2015/10/06 のログ
ステーシー > 「……終末、終焉、終端………世界の」
「さすがに、龍種一匹で世界が終わるほどの被害が出るとは思えないけれど」
「それでも……たくさんの人が死ぬ、なら」
乱子を見つめる視線は、決してブレない。
「出現を止める、もしくは………人々の涙を止める刃に私は成る」
知らずのうちに力が入り、拳を握る。
「悪しき龍を殺すのは、いつだって人間。そして、人間が持つロマン」

乱子の言葉に、耳を伏せて難しそうに唸る。
「うーん……確かに、貴種龍を呼んで何をしたいのかはわからないけれど」
「目的がどうあれ、私は否定する」

「多くの人の暮らしを脅かす時点で、どうあっても断ずるべき悪」
「悪くない龍がいるのは知っているわ、うちの学校の教師には龍がいるもの」
「それでも……英雄になれなくても…私は私の正義とよろしくやっていく」

時計を見てぎゃあとみっともない叫び声を上げる。
「そ、そろそろ掃除を終えて帰らないと! 生活委員会の先輩に叱られてしまうわ!」
「ご、ごめんなさい乱子! 慌しいけれど、また会いましょう!」
掃除道具を置いてある場所にダッシュしていった。

ご案内:「路面バス/停留所」からステーシーさんが去りました。
流布堂 乱子 > 「そうですね、この島で誰かが死ぬのは……出来るだけご遠慮したいですね。
文化祭も近いのに、どこかで風紀がまた血の涙を流します」
拳を握る四葉を見れば、どこか意地悪く赤龍は笑う。
「……ですから。どうか、がんばって下さいね。」
少女が握りしめる『人間』の概念は、龍を討つための武器にほかならないのだろう。
そしてその手を握っている限り、その物語の中で四葉の側に立つルフスの姿は無いのだから。

ようやくバスが到着する。運転する鉄道委員会へ向けて乗車の意思を込めて手を上げてから、
「なるほど。甚大な力を持ち、力ずくで止めることが出来ない不死の存在が集まるのは由々しき事態でしょうからね。
身じろぎするだけで、当人にどのような意志があっても害を為すなら排除も致し方ない、とか。
そんな言い方になりますでしょうか」
「……ちなみに、学生にも龍が居ますよ。ちょっとのんびりしてますけど」

と。バスの到着と共に時計を見た四葉がダッシュしていく背中に、
「ええ、ではまたいずれ。……先輩は怖いですからね、ホントに」
同じ新人としての気苦労を込めて返事を返すと、乱子はバスに乗り込んだ。

「……本当のところは。
悪くない龍だけじゃなく、悪い龍だってとっくのとうにこの学園には潜り込んでいて――
悪人を遠くに閉じ込めることで、正義を腐らせようとしてるところなんですよ」

ご案内:「路面バス/停留所」から流布堂 乱子さんが去りました。