2018/04/11 のログ
ご案内:「転移荒野」にファウラさんが現れました。
ファウラ >   
旅立つものを見送り、新たな者達を迎え
何処か独特な活気が満ちる4月という時期も
この荒野ではあまり関係がない。
気温は愚か時には距離や空間すら定まらないこの場所は
汗ばむような気温の場所もあれば未だ吹雪いているような所もある。
そんな中、比較的安定した個所の上空をゆっくりと漂う光の塊があった。

「変な感覚、です―……」

久しぶりの空を飛ぶ感覚に
文字通り生き返るような心地がする。
鳥が飛ぶ程度の速度で宙を漂い漫然とそう考える。

……この島は季節の巡りが早い。
光子や魔力は希薄だというのに何処か生き急ぐような時の流れに
適応したイキモノは当り前にそれに合わせるように生きている。

「もう、ハル、なんですね」

ひと眠りしたら季節が変わってしまっているこの世界は
景色の色も変わっていくのもとても速い。
此方の時間ではこの島に来てもう2年に近い月日がたったらしい。

「……おじいちゃん。マスター
 この世界はとても綺麗です」

それでもまだ慣れる事も飽きる事もない。

ファウラ >   
「この、辺り、だったと思うですけど……」

ゆっくりと飛んでいるのには訳がある。
切っ掛けになる感触があったのだ。

「何……なんでしょう」

強いて言うならば懐かしい、だろうか。
アクセスできる記憶領域には該当するものは無かったのだけれど、
とても惹きつけられる様な感覚に居てもたってもいられず気が付けばそれを探していた。
同時に今行かなければもう、”会え”なくなると根拠もなく確信していた。
その感覚は光子の貯蓄を中断し目を覚ますに足る理由。