2015/06/26 のログ
ご案内:「青垣山」に否支中 活路さんが現れました。
否支中 活路 > 外側環状道路から外れて歩き続け、ここまできた。

青垣山の麓。
もう少し南東へ向かえば、常世港、そして環状線の駅がある。

山へと伸びる道の手前でまた倒れた。
もう何度目か記憶にない。何時間経ったのか……いや何日なのか?

否支中 活路 > 包帯に巻かれた顔を見れば、今の有り様が似合っているとも言える。
血の滲んだ上着は、もうとっくに乾いていた。

「ぁあ…………」

息を吐いて、放り出した右手を見る。
下腕半ばから断ち切られた袖から覗くのは、漆黒の光沢を持つ腕。
それが自分のものだと確かめるように指を閉じ開きする。

否支中 活路 > 「あああ……ああ゛……」
もう一度息を吐き出し、
起き上がろうと手をついた。体を持ち上げようと、

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   ■■■■■■■■■■■■■■■■■■ああ、開くぞ…………■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
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「が…………ッ!?  ぐ、ぎ……gylaa……?」

何かが、体を貫いた。

否支中 活路 > 「がっ、あ、Giiii…………」

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   ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■何を驚くことがある■■■■■■■■■■■■■■■
   ■■■■■■■■あれは万物を拓く■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■クロノス=クロノスなら■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   ■■■■■■■■■■■■■■九大の上に立つアレには及ばずとも、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■それで十支の一つだろう■■■■■■■■■■■■
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声を押し込めるように、右手が額を掴んだ。

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   ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■最初から使えばよかったのだ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
   ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ならばあんな■■■■■■■■■■■■■■■
   ■■■■■■■■■無様なことにはならなかっただろうよ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
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否支中 活路 > なんとか立ち上がろうとして、ごろんとただ仰向けに転がった。
伸びる山道に、白い影がいた。

かつて死にゆく英雄は詠った。
<倭は 国のまほろば たたなづく 青垣 山隠れる 倭しうるはし>
ああ、ならば白い神意も出るだろう。

気張りのない呼びかけが上から振る。
内なる声が急に止んだ。

「…………なんや」

否支中 活路 > ノイズ混じりの意識で、その白い影だけが浮かび上がっている。
彼、が口を開く。
響く声は柔らかい。

どうするんだと。
心に狂を得て、体を病んで、お前はもう倒れる。

「マルドゥークの……階段なら、とっくに踏み外した後やわな」

答えながら、手をついた。