2017/11/02 のログ
ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「その少ない意味にとらわれて、本質を見失わないように最適化するのが賢いやり方よ。最適化の過程で無駄が出たなら次のために余白をあけておくべきだわ」

堅物の意味をはき違える戦車に、深いため息を吐けば肩を落とす。
単純にAIの出来が悪いだけなのかもしれない。

「でも、それが組織のあるべき姿でもあるわ。常に余力をもって事態に備えるのは当たり前。余力と余分を見分けるのが上の仕事。
 残念だけど、私は組織には属さないから、無駄がない方がいいの。これも最適化の一環よ」

そして、あなたの所属する組織に無駄があるかないかなんて、私には関係ないもの。
そんな風に突っぱねる様子に、普段の人見知りな感じは微塵もない。
相手が機械だからなのだろう>

HMT-15 > 「アドバイスありがとう、
流石は軍隊経験者だ。」

前回に敵対した際に名前を聞いていたせいか
目の前の少女に対する下調べは既に完了しているようだ。

「そもそも組織に対して兵器であるボクの意見など無意味だ。
下ろされた任務を受け、こなし、そして帰投する。
これが兵器として正しいものでありまた求められているものだ。」

一定間隔の射撃を終え再度ガトリング砲の角度を上に向ける。
発砲の際に発生した硝煙が辺り一面を支配する。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「あら、軍隊に居たって言ったかしら?それとも、言ったとして、それ以上のことまで調べたのかしら?」

軍隊上がりだと言った記憶はあるような気がする。入学時に登録した情報を風紀委員が調べることくらい、きっとたやすいことだろう。

「無意味だと思っているのに、一定水準の知能を積んでおくなんて、本当にあなたの居る組織は無駄が多いんじゃないかしら。最適化の方法を間違っている気がするわ」

普段は人見知りなくせに、そういう話になると舌がよく回るのは、自分が長くそういう環境にいたせいだろう。
徹底的に効率の良いやり方。そういうやり方は好きではないが、身体に染みついてしまっている>

HMT-15 > 「データベース上に記載されている事は
きっちりと余すことなく調べさせてもらった。
加えてキミのHMGの射撃を見てもある程度予測はつく。」

このロボットは風紀委員という扱いであるし
腐ってもAIという電子的な存在であるがゆえに
情報収集に関しては人間の数段先を行く。

「そんな事をボクに言われても解決できない。
組織への苦情はご意見箱へ投入する事を推奨する。」

このロボットは最初から風紀委員会に納入されたものではなく
むしろ風紀委員会は捕らえたものを戦力増強の目的で
使用しているので鹵獲したという表現が適切だろう。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「その言い方、相手によっては警察に突き出されるわよ。
 女子相手にそういう言い方はやめておいた方が無難ね」

なんだか気持ち悪さすら感じる。
人工知能だからそういう目的はないとわかっていても、余すことなくといわれるといい気分にはならない。
何より、自分の射撃をみられていたことが少し癪に障る。

「苦情というより、呆れているのに近いわ。
 あなたもある意味不幸ね、無能に使われるなんて」

無能に使われる。その悲惨さはある意味経験から痛いほどわかる。
だからこそ自身にどうしようもないこの戦車が、哀れに思えなくもない>

HMT-15 > 「む、わからないものは調べるのが普通ではないのか。
それに女子相手・・・?世の中は不思議な事だらけだ。」

カクッと少し顔を傾ける。
相手が若干引き気味になっているのが
このロボットにとって存外不思議でたまらないようだ。

「キミが今、無所属なのはそれが理由か?」

彼女の組織に対する辛辣な意見の数々。
強力な戦闘能力を持ちながらも
彼女がそういった委員会に属していないのは
何か理由があるのかもしれない。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「わからないことを調べることは素晴らしいことよ。
 でもできれば同時に"言い回し"ってものも学ぶことね。言葉一つで戦争を起こすことも止めることもできるんだから。それくらい言葉のチョイスには気をつけた方がいいわ」

きっと、知識は相当なのに、コミュニケーションをとるための知識や経験が欠落しているのだろう。人見知りの自分が偉そうに言える立場でないのは重々承知の上で。

「別に、それだけが原因じゃないわ。せっかく異国の地に来たのに、そこでも軍隊に入るなんて勿体ないじゃない。選択肢は無限、でも時間は有限よ」

実際、上官が無能で大変な思いをしたこともあるが、無所属である理由ではない。最も、風紀委員と軍隊が同じかと言われれば少々怪しいが>

HMT-15 > 「確かに言葉というものは素晴らしい、
それは時に人間の行動を左右する程の影響力を持つ。"言い回し"については色々学ぶことにしよう。」

まるで先生と生徒のような、
ロボットは合間合間で相槌を打ちつつ彼女の言葉を
聞いていた。
彼女が人見知りであるという事には全く気付いていないだろう。

「しかし折角持っている自分のスキルを捨てるのは
合理的でないと判断する。」

前回の戦闘も踏まえて理解している彼女の戦闘力。
それを完全に無駄にすることをこのロボットとしては
勿体ないと考えているようだ。

「人間は実に興味深い。ボクにとって選択肢は有限、
時間はほぼ無限だ。」

自由思考を特徴とする彼のAIも委員会の手によって
あるプログラムを植え付けられている。
それは彼の取れる選択肢を操作するものでつまり任務に従う事だ。
それにシャーシが破壊されてもAIがクラウド上に
存在できる以上彼にとって時間は半永久的なものに等しい。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「自分の持っている技能が必ずしも周囲に利益を与えるとは限らないわ。
 それに何より、私自身の利益にならないことだってあるもの。
 だからせめて、技能をいつでも使えるように、こうして訓練しているんじゃない。
 使い方が肝心なのよ。でも、使い方に縛られた生き方が最適解だとは思わないわ」

一種の意志のようなものだろう。戦って相手をただ倒し、進むことを良しとしない性分。
自身の力は意図に反しすることが多い。
その力は軍隊で手に入れたが、自分の感情を好ましくする選択肢は軍隊では得られなかったのだ。

「これでも普通の人間よりはかなり長寿よ。
 それでも、無制限に時間があるわけじゃないのは変わらないわ」

あなたにはわからないでしょうけど。
なんて言葉を加えて>

HMT-15 > 「キミは兵士だが人間であって兵器ではない、
人間は自分の生き方を決める事が出来る。」

強力な力を持っているが自分の信念を持ち
それを安易に使わない。
その事が組織に利用されない彼女の強さであり
またこのロボットに足りていないものだ。

「む、人間以外の血が混ざっているという
パターンか?」

彼女の言葉に反応すると興味深そうに機械音声を
発し下から上へ観察するように凝視する。
純人間とどこが違うのか外見から探っているようだ。
気になりだしたら止まらない。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「軍隊に居れば人間は兵力として兵器と同等にカウントされるわ。
 それも私が風紀委員に入らない理由の一つね」

理由はとかく様々だ。
大きな原因が一つではない。小さな理由がたくさんなのだ。

「あら、登録した情報に記載されてなかった?
 こう見えて私は1/8が獣人なのよ。
 普段は人間の血が強くて獣人の部分は隠れてるけどね」

入学した時に種族を登録し間違えただろうか。後で確認しなくては>

HMT-15 > 「キミのような人材が委員会に居れば心強いが
実に残念だ。」

軍隊としての厳しい訓練を経験している上に
強力な異能まで備えているとなるとポテンシャルは非常に高い。
このロボットとの戦闘をきっかけに
委員会から鬱陶しい勧誘が彼女に送られているかもしれない。

「情報というものは常に正確ではない、
虚偽が含まれている可能性も存在する。
だからこそ百聞は一見に如かずという格言がある。」

要約すると見せてくださいという事に他ならない。
委員会のための調査などといった堅苦しいものでもなんでもなく
ただ単に興味を持ってしまったが故の事。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「私の異能は大して強力なモノじゃないわ。
 ごくごく近接したものに加速度を与えるだけよ。
 平たく言えば力を加えるといえばいいかしら。
 魔術に至っては戦闘に使えないし」

異能は使い方次第といったところなのだ。試しに足元の石を手に取って指を離す。
石は重力加速度と逆向きの加速度を与えられ、空中に静止するだろう。

「わかりやすいところで言えばこんなところね。
 魔術は機械のあなた相手じゃ使えないわ」>

HMT-15 > 「それがカラクリか、道理で装甲の消耗が早かった訳だ。」

エネルギー量を変化させるという異能の詳細を
具体的に知ったロボットは一人感心していた。
異能を持っていることは解析できても
どんな異能かまではわからないのだ。

「それは残念だ。」

表情は変わらないもののシュンとしたような
動作を取る。これもプログラムされたものなのか
それともAIが自発的に起こしたものなのか。

「む、少し長話をしてしまった。
そろそろボクは残り468発の砲弾を処理しなければならない。
キミはどうするんだ?」

油圧機構が動作する音と共にシャーシを持ち上げ
背部のガトリング砲をスピンアップさせながら
彼女にそう話しかける。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「近接した物体にしか加速度を与えられないから、ほとんど撃力のように瞬間的に力をくわえることになるんだけどね」

つまるところ、自身に近づいた物体は、触れた瞬間に爆発や打撃といった瞬間的なちからを受けて破壊されるということになる。ある種のシールドのようなものだ。

「そのうち、凶暴な犯人を黙らせるところをみせてあげてもいいわ」

そうすれば自分の異能が、いかに戦闘に向いていないかがわかるだろう。
逆に、武力を使わずして相手を無力化できるという意味でもあるが。

「私はもう帰るわ。無理に使い切る必要もないし。」

そう言って機関銃からベルト弾倉を外してケースにしまうと、そのケースを機関銃と共にギターケースに入れていく。ずっしりと思いそれを、普通の荷物と同じように背負えば、その場を後にする

「ま、風紀委員に入ることは無いにせよ、傭兵気取りで協力するくらいなら構わないかな。とは思うわ」

去り際に、そんな言葉を残して>

ご案内:「転移荒野」からラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが去りました。
HMT-15 > 「中々面白い人物だった。」

そんな事を呟いて去り行く彼女を見守る。
またスレンダーな外見にも関わらずHMGを軽々と
持ち運ぶその姿にも一つ驚愕。

その後は機関砲の弾を全て消費するために
多数の大型魔物が粉砕されたことだろう。

ご案内:「転移荒野」からHMT-15さんが去りました。