2016/07/08 のログ
ご案内:「転移荒野」にギュンター・ゲオルグ・カワダさんが現れました。
ギュンター・ゲオルグ・カワダ > ギュンターはただ困惑していた。
 
これほどまでに困惑したことは、彼の人生では間違いなく初めてだった。 
 
 

ギュンター・ゲオルグ・カワダ > 齢三十を重ねるギュンターは、それなりに国家と社会に貢献して生きて来たつもりである。
一端の軍人としての教養をはじめ、己に自信を持てる程度には体も技も鍛えてきた。
 
それもこれも、偉大なる母国の天皇陛下と父祖たる祖国の総統閣下への忠誠故であった。
 
無論それが全てなどと言うつもりはない。
だが、彼は国家社会主義及び国家全体主義の防人として、今日まで誇りを持って軍人として過ごしてきた。
 
それなりの苦悩はあった。苦痛もあった。
人並みの、いや人並み以上の辛酸も、仕事柄舐めた方だと自負している。
 
しかし、そんなギュンターでも、今置かれている状況にはただただ困惑する他なかった。

ギュンター・ゲオルグ・カワダ > 「通信途絶か……大本営は愚か、屯所へすら連絡が届かないな」
 
最早、無用の長物と化した通信機を片手に、眉根を顰める。
 
ギュンターの記憶が確かなら、自分は先ほどまでスターリングラードにいたはずだ。
かつては祖国たるドイツ第三帝国がソビエト連邦との血戦を演じた死都であったが、今は総統府と帝国大本営の共同計画による完全管理都市の臨床試験都市として世界中から注目されている。
完全環境都市計画の前準備として反抗勢力の掃討を行っていたはずだが、そこから先の記憶がない。

逆徒共の戦術魔導兵器が暴走でもしたのだろうか。

ご案内:「転移荒野」に那岐夜車丸汀さんが現れました。
那岐夜車丸汀 > 蝙蝠が先触れとして 飛ぶ。そしてその後にこの空間には相応しくはない気がする音の調が流れる。
その音を弾きこなすのは 超絶技巧の技を持った一介の音楽家、否 吸血鬼。

遂に今まで訪れる事の無かった空間へと足を踏み入れてしまったのだ。
歩きながら 何の事無くヴァイオリンを弾きながら 軍服を纏う殿方の方へと足を進めて。

ギュンター・ゲオルグ・カワダ > ガイゲの音に自然其方に視線を向け、ギュンターは腰から抜いた銃を構える。
 
「誰だ。所属と氏名を言え」
 
短く、それだけ問う。

ご案内:「転移荒野」にリビドーさんが現れました。
那岐夜車丸汀 > 音の効果は 主に魔物避け、災害避け。ただこの空間においては
単に効果が薄く弾いた処であまり意味をなさないのは分かっている。
場の空間把握は既に大まかに把握したーその軍服は兎も角、紋章が 首を傾げる位までは。

ぴたっと音が止まり 瞬時にして弾いて居た筈の楽器本体が消えた。
残っているのは剣の様な弓のみ。

「所属、で御座いますか。…常世学園一年、那岐夜車丸汀で御座いますが
 …聊か 物騒なものをお持ちな様で」

軍属もしくは軍人の方でしょうか、銃で撃たれると聊か困るのですが
…迂闊に動けないし、もし銃を放たれると面倒な事が起きるのがここ 転移荒野の恐ろしさ。

ナニを呼ぶか分からないのだ。

リビドー >  
 ちょっとした負傷の痕なのか、右腕に三角を巻いた若い少年のような風貌の男性。
 装いはシャツとスラックスの簡素なものだが――そのような男性がふらりと現れれば、
 遠巻きに二人を視界に認めた。

「む……」

 遠巻きに様子を伺う事にしたのだろう。
 その場で足を止めて、様子を伺う。
 

ギュンター・ゲオルグ・カワダ > 「常世学園……? なんだそれは、満州あたりの私立校か? そも、なんだ、その舌を噛みそうな名前は……」
 
金満のいる香港やら南京あたりなら個人で学校法人を経営する者がいても可笑しくはない。
それはそうと、何かしら魔術やら妖術やらを扱う手合いで間違いはなさそうだ。
こうなると、大陸由来の妖術師か、軍式霊装を扱う兵士である可能性も出てくる。
何れにせよ、油断はできない。
 
「此処は何処だ。その術は何処で覚えた」
 

那岐夜車丸汀 > 「…もしや。満州?大陸の方でしょうか? 聊か知識としては浅学の身、
地理には詳しく御座いませんので 困りました、え、名前?これは通り名ですが…
本名が思い出せませんので 本名不詳のまま届け出をし受理されておりますのに?」

拙い 満州、て かつて異世界からこの世界に来た身としては 満州の地名、その時期 その終焉までは
分かっている、が、この目の前の彼 その喋り 服の着こなし方 諸々現役っぽい。
妙な事 喋る訳にも行けなくなってきた。名前に関しては本名ではなく通り名。
然し その通り名はこの島に属するに当たり 理由込で申請は受理されている 問題はない。

「ここ…どう説明をしたらよいのでしょうか。 術は…この世界ではない処で習得致しましたが。

…召喚を 少々乍ら 己の手により術式を弄りました結果に御座います」

…おや、近くもないが遠くもない場所に存在を感知。
目線というか意識少しをリビドーの方へと一瞬向けた、
なまじ動けないので そちらへと声も上げられないですが。

リビドー >  
(軍人風……いや、本物かな。
 特殊な何かを持っているならともかく、伏兵のようなものも見えない。
 場所を尋ねた事かもしても、異邦人の類と見るべきかな。)

 流された視線には会釈変わりの目配せで応じる。
 今の所は流れに任せ、割って入る様子はない。

(しかし、全体の意匠も気に掛かるが……旭日旗の紋、なぁ。)

 そこに視界が行く。
 目を凝らす形にはなるが、そのシンボルへと視線を移した。
  

ギュンター・ゲオルグ・カワダ > 「祖は大陸の雄だが、母なる母国は海を総べている。
私は大日本帝国陸軍所属のギュンター・ゲオルグ・カワダ大尉だ。
本名不詳で承認が通る学校だと? とんだド田舎の女学生のようだな……」
 
普通そんな事は在り得ない。
この世界では無いだのどうだの言う所を見るに、出身地も怪しい子女にみえる。
それらがすべて不詳でもまかり通る学校となると、少なくとも国公立はありえない。
確実に何処かの私学だろう。
それも、相当に由来が怪しい場所の、だ。
 
「いずれにせよ、帝国軍人として君の身柄は預からせて貰う。
近場の街まで私を案内してくれ。
なんなら、軍の詰め所や屯所でも構わない」

那岐夜車丸汀 > (…本物でしたー!大尉?そこそこ 兵を束ねる立場ですね確か。
色々と気になる点がある、色は分からないが顔立ちが欧州寄り 然し軍服及びその紋章が旭日旗。
どこがどうなって…いやいや 確実に分かったのは この大尉たる軍人は異邦人!
喋りと地名 尋ね方諸々ひっくるめて確定すら出来そう。)

「大日本帝国陸軍大尉 カワダ様でしょうか。
私の事は兎も角 ど田舎は言い過ぎですので 後程関係者様各位から 小言を受けて下さいませ。

そして 私 普通の女学生では御座いませんので、お気を付を」

何をもって普通と仰るか。
その普通を小一時間ほど訪ねてみたい。己の事は貶しても大して何も気に留めないが、
色々とお世話になっている学園…学び舎の事を馬鹿にされると気になる。
軍人はどうも好みに成れそうにない。こればっかりは譲れない。

「私 を保護すると? …それはお断り申し上げます、が、
近場の街及び 軍…公安委員会もしくは風紀委員の詰め所へは案内は受け賜りたいと勘考致しますが。

…『リビドー師範 如何致せば宜しいでしょうか?』」

最後の一言は 声に魔力を敢えて込め
リビドー教師へと行動の指示を乞うべく 視線をまともに向けて伺い

リビドー >  
 さて、どうしたものか。
 見守るつもりだったが、視線と魔力で指示を乞われれば――
 ――それらを読む事は出来るが、発信の技術や道具は置いてきている。

 さて、行動する ないし どうにかアドバイスを提示するにも、 那岐夜車丸汀がこちらの世界の委員会――治安機構を提示した後の軍人の行動で打ち方は大きく変わる。
 咄嗟の何かにも対応できるよう、静かに少しずつ歩み寄りつつながら、もう少しだけ様子を伺う腹積もりか。
 
  

ギュンター・ゲオルグ・カワダ > 「私の要請を断るという事は天皇陛下並びに総統閣下の勅命を無碍にするに等しい。
即座に国家反逆罪が適用されるが、それすらもどうやら知らないようだな。
一度目は特別に見逃す。だが、二度目は……委員会?
総統府か、それとも各省庁の役人か? 国家公安委員会が絡むというのはわからんでもないが……」
 
ギュンターのいた世界では軍人、特にドイツ軍か日本軍に所属している士官の言う事は社会的にかなり強い拘束力を持っている。
国家に奉仕する事は全ての人民の義務であり、当然の責務なのだ。
逆らえば即座に銃殺されても文句は言えない。
ギュンターはそういう常識の元、動いている。

那岐夜車丸汀 > 「…僭越乍ら申し上げ奉りますが、大尉殿が仰られる命は、
 こちらの世界においては何の効力 何の罪にも該当は致しかねます。
 大尉殿の居られる世界においては 絶大なる皇帝陛下…天皇陛下でしたね、
 総統閣下の勅命は何物にも勝るご様子ですが、それはそちらの世界での事。
 残念ながら 大尉殿 貴方様の命には従う道理も義務も御座いません。
 知る知らない以前に 権力及び力を誇示する事で民にそれを強いる事を
 強行するのであれば 私目は 此処を辞し立ち去りますので。

 特別も何も 言葉だけなら未だしも…銃で脅してきた時点で 私は少々 気分が悪う御座います。」

拘束力を盾にされて 何でその命に従わなければならないのか 理解に苦しむ。
初対面でなおかつ 銃を向けられた時点で 喧嘩売っている様なものと判断しつつ 遜って対応した結果がこれか!

…喋ってて 長居は無用と判断。 足に魔力を込め始めた。すぐに溜まろう。
此処にはリビドー師範も居られる、ある種の頭痛が絶えない為長居は無用とばかりに

「ご案内を致そうかと一度は考えましたが 私 考えが変わりました。
 この場を辞する事と致しましたので ごきげんよう。」

それでは、と丁重にお辞儀をすると その場からアルビノ少女の姿がーかき消えてしまった―転移魔術かそれらに近い魔術を使ってしまったらしい。