2016/07/10 のログ
ご案内:「転移荒野」にクラージュさんが現れました。
クラージュ > 赤毛の勇者は、転送荒野にいた。
何をしているのかと言えば……。

コツコツと人助けをして得た賃金で購入した、剣を振るう。
振るった先には、不定形のはずなのだが何故か形が固定されている水滴に顔がついたような魔物。
一刀両断!!

てれってー クラージュはレベルアップー!!

「よ、ようやくレベルが10……別の場所に向かうべきかも知れないな」

クラージュ > 剣を収めて、大きく一息。
ここまで来るのも険しい道だった。
何せレベルが低かったのだ。少し戦うと死にそうになる。
下手すれば鍛えてる一般生徒より弱かったんじゃないか、そんな危惧も脳裏によぎる。

「そろそろ、武器や防具も新しくするタイミングかもしれないなぁ。
 ここの敵も倒したらお金を落としてくれたら楽なんだけど」

落とすやつもいるかもしれないが、大抵は血と肉の塊にジョブチェンジだろうね!
世知辛いね!!

「まぁ、食料には困らないからいいか」

放浪勇者アウトドア系。

クラージュ > そして唐突に日が翳る。
それを合図にしたかのように、弾かれるようにその場を飛び退くと 2mはあろうかという大きな鴉が元いた場所を掠めていった。

「……今のは、ちょっと危なかったな!!」

勢いそのままに転がるように距離を開けて、剣を抜く。
その時間でもって大鴉は再び空を舞う。
クラージュを中心に円を描いて機会を伺っているようだ。

「む……あいつ意外と頭がいいな……」

クラージュ > それから数度、上空から飛来する大鴉を避ける。
すれ違いざまに斬ろうと試みるも、相手も警戒しているのか上手くいかない。
この大鴉は用心深いようだ。
さりとて、獲物を諦められるほど執着が薄いというわけではないらしい。

「ふぅ―――」

大きく息を吐いて、集中する。
一瞬だけ弱い輝きがクラージュを包み、手にしていた剣が杖に変わっていた。

  ブレイブ・ワークス     ウィザード
「“勇者のお仕事”……『魔法使い』!!」

変異を感じ取り襲い掛かってくる大鴉。
先ほどより鈍い動作でなんとか避ける。
見ていて覚えていたからこその行動だろう。

クラージュ > さぁ、ここから反撃だ!!

「『万能たるマナよ、一条の光となりて我が敵を撃て!!』
 必ぃぃぃぃ殺っ!! 『エネルギーボルト』ぉぉぉぉ!!!」

杖の先から光の矢が飛んでいく。
なお、効果は通常の魔法の矢やエネルギーボルトといわれる魔法と同じ。
ただ無闇に力が篭った言い方をしているだけである。

閑話休題。

飛んでいった光の矢は狙いたがわず大鴉を貫いた。
それは空を支配していた大鴉を地に落とすには十分な威力を持っており―――

  ブレイブ・ワークス    ブレイブ
「“勇者のお仕事”……『勇者』!!」

再び、剣を持った“勇者”がその剣を振るい終わるまでには十分な時間でもあった。

クラージュ > 再び、剣を収める。
周囲に敵がいないのをざっと確認して―――

「っしゃあ!!被弾ゼロ!!」

大きくガッツポーズ。
怪我しなかった事がかなり嬉しいらしい。

クラージュ > なんでも、今は魔王とかが表れると耳に入っている。
ほぼ幽霊状態の上、携帯電話なんて持っていないが最低限の情報は入ってくるのだ。
入ってから気がついたけれど、便利だなぁ風紀委員。
なお現在は制服姿ではないため、腕章のみをこっそり着用している。マントの下だけど。

「さすがに、魔王がいるという状況で今のレベルでは……な。
 ここの似たような世界に飛ばされたときは、0レベルで魔王を退治しろと言われて焦ったけど」

あの世界はいろいろとぶっとんでいたなぁ と懐かしいものを思い出して遠い目をした。
元気だろうか、あの箒に跨ったPCヒロインは―――

クラージュ > 真面目な顔に戻って在りし日の思い出から現実に戻る。

「魔王がいる、というのなら!
 それを退治するのが勇者の務めだ……!! 敵わなくとも、せめて封印をして次の勇者に繋がなくては」

まぁ、封印できるなら倒せよ と何度も何度も思ったりもしたものだが。

「情報も、足りていないな。
 レベルもだが、後は何より……装備だ」

この世界で使える勇者専用の装備を探さなくては。
異世界で得た装備を持ち帰れるわけではない自分の体質が少々恨めしく思う。

クラージュ > 勇者の経験則からくる魔王退治の鉄板は。

・相手がどんな魔王かを知り
・その弱点……ないし特攻のある武器を得て
・HPやMPに気を配り、なるべく万全の状態で前に立って
・しっかりと前口上を聞いてから戦闘に入る

そうすれば、だいたいなんとかなった。
少なくとも今までは。
だから今回もそれでなんとかなるはずだ。

「腕のいい鍛冶屋がいてくれるといいんだが。
 ここの荒野にあるダンジョンに潜ってみるのもいいかもしれないな。
 できればパーティーを組みたいが…… この世界、俺が酒場とかに行ったら通報されるんだよなぁ」

ため息。

クラージュ > 「同じ風紀委員を集めるのもなー。
 ここ風紀の管轄じゃないし、危険あるからいい顔されないしなー」

しゃがみこんで頭を抱えた。
勇者は友達が少ない。
結構な頻度で異世界に飛ばされる為に、寮の部屋はほぼ帰宅できないので野宿か宿屋暮らし。
上記の理由で授業も休みがち。
島にいても人助けや魔物退治であちらこちらを飛び回り。
友情や愛情を育む機会が、そらもう少ないのである。
進級だって色々危うい。
レベル下がったらできてた事ができなくなったりするし。


「こればっかりは、地道にやるしかないよなぁ……」

クラージュ > 「とりあえず!!」

大きな声で気持ちを切り替える。
勇者は立ち止まらない。
動いていれば活路はいつだって開けるのだ。

「レベルを上げながら、装備の拡充。
 そして各地で情報収集!!
 魔王意外にも悪事はある……それらから、平和を護らないといけない!!」

クラージュ > そして勇者は町に向かって歩を進め……る前に。

「大鴉の肉はアレだけど、羽毛は売れるし……」

装備のための金策を行うのであった。

ご案内:「転移荒野」からクラージュさんが去りました。
ご案内:「転移荒野」に蕎麦屋さんが現れました。
蕎麦屋 > 深夜ともなれば、人の手の入らない荒野は暗闇に覆い隠される。
昼間でも人は余り訪れない場所がそうなってしまえば、人目はまず気にする必要がなく。
その分碌でもない伝承の怪物の類がうろついていたりもするのだが、そこはそれ。

「なら――さながらレアモンスターですかね、私。」

おいっちにー、と準備体操などしながら、そんなことを思わなくもない。
正規の訓練場もあるらしいが、多分、狭すぎる。

筋肉を伸ばし、関節を解す、この辺りは感覚的、気分的なものだがやるとやらないとではやはり、違う。

蕎麦屋 > 「とりあえず――」

最後にぐ、ぐ、と膝を伸ばして、準備完了。
この島では事、魔力や異能が持て囃されるようであるが。

背筋を伸ばして立った状態から、片脚だけをあげていく。高く、高く。

――そもそも動けない事には話にならぬ。

そのまま天を向けば静止する。
ふらつかず、揺れず。正確に――思い描いた動作を。

蕎麦屋 > 5分程静止したところで、上げた脚を思い切りよく振り降ろす。
振り降ろした勢いを活かして、地に着いた足も後方へ跳ね上げれば、上半身がぐるりと回った。

勿論、種も仕掛けもないわけではない。
種を明かせば、単なる肉体強化術の一種。
外の力を借りず、全て自身の内で済ませている、というだけの違いである。

幸いにして魔力も――も有り余るほどにあり。自身の内で正確に扱う程度であれば、術式も理論も必要はない。
筋肉を動かすのと同じ感覚で、補助をしてやればよい。

蕎麦屋 > ぐるりと回れば、両脚を揃えての着地。勢いは完全に殺して、身体はぴたりと静止。
踏み締めた乾いた大地に、罅が入る――。

東洋武術の内気功、というものにどうやら性質は近いようだが。
一切、外には依存しない、その一点が違うだろうか。

昔『視た』達人の技の真似、ではあるが。

蕎麦屋 > 再びの直立。
から、今度は膝を撓め――垂直に跳ぶ。空中でくるりと一回転。
曲芸のような動き、大地に入る罅が着地の度に深くなっていく。

くるり、くるりと回りながら、周囲を伺う。
何か突っかかってこようものなら、それはそれで面白かろうが。
本能で動くものはどうやら様子を伺っているらしい。
まっとうな理性のあるものは――まぁ、居たら居たで面白いのだけど、居そうにない。