2016/09/24 のログ
■東雲七生 > 「出来れば異能を使った戦闘に慣れておきたかったけど……」
仕方無いか、と肩を竦める。
対人戦よりは幾らか戦い慣れた昆虫相手で慣らして行こうという考えだったのだが、
この分ではそれも出来ないらしい、と小さく肩を落とす。
「ま、良いけどさ。ここは星も綺麗に見えるし。」
近くの岩に腰を下ろして、夜空を見上げる。
周囲に光源が無い所為か、一際星が見える。
もしかすると、他にも要因があるのかもしれないが、そんな事を考えるだけの想像力は七生には無かった。
■東雲七生 > 「はー……」
さて、どうしたものか。
意気込んで転移荒野まで来たまでは良かったが、目的を達成できない場合を考えていなかった。
こういうところが、自分は詰めが甘いんだなと反省しつつ。
「どーしよ、風呂でも入って帰ろうかな。」
ごう、と背後から宙を滑るように飛んできた巨岩を身を屈めて避けると、
何事も無かったかのように再び夜空を眺める。
ここは転移荒野、岩が飛んでくるくらい日常茶飯事だ。
■東雲七生 > ぼーっと岩に腰掛けている間も、周囲では様々な現象が起こり、そして消えて行く。
それがこの場所、転移荒野であり、まるで人生が何度も何度も繰り返されているかのような錯覚を覚える。
一歩間違えれば簡単に命を落としかねない事象の坩堝の中に居るのだが、不思議と恐怖は感じなかった。
「……慣れた、と言うべきかもしれないけど。」
初めてこの地に来たのはいつ頃だったか、と思い返す。
しかし、どうにもはっきりと思い出せずに七生は小さく溜息を溢した。
■東雲七生 > 「よしっ」
ぽん、と足を投げ出す様に岩から飛び降りる。
目的は果たせなかったけれど、良い星空が見れたから良しとしよう。
ついでに適当に温泉でも入ってさっぱりすれば、また何か案が浮かぶかもしれない。
気を取り直して転移荒野を歩く。
目当ての温泉は、このエリアの端にある。
これからどんどん季節は冬になって寒くなってくるだろう。
そうしたら、温泉も需要が増えそうだなぁとぼんやり考えながら。
変わらない星空の下、七生はのんびりとその場を後にした。
ご案内:「転移荒野」から東雲七生さんが去りました。