2016/07/09 のログ
ギュンター・ゲオルグ・カワダ > 「誇示ではない。当然の責務を果たしているだけだ。
軍人たる勤めであり、ひいてはそれが市民を守る秩序の規範となる。
それよりも、こちらの、世界……? 
何の話だ。それも含めて、術装の出自諸共詳しく話を……むっ!」
 
突如、目前で消える少女の姿に瞠目する。
透過術か、それとも転移術か。
何れにせよ戦略級特定秘匿術だ。
それを扱えるという時点で、最早、発砲の理由は十分。
次の瞬間に首を刈られていても可笑しくないのだ、躊躇なく引き金を引くが……結果は虚空を弾丸が貫くのみ。
 
「……逃したか。しかし、透過か転移を使えるということは……どこかの諜報員か?
それにしては、様子が妙だったが……」
 

ご案内:「転移荒野」から那岐夜車丸汀さんが去りました。
リビドー >  
「常世学園。
 21世紀の初頭の《大変容》を受け、当時の国際連合の要請によって設立された、
 現在はどの国家・団体にも所属していない中立的なモデル都市の一つ。」

 出来る限り私情や思想を加えないよう、
 普遍的な解説を語りながら歩み寄る影が一つ。

「今もなお発生し続ける危機に備える為、
 各国・各惑星・各世界より零落した技術を意欲的に取り入れ開発を行い続けている島でもある。
 勿論、合法的にだ。」

 手元に水球を3つほど作り、軽く左手でお手玉。
 魔術程度の嗜みは ある と デモンストレーションも兼ねているのかもしれない。

「訳が分からなければ、遥か未来の地球の――未来に準するものだと思ってくれればいい。
 魔術ないし科学的に時間や空間の研究を行ったりはしなかったかい?
 あるいはタイムマシンとか、アダムスキー型の何かとか。……ともあれ。」

 それらを左手でまとめて掴んでから霧散させて手を止める。

「威圧的な行為は子女を泣かせるか、それよりマシだとしても嫌われる。
 キミが混乱しているのも分かるが、もう少し紳士的な行動をしたって罰は当たらないんじゃないかな?
 ああ――ボクはリビドーと名乗っている、この学園の一般的な教師の一人だ。」

 恭しく礼をしてみせた後、視線を向けて対峙し直す。
 

ギュンター・ゲオルグ・カワダ > 「未開地で紳士的な行動とやらをとって自爆特攻を受けた軍人は数知れない。
特に阿弗利加暗黒大陸では逆徒共の常套手段だからな」

続けて現れた男に、再び銃口を向けるが……説明するように言葉を連ねる限りは、発砲はしない。
一通り聞き終えてから、ギュンターは眉根を潜めた。

「二十一世紀現在、まるで聞いた事がない話だな。
空想科学小説か何かの題目か?
何れにせよ、眉唾物の話だな」
 

リビドー >  
「運が悪くて 見る目が無かっただけの話だよ。
 自爆特攻を見抜かせなかった逆徒が強かったとも云う。」

 軽く口元を緩め 流す。

「信じられない。それならそれで構わんよ。
 言っているボクでも突拍子が無いと思うからな。……ともあれ、そう云う研究には縁がないか。
 となると事故か 事故に見せかけた謀反か。
 胡蝶の夢かもしれないか。取りあえず、意図を以ってここに来た風には見えないな。」

 どうしたものか。自分の顎を撫でながら思案する。
 当然・真っ当な事とは言え――警戒を緩めぬ彼を前に少々迷う。
 ――恐怖や警戒の類はあまり見えず、リビドーの表情に浮かぶものは困惑とある程度の礼節か。
 
 

ギュンター・ゲオルグ・カワダ > 「なら、私は自分の見る目も運も信用はしていないし、逆徒の周到さには常に警戒するというだけで話は済む。
油断して死んだ奴は其れこそやまほど見てきたが、杞憂でくたばったという話はついぞ聞いた事すらない」
 
ただ、銃口を向けたまま。
それでも、発砲はせずに話を聞く。
 
「全くその通りだ。意図せず、私は此処にきた。
そこを騙る理由は無い。
その口ぶりを見るに、此処ではそれは珍しい事ではないようだな」

リビドー >  
「それがキミが知らないだけ――とも言えんか。確かに一理ある話だ。
 とは言え警戒し続けられる者はそう居ない。見張りだって交代はする。
 警戒がリソースを使うものなのはキミも良く知る所だろう。……常にそれを欠かす事ないのなら英傑だ。
 もしかすると、キミもその人なのかもしれないな。」

 思案のままに言葉を流した後、軽く口元を緩める。
 嘲笑でなく得心の類の意を示した。

「と、話が逸れてしまったな。
 まあ、そうだ。信じるにしろ信じないにしろ珍しい事ではない。
 信条はキミの自由だからな。それには あまり言わないけれど、そうだな。
 ……警戒と危機の排除を主に置く軍人気質のキミでは、
 人種の坩堝――多様な価値観が混ざり合うこの地においては少々苦労するかもしれないな。
 化け物も多いから、気を張るならば喰われないように気を張る事も大事なのは確かだ。
 当然、警戒を読み取られるリスクもあるが……その辺の判断についてキミに云うのは不遜かな?」
 

ギュンター・ゲオルグ・カワダ > 「りそぉす? ……よくわからんが、少なくとも目の前にいる相手と会話をしている間程度なら警戒は続けられる。
軍人とはそういうものだ」

依然、銃口を向けたまま、そう語る。

「仮に貴殿の言う事が事実なら、私は最早軍人ではない。
軍人とは忠誠を誓う国家と寄り辺があって初めてそれになる。
それが此処はない世界だというのなら、私はただの軍装を帯びた武辺に過ぎない身となる。
ならば、あとは郷に入らば郷に従うのみだ。
その中で、帰還の術を探る」
 

リビドー > 「そうかい。」

 それ以上の言及はせず、認めて話題を切り替える。

「信用してくれるなら有難い話だが――
 ボクも嘘を言っているかもしれないし 真実を隠しているかもしれない。真実を知らないかもしれない。」

 今は自分を軍人と呼べずでなく、
 郷に従う中 帰還の術を探ると聞けば――

「それはボクとしても好ましい。
 この世界は知識や技術の宝庫だからな。郷に従うのならば得るものは多いだろう。
 帰還さえ出来れば、ここから持ち帰ったものは財宝足りえるかもしれないよ。

 ……ボクの名前を出してこの教師から話を聞いたと役所――委員会に駆け込んで言えば、
 学徒ないし教師――定義こそ学園に倣ったものだが、異邦人が市民権を与える為の手続きを教えてくれるだろう。
 駆け込む相手次第ではあの先生また適当にしか説明しなかったか と 詳しく話を聞かせてくれるかもな。

 裏っ返せば、管轄や担当次第で対応が変わってくる話でもある。……特に何も要求が無ければボクはもう行くが、平気かい?」
 

ギュンター・ゲオルグ・カワダ > 「信用しているわけではない。
余りに情報が不足しているだけだ。
いずれにせよ、情報提供感謝する」
 
何もないにも等しい状況ならば、例え虚実でもそれは情報となる。
ならば、それは無為ではない。

「ああ、今のところはもう用はない。
貴殿の言う事が嘘かまことか確かめる意味も含めて、次は市街地に向ってみる。
ありがとう」

市街地がどのあたりにあるかの検討は、既に概ねついている。
何故なら、西の空に明かりが浮かんでいるからだ。
あれは、間違いなく人工のそれだ。
となれば、もう向かう先は決まっている。
 

リビドー > 「……素直に礼を述べられるとムズ痒くもあるな。」

 予想以上に真っ向から礼を述べられれば、軽く左手で頬を掻く。

「とは、言え、キミからすれば考えられない程寛容な島国だろうが――
 ――騒ぎを起こす時は覚悟しろよ。ボクだって邪魔するし、ここの生徒は若いならがにも有望だ。
 油断してると痛い目遭うぜ。……では、また会おう。」

 ある程度の腹芸や警戒はあるのだろうが、それでも第一印象よりも随分と 分別 があるような 軟化した態度の様に見える。
 仮にも年を経た軍人だ。過度の親切や干渉は矜持を突くものになるだろうし無償に似た親切から下心を疑われる可能性もある。

 故にこの程度で留めておくが吉と判断すれば、
 そのまま踵を返して歩き去る。

 仮に後ろから撃とう などと 機を探るのならば
 タイミングを掴ませぬような読み切れぬ歩調をはじめとした、妙な機の掴み辛さなどは抱ける――かもしれない。
 万一実際に発砲でもすれば、魔術らしきものによって土で遮蔽を作ったか。
 当然 万一そのような事が有った場合 の話 ではあるが。
 
 いずれにせよ、そのまま歩き去るだろう。
 

ご案内:「転移荒野」からリビドーさんが去りました。
ギュンター・ゲオルグ・カワダ > 無遠慮に背中を見せる男を見て、ギュンターもまた、銃口を下げる。
襲ってくる様子がないのなら、此方もまた撃つ必要はない。
 
「騒ぎか。
年甲斐もなく騒げるほどの物があるのなら、それはそれで胸が躍るな」

ご案内:「転移荒野」からギュンター・ゲオルグ・カワダさんが去りました。