2017/11/01 のログ
ご案内:「転移荒野」にラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが現れました。
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > どんよりと鈍色が広がる空。
広大に広がる砂漠に、空から落とされたのかと思わせる街。
なんの脈絡も感じさせない地域は、自身のように広い場所を必要とする者にとってだいぶ都合がよかった。
「なかなか風が読めないわね…」
そんな広い荒野に、ロケット花火がなったような、破裂したような音が響き渡った。
最初の一発を合図に、等間隔で鳴り響く音。それは5発鳴ったところで一度止まる。
砂漠の真ん中には、銃弾を受けて上と下で真っ二つにちぎれた魔物が数体転がっていた。
「現役だったころはもっと当たってたのになあ」
スコープから顔を離し、肉眼ではもはや見ることもままならない向こうを眺める。
訓練の頻度が落ちると、それに合わせるように命中率もさがる。
火力支援以外にも狙撃をしていた身としては、今の現状はとても許せるものではなかった>
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「やっぱり私一人でも向こうに残るべきだったのかな。
なんだか向こうにいた頃よりも息苦しいし」
そんなことを呟けば、再度スコープを覗く。
先ほどの射撃で、現状射程距離にいる魔物をすべて片付けてしまったようだ。
またしばらく待っていればどこかから"沸いて"でてくるのだろう。
今日はこのベルト弾倉が尽きるまで、残り105発の射撃をしてから帰ろうと決めた。
「それにしても、本当に砂漠と廃墟群しかないわね。
なんて言うか、ここだけあえて手を出していないみたいな話だったけど、
研究対象なのかしら。なのに一般人の立ち入り制限がないっていうのもおかしな話」>
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「そもそもこの場所自体が学園の管轄外なのかな…?」
どちらにせよ、これだけ先進的なことに挑戦している島が、こんなサンプルの塊のような場所を放っておくというのは、ちょっと不思議だ。
「まま、私がいろいろ考えたって仕方がないし、
こんないい場所を自由に使えるならとてもラッキーなことだし」
正直、この場所がなければ本当に射撃訓練はできなかっただろう。いくら演習場があるとはいえ、まさか50口径弾を乱射したりする施設も、狙撃に使えるほど広い場所もないのだから>
ご案内:「転移荒野」にHMT-15さんが現れました。
■HMT-15 > 砂煙が支配する転移荒野。様々な脅威が転移することで知られ
ここに訪れてくるのはよっぽど強力な能力の訓練か命知らずだけ。
そんな荒野に聞きなれない音が響き渡る。
それは回転翼機が奏でる重低音のローター音。
空を飛行するその機体の下部には風紀の四足ロボット、HMTが吊られており
間もなくワイヤーが切り離され落下を開始する。
落下地点はこの荒野で訓練しているであろう先客の近くであり
勢いよく砂を巻き上げ着地する。
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「今20発撃ったから、残りは85発ね。フルオートで引き金引きっぱなしなら、あっという間に使い切っちゃうのに」
少しの間独り言をこぼした後、再度射撃を行ったようで、残弾はとっくに二桁である。
また魔物を探すためにスコープを覗こうとしたとき、今までの風の吹く音とは大きく異なる音を聞き取る。
何事かと思って周囲を見渡せば、先日対面した多脚戦車が吊るされたヘリだ。こんな場所に何故?そんな疑問が真っ先に頭に浮かんだ>
■HMT-15 > 着地後しばらくの硬直の後に
ロボットの背部で眩い発光。その後に彼の全長を超える
大型のガトリング砲が背負われる。
FCSのスタンバイも完了した矢先、ロボットが一つの
人影を補足した、しかも全く知らないものではない。
間もなくロボットは歩行しその人影へと近づいていく。
そして一定距離まで近づけば背部のガトリング砲の
角度を上に向け所謂武装解除した状態で話しかけるだろう。
「やあ、キミも弾捨てか?」
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「あら、覚えていてくれたとは意外ね。てっきり堅物さんは必要のない情報はさっさと消して最適化するものだと思ったわ」
声をかけられてしまった。理由があればきっと迷わずに残りの85発を叩きこむところだが、そこまで感情的なわけではない。
ただ、感情的ではないとはいえ、皮肉や嫌味の一つや二つは言いたい気持ちだった。たとえ相手が機械だとしても、だ。
「私は次の予算のために無駄弾を撃ったり、使用期限が切れるまで弾を取っておいたり、使い切れないほどの弾を不要に買ったりしないのよ」
弾捨て。そんなことをする理由はあらかたそんなところだろう。
現役だったころに何度か訓練と称して弾捨てをやらされた。
むしろやらねばならぬことだったが、内心あまりいい気分ではないのだ>
■HMT-15 > 「情報というのは少なからず意味があるものだ、
安易に消去するのは望ましくない。
それに堅物か、確かにボクは硬いが何を今更。」
彼女の皮肉には気づいていない様子だ、
そもそも皮肉とは人間が持ちうる複雑なもの。
人間を模しているだけのAIには理解し難い。
そして後半は言葉の意味を履き違える、
本人はボケてるつもりなど全くない。
「良い心がけだ。実際組織の備品調達及び管理には
無駄が多すぎる。」
彼女の言葉に理解を示しているといわんばかりに
一度大きく頷くと不意に遠方を眺めて
背部のガトリング砲をスピンアップさせ
凄まじい音と共に弾捨てを開始する。
火器管制システムの調整も行っているのか
ついで程度に魔物にも命中させている。