2016/08/26 のログ
ご案内:「転移荒野」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 「ふー……こんなもんか。」

昼過ぎの転移荒野。夏の日差しが燦々と照り付けるその場所で、七生は額の汗を拭った。
足元には大量のトンボの亡骸。そのどれもが人間ひとりを抱えて楽々飛びそうな大きさである。
それらの亡骸全てが七生が斃したものであった。

「もう羽音も聞こえて来ねえし、今回こっちで沸いたのはこれだけかな……。」

汗まみれになったシャツを脱いで、近くの岩に腰掛ける。
夏休みの課題として出された、夏の間転移荒野に現れる巨大昆虫の駆除も規定回数は既に超えている。
今回は単に七生の趣味──鍛錬の一環として行ったものだった。

東雲七生 > 「こいつは図鑑に載ってたやつかな……」

一番近くの亡骸を眺めながら端末を弄る。
課題の中には新種の生物の場合は調査書の提出も入っていた。
ただ倒してその数を報告するだけなら幾らでも出来る七生だが、レポート作成となるとちょっと気乗りしない。
なので出来るだけ既に発見されているものである事を期待して戦闘に挑むのだが。

「……ええと、あったあった。コウテイオニヤンマ。
 腹の模様と顎と……ええと、あと羽根の……」

端末のカメラ機能を使った検索結果の説明文と、目の前の実物を比較していく。
今回は既存の種だったらしく、レポート作成の危機は無事に回避できたようだ。
夏休みにそう何度も部屋に篭らされちゃ堪らない、と確認を終えた七生は端末を仕舞いながら溜息を吐く。