2016/08/14 のログ
ご案内:「転移荒野」に羽切 東華さんが現れました。
■羽切 東華 > 「…うへぇ、ここが転移荒野って場所なのか…」
そう、口にするのはラフな私服姿に伊達眼鏡、紺色の竹刀袋を肩に担いだ一人の少年。
つい数日前に島へとやって来た転入生だ。まだ地理を把握しきれてないので、己の足であちこち散策する日々。
…が、好奇心旺盛で恐怖心が麻痺しているのもあり、こういう場所にも平然と足を運んでしまう。
「……と、いうか何だこの…えーと、デカい蛇?の、抜け殻だか死骸だか…」
目に留まったのは巨大な蛇の死骸。既にカラッカラに干乾びているのを見上げて。
肩に担いだ竹刀袋の”中身”が反応しない事から、どう足掻いても既に息絶えているのは明白だ。
むしろ、これで生きてたらそれはそれでタフ過ぎると思う訳で。
ご案内:「転移荒野」に羽切 東華さんが現れました。
ご案内:「転移荒野」に羽切 東華さんが現れました。
■羽切 東華 > 「けど、死骸にしても自然死でも無さそうだな……誰かがコイツを殺した、のか?」
好奇心に突き動かされるまま、死骸をグルリと一周して死因を探ろうと試みる。
そして、フと気付いた。所々干乾びた大蛇の鱗に刀傷らしき傷跡があるのを。
「……あーーつまり、刀使いさんがやったのかこれ。凄いなぁ…」
ご案内:「転移荒野」に羽切 東華さんが現れました。
■羽切 東華 > 自分だったら出来るだろうか?と、ついつい真剣に考えてしまう。
これが異能や銃創、格闘などによる傷だったらまだしも、刀傷…つまり剣士。
そうなると、自然とこの使い手の闘い方、技量などに思考が及んでしまうものだ。
「…そもそも、この大蛇が生前どれだけ強かったのかが謎だからなぁ。
案外、俺なんて瞬殺されるくらいに強いのかもしれない……多分」
一周し終えたら足を止めて。大蛇の亡骸に一度合掌しておこう。
(俺が斬ったわけじゃないけどまぁ成仏してくれ。あと化けて出ないでくれ)
■羽切 東華 > 「……よし、拝んだ事だし、何か”回収”出来る物でもないか……と、あった。」
呟いた少年の伊達眼鏡越しの視線の先にあったのは…大蛇の頭部。干乾びたそれは無残なものだが、そこにあった大蛇の口の中。
カラカラに乾いた舌…は、悪いがどうでもいい。注目したのは大蛇の牙だ。
「…ん、アレだけ貰って行こうかな」
呟けば一足飛びで大蛇の頭へと飛び乗って、で、そのまま口元へと鮮やかに移動する。
そのまま、軽く集中してから右手を翳す。と、男の掌から不意に巨大な刃が”生えた”。
「このくらいの大きさだったら一息に切れるかな――っと!」
次の瞬間、大蛇の牙が根元から切れ飛んだ。そのまま、少し離れた荒野の地面へと落下していく。
「お、切れた切れた。微調整がまだまだ難しいけど何とかなるもんだね」
ほくほくした笑顔で呟けば、そのまま軽やかに大蛇の頭部から飛び降りて着地。
先程切り落とした大蛇の牙へと足を運び。
■羽切 東華 > 「ん~~少し削った方が持ち帰るのには便利かな。いや、この場で加工するって手もあるけど」
大蛇の牙を前にして、それを凝視しながら独り言を漏らす。ややあってから頷きを一つ。
「……集中集中…訓練にも丁度いいし…」
呟きながら集中力を高める。そして、男の両手、両肩、両肘、背中、両足、爪先等から大小無数の刃が飛び出す。
それらは大きさだけでなく形も様々であり、これが彼の異能の力の一つ、鋼刃の生成。
「…サイズの目安は…まぁこのくらいで…あまり削り過ぎるとバランスが悪いし…よし」
目星を付けたら後はやるだけだ。次の瞬間、一斉に鋼刃が大蛇の牙へと飛んでいく。
それが大蛇の牙を切り、削り、或いはそのままぶつかって見る見る内にサイズダウンさせていく。
ご案内:「転移荒野」に影打 鈍さんが現れました。
■影打 鈍 > (カラン、コロン。
下駄の音が響く。
RPGのレベル上げ作業のように荒野を当ても無くウロウロとしているので、同じところを二度三度通るのも珍しくない。
今も昨日大蛇を喰ったところへ戻ってきたのだが、昨日と微妙に違うところがある。
その違うもの。
大蛇の牙を加工している男――と言うより、彼が持つ竹刀袋の中身に興味を引かれ、彼にゆっくりと近付いて。)
――汝、面白いものを飼っているな。
(後ろから声を掛ける。
気配はあるが殺気は無い。
元より道具だ、どちらのつもりにせよそんなものは持ち合わせていない。
剣士である彼であれば、それはすぐにわかるかもしれない。)
■羽切 東華 > 「……ん?あ、どうも……って、うわわ」
大蛇の牙を刀身のような形とサイズに加工し終わった段階で不意に声を掛けられて振り向く。
下駄の音が普段なら聞こえている筈なのだが、かなり集中していたので声を掛けられるまで気付かなかった。
だが、それよりも問題は…彼女と目を合わせたその瞬間。ゾワリ、という悪寒と背中に背負った竹刀袋。
その”中身”がカタカタ、いやガタガタと激しく震える。それだけでまず人でないのは確か。
「…ここまで震えるって事は…相当強い人だな。あと、別に”コレ”は飼ってる訳ではないんだけど」
と、苦笑いを浮かべつつ。まだ震えている竹刀袋を軽く叩いて”黙らせる”。
目の前の少女は、気配はあるが殺気は無い。が、それだけだ。剣士だからこそ分かる。
(…ウチの婆ちゃん以外でここまで戦慄したのは初めてだな)
■影打 鈍 > 人ではない。
刀だ。
(彼の言葉を律儀に訂正する。
勿論分かって言っているのかもしれないし、本当にそう思っているのかもしれない。
しかしどちらだとしても自身はその言葉通りに受け取って返答をする。
道具に言葉の裏を読む必要などないのだから。)
ふむ。
では飼われているのか。
しかし刀に使われているにしては、まともに見えるが。
(やはりこちらも額面通りに受け取った。
そう言葉を吐き出し、竹刀袋に視線を向ける。
袋越しでもわかる。
対人特化の自身とは逆の、対異能特化の刀。
彼がこの身を振るえば面白い剣士が出来上がるな、などと思案。)
■羽切 東華 > 「……ああ、やっぱり。妖刀…それも、かなり”斬ってきた”人だね君は」
律儀な訂正に小さく笑いつつも、流石にヘラヘラしていられない。
それだけの緊張感がある。恐怖は麻痺して感じないが、その代わりに脅威を感じる。
例えば、ちょっと気を抜けば次の瞬間にはあっさり首を刎ねられるような。
「いや、別に飼っても飼われてもいないよ。俺の家系は善悪問わず人外と戦ってきた一族らしいからさ?
まぁ、その歴史の中でこういう刀も使ってた訳さ。元々はただの刀でしかなかったらしいけどね」
竹刀袋は解かないままに苦笑気味に肩を竦める。まともに見えるのは幸いなのかどうなのか。
彼女の思考は分からぬまま、ふと気付いたように大蛇の死骸を親指でクイッと示して。
「もしかしなくても、この大蛇は君が?」
■影打 鈍 > だから人ではない。
――どれだけ斬ったかは覚えていない。
人間を殺した事は無いが。
(もう一度訂正。
間違いがあれば正す、融通は利かない。
人ではないから。
そして彼の言うとおり、相当斬っている。
命を奪った事は無いが、そこらの妖刀よりはよほど濃い存在だろうと自身では思う。
こうして人形を生み出せるくらいには。)
そうか。
喰らったものは逆ではあっても事の始まりは同じとはな。
ますます面白い。
(自身も元は普通の刀だ。
妖刀としては別に珍しいことでもないのだろうが、とは言え現在地が正反対だ。
興味を抱くなと言うほうが難しい。
示された大蛇を見、軽く頷く。)
ああ。
魔力が尽きそうだったのでな。
訳あって人を斬る事は出来んので、仕方なくだ。
■羽切 東華 > 「あーーうん、そこは分かってるから。取りあえずアレだ。
名前…えーと、刀だから銘かな?ともあれ、呼び名があったら教えてくれるか。
俺は羽切東華。常世学園に最近転入してきた1年生なんだけど」
己の名前などに相手は興味も無いだろうが、名前を互いに知ってた方が話が早い部分もあるだろう。
しかし、人を斬りすぎた刀と、人外を斬りすぎた刀。皮肉な対比でも有る。
「面白いかどうかは分からないけどね。まぁ、”コイツ”も君に反応してたから意識はしてると思うよ」
そして、己も妖刀…ここまで存在が濃い人型を取れる存在を見るのは初めてだ。
だからこそ、興味を惹かれるものがある…妖刀に魅入られる、とでも言えばいいのだろうか?
勿論、己の理性はしっかりしているし、彼女の強さはこうして対峙しているだけで感じるが。
「人を斬れない制約でも?まぁ、確かに代替の補給は必要だろうけど」
成る程なぁ、と頷いて。人斬りの刀が人を斬れない、というのはストレスが溜まりそうな気もするが。
■影打 鈍 > 黒刀・影打、銘は鈍。
――常世学園?
なんだそれは。
(学園の話は始めて聞いた。
そういえばこちらで斬った人間が、学校とか夏休みとかなんとか言っていたのを思い出した。
風紀委員と言う単語も聞いた記憶がある。)
汝に振るわれるのも一興だが、一度斬り合ってもみたいものだ。
何、ある人間と血を貰う代わりにしばらく人を斬らぬと約束しただけだ。
(確かに人斬りではあるが、斬る対象は人に限らない。
斬って血が出るならなんでも斬る。
むしろ殺した数で言えば、人でない生物の方が圧倒的に多い。)
■羽切 東華 > 「鈍…か。うぅん、鈍いどころか鋭すぎる気がするけど。
ああ、えぇとこの島の人間とか異邦人が通う寺子屋、というか学び舎…で、伝わるかな?」
簡潔な説明が苦手なので、取りあえずそう答えてみる訳だが。
おぼろげにでも概要が彼女に伝わればいいのだけれども。
「俺もまぁ、君という刀に興味が沸いたし、斬り合いは望む所だけど。
…でも、約束があるとなると今ここで、というのは難しいかな?」
やるのなら逃げず、媚びず、堂々と相手になる。それが斬り合いなら尚更に。
とはいえ、彼女の話だと誰かとしばらく人を斬らない約定を交わしているらしい。
それを破らせる訳にもいかない。
「じゃあ、こうしよう。今、人を斬れない状態だとして。もし、それが解禁されたなら――…」
そこで初めて竹刀袋を下ろし、それを解いて中身を取り出す。途端に周囲に溢れ出す霊気、神気、妖気や魔力、混沌とした力の流れ。
一見すれば、黒鞘に収まった何の変哲も無いただの刀。ただし、細い鎖が巻かれたそれを彼女に向けて。
「まず、真っ先に俺と斬り合いをしてくれないかな?黒刀影打。俺とこの《禍津切》なら不足は無いと思うぜ?」
そう、述べてからニヤリと笑った。
■影打 鈍 > 言葉遊びと言うやつだろう。
いや、学園と言う言葉は知っている。
島、島なのかここは。
常世学園、この世界は常世某と言うのか。
(人の考える事はよくわからない。
そしてこの世界の情報が此処に来てやっと入ってきた。
もともと気にしては居なかったが、情報が入るなら別だ。)
ああ、別に構わんが。
しばらくと言う約束だったし、そろそろ良いだろう。
(言って鞘から刀を抜く。
黒く黒く、ただひたすらに黒い刀。
血の色を重ねに重ねた黒い赤。)
やるならやろう。
汝に任せる。
(構えは取らず、手に刀をぶら下げたまま。
つまりやるなら初手は彼に譲ると言う意思表示。
殺気も敵意も戦意も見せず、存在感をそのままにただ立っているだけ。)
■羽切 東華 > 「俺もつい最近まで田舎に居たから、この島に詳しいわけじゃないけどね。
島の名前が常世島。学園は常世学園。運営しているのが常世財団っていう団体、だったかな?」
そう、答えながらも彼女の言葉に成る程、と頷く。つまり解禁な訳だ。
鎖を解いてから一呼吸。この刀を抜くのは久々だ。この島で抜くのもこれが初めてとなる。
こちらも無造作に刀を抜刀。青白い刀身、相反する赤黒い呪術文字がビッシリ刻まれた異様な雰囲気。
彼女の自然体の様子を眺めて、それだけで矢張り強いなと思う。存在感だけでもこの圧力だ。
「強い相手との斬り合いは嫌いじゃない。だからやるよ。」
初手は譲られた。一呼吸置いてから、不意にその場で刀を袈裟懸けに振るう。
当然、彼女との距離は数メートルはある…筈が、何故か刀身が一瞬だけ”伸びて”彼女を切りつけんとする!