2017/08/02 のログ
ご案内:「転移荒野」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > ――メールが届いた、その内容をザッと確認しつつ一度瞑目。それからスマホを仕舞い込んで一息。

「……さて、と。」

転移荒野…ここに来るのは初めてではない、が久々ではある。
目的は射撃技能や異能、魔術の”実戦鍛錬”。当然命の危険はあるがある意味でそこは少年的には問題ない。

(…死神に憑かれてるってのがしょうもないけど…さて)

無造作に右手に持っていた鈍い銀色の狙撃銃を構える。…否、構えるにはあまりに適当すぎる。
本職のスナイパー等が見れば呆れるか唖然とするだろうか。兎に角、狙撃の基礎とか前提が全然”なっていない”。

だが、無造作に射撃した魔力の弾丸は…500メートル先に迫っていた獣型の魔物の心臓部を正確に撃ち抜く。
続いて、2発目がその魔物の胴体、3発目と4発目で両前足を撃ち抜いて前のめりにダウンさせる。

「………。」

無言で5射目。倒れ付した魔物の眉間を容赦なく撃ち抜いて絶命させる。瞳は何時になく死んでいて無機質だ。

飛鷹与一 > 「……ん。」

無言で頷けばクルン、と狙撃銃を一度回して無造作に別方向へ。射撃、今度は600メートル先の別の魔物の心臓部を正確に撃ち抜く。

更に己の背後へと不意に狙撃銃の銃口を向けて射撃。100メートルを切った所まで接近していた樹木タイプの魔物に弾丸が命中。
――そして爆発炎上する。魔力の弾丸なので、熱量操作の魔術で超高温の爆発を仕込んでおいたのだ。

そのような感じで、周囲からバラバラの距離、間隔で向かってくる魔物を片っ端から撃ち殺していく。

射撃、射撃、射撃、射撃、射撃…無駄弾は1発も無い。魔弾の射手は黙々と射撃を続ける。
まるで作業のように淡々と、そんなこんなでひたすら撃ち続けていると流石に魔力に翳りが見えてくる。

「……200発辺りがボーダーライン…か」

飛鷹与一 > とはいえ、魔物の数は無尽蔵の如くだ。予め分かっていた事だがキリが無い。が、自分を追い込む状況はむしろ願ったり叶ったり。

「……なら、これで行こう」

魔力消費が加速するが仕方ない。右手の狙撃銃を魔術で再現して左手に握る。

二丁拳銃ならぬ二丁狙撃銃、という色々とオカシイ状態。左右の腕がそれぞれ別方向に振るわれ、狙撃を開始。

この狙撃銃の射程はおよそ1キロ程度。だが少年の狙撃の腕前ならそれ以上の距離もこなせる。
今やこの周囲は彼の「即死半径」。領域に踏み込めば即座に急所を撃ち抜かれるのみ。

(……でも、相手が魔物だからといって、これも人殺しの技能になりえるんだよな)

そんな思考、雑念を抱きながらも自動的に淡々と魔物の群れを片っ端から撃ち殺す。
そうしていても、不快感も達成感も緊張感も沸かない。ただただ機械の如く射撃し続ける。

飛鷹与一 > 「………。」

そうして数時間が経過した所で魔力が枯渇した。カチ、カチ、と引き金を引いても魔力弾は出ない。
左手に握っていた、魔術で再現した方の狙撃銃もいつの間にか手元から消えていた。

(…ここまで魔力を使うのって初めてだな…体が重いというか何と言うか)

過熱して銃身から薄っすらと陽炎が立ち上っている。それを一瞥しながら漸く銃を持つ右手を下ろして。
そのまま、尻餅を付く感じで地面に座り込んでしまう。周囲は…死屍累々。無数の魔物の死骸の山。

(……これを俺がやったのか)

当たり前の事を再確認する。どうも射撃に集中していると、何時もの自分との乖離を感じてしまう。

ご案内:「転移荒野」にイチゴウさんが現れました。
イチゴウ > だだっ広い荒野の上を五月蠅い連続音と共に
一機の輸送ヘリコプターが飛来する。
機種はUH-1、所謂軍用ヘリだ。
機体には風紀委員会を表すエンブレムが
貼られており一体のロボットを3本のワイヤーで
吊り下げている。

<<目的地に到達、切り離します。>>

パイロットが無線を通したくぐもった声で
そう告げれば機体下部のワイヤーが
千切れるように切り離されロボットは
そのまま落下してゆき
10秒とたたず地面に線を描きながら着地する。

「ん?」

着地した後にロボットが辺りを見渡せば
不自然なほどに点在する魔物の死体。
そして見覚えのある一人の少年。