2016/06/27 のログ
■メルル博士 > 博士以外の男女は、特に特徴がない普通の学生に見える。
だがその表情は不気味な程薄く、感情が読みとり辛い雰囲気はあるだろうか。
まだ、目の前の自称天才博士の方が会話している分表情を読みとりやすいかもしれない。
「そうですか。それなら仕方がありません」
そう言いながら、博士の傍らにいる数人の男女が実力行使に出るかと言わんばかりに構えをとる。
「拷問して『ハイ』と言わせる事にしましょう。
心配いりません、死にやしませんよ。ちょっと苦しい目にあってもらうだけです」
博士の助手達は、怪しい手つきで凛を取り囲もうとする。
その手つきから察する事が出来るだろう、こしょばす気である。
拷問=こしょばす、という子供染みた斜め上な発想。
そんな助手たちの手が凛に迫っていた。
■陽実 凛 > 表情が読み取れないのはお互い様。
無表情に戻って、呼吸を静かに整えました。
構えを取る様子を見た途端に呟き一つ。
「……何をする気かはともかく。」
拷問と言う言葉だけとって、怪しい手つきを見て、身体を脱力させた後。
迫る助手達の先頭に向けて姿勢を低くして大きく震脚で間合いを詰めて。
迫る手そのものを壊すような肘打ちを仕掛けました。
■メルル博士 > 凛の放つ見事な肘討ちにより、先頭の助手の腕が吹っ飛ぶ。
その助手はアンドロイドであり、切断された腕からむき出しになった機械部品が見えるだろう。
「見事な肘技ですね。だけど、このロボットもタダじゃないんですよ……」
他の助手達は、凛から離れて一旦距離をとる。
そして、どこからかレーザー銃を取り出して凛へと向ける。
周囲も今の騒動にざわめき始めるだろうか。
「あなたがどんな異能を使うのか、この場で実験しちゃうのもいいですね。
良い機会です。ちょうど試したい事もあったのですよ」
数名の助手達は、レーザー銃の引き金を引かんとしていた。
■陽実 凛 > 肘打ちに手ごたえ、あり。
まさかの機械の腕を見て目を見開き。
周囲の状況を軽く視線で確認すれば。
「不可能だと思いますよ?」
肘を振って銃口を見れば。躊躇いなく今日の収穫の袋を盾にすべく回りこんだ。さようなら私の今日の労働の儲け。
後、周囲の人は銃を見て逃げ出し始めました。大騒ぎになるかもしれません
■メルル博士 > 助手達はその袋に容赦なくレーザー銃を放つ。
中身は何だか分からないが、特別な物質でないならレーザーにより粉々だろう。
ただ、袋を盾にした凛は無事だろう。
銃を取り出しては、さすがに回りの人は逃げ出している。
「科学の発展に犠牲がつきものとは言え、無駄な犠牲者を増やさないためには都合がいいですね」
ただ無表情でたんたんと述べる。
「それでは実験を始めましょう」
試したい事その1を実行に移そうと、メルル博士はビー玉サイズ程の赤い球体を地面に投げる。
何らかの科学技術だろう、赤い煙が上がると共にその球体から冴えない男が現れる。
黒髪で半裸の男性。まるでゾンビのように凛へと近づいていく。
その時、半裸の男に変化が現れる。
その男の背中から大きな翼を生え、そして巨大化しながら筋肉を増幅させて、頭から角が生える。
「その辺で拉致った学生の遺伝子を弄りましてね、異形に改造してみたんですよ。この実験体がどれ程の力があるか楽しみですね」
男は、凛に掌を向ける。なんと、その掌から漆黒の光線を凛に放とうとしていた。
■陽実 凛 > 袋そのものが焼け、中身も姿がお目見えする事なく粉々になる。
ワタリガラス数羽、ピンク色の蛇数匹、角の生えた巨大な牛のような生物等、台車も使い物にならなくなった。
後ちょっと掠めそうになった気がするけれどそこはそれ。
荷を無駄にされた事への怒りすら浮かばない。
未だに無表情のままで対峙して。
赤い煙に異臭を感じないかを思わず嗅いで、半裸男の変貌を見て。無表情から殺気が漏れ出す。
「……グール、でもない別のキメラ。
『異形派』の生き残りかな。別のだとしても」
その後を口にする前に掌を向けられた時点で駆け出し、右側の建物の壁を踏み、窓枠に足をかけ、屋根へと手をかけて上へと登る。
この間数秒足らず。
動きに合わせて偏差射撃をされてしまえば光線を受けてしまうだろうけれど、どうか。
■メルル博士 > 異形の男が放った光線は、凛が元いた地面に着弾し、爆発を起こす。
その爆発により、小さなクレーターが誕生した。
「素早い身のこなしですね。あなたの身体能力は十分分かりました。
そろそろ、あなたの異能も見せてくださいよ」
異形の男は翼を広げて宙に舞う。そのまま凛に目掛けてその巨大な拳でストレートを放つ。
動きは実にシンプルだが、巨体のわりに素早い。少なくとも屋根は簡単に粉々になってしまう程の威力がありそうだ。
■陽実 凛 > 黒い光線の威力を屋根に登ってから視認。
それでも回避には十分動いていれば間に合う程度と判断しました。
「……不可能ともう一度返す」
そもそも、接触型の異能かつ発動が目に見えない代物でした。
本人に接触しないと認識もしないのではないでしょうか。
ともあれ異形の男が飛んで来るのであれば。
そのストレートを、革手袋を嵌めたままストレートで迎え撃ち。
接触の瞬間に膝を落とし重心をずらして姿勢もずらし衝撃を腕から体、体から足へと逃がしながらもそれでも屋根は割れ、屋内へと落下する。
いっそ近接強化系の異能に見せかけられないか試してみたけれど、上手くやれたかは自信がありませんでした。
■メルル博士 > 「不可能……そうですか。
異能を使うまでもないという事でしょうか……。
あるいは、あなたの異能は戦闘タイプではないか、こちらに感知され辛いものという事ですね」
ともかく、実戦でこの少女の異能を研究するという事は難しそうだ。
凛のストレートと異形の男のストレートがぶつかりある。
そのまま異形の男は力任せに少女の足元の屋根を粉砕する。
メルル博士は異能研究の専門家。それ故に、異能であるかを見抜く能力には長けており、凛の行動を見ても異能とは思わない。
「あの実験体、中々に良いデータを取ってくれますね。ですが、改良の余地はまだまだ残されていると言っていいでしょう」
異形の男は、崩落する建物から一旦離れ、メルル博士の傍らに着地する。
そして、崩落した建物の様子をうかがっている。
■陽実 凛 > 崩れる建物。どうやら家の様で、住んでた人には災難でしかありませんでした。
とりあえず相手が離れてくれたおかげで着地の妨害は無く、部屋の床に着地。屋根が崩れる中、コートのポケットから以前地獄炉見に行ってと水月さんに頼まれたときにポッケないないしていた袋を取り出し、右手に保持。
脱出するにしても窓からまず位置確認をして、彼女達とは反対側に部屋を出て駆け抜けて廊下の窓蹴破り。建物の裏を通って博士への邪魔されなさそうな接近ルートを探り。
■メルル博士 > もちろん、住んでいた人は既に逃げだしている事だろう。自宅崩壊とは災難な事に。
メルル博士と異形の男は崩落した民家を凝視するも、凛の姿を確認できない。
「瓦礫に紛れて、退散しましたか。
やはりこのメルル博士の天才的頭脳が改造した異形男には敵わなかったようですね!」
そしてメルル博士と異形の男、そして助手集団は踵を返したので、凛から見れば完全に無防備。
接近ルートを見つけて接近するのは容易い。
■陽実 凛 > 相手は多勢、落とすなら頭だけ落として後は撤退が今回は現実的。
呼吸を静かに落として、気配も消し、隙だらけに見える接近ルートを確認すれば。
手袋ごしに掴んだ袋の中身を見て、中身を二つに分けている仕切りのロックを外してそれから忍び足。
音と気配を消して接近して、気付かれそうになったら袋を博士に向けて投げて逃げる算段。
気付かれず近づけたなら博士の頭蓋を掴んで袋の中身を嗅がせる算段。
さて、どうなるか。
■メルル博士 > メルル博士達は、凛に気付いている様子はない。
凛はメルル博士のもとに無事接近できる。
博士は天才であり神に匹敵する頭脳を持つ(根本的には馬鹿だが)
だが別に身体能力が高いってわけじゃない。
メルル博士はあっさり頭蓋を掴まれて、袋の中身を嗅がされる事だろう。
「ん~……!!!」
袋の中身を嗅がされている博士は、目を見開く。
そしてその天才的頭脳をもってして、何を嗅がされたのかを分析し始める。
博士に身体能力はないが、助手集団と異形の男は別。
助手集団は素早く反応し、一斉にメルル博士の頭を掴んでいる凛にレーザー銃を向けた。
■陽実 凛 > 左手で頭蓋を掴む事に成功し、袋の中身を嗅がせる。
ただし、これは別に殺す目的でもなければ眠らせるような目的でもない。
中身は塩酸と硝酸の混合物だ。
袋も化合が進めば王水となって溶け出すだろうけれど、それにはまだ間がある。
「手下を引かせないならこのまま袋を叩きつけて顔を溶かすなり、骨を折る事もできるけど?」
二重の脅しをかけて、助手軍団や男を引かせるように、淡々と口にする。
問題は聞く耳があるかどうか、ではあるが。
■メルル博士 > 嗅がされた臭いにより、袋の中身を知る。
さらに、頭蓋を掴まれているのだから、このまま力を入れられれば骨を折られる。
「今、まさしく退いていたところじゃないですか」
民家が崩れた凛が瓦礫に紛れて逃亡したと判断し、メルル博士達は退散しようと踵を返しているところだった。
「こんなにも騒ぎになっているのです。そろそろ風紀委員も到着する頃ですよ。
こちらは十分、実験体の良いデータを取らせていただきました。
あなたも、面倒な事にならない内にこの場から退くべきだと、この天才メルル博士は考察します」
脅されているにも関わらず、冷静な声で凛に忠告する。
助手軍団も、レーザー銃を一斉におろした。
■陽実 凛 > 「…口ではそう言って、探す輩は多いものです。
特に研究者は。」
得てしてそう言う物だと思っているし、できれば博士を確保したままで引かせたかったのだけれど。
騒ぎになっている以上、面倒事にはなるか、と溜息をつき…舌打ちして、袋をまだ保持したまま、頭蓋からは手を離しタイミングを計り、レーザー銃が降りている事を確認して、視線は彼女達に向けたまま後ろに引き、建物の影へと戻っていく。
出来れば距離を取らせて引く間を取って折りたかったが、その後の戦闘まで考えると銃の数や風紀委員への被害が問題になりそうで。
なんともしがたい感覚を持ったままこの場を去る。
方法の選択ミスが痛かった、と歯噛みして。途中で袋も捨てるはめになったし、今日は散々な日になった。と言っても、感情が反応しない事を自覚してしまえば。ただの要注意要素として、留めるだけとなったけれど。
ご案内:「開拓村」から陽実 凛さんが去りました。
■メルル博士 > 「そうですね、研究者としては是非ともあなたを拉致して実験体にしたいところです。
あなたの異能には、実に興味があります」
ただ無表情で語る。
凛の言葉は否定しなかった。
別にこの場で探さがさなくても、後ほど探せばいいのだから。
そのままメルル博士に何もせずに凛が退いていくので、助手集団も異形の男も凛を見守るだけで特に何もしない。
メルル博士一行は風紀委員が到着する前に開拓村を後にし、転移荒野にある研究所へと帰っていくのだった。
ご案内:「開拓村」からメルル博士さんが去りました。
ご案内:「転移荒野」に水月エニィさんが現れました。
■水月エニィ >
「何かあったのかしら?」
曰く、転移荒野から開拓村に掛けて大きなドンパチがあったと聞いた。
野次馬ならぬ野次犬に訪れれば、一通り巡ってみる。
聞いた限りでは――何人かの内の一人には覚えがあるような気がした。
「気のせいなら良いのだけど、気に掛かるわね。
最近見ていないし……。」
表情豊かな無表情――は過言ではあるが、その類の彼女を思い出しながら散策を続ける。
■水月エニィ >
「……戦闘痕はあるけれど……」
軽く注意を払いながら進む。
とは言えドンパチや災害自体はわりとよくある――痕跡一つではだから何だ、と言う話でもあると言えばある。
ご案内:「転移荒野」に雨宮 雫さんが現れました。
■雨宮 雫 > 少し遠く離れた遺跡だか、岩だか、の脇から出て来る人影が一つ。
荒野から開拓側へ向かい移動している。
歩いているには速い速度で、足元を見れば浮いている板のような、車輪のないスケートボードのようなものに乗って移動している。
長い白い髪を靡かせて、周囲を時折見回しながら、に。
■水月エニィ > 「あら……?」
少し不思議な板に乗って移動している人の姿が見える。
あの白く靡く髪と、ゆとりのある中華服は――
「雫?」
視線と音の向きを合わせ、声を掛けるか。
■雨宮 雫 > 声が聞こえたのか、それとも偶然にそちらを見たのか。
片手を目の上に翳してエニィの方を向いた顔がそのまま固定され、すぐにその片手を軽く振った。
「~~~」
そして体を少し傾けて進路を変えると、一回地面を蹴って乗っている板を加速させながらエニィの方へと滑ってきた。
スノーボードを雪山で止める様に進路方向に向かって板を横にして減速、少し目の前を通り過ぎる位で停止した。
「ょぃせっと、珍しいところで見かけるのだね、だね。」
■水月エニィ > 「ええ。妙なドンパチを聞いたからね。
イニシアチブぐらいは取っておかないと有利に負けられないでしょう。
勝てないんだから歴史の韻を踏むぐらいするわよ。」
自嘲交じりに両手を竦める。
どうにも勝てない性分なのだ。上手く負ける者の真似ぐらいはする。
「雫は……割とどこにでも顔を出しそうな顔をしているわね。」
雫をまじまじと見つめればそんな言葉が飛び出る。
さらっと出てきた言葉だが、多分冗談やじゃれあいの類だろう。
■雨宮 雫 > 「へー、そんなのあったんだ。
ココだと何時にどんな戦闘あっても分かんないから、あんまり気にしてなかったかな、かな。」
両足が浮遊する板に乗っているせいか、いつもより若干背が高い。
靡いていた髪の毛を両手で纏めて後ろに流しながら、ナルホドネーと頷いた。
「ひひひ、あっちこっち歩いてるボクも普段はココには来ないかな、かな。
危険度高いから……ちょっと薬の材料取りに来ただけかな、かな。
あと、変な悪魔でも居たらと思った位かな、かな。」
見つめられるとヘラヘラと笑って受け流した。
確かに、島のドコにでも行くから間違っていない。
立ち入らないのは島の限られた場所だけだろう。
■水月エニィ > 「私もそうは思うのだけれど、開拓村まで話が及んだのは珍しいから。
……ふぅん。薬の材料。手伝えるものなら手伝えるけれど。必要になったから危険を冒して取りに来た具合かしらね。」
普段は来ないと言うのならば、それなりの理由があるのだろう。
彼はリスクを見る方だから、理由が無ければ代替えをする――様に思える。
――そうやって考えを巡らせていれば、聞き流していた言葉が改めて引っ掛かる。
不思議そうに問い返す。
「悪魔?雫の口からはちょっと珍しい感じのする感じの言葉ね。
いえ、装いに引っ張られているのかもしれないけれど……。」
■雨宮 雫 > 「へぇ、中々、派手なことがあったのだね、だね。
今はもう採っちゃったから、後は帰るだけだったのだね、だね。
まぁ手のかかる患者が出たから、早く治してあげるためにちょっと手間隙をねーかな、かな。」
言いながら笑っているのは、手のかかる子ほどというアレなわけで。
しかしまぁ、手のかかる患者で笑うのはちょっとオカシイが。
「ぁー、悪魔とか悪霊でもいいけども。
最近になってだけど、落第街とかの方で変な目にあった子が居るって話があるのだね?
で、誰かが呼んだとかじゃなれば、そんなのコトしそうなのが出てくるのはココかなって。
見つけても戦う気は全くないのだけど、だね、だね。」
問われれば、別に隠すこともない話だけを口にした。
■水月エニィ > 「そう。何時もの恩返しができればと思ったのだけど。
……手間のかかるにしては、嬉しそうじゃない。」
そういう性分なのか、惚気か何かなのか。
笑って応え、軽く触れる。
「変な目? それだけだと心当たりが多すぎて分からないけれど、それはそれとして……
……落第街で悪さしてこっちに居城を構えている、と。で、悪魔……。」
んー、と、考え込み始めた。
情報を整理しているらしい。
■雨宮 雫 > 「手のかかる怪我とか、病気な子を治すのは、楽しいからね。
治っていく過程も治った後とか、元気になっていく様子は良いものだからだね、だね。」
全ては本当にそう思っている、嘘はない。
後は口には出さないが、どんな薬でどんな治療をしようか、とか思っているだけだ。
へらっと笑いながらの受け答えには遅滞も躊躇もない。
「ボクもまだ軽く聞いただけで、具体的にはちょっとねーかな、かな。
ココに居るかは分かんないのだね。
この島だと、ドコに何が居てもまーったく驚くハナシじゃないから、本当にただの薬草採りのついでなのだね、だね。」
何か考え込み始めたエニィに んー? を逆に首を傾げた。
言ったことは曖昧なことばかりで、特に、何か特定になるようなことを口にしてないはずなのだが。
■水月エニィ >
そう。"曖昧すぎて絞り切れない。"
それでも投げかけられたワードには思案する。
水月エニィが考え込む時はどうあってもそうなる。
――疑い出せばキリがない。故にそうする事は嫌いである。
だから考えるのだ。張るのだ。握るのだ。考えるのだ。
万の死から一の生を掴み取れる様に、どう負けても生き延びられるように――。
「……そう。まぁ、守秘義務は大事よね。
ついつい考えこんじゃったわ。」
逆に首を傾げた雫の様子で把握する。
敢えて絞っているのだと。
考える事が必要ないと分かれば、裏は読まない。
考えていてはキリがないのは良く分かっているし、
世の中は善意で回されていないことを良く知っている。
それでも、だからこそ、表向きのものだけは確かに受け止める。
それが危機を呼ぶことは分かっているし、理性とは真っ向から矛盾している事は良く分かっているけれど。
故に考え込んで疑う事は苦しいし、
故に信じ込んで裏切られることは手痛いものだ。
■雨宮 雫 > 「ぅーん?
患者の方は確かに秘密だけども。
噂話の方はホントにこれ以上のネタは無いからってトコロかな、かな。
ボクは風紀とかじゃないから、保健室とか病院に駆け込んでこない限り、詳しい話とか入ってこないしね。」
何をそんなに考え込んで居たのか、と首を傾げたままエニィを眺めていた。
そんなに 悪魔 という単語が引っかかったのか、それとものこの程度のハナシで何か思いつく点でもあるのか。
「分からないコトは考え込んでてもしょうがないしね。
出会いたくは無いけど、出会ったら頑張って逃げる位しかできないし。」
■水月エニィ >
とは言えそんな事は当たり前の事を難しくしているだけでもある。
適宜適宜天秤を併せていくしかない。それは良く分かっているけれど、
時々――最近は特に――抑えないとざわめきだす。
流石に自分のおかしさは自覚している。
昔とは違う。そこそこの時間日常に浸っていれば、それは分かる。
(本当、悩みものね。)
特に引っかかるものが有った かというと 何時もの程度だ。
あえて言うなら記憶媒体全体に検索を掛けるような丸洗い。
顔を覆って大きく息を吐いて、気を取り直す。
「確かに、しょうがないわね。
私にしたって結局隙を見て逃げるか振り切らなきゃいけない話だもの。」
■雨宮 雫 > 「…………んー?
なんかボク変なこと言ったのかな、かな。
悪魔とか言っちゃったからかな、かな?」
何がそんなに引っかかるのか、と自分の発言を思い返してみるのだが。
特にコレといって……単語1個くらいしか考えつくものはない。
「面倒な相手は専門家に任せちゃえばいいかな、かな。
相手が分かれば、後は風紀とか公安とか、先生が倒してくれると信じてるかな、かな。」
これも本音である。
面倒ごとは誰かに丸投げし、戦える相手がやればいい、と思っている。
■水月エニィ >
「ううん。性分。語弊を承知で言うと歪んだ神経質ね。
普段は入れないようにしているけれど、スイッチが入るとキリがないのよ。
だから大丈夫。悪かったわね。」
小さく首を横に振って否定して、軽く流す。
続く言葉には――
「……ええ。そうね。」
曖昧ではあるが肯定してみせる。
思う所が無い訳ではないが、言って良い事でもあるまいと。
■雨宮 雫 > 「なんか気になると止まらなくなっちゃう感じなのかな、エニィは。
ネットしてると、1個の単語気になって検索してまた検索して検索して、最初のがどっかに吹っ飛んじゃう感じの。
特に悪いハナシはないから、大丈夫かな、かな。」
そーいうのなら分かるから、大丈夫、と手をヒラヒラ振った。
まだ何かこう、歯切れの悪い調子に ぁー と視線をさ迷わせて
「アレかな、自分でどーにかしたいと思っちゃう感じかな、かな。
ボクも自分の専門分野なら、そーしたいって考えるんだけどねー……」
■水月エニィ > 「最初から最後まできっちり覚えているつもりだけれど、そんな感じね。」
忘れてしまっては意味が無い。
故にそう言う――実際の所は時折欠けるが、そんなものだ。
「こう言うと自意識過剰とか言われそうだけれど、ここに来るまで水月エニィに明確な味方は居なかったのよ。その名残。
とは言え振ったり打ったりすることもある。でも、把握していないと裏切られた時に困るじゃない。
……後はまぁ、ずっと負けっ放しだから。」
彼なら別に良いだろう、と、言葉を択んで内心のほんの少しを吐露する。
理性と感情がせめぎ合った結果――通じなくても良い、ぐらいのものだ。
■雨宮 雫 > 「…………なるほどー?なるほど、とか言っちゃったけど。
ボクがうまく咀嚼できてるかは怪しいかな、かな。
周りが敵か潜在的な敵ばっかりだったから、考えられるコトと手は常に尽くしておかないと、ていう性分になっちゃった、かな、かな。
あぁ、エニィは確か、そーいう…………だから余計にかな、かな。」
前に、負けやすくなるとか言ってた気がするのを思い出した。
そうなると確かに、どれだけ手を打っても打っても不安だろう、というのも想像できるコトではある。