2018/11/29 のログ
■神代理央 > 今迄己の異能は、所謂【創造系】の召喚だと認識していた。
火砲の種類や大きさ等、ある程度は此方のイメージによって生成され、召喚されるからだ。
しかし、本質からして異なる。制御薬によって己の精神と正しく同調した異能は、その本来の力を一時的に開放する。
「……成る程。俺が何も感じない訳だ。力が増幅される訳じゃない。開ける扉の鍵が変わった、という訳か」
発動した異能によって召喚されたのは、何時もの様な醜い金属の化物では無い。巨大な金属の球が、無数の小さな金属球を従えたモノ。
それらの金属球が淡く輝くと同時に、白く輝く光線が魔獣の群れを薙ぎ払った。
■神代理央 > 「……力がどうこうというよりも、これは…情報量か。更新された力の情報量に、処理が追いつかんな」
発動と同時に、激しい頭痛が己を襲う。
それは、今迄発揮されていなかった力と、その在り方を主に訴えるもの。
そして、未だ発動に至らない異能についての知識。
「…これ、を情報量では無く単純な力が増幅されて発生するのなら、成る程。暴走するのも理解できる。精神面においての効用は……嗚呼、そうか。薬に溺れる前に、既に堕とされていたな」
頭を抑えながらブツブツと独り言を呟く様は、十分に常軌を逸している様に見えるだろう。
しかし、未だ己の理性は失われていない。既に理性を狂気に堕とされたが故の耐性でもついていたのだろうか。
「…先ずは、帰って休もう。これでは、任務もままならん…」
制御薬の効果は十分に確認出来た。
ふらつく足取りで車に乗り込むと、主を迎え入れた車は静かに設定された目的地まで走り始めるだろう
後に残されたのは、突然生命を奪われた魔獣達の死骸のみ―
ご案内:「転移荒野」から神代理央さんが去りました。