2016/10/23 のログ
■水月エニィ >
やり過ぎた。
無理矢理動かした時に、厭な音がした。
「そうだけどそうじゃないわ。
……でも、何かある筈よ。それとも、私なんかのクズの為に努力してやる余地なんてないのかしら?
……いえ……」
言葉を振り絞る。
恐らく届いてはいないだろう。当然のものだ。
「でも、根底では本当は死にたくないんでしょう。異能をあげたくもない。
そういう願望を持ってしまっているのだから、仕方ないわ。誰だって死ぬのは怖いもの。
異能を手放すのだって怖いでしょうね。……辛い思いをしてほしくない。
……加賀智 成臣、貴方はそう望めていないかもしれないけど、そう思っているのよね。
良かったら、改めて聞かせて頂戴。」
激昂したものをどうにか抑える。
あの書類が正しいものであるのなら、心底では口にしている事を望んではいないことになる。
あの書類が正しくないのならそう思っているだけの違うものだ。
だからなんだ。なぜ関わるのか。放っておけばいいだろう。
そう言われれば、その通りなのだが……
(……私も人の事、言えないわねッ!)
理性で分かっていても衝動が止まらない。
身体が止まるなと叫んでいるとすら思える。
■加賀智 成臣 > 「………。
……………。」
「……死にたくない、なんて、今更言えるわけがないじゃないですか。
言えるわけが、ないじゃないですか……」
誤魔化しのために、何人の人生を狂わせてきたことか。
それが許されないことなのだとは、当の本人が一番分かっている。
自分を『殺させられ』て、華やかな人生を打ち壊された人間たちが、肩にへばり付くように。
「…………。
もう、僕は行きます。」
すっと立ち上がり、軽くよろめく。
どうしようもない感情たちの行き場と、捨て場を探しに。
「……僕以外には、幸せになって欲しいです。」
最後の最後に、本音に近いものを残して。
■水月エニィ >
「待ちなさい。」
がっ、と掴もうとする。
……"現実的に掴めなくとも"、気迫だけで足を止めさせかねない。
そんな熱意の籠った動きだ。
「言えるわけがないでしょうけれど、そうね。そうよね。
私だってそれを抱えているし、都合の良い事は言えない。けれど……
それでも認めてくれる人が居たじゃない。いるじゃない……!
自分の都合でそれを蔑ろにするつもりなら、私はそんな強者の横暴、認めないわよ……!」
半ば自分でも何を言っているか分からない。
《負け犬》の言葉など耳に通らず、去ってしまうのかもしれない。
だからと言って、諦めきれない。大人になれない。
現実改竄は恐ろしいが、ああいっているのだ。放っておけばいい。
それが分かっているのに。これではただの泣き言を聞き入れられない駄々っ子なのに。
私が我慢すればいいだけなのに。
(それでもッ!)
■加賀智 成臣 > 「…………。」
足を止め、振り向く。
その熱意を、感じ取る。…冷たくなった心には、少し熱すぎる。
「………。」
ぱしっ、と手を払いのける。
そして、背を向けてその場を去っていった。
「……………。」
認めてくれる人がいる。そんなことは分かっているのだ。
彼女は、大事な人だ。だが、だからこそ。……だから、こそ。
自分などに関わって、不幸になってほしくない。
自分のことなど、忘れてほしい。
そんな願望の『上澄み』を無視するのが、加賀智の異能であった。
…雨は、まだ降り続く。
■水月エニィ > 「待 ちなさいッ……!」
払われた際に転ぶ。足をくじく。
そうあれかしと望まれたのだろう。
……それでも、這いずりながらも追いかける。
追い付ける筈も、ないが。
ご案内:「廃神社」から加賀智 成臣さんが去りました。
ご案内:「廃神社」から水月エニィさんが去りました。