案内:「転移荒野」から高峰 司さんが去りました。
ご案内:「転移荒野」から蕎麦屋さんが去りました。