2017/04/15 のログ
ご案内:「廃神社」に真乃 真さんが現れました。
真乃 真 > …夕日を背に鳥居をくぐる男が一人。
異様に白く長いタオルを風も無いのに靡かせた男である。

惑うことの無い足取りで雑草の生えた境内を進むと屋根の上の人影に気が付き声をかける。

「おっと、こんなところに人がいるなんて珍しい!
 いや、僕も初めて来たから珍しいかどうかなんて分からないんだけどね!!」

…この場の雰囲気とはあまりそぐわない騒がしい男だ。

「えーと人、人だよね!?幽霊とかではないよね?
 いやあ!こんな、いかにもな雰囲気だとさ!そういうのも出そうだよね!!」

楊柳一見 > 夕陽の喘ぐような赤の中から、それがどうしたってなばかりに眩い白が棚引いた。
そして矢継ぎ早にこっちに話し掛けて来た。
どうでもいいけど、赤と白っておめでたいカラーリングだよね。

「お、おぉ? あー、うん。多分ほとんど誰も来ないんと違うかな」

自分だって、そう言う気分でもない限り来ないスポットだ。
…あと、少しずり落ちそうになったのは秘密な。

「…足」

ありますんで、と。
片足ヒョイと上げてぷーらぷらフラミンゴ。

「まあ、何か出たところで兄さんのマシンガントークがあれば帰ってくれるんじゃね?」

まず目の前の彼が幽霊にビビるビジョンが見えないんだが。

真乃 真 > 「まあ、僕もこの学園生活も四年目だけど来たの初めてだからね!
 うん、まあ来ないよね人は!」

センチメンタルとは真逆の真乃真である。
そりゃあ、もうこんな所に来ることもない、まずない。

「…確かに!あたまの三角のやつも無いしね!」

そんな分かりやすい幽霊も最近少ないのではないのだろうか?
それはともかく納得はする。

「残念ながら帰らせるつもりはないよ!
 残念だが、しばらく僕のマシンガントークに付き合ってもらう!
 きっと、幽霊なんて暇をしてるに違いないし!」

全く怖がる様子は無かった。
そして、凄い偏見だった。

「ところで、君が幽霊じゃあないとすればこんな寂しいところで何をしてたんだい?
 秘密特訓?」

楊柳一見 > 「……そうねえ。明るく朗らかに過ごしてそうな人にゃ、四年と言わず一生縁なさそうだよねえ」

で、そんな所にえっちらおっちら来た己。
いよいよ感傷極まったと見える。ふがいねえ。

「勝手に人を悪夢の産物にしないでくんない?」

一体どこのクリーチャーなんだその三角頭は。
そこはかとなく痛むこめかみをグリグリやりつつ。
彼の言葉の弾幕に晒されるかも知れない幽霊に、ほんの少し同情した。
これはきっと下手な経より覿面にキく。

「いんにゃ。特訓って柄じゃないのよね、だるいし」

修行とか今更やる気もない。
ブレザーのポケットに手を突っ込んだまま、風を受けふわりと地面へ戻る。
スカート捲れ上がったけど、タイツ履いてるんで無問題。
ガン見されたらさすがにアレだが。

「まあ、アレよ。人間、一人で色々考えをまとめたい時ってのもあんのよ」

妙に悟った風な口を利くが、実際自分でもよく分かってないのは言わない。
負けた気がするので。

「で、そう言う兄さんは、ここ初めてだっつったけど。何しに来たん?」

うだうだ思い悩むようには――うん、見えない。
失礼? 口に出さなきゃいいんだよ。

真乃 真 > 「分からないよ、廃れた神社が大好きな明るく朗らかな人もいるかもしれないし。」

どんな人かはイメージしづらいけど…。
なんか、こう廃墟好きみたいな?

「おっと、悪夢の産物だなんてとんでもない!」

そういえば最近は白装束に頭の白い布なんていう幽霊フィクションでもあまり見ないな。
バレバレだからだろうか?話膨らませにくいしね!

「ああ、うん分かるよ。そういう時もあるよね!
 なるほど、なるほど。でも、こんな場所で考えてたらなんでも暗い方に考えてしまいそうだ!」

確かに一人になるには丁度いいが思い考えるにはあまり向いていない気がする。
どうしても場の空気に引っ張られて後ろ向きになってしまいそうだ!

「そりゃあ!来た事無かったからだよ!
 さっき言ったように今年で四年目もう卒業間近だし行ったとこ無いところには行ってみたいしね!
 ああ、話だけは聞いたことがあったんだ!最近、新入生の子も話してたし!」

廃墟好きとかではなくただの興味本位。それだけだった。
確かに悩むぐらいなら動くタイプであるので!

楊柳一見 > 「……まあ、人の趣味は知ったこっちゃないし」

カワイイ顔してゲテモノ趣味、なんて手合いもいるっちゃあいる。
何にせよ、自分の理解の範疇にしか考えが及ばないのが人間ってモノだ。

…ああ、そういや古めかしい幽霊なんかは三角の天冠付けてたっけ。
足がないってのも大概時代がかってる気もするが。
どっちにしろ、んなモンは己には関係ない。

「んー、暗い考え――悲観的って事?」

ふむ、と首を傾げて。

「けどさあ、明るく楽観的に考えたら隙が出来んじゃん。もしそれで足元掬われたら――」

そこまで言って、ふりふりとかぶりを振った。
…初対面の人間に何をマジになって話してるんだアタシは?

「ああ、うん。つまり好奇心の赴くままに、ってやつね」

己の事はさて置いて相槌を打つ。
思い立って即行動したんだろうなあきっと、とまた失礼な思考。

「しかし、そっかあ。じゃあセンパイになんのか」

昨日に続けて上級生に会ってるとは何の因縁だ。

「で、そのコが話してたのって? やっぱここ怪奇スポットだったり?」

傾いだ社殿を親指で指す。
祭神もいないのをいい事に好き勝手言い放題である。

真乃 真 > 「そりゃあ、手放しに楽観的に考えてたら足元掬われて転ぶかもしれないさ。
 でも、隙もなく生きるなんて凄い窮屈じゃないかい?
 まあ、あれだ!何事もバランスが大事だよね!いや、明らかに偏ってる僕が言う事でもないけどね!」

そんな風に言う。
明らかに自分が楽観的だと隙だらけだと言ってのける。
…実際、隙だらけなのだろうし、足元も掬われ放題なのだろう。
だから、そんな風に言う。

「ああ、今の僕にとって大抵の生徒は後輩だからね!
 困った事があったら頼っていいぜ!」

無駄にカッコいいポーズを取りながらそんな事を言う。

「ううん。なんかもうちょっと違う感じで紹介されたよ。
…好きな物があるっていいよね。うん、素敵だと思う。」

『知ってますか先輩?青垣山にボロボロの神社があるんですよ!
 凄いほんともうボロボロで!鳥居だけでご飯何杯でもいけちゃうくらいには!!
 略)ぜひ行って見てください!!』

遠い眼をしながら思い出す。
そう、明るく朗らかな廃れ神社好きだった。

楊柳一見 > 「窮屈、ねえ――」

自分にとってのそれを考える。
それは、まさに“これまで”の事だ。
暗に跋扈し、上を窺い、己を悟られる事なく万事――

「――うん、それはイヤだなあ」

窮屈なのは嫌だ。だからこそ、昨日自分は選んだ。自分で択んだのだ。
だるそうな顔から一転、けらりと笑う。

「つうかセンパイ自覚あんのかよ。あってそれかよ」

この人は多分、どんな苦難を前にしても笑って突き進むんだろう。
足を掬われても、何のこれしきと立ち上がるんだろう。

――でもそのポーズはどうかと思うんだ。

「……何なのその効果音付きそうなポーズ」

ズバッシャアアアアン、と。バックに稲妻とか閃きそうな。

「好きなもの、でこんなボロッボロの神社を紹介? ……あっ」

察した。
彼にさえ遠い目をさせる後輩ちゃん。一体何者なんだ。

「……うん、まあ、何が嫌いかってより何が好きかってのが大事って」

どっかの誰かさんも言ってたと思うよ。
フィクションの中でだけど。
気安くその肩をぽんぽんとやりつつ、慰めになってない言葉を吐く。

真乃 真 > 「正直、考え方の良いバランスっていうのが一番難しい気がするんだけどね!
 それが分かるまでは足をとられて転んだり、窮屈さを味わったりするかもしれないけど
 うまいこと行くバランスもそのうち分かってくるんじゃあないかな?いや!分かるはずさ!」

そのバランスはきっと人によって違うだろう。
未だに分かってなさそうな男が言っても説得力はないが!

「そりゃあ、自覚はあるさ!僕はポジティブシンキングを心がけているからね!!
 だから、気持ち的には常に人よりも大分得してる!!」
 
自覚していなけりゃここまで偏らせられない。
自覚無しにここまで楽観的なの人がいたら凄く凄いと思う。

「…カッコいいだろう!?」

キレッキレのポーズのままで動かずに言う。
タオルまでいい感じの位置で停止している。

「実際そうだと思うしね!うん、いい言葉だ!
 僕も好きな物は色々あるけど!嫌いなモノとかあんまり覚えてないしね!!」

…何だろうそれは楽観的とかポジティブとかとちょっと違う気がする。

「人が好きな物を教えてくれるのはまあ!良い事だよ!
 うん、感想は考えるの大変だけど!!」

楊柳一見 > 「まあ、魔術方面でも中庸とかバランスとか大事って言うしね。
 って事はアレか。人間死ぬまで勉強ってやつか」

人間じゃないのも当世は多いが。

「心がけ、かあ。要は自己暗示? や、別に貶してる訳じゃないんだけど」

思い込む、と言う行為は時に思いもよらぬ効果を生み出す事もある。
それもひとえに、生きとし生けるものが、思う者である故か。

「――センパイって、意外に哲学とかイケるクチ?」

意外とは何だ。

「…………キレはあるね、うん」

ポーズの感想は、結構溜めてそれだけだった。

「てか、タオルまで何で止まってんの。そう言う異能? こう、ポーズが上手くキマる能力、とか」

言っててスゴくその、使いどころに悩む異能だと思った。

「…いや、嫌いなものは覚えとかないと、外で何か食べる時に切ない思いするんじゃ?」

頼んだものが来てから、あっこれ食べられないやつだってケース。
食事処が一気に針の筵になる事請け合いである。
まあ、好き嫌いは何も食べ物に限った話ではないのだけど。

真乃 真 > 「まあ、それなりに納得できて自分にとって楽なところを見つけたらそれでいいと思うよ!
 死ぬまで考え方に悩むなんてそれこそ本末転倒だ!
 それならある程度でおいといて、晩御飯のメニューを考えてたほうがまだ生産的だよ!」

それでも今より良くしていこうと考えるのが人間である。
考え方も晩御飯も。

「自己暗示っていうほどでもないよ!
 僕は自分で満足できるように生きてるだけさ!」

そう、ただ真乃真であるように生きているだけである。
生き方なんてものは自分の満足、そう自己満足が一番大事なのだ。

「哲学か!うん、わからない!
 つまり、見た目の通りという事だね!!」

意外とか言われたのを気にしているのかもしれない。
実際まあ、わからないんだけど!デカルト?とかだっけ?

「そう!これこそが僕のポーズを一瞬で変える異能!!
 <瞬間姿勢変化〖シャッターチャンス〗>さ!!
 朝の準備とか凄く便利!寝癖とかも一瞬で直るし服も一瞬で着れるんだ!!」

超!便利!!
使い勝手はともかく便利に使っているようである。

「大丈夫!嫌いな食べ物はないから!
 外食について困る事は無いよ!あっごめんあれだ前に異邦人街で食べた緑と紫の魚は駄目だ!
 あれは食べれない!!なんか食べ物じゃない味がする!」

普通に嫌いなものを覚えていた。
…まあ、実際は忘れないよね。

「…いや、さっきまでは完璧に忘れてたしね!!
 実質忘れてたといっても過言ではないよ!!」

言い訳がましくそんな事を言う。

楊柳一見 > 「うんうん。アタシも勉強よりごはんのが大事だわ」

腕を組んで深く頷く。
そこまでは言ってないのではないか。
そもそれは学生として問題アリなんじゃないのか。
この場にそんな委員長じみたツッコミは期待せぬが吉である。

「――いや、小難しい理屈なんてなくても、センパイのそれも充分哲学してるよ」

古人の言葉やら何やら紐解くのも哲学であるし、己で満足を見出し生きるのも哲学である。
――少なくとも、自暴自棄やら外道に堕するよりは万倍上等だ。

「ホントに異能だったんだ……。あ、着替えとかセットには便利そうねそれ」

何だかえらく生活密着型の異能であるが――まあ、何も荒事に特化しなきゃならない法もない。
むしろ平和的で大変よろしいし、うらやましい。

「アタシなんて、動いたら動いた分だけ風が起こせるって程度だしなあ」

やや婉曲した表現。嘘は言ってないが。

「……でもその魚、店で出たんでしょ? 多分」

カラーリングからして食欲が失せる。
想像してみたら、何か口の中が苦酸っぱくなった。

「異文化交流って言うけどさあ……食べ物の壁は高いよねえ、正直」

人間種族内ですら、地方によってとんでもないものが出て来たりするし。
蜂の幼虫なんて食えねえよ。

「……うん、別にそんな力まんでも」

そこまで細かい所は責めないよ。
どうどうと、動物でもなだめるような失礼極まるジェスチャー。

真乃 真 > 「そう、ご飯は大事だ!
 勉強は一週間くらいしなくても取り返せるけどご飯は一週間食べないと死ぬ!」

そう、飲食しなければ死ぬ!

「まあでも、辛いときは何も考えずに美味しいものを食べて寝る方が良かったりもするし!
 そういう意味では食は偉大だよ!」

何も考えずに美味しいものを食べて寝れば少しは気持ちは晴れる。
空腹はネガティブの元である!

「へー。哲学ってけっこう身近にあるものなんだ。」

これからは哲学者を名乗って生きようかな。
なんか響きがかっこいいしな。名前負けしそうだが。

「ふふん、生まれた時から持っている異能だからね!
 つま先から髪の毛の先まで自由にポーズを取れるのさ!」

異能を完璧に使いこなしている!
戦闘向けの異能ではないが本当に便利である!

「えーと、夏場とか扇風機いらないから便利だね!
 いや、動くから結局暑いのか…。えーと、うちわで扇げば二倍涼しい!とか?」

イメージするのは動くと少し風が起きるくらいの異能。
扇風機くらいの風のイメージだ!

「ああ、店の売り物だよしかもイチオシの商品だったよ。
 …店主はおいしそうに食べてたんだけどね。
 食べ物は実際色々あるからね。でも、本当に美味しいものもあるんだよ!
 もっと、そういうのはもっと広まればいいと常々思ってるんだけどね!」

種族まで違うのだそりゃあ味覚も違う。そう、流石にあれは食べれない。
金属と機械油みたいな風味がする魚は厳しい。

だが、それはそれこれはこれで美味しいものは多くある。
そういうのは島の外にまで広まっても良いと思う。

「分かってくれたようでなによりだ!」

なだめられて落ち着いたわけではないがはたから見ればその動作で落ち着いたようにみえるだろう。
どっちが先輩か分からないな!

「それにしても食べ物の話をしてるとお腹空いてくるよね!!」

魚はともかく。

楊柳一見 > 「ごはん。いいよねごはん。
 アタシ三日に一度はお米食べないと死なすんだ」

誰をだ。

「まあ冗談だけど。ちょっとイライラするぐらいで」

それはそれでジャンキー入ってるんじゃないのか。

「まあ、真理とか真実とかさ。
 学者先生やら宗教家連中はめんどくさい言い方するけど。
 大切なモノって意外と近くにあったりするからね。
 青い鳥は最初っからウチにいましたー、てな具合に」

世のアカデミックな人々の面目をツブすような言い草。
とは言えこの半方は、つい今しがた感得したものでもある。
――己が満足する事こそ大事。
それをあっけらかんと示した本人は、相変わらずネアカなマシンガントークをカマしているが。

「それ、自分以外にも能力かけれたら、美容師とかイケるんでない? あ、ポーズはいらんから」

さりげなく一番肝心であろうところをスポイルしやがった。

「……この能力で猛暑をしのぎ切ろうって夢は、倍の労力の汗に消えたわよ」

どんよりした表情。
うん。走れば確かに涼しいぐらいに風が出る。
でもそれを維持するには走り続けなきゃだし、涼を取ったところで疲労は取れません。

「アレだ。異邦人街で何か食う時ゃガイドがいるね。こっち側の味覚持ってる奴」

もし行く時は絶対探そう。
食の楽しみをブチ壊しにされるのは許されざる罪悪である。

「んん、もう日もとっくに暮れちゃったしねえ」

夕陽は既に沈み、夜闇が辺りを包んでいる。
何かの効果を狙ったようにしか思えない、取り残された常夜灯が、禍々しく明滅している。
後輩ちゃん、マジでこんな所がオススメなのかよ。

「せっかくだし、屋台かどっかで食べて帰りません? センパイ」

こいつ今更敬語だぞ。
絶対何か企んでるぞ。ニヤついてるし。

真乃 真 > 「…まあ、やっぱりご飯は大事だよね!!」

冗談はともかく実際イライラしやすくなる。
やはり、食事は大事だ!

「まあ、そういうのは難しい言い方しとかないとそれっぽくないしね!
 普通のいいかただと普通すぎてなんかありがたみ?が無いし!
 僕みたいなのがいうならそれでもいいけど!」

普通に自分の思いを伝えるだけでいいのに立場がある人は難しく言わなければならないので大変だ。

「無理!あと、切ったり傷つけたりも無理だから美容師は難しいな。
 それにポーズは大事だ!」

生き物に対して能力を使えない。(微生物とかで認識してなければOK)
不可逆な破壊は行えない。(知恵の輪を外したりは可能。)

かなり優しい制約のある異能だった。

「!!思いついた!!クーラーあるところで使えば汗をかかずに涼しくなれるんじゃ!!」

凄いドヤ顔でそんな事を言う。
まあ、汗はかかないだろうけど…。

「僕で良ければガイドくらいはするよ!
 初見の店の成功率は6割を越えてるぜ!」

なんとか食べれたら成功。
つまり、4割の確率で悲劇である。

「いいね!運が良かったらここら辺に美味い蕎麦屋の屋台があったりするんだよ!
 まあ、無かったとしても美味しい店はいくらでも知ってるよ!」

あの表情は何を言いたいか分かる。ああわかるとも。
財布の中身を確認する。
…明日と明後日の夜を控えめにすれば何とかなるかな。

「…さあ、ついてきな!僕の奢りだ!!!」

正直辛い顔になりそうだったがそれを噛みしめ少し無理した笑顔で告げる。
…まあ、先輩だものねしょうがないよね。

「ところで、まだ名前聞いてなかったんだけど…
 あっ僕の名前は…」

そうして互いに今更の自己紹介をしながらどこかの屋台へ向かうのだろう。

ご案内:「廃神社」から真乃 真さんが去りました。
楊柳一見 > 「まあ、小難しい事でメシ食ってる連中だしねえ」

身も蓋もないなこの女。

「あ、そうなん? ますます使い方限られるなー…って、そこは外せないのね…」

やはりポーズは大事だったらしい。

「……それ、クーラーつけるだけでいいじゃん」

ドヤ顔にジト目を返した。
自分の能力で涼を取るのは諦めよう。
だから夏に入るまでに教室を涼しくしてくれる人が入るのを願おうと思う。
まあここの教師ならクーラーぐらい許してくれそうだけど。

「……40%でハズレって、結構不安な数値だと思うんだ」

心に決めた。
異邦人街ではこの人には断じて頼るまいと。
まあでも、本日のところはおごりであるし。
何よりお蕎麦もいいよね、ってな事で――

「さっすがセンパイ、話が分かる。あ、アタシは1年の――」

こちらも名乗り返しつつ、寂れた境内を後にしよう。
束の間の賑やかさが失せたそこは、再びまどろむような黙に満ちる。
また、この幽寂を欲する者が現れるまで――

ご案内:「廃神社」から楊柳一見さんが去りました。