2017/08/18 のログ
ご案内:「路面バス/停留所」に遼河 桜さんが現れました。
遼河 桜 >  
雲間から陽射しの差す中、少女と思しき人影が停留所のベンチにちょこんとそのお尻をおろす

「(ちょっと早く着きすぎたかな)」

座る前にみた時刻表を眺めて小さく一息
此処からバスに乗って、学生街というところにいけば良いらしい

寮があり、もう手続きはすんでいるという旨の連絡が携帯に届いていた

遼河 桜 >  
叔父の話では孤島のような印象を受けたけれど、
こうやって実際に降り立ち歩いてみれば存外に田舎というわけでもなさそうだった

…バスが着くまでのしばらくの時間、此処に来ることになった経緯を振り返る

自分の面倒を見ていた叔父の勧めだったが、正直乗り気はしなかった
というのは、色々と"問題"をはらんだ自分を厄介払いしたかったのが明白だったのだ

くすりと口元に笑みを浮かべて
それならそれでいいやと笑う

これで晴れて一人の身。自分の好きに生きることができる

遼河 桜 >  
そんなことを考えながら携帯を眺めているとふと思い出す

そういえば編入手続きの時に、学園のSNSだとか掲示板だとか、
そういうものがあるから利用してみると良い、といったことを言われた気がした

「(確かに、色んな相手を探したり目立つにはちょうどいいかも)」
とりあえず自撮りした中で一番可愛さレベルが高いものをプロフィールにアップし参加しておく


編入したといっても、半年程は異能の開発コースというものに行くことになっていた
自分に異能があるのかどうかもわからないし、丁度良い
半年後にははれて新入生、ということになるだろうか

叔父からの支援があるとはいえどそれまでに、生活の基盤くらいは作っておきたいところだ

遼河 桜 >  
あとはこの島のどこに何があるのか…なんかも把握しなくてはいけない
自分の住んでいた日本と違って治安の悪い場所もあるらしいので気をつけなければいけないと言われた

「そーゆーのは願ったり叶った…あ」

ぽつりと独り言をつぶやいた瞬間、携帯が震える
通知された名前に僅かに眉を潜めて、なんかついでに舌打ちまで出る

「もしもぉし♪うん、ごめんねー☆
 サクラね、ちょおっと家族の事情で引っ越しちゃうの~、うんうん、ざんねーん。
 もうタっくんと会えないね…寂しくて泣いちゃいそう……え、色々送ってくれるの?
 やったぁ♡これだからタっくんだ~いすきぃ♡うん、うんうん、ごめんねちょっとばたばたしてて、うん、またねー♡」

ピッ

「…ウッゼ。アイツセンス旧ィんだよな……かさばるモンばっか送ってくるしいい加減"切り"だな……」

遼河 桜 >  
「っつーか引っ越すっつってんのに諦めねーとかどんだけ非モテなんだよ、哀れすぎて引くわ」

鼻で笑いつつ携帯をポケットへと仕舞い込む

ふぅ、と小さくため息をついて

「此処では素敵な出会いがあるといいな~」

出来れば気が効いて、裕福で財布の紐の緩いヤツ

遼河 桜 >  
この島には商店街や、ちゃんと繁華街なんてものもあるらしい
そういう場所があるなら、運が良い
一晩いくらのお喋りのためだけにお金を落とす男なんてドコにでもいるものだ

最低限の生活費は叔父が送ってくれるものの、
これまでの自分の生活水準を下げるのは正直我慢がならない
となれば当然そういう相手を作っておかなければいけないのだ

「そーゆーのに、であえますように」

優しくて頼りがいのある、大人で裕福なATMに

遼河 桜 >  
程なくして、バスがやってくる
良かった。自分の知るバスとなんら変わりない普通のバスだ

異能学園都市…というからには空でも飛んでくるのかと内心思っていたのは内緒で

よいしょっとベンチから立ち上がってスカートをぱたぱたとはたき、バッグを肩にかける
バスの起こした、すこしだけ熱い風がふわりと長い髪を弄んで…

「よーし、今日から学園生活のスタートだねっ♪」

楽しげに、バスのステップへと足を踏み出すのだった

ご案内:「路面バス/停留所」から遼河 桜さんが去りました。