2018/07/23 のログ
ご案内:「転移荒野」にジョゼフ・マーキンさんが現れました。
ジョゼフ・マーキン > 「数にして...6。」

瓦礫の裏から目標地点にいる怪異の数を目視で確認しては大きなため息をつく。
教師以外に副業としてこういう面倒ごとの仕事を引き受けてはいるが、まさか文字通り面倒な仕事が舞い込んでくるとは思わなんだ。
依頼の内容はというと、先日転移荒野で死亡したと思われる人物の持っていた書類の回収、できなければそれの破壊。

「文面では簡単なのに、中々どうしてねぇ。」

見た所お相手は肝心のそのポイントを根城としている模様。
数十分ここで様子を見ているが動く気配も無し。戦闘は避けられないということである。

ジョゼフ・マーキン > このままここでじっとしていてもどうにもならない。
とうとう腹を決め、空間に術式を描けば、いつもの銃剣2本を召喚する。
人間相手の戦闘であれば手を抜いてでもどうにかなるが、獣相手だと訳が違う。
武器を手にした人間なんかよりよっぽど恐ろしい、それが中途半端な知能を持っていれば猶更だ。

「よしっ、おじさんちょっと張り切っちゃいますか!」

弾丸の準備良し、魔術の術式異常無し、気合い良し。
瓦礫から身を乗り出せば、銃剣を両手に目標地点まで駆け抜けていく。
無論異形の奴らも此方の接近に近づくだろう、狩りの始まりだ。

ジョゼフ・マーキン > 「血統よ その朱き弾丸で 炸裂せよ」

3小節の魔術を口ずさめば、1匹目目掛けて発砲する。
着弾を確認すれば、2匹目の腹部目掛けて銃剣を突き刺し、発砲。
普通の弾丸であればまだまだ戦えるであろう2匹の異形、だがこれは殺すことに特化した狩猟の技。

「悪いね、今日のおじさんはイケイケなんだ。」

空とぼけた様子で突き刺した銃剣を引き抜く。
それと同時に着弾した1匹目は数刻遅れて発動した術式によって体内の弾丸が炸裂、文字通り花火のように散る。
引き抜かれた2匹目も遅れて術式が発動、体内で血液によってできた枝が体中から突き出し、まるで現代アートのように。

「あと4つ...んで目標はあれかぁ。」

手慣れた動きで銃剣にそれぞれ1発ずつ弾丸を込めながらも、回収目標であった男の遺体を確認する。
ところどころ喰われてはいるが、書類の入ったケースはすぐそばに落ちてあった。

ジョゼフ・マーキン > さて、次は3匹目。と銃を異形に向けようとするその瞬間、対象から音波、というよりも術だろうか?
頭に響く、脳を浸蝕するような波長が自身を襲う。
そしてふっと頭の中に移る祖国での懐かしい光景、そしてそれが滅ぶ嫌な過去。まだ自分が人間だったころの幸せな光景。

「あぁ、お前さんはそういう奴か...。こんな紛い物見せつけてくれるなんてね!!」

銃剣を連結、一振りの両剣へと変形させれば、術式を起動し、血液の刃を形成する。
そして、背後から襲い掛かる人型の異形に対して一閃、一撃で仕留める。

「こんな術、おじさんには効かないよ。何せおじさんはもう...。」

そう言いかけた所で脳内に懐かしい声、恩師の声が響く。
『君はただ、彼奴等を狩るだけでいい。』
わかってますよ。とぼそりと呟けば、先程からこちらに術をかけてきている異形に対し両剣を投げつけ、術式を起動する。

「吹き飛びな!!」

その掛け声と共に異形に突き刺さった両剣から爆炎が発生し、文字通り吹き飛ばす。
獣は炎には弱いが、他の生物はどうだろうと思ってはいたが、割と効果があるようだ。

ジョゼフ・マーキン > 「残り2つ...。」

なのだが、一向に奴らはこちらに攻撃を仕掛けようとしてこない。
ならばこちらから、というのが礼儀なのだが、足元にあるケースを見れば、それを拾い上げる。
スンと鼻をならせば、異形2匹が血だまりの上に立っていることを確認し、口を開く。

「お前さん達、戻る方法も分からずどうしようかって感じだろう?簡単さ...。」

ケースを肩に書ければ煙草を咥え、火をつける。
やはり仕事終わりの一服は格別だと言わんばかりに虚空に煙を吐き出せば、異形達の足元の血だまりを指さす。

「死ねばいい。簡単だろ?」

その瞬間、足元の血だまりがまるで生きているかのように硬質化し、槍をか辿って異形達を串刺しにする。
突き刺された槍は更に枝分かれし、異形の外側から、内側から何度も貫く。

「さて、お仕事も終わったし、明日の授業の用意もしないとね。どうしてこの世界の人間はこうも忙しいのかねぇ。」

そのまま暗闇の中に消えるように帰路につく。
お気に入りのスーツが血まみれだ、また買いなおしかと大きなため息をついた。

ご案内:「転移荒野」からジョゼフ・マーキンさんが去りました。