2016/07/02 のログ
ご案内:「廃神社」に蕎麦屋さんが現れました。
蕎麦屋 > 人に見限られて久しい廃神社は、朝ともなれば人の姿は一つも見えない。

大きな処へはとりあえず挨拶回りは済ませた。
一通り巡り巡って――最後。もはや寂れた神社には何もいないように思えたが。

「まぁ、帰ってきてみたら、見放されてましたは悲しかろう、というもので。」

比較的形の残った拝殿の縁に腰かけて、一人ごちた。
供え物、というわけでもないが。持ってきた自家製の蕎麦煎餅をぽりぽりと食う。

ふむ。――初めて作った割には中々いけるかもしれない。

蕎麦屋 > 蕎麦の風味が生きているのが、よい。
だが。もう少しパンチを――七味か生姜でも入れてみればいいだろうか。

そんなことを思いつつ。
前に蕎麦屋台担いできたときは見ている余裕もなかったが、見下ろす風景は中々に絶景。

「こういう中での煎餅は乙ですねぇ――」

煎茶でも持って来ればよかったか。暑いけど。

蕎麦屋 > 蕎麦屋ではあるが、蕎麦屋は開店休業中である。今のところは。
なにせ出したら逃げ出す客の多いこと。噂というのは千里を走るとはよく言ったもの。

「――走るのは悪事でしたっけ?」

悪事はしていないつもりである。
それはともかく、出前の注文以外には暇そのもの。
こうして打った蕎麦の余りで何やら拵えるくらいの暇具合。

蕎麦屋 > 「………よし、暇。」

取り出したのは、スマートフォン。
貰いものではあるが、色々と高性能なこの一品、弄ってて気づいたのだが――

ぽちぽちと操作する。
アプリ一覧。電子/霊基回線の切り替えアプリだとか、バッテリー管理アプリだとか。
とりあえずそちらはおいといて、ストアアプリを開く。

「最近の子はこういうので暇つぶしするのですよねぇ。」

ぽちぽち。
ゲームや何やらは、最近のは中々すごいらしい。

蕎麦屋 > ゲームアプリ、と言ってもいろいろある、事にはあるのだが。
昔のものからそうだが、最近でも、歴史やら神話というのはネタにしやすいらしい。

「あれもこれも女性化とか男性化とか――」

まぁ、この程度の改変なら可愛いモノだろうか。
モノによっては人型逸脱してるし。ドラゴンとか思わずちょっと止めたくなる。

見つかったら爆笑でもするだろうか。いや、ここで爆笑してるのが居るけど。

蕎麦屋 > そうしてアプリをひとしきり漁った所で、終了。
どうにも食指が動くほどの謳い文句のものはなし。

「いやもうゲームの中でまで戦争もしたくないですし。」

そのままスリープモードにすれば、ジーンズのポケットへと。

蕎麦屋 > 「さて、そろそろ行きますか。」

蕎麦煎餅の残りは布をかけて放置。お供え物です。
誰かが食べるならよし――まぁ、どうなるにしろ、無駄にはならないだろうし。
こっちが当初の目的なのを忘れそうになるのはご愛敬、と。

立ち上がれば、鼻歌交じりに山道を下っていく――

ご案内:「廃神社」から蕎麦屋さんが去りました。
ご案内:「青垣山」に蕎麦屋さんが現れました。
蕎麦屋 > 川のほとりにて。
ぱちぱちと火の爆ぜる音。
一人用の携帯かまどなど設置して、薬缶で湯を沸かしつつ。
本人はと言えば、折り畳み椅子に腰かけて、その横で釣り糸を垂れている。

「すれてないからか、よく釣れますね――?」

釣り糸の引きに合わせて引き上げる。ぴちぴちと跳ねる魚は他では見られないだろう。
――とりあえず、食えないことはなさそうであった。
ので、ワタだけ取り除いて塩振って金串に刺してかまどの前。香ばしい匂いが漂う。

折角山を登ったのだからこういう趣向で暇をつぶすのもありだろう。
一足早い夏休みである。人生夏休みとか言わない。

ご案内:「青垣山」に烏丸秀さんが現れました。
烏丸秀 > ふらりと立ち寄った青垣山。
目当ての人物を見つけると、すたすたと近づく。

「や、今日はお蕎麦ないのかな?」

どう見ても蕎麦屋というよりかはサバイバルな光景。
色々と才能のある人である。
いや、人じゃなくて神様か。

蕎麦屋 > 釣った所で処理しきれない魚はそのままリリース。
餌はその辺の岩でも引っ繰り返せばそこそこ見つかる、お手軽な暇つぶしである。

そうこうしている間に薬缶が鳴った。
竿はとりあえず岩に固定して、薬缶を火から外した。

「おや、毎度。
 暫く店は休業でございますよ。出前は受けておりますけれど。
 いやもう、店見て逃げ出すとか酷くありません?

 ――お茶と珈琲でしたらどちらがよろしいです?」

掛けられた声には動じた様子はない。
もう一つ取り出した折り畳み椅子を勧めつつ、薬缶を片手に。
相変わらず、魔法の様に物が出てくる蕎麦屋である。

烏丸秀 > 「そっか、まぁ仕方ないかもね。
あ、お茶貰おうかな」

折りたたみ椅子に座りつつ、さもありなんと頷く。
分かる人間が見れば恐怖のどん底に落ちるだろう。
烏丸はそこらへんとんと疎いのだが。

「で、そっちの調子はどう?」

蕎麦屋 > 「はい、少々お待ち下さいな。ああ、よければそこの魚もどうぞ?
 ――味の方は保証しかねますけれど。

 まぁ、いつでもどこでもなににでも。首輪をつけたがるのは悪い癖ですよ。本当に。」

急須に茶葉を。湯を注いで、しばらく蒸らす―――
ついでというように勧めた、かまどの前に突き刺してある、よくわからない魚の塩焼きはそろそろ食べ頃である。

「どう?と聞かれましても。何も、と答えるしかないでしょうかね。
 精々が伝書鳩程度の仕事しかしておりませんし。

 ……次に何か起きるとしたらこっち、と読んだのですけど。外しましたか。
 顔も見たことありませんけどねー……あ、どうぞ?」

蒸れたところで、湯呑を二つ用意。こぽこぽと注ぎ、片方を差し出した。

烏丸秀 > 「さて、どうだろうねぇ。
マネキンは落第街の深淵の住人……何処に出てきてもおかしくないからなぁ」

はぁ、と溜息を吐く。
なにせこちらは腕力関係、とことん自信が無い。
情報収集もぼちぼちである。さて、どうしてこうなったか……

「そろそろもう一幕あると思うんだけどねぇ……
あ、司ちゃんの細胞とか肉片とか、そーいうものは駄目かな?
研究頼んでる相手がやる気あるのかって騒いでて」

あれもあれでどうしようか、目下の悩みである。

蕎麦屋 > 「個人的にはとっとと公的権力ぶち込んだ方が早いかとは思いますけどね。
 他にも別口で動いてるのもちらほら居るようですし――」

病院の件にしてもそう、黒眼鏡にしても。
あちらこちらでアクション起こす動きが、見えなくもない。

追加の要求にはやっぱりなー。といった様子の顔で。

「厳しいと思いますけど。そちらは集ってみましょうか。
 皮膚だなんだはともかく、細胞だ血液だとなるとアレは相当嫌がりそうですけど。」

人嫌いもここまで来ると国家遺産レベルである。
職業柄嫌うのは分りもするが、それにしても治す気がないと思われても仕方あるまい。
ずず――、と茶をすすり、溜息一つ。

烏丸秀 > 「公的権力って言ってもねぇ。
司ちゃんが研究区につれてかれて弄りまわされて、ついでに出てこれなくなって終わりだよ、多分」

湯飲みを手に取りながら再び溜息。
風紀も公安も優秀な事は優秀なのだが、物事には優先順位というものがある。
まずはウィルスの検査、そして落第街での内偵。おそらくこのあたりから始めるだろう。
一体解決が何時になるか分かったものではない。
確実に解決はするだろうが、司の身の安全の保証はまったくされない。

「自分が自分でなくなるかもしれないのに、何変な意地張ってるんだか。
今すぐにでもあのマッドドクターの目の前に放り出して解剖調査でもしてもらった方が、生存率は高いよ」

自分の事ではないので言いたい放題である。

蕎麦屋 > 「本人もどうやって自力で解決するのかにしか思考行ってませんからねぇ。
 ――解決する、だけであるなら多分にそちらの方が有効ですよ。」

先日のホームランダービー思い出して再びため息。
身の保証はしかねるだろうが、化ける前にはどうにかなるだろう。
今のままだと化ける方が早かろうに、まったく。

「ああ、それは私も同意しますけれどね。
 もういっそ、その、なんとかっていうとこに持ち込みましょうか、アレ。」

先日渡りをつけて、いくつかのサンプルを渡した相手を思い出す。
まぁ、あれはどう見ても堅気じゃない。大陸系のマフィア、といった所の気がするが。

烏丸秀 > 「ま、ボクははるかちゃんが無事ならそれでいいんだけどね……」

司の事は二の次である。
気に入った子ではあるが、愛する子とは比べられない。
烏丸は優先度をはっきりさせる性質である。

「そうだねぇ、ふん縛って持ってってみる?
まぁ、向こうも喜ぶよ、きっと」

まさに大陸系の危ない奴だけど。それもマネキン並みにヤバい奴。毒をもって毒を制すというやつである。

蕎麦屋 > 「あー……心配するならついてた方がいいと思いますよ。
 聞く限りだと姉より余程危ない、というか私ならとっくに手出してますし。」

顔も知らないが。姉妹が狙われていた、と聞いている。
治安のよい場所の姉より、此方の居るらしい妹の方がよほど手ごろだろう。

「やると面倒くさそうなのでやめときましょう。
 烏丸さんがやる分には私は止めませんけど。」

蕎麦屋の客の中にもちらほら似た雰囲気の客はいたが――屋台で聞いた話が本心ならまだ余程信用できるだろう。
信頼したら痛い目を見るだろうが、そういうものである、

それはともかく。

「あー……そういえば別口の情報なんですけれどね。
 異世界を繋ぐ門に関する事例、あるいは門を名乗った人物、そういったもの。
 そういうの調べてれば向こうから寄ってくるんじゃないの、とか黒眼鏡情報でございまして。」

烏丸秀 > 「ボクがついていた所でねぇ。
喧嘩弱いし、本当何にもできないのよ、ボク」

肩をすくめる。
実際、そっち方面で居た所で出来る事なんてなんもない。
こればかりは、凛霞を信じるしかない。

「だからボクじゃ返り討ちだって」

そう、ガンド一発でKOである。

だが次の言葉を聞くと、すっと目を細める。

「――誰が言ったか知らないけど、『門』を嗅ぎまわるのはやめた方がいいよ。
それはあの組織――『ロストサイン』に関わる羽目になるから」

蕎麦屋 > 「人の目がある、というのが重要、ではあるのですけどね。
 まぁ、どちらにせよそうですよねぇ――」

実際のところ何もできない、と言うわけでもないだろうに。
うちの主人は過大評価が過ぎるが、目の前の男は過小評価が過ぎる、と思う。
とはいえ、それは言った所で詮無いことで。

「どこの誰だ。と聞かれると胡散臭い神父でしたけれど。
 嗚呼、成程。この島では禁句なのですねぇ。成程。」

何度か納得したようにうなずいた。

「とはいえ、行き詰ったらそちらも視野に入れるべきでしょう。
 時間も情報も戦力もない、ないない尽くしなら取れる選択肢を選り好みはできませんしね。」

あの主人みたいに仕様もない見栄や矜持で手遅れになればなんとも愚行であることだし。

烏丸秀 > 神父、神父……
あぁ、そういえば、何時か何処かで会った気がする。
確かカフェテラスだったか。

「この島では、というか、落第街だと禁句に近い、かねぇ。
門って聞くと、どうしてもかつて異界の門を所持していた、常世最大の違法部活『ロストサイン』をみんな思い出すだろうし」

しかも最近はちらほらと残党がうろついているとか。
触らぬ神に祟り無しである。

蕎麦屋 > 「情報の精度は信用していいと思いますけどね。
 まさかこんな島で本質言い当てられると思いませんでしたし――愉快犯の可能性もありますけどね。」

首を一つ傾げつつ。
なかなか底の見えない相手ではあった。

「成程?
 案外近くに居たりするのかもしれませんけど。そういうことなら烏丸さん側に当たってもらうのは問題ですねぇ…」

残党まで居るとなると、下手に触れると命に関わるものになるだろうか。
そうなった時に自己申告を信じるなら。対処できないのだろう。

烏丸秀 > 「ああいうの、たまに常世に居るんだよねぇ。
まるで神様のように、何もかもを見通したような事を言う奴。
あんまり関わらない方がいいよ、ロクな目に合わないから」

とはいえ、無視するにしても情報が気になる。
もし、本当に『門』絡みで何かあるなら……

「あぁ、もし『門』が絡んでくるならボクはとっとと抜けるから。
まだ死にたくないしねぇ」

ロストサイン残党など相手にしていられない。
そういう暴力的な事は是非係わり合いにならない所でやって欲しいものである。
はるかを連れて一ヶ月くらい島外旅行にでも行ってこようか。

蕎麦屋 > 「いや、なんか人を勝手に祭り上げてお守り作ってましたので。
 関わらないはちょっと難しそうですけどねぇ――……まぁ、それはそれ。」

右から左に、物を置くジェスチャー。

「いのちだいじに、古典的ですが優秀な作戦ですねぇ。
 仕方なし、巻き込んだ側からすると文句の一つも言えたものではございません。」

ずず――……あ、飲み干してしまった。

「まぁ、そういう方向の可能性が少しだけ出てきた、ということで。
 逃げるなら逃げるで、準備はしておいてくださいね。」

烏丸秀 > 「言ったでしょ、ボク、弱いから。
こういう時の処世術無いと、死んじゃうからねぇ」

再び肩をすくめる。
さすがになんの魚か分からない物に手を出す気にはならない。

「ま、いざとなったらはるかちゃん連れて島の外にでも脱出して、ほとぼり冷めるまで雲隠れしてるからさ。
存分にやるといいよ。ボクはオススメしないけど」

島の外は外で面倒である。
このまま何事も無い方がよっぽど良い

蕎麦屋 > 「弱い弱い、そういう人間の方が案外怖いモノですけれど。
 まぁ、そういうことにしておきましょ。」

案外やるときはやるだろう、とか勝手に思ってる。
勿体ないので遠慮されてしまった魚を手に取り――ぱくり。

「……ん、これはこれで案外。少し淡泊ですけど。
 私も目をつけられてますからね。あんまり派手には動きませんよ――と。

 そういえば、件の妹さんは退院そろそろでしたか。」

うん、案外いける。とぱくつきながら。

烏丸秀 > 「買いかぶりすぎだと思うけどねぇ。
ま、好んで強くなろうとも思わないけど……うーん」

あんな川魚あっただろうか。
いや、別に魚に詳しいわけじゃないけど。
なんか北欧神話の神様の獲った魚だし、なんか変な効能でもついてそうだ。

「そうだね、はるかちゃんもそろそろ退院だねぇ……
何事も、無ければ」

何事も、そう、何事も。

蕎麦屋 > 「強い弱いなんてものは気の持ち方ひとつですよ。
 古来神や化物を討った人間は必ずしもそれらより強かったわけでもありませんし。」

食べてる川魚はギェピーとか鳴きそうな感じがする。
けどきっと気のせいだ。青垣山、異界の魚なだけだろう、多分。

「一悶着はあるでしょうから、頑張れ男の子。
 そういうわけで、こんなところで蕎麦屋相手に油売ってないで、見舞いの品の一つでも見繕ってきたらどうです?

 ああ、そうだ。連絡先渡しておきましょう。」

何もない、とは端から思っていなかった。
思い出したように、電話番号を書き殴った髪切れを一つ。

烏丸秀 > 「そういうのは物語の主役だからね。
ボク、いっつも主役になれないんだよねぇ」

彼が他人を求める理由はそれだ。
自分の物語が無い彼は、常に他人の物語を求める。
そして破綻させてしまう。

魚、食べなくてよかったとあらためて思いながら。

「あぁ、そうそう。
そういえばそうだった、まぁ退院祝いでも持って行くかな……」

立ち上がると、電話番号を受け取り。
ひらひらと手を振って。

蕎麦屋 > 「はい。手ぶらで行くのはちょっとデリカシーに欠けますしねぇ。
 行ってらっしゃい。」

ひらひらと手を振る姿を見送りながら、再び釣竿を握った。
また魚が掛かっている。ピッ、と引き上げて――

「人間はだれしも主役足りえますよ。
 ――きっと、ですけれど。」

まぁ、それもいつかの話。

ご案内:「青垣山」から烏丸秀さんが去りました。
蕎麦屋 > 「さて――」

見送ってしまえば。
再び針に餌を付け、川へと放る。

ぽちゃん、と小さな水音。火の爆ぜる音。

再び夏休みである。

ご案内:「青垣山」に那岐夜車丸汀さんが現れました。
蕎麦屋 > 釣り糸を垂らしながら、食べかけた魚串を黙々と食す。
この辺りの川魚で天麩羅――案外悪くないかもしれない。

どちらかと言えば味の濃くつく天丼などの方が合いそうではあるが。

竿の先がクン、としなった。
引き上げてみれば、また見慣れぬ魚。生態系は面白いことになってるらしい。

「――と。」

再びの人の気配。

那岐夜車丸汀 > ほぼ 訪れた事のない青垣山だかを大量の蝙蝠とともに訪れたのは今。

地面目掛けて蝙蝠の群れが降り立ったと同時に 人の形を形作ったかのように見えて 飛び去って行った。
-蝙蝠はいなくなったが 代わりに残ったのは 色素が無きアルビノ少女。

「…ここ どこですか?」

キョロキョロと視線を向け乍ら ちっち、と舌打ちも止まらない。反響定位で 現在の場所を…把握。

なんか近くに 川が流れ その近くに熱源が音を立ててー焚火か何かの音がする 人かなにかはいるでしょう、と
そちらの方へと 歩み寄ってみまして。

蕎麦屋 > 「んー……?」

再び餌をつけて、川へと投げ込む。
ぽちゃん、と響く水音。
静かな場所で舌打ちの音は良く響く。徐々に近づいてくる。

「おや、いらっしゃい?」

携帯かまどに湯の沸いた薬缶。かまどの前には幾つかの魚の刺さった串。
一人しか居ないのに折り畳みの椅子が二つ。

那岐夜車丸汀 > 蝙蝠が人を形作ったら 舌打ちをして反響定位をする何かが―出来ないか。
…うん、何かが 釣竿を振り 何かが釣竿の先を水面に投げ込んだ音も視た。間違いはない 何かはいる。

「………此処で お店????」

序に その何かを 反響定位してみた。…大柄のどことなーく綺麗な女性と判断。
その服装の意味が分からないが…シャツの文字の意味が特に。そば いず ごっと。
直訳すると 蕎麦神?? 訳は間違っているかもしれない。
あと残りは魚が刺さった串に 沸いている薬缶に折りたたみの椅子。

こんなところで 何の店?? 疑惑が尽きない。

蕎麦屋 > 蕎麦は神です。異論は認める。
いやそうじゃなくてタダのネタTシャツです。

それはともかく。 

「此処で店?いえいえ、夏休み中ですよ。
 どこの世界に釣竿垂らして携帯かまどでアウトドア満喫する店がありますか。」

いや、疑問は最もですけど。
とりあえず、座ります?と空いている折り畳み椅子を指し示した。

那岐夜車丸汀 > ネタTシャツを知らない少女でありました。
持っている衣装が 巫女装束と和風ゴシックしかありませんし。

一通り最低限の反響定位による 近辺の把握は終了したので、
何があっても対処は出来ると思っている―余程の事が無い限りは大丈夫な筈。

「夏休み中…夏休みはもう始まってましたか?
 出張の出店 屋台 ならありがちかと思いまして。

 … 少し お邪魔を致します」

疑問疑惑は取りあえず横に置いておきましょう。
空いている椅子は 一つ合った筈。そちらへとー折りたたみ椅子に腰を下ろして。

「ここ どこですか?」

最初の疑問から聞こうと 口を開き訪ねてみよう。 

蕎麦屋 > 「さぁ、世間ではまだ、だと思いますけどね。
 自由気ままな自営業でして、その辺りは適当ですよ。

 店出すにしても、もう少し人が居るところを選びましょう?」

自然そのままの川のほとりである。
店を出すならもう少し人気のある場所でやるだろう、普通は。

「はい、どうぞ。
 此処?青垣山ですよ。下れば市街地にも出れると思いますけれど。迷子ですか?
 
 ――お茶と珈琲でしたらどちらがよろしいです?

首を傾げた。場所を聞くとはまた不思議な。
それはともかく、湯は沸いていることだし、と聞いてみる。

那岐夜車丸汀 > 「…で、ありましたか。自営業は気まま。

此処でしたら 動物がたくさんいると思いますので
それらを対象とした店かと思っておりましたが違ったようですね。」

てっきり 人気関係ない 寧ろ 動物 魔物を…ありえない。
そもそも そば いず…蕎麦屋!? 蕎麦 蕎麦はいい。美味しいから。

「青垣山? ……ずれてしまいましたね。
 い、いいいいえ、迷子ではありませン! 決して迷子では!

 …お茶でお願いします。珈琲は苦手です。」

…あれ、農業地区に行く筈だったのに その手前だったとは。
移動を蝙蝠に頼んだのが失敗したのか 取りあえず 何か飲み食いをしなければ。

蕎麦屋 > 「気ままなものでございます。はい。
 流石に動物相手に蕎麦は出せませんしねぇ――」

動物相手、その手があったか、とは内心思いつつ。
流石にかけ蕎麦食う動物、というのはなかなかお目に掛かれませんし。

「いえ、迷子でなければいいのですけどね。
 この辺りは物騒といえばそうですから、独り歩きは感心しませんよ?

 お茶で、はい――ああ、此方もどうぞ、良ければですけれど。」

迷子ではない、とそこまで否定するのなら違うのだろう。
だが、落第街ほどでないとはいえ、若い子が独り歩きするにはちょっと場所が悪い。

出しっぱなしだった急須の茶葉を変えて、湯を注ぎながら――
かまどの前の魚串――刺さってる魚は新鮮だが、未開拓地区の魚だ――と。
何処から取り出したのか。器に盛られた蕎麦煎餅を薦めておく。

那岐夜車丸汀 > 「動物は動物でも 器用に前足が使える動物であれば 冷たい蕎麦は食べられますかと。
然し その光景は非常にシュールでしょうね。」

動物は基本 猫舌だったような。人型の存在等が猫舌の人は別として熱いものも美味しく食べられる術を持つと聞いた事がある。
噂と古い知識なので実際は分からないが この目の前にいる女性が蕎麦打ち職人ならぬ蕎麦屋だったとしたら

動物にかけ蕎麦…出すでしょうか??  分かりません。

「迷子になりかけたのは 先々週までです。今は島の構造はほぼ把握しましたし。
だ、大丈夫ですよ? 普段は動物と一緒です。

お茶頂きます…  此方は硬い…煎餅ですか?」

独り歩きを推奨されていないのか! 此処は物騒なのか! …山だから何が居ても可笑しくはないが、
あれ、心配されている?? 普段は召喚している動物と一緒だが 今は指摘の通り 一人だ。 護衛はいない。

お茶が入った湯のみと。触った感じ煎餅…匂いが蕎麦 を勧められると
それを―冷まし乍ら お茶を飲み 煎餅を若干戸惑いながらも 食べ始めて。

蕎麦屋 > 「それ以前に寄ってくるかどうか。ですけれどねぇ。
 後一応、ほら、商売ですので。――まぁ、動物相手なら気にしなくてもよいでしょうか。」

未開拓地区ですし。案外金持って蕎麦喰いに来る動物も居るかもしれない。
――居ない気がする。居れば出すけど。

「学生街と違ってこの辺りは管理行き届いていませんからね。
 把握した、とおっしゃる割に知らない様子で少し心配も致しますよ。

 何の変哲もない煎餅です。蕎麦打ちの残りを形整えて揚げただけですけれどね。」

夏には全く似つかわしくない熱い茶ではあり。煎餅の方は軽く塩が振ってあるが、食べれば蕎麦の味が口いっぱいに広がるだろう。
まぁ、一人でこんな処まで来るなら何かしらの事情はあるのだろうか。

那岐夜車丸汀 > 「………微妙ですね。動物は自由気ままそのもの。商売相手になり得るでしょうか?

此処 何が出るか分かりかねますし… 商売の事は素人に近いですのでこれ以上口に出す事はやめておきます」

今の処 此処は何が出るか分からない。 管理の行き届いていない場所は確か自己責任の名のもとに動く事が出来る。
何処の委員にも属していない 自分が動くのは問題があり過ぎて頭が痛い。

「場を把握しただけで …此処がどんな場所かまでは分からないのが現状です。
…視えておりませぬので。全盲なのですよ、わたくし。

…懐かしい味です、蕎麦は此方の世界ではまだ食べておりませぬので この煎餅で懐かしい味を堪能します」

季節関係ない 熱い茶は美味しい。茶は熱いと深みもあっておいしいのだ!…と思う。
蕎麦煎餅を味わう様に ゆっくりと飲み食べていたが 、飲み食いも終わると彼女から唐突に視線をそらしたのは。

「……。  そろそろ 河岸を変えねばなりません。
暫し 休憩が出来た事を感謝致します。 私の名は 那岐夜車丸。
また いずこかで逢える事を 祈りつつ 御前失礼致します」

此方 お茶代と煎餅代を、と残したのは この島で流通している銭が数枚と明らかにデザインが違う異世界の銀硬貨。
煎餅を片手に 椅子から腰を上げてから 会釈をすると 山をするすると降りて行ったという―。 

ご案内:「青垣山」から那岐夜車丸汀さんが去りました。
蕎麦屋 > 「ならないでしょうねぇ……」

残念そうに、首を振った。
なったら、それはそれですごい事だろう。

「あら、それは失礼――全盲、ふむ。」

その割にはよどみなく歩いているようには見えたが。
話出す前に聞こえた舌打ちは、彼女にとっては目のようなものか。納得した様子で――

「お忙しいですねぇ。ええ、お気をつけて。
 気が向いたら、店の方にもどうぞいらしてくださいな――」

やはり危なげなく席を立ち、川に沿って降りていく様子を見送った。
――席を立った後に残された硬貨は――

「別に商売じゃありませんのに。」

まぁ、気持ちである。ありがたく、頂いておくとしよう。視たことのない硬貨ではあるけれど。

蕎麦屋 > 「さて――」

見送れば、そろそろいい時間である。
今日の夏休みはそろそろ終了だろうか。

釣竿を引き上げ、かまどの火を消す――

蕎麦屋 > さく、さくと。荷物をまとめて――ぽん、と消し去れば。

「さー……て。降りますかー」

先ほどの子。麓まで送ればよかったでしょうか。
そんなことを考えつつ、鼻歌交じりに山を降りていく。

ご案内:「青垣山」から蕎麦屋さんが去りました。