2015/06/17 のログ
『総会』メンバー > 「んん~~~~!じゃあ、なんか纏ったみたいだし!」
「カラオケにでも行こうではないか!お姉さんはマイク戦士を募集しているぞ!」
「そこな、バイトちゃん。どーせ午後も終わりでバイト上がりじゃないかな?」
「たまには一緒につきあいなさいよー!」
テンション高い方のお姉さんはバイト中のバイトに絡みだし。
お客様、おやめください!の図が綺麗に出来上がっていた。
「カラオケはともかくとして。一通り纏めたから、移動するならするわよ。」
「結局のところ決めるのはアイツだし。あとはもう全任せでいきましょ。」
スマホをポシェットに仕舞いつつ。
「あ、俺様カラオケ行きたい……」
「こういう時は声小さいわよねぇ、かわぃー。」
うっるっせぇーと店内に大声が響く。流石に迷惑極まりない。
■先導者 > 「人が争う姿を、見るのが、大好きです。」
クスクスとローブの下で笑う
「てゆうかね、遊びに行くのではなくて、強化合宿だから当然でわ???」
『母さん』しっかりしてという目。フードで見えやしないが。
「総会長の意見をすっかり忘れていたのだけれど。日程とかスケジュールとか全部投げていいよね」
いつの間にかパフェを完食すると席を立つ。大きな額のお札を1枚置く。
「カラオケ・・・行きたいけど明日も予定が、ぐぬぬ。」
「ということで最近羽振りがよいので多めに払っておくわね。」
「それではまた、明るい明日にでも」
口惜しや... とその場から消え去った
ご案内:「ファミレス「GUEST」」から先導者さんが去りました。
■大好きなお母さんへ > ふう、と溜息を一つ漏らして
「わかったわよぉ、わたしのいのうがどう「きょうか」されるかわからないけど、がんばるわよぉ……」
観念したように白旗を上げたのであった
「あ、わたしはいくわよカラオケ! さいきんうたってなかったからうたいたくなってきたのよねぇ~」
ウキウキ気分で身を乗り出しつつ、先導者に手を振った
ご案内:「ファミレス「GUEST」」から大好きなお母さんへさんが去りました。
『総会』メンバー > 「それじゃ、各自解散で」
「カラオケ組はカラオケ組で楽しんでくるといいわ」
相変わらずのローブの少女へさんくす、と例だけして。
そこはキッチリ割り勘で金銭事情には厳しくキッカリ、会計を済ませてくる。
各々が各々の愉しさを求め、席を立ち、歩き出す。
グループを作り次の店ヘ行くもの
何かしら思案して家へと戻るもの
直ぐ様自宅へ戻って自分の世界に引きこもるもの
何の共通項も持たないこの組織は
それでもたった一つの共通意識を以って
組織たり得ているのだった。
総てを楽しむため。
ご案内:「ファミレス「GUEST」」から『総会』メンバーさんが去りました。
ご案内:「??? きっと恐らく、誰も来る事のない場所」に害来腫さんが現れました。
ご案内:「??? きっと恐らく、誰も来る事のない場所」に井戸木さいこさんが現れました。
ご案内:「??? きっと恐らく、誰も来る事のない場所」から井戸木さいこさんが去りました。
ご案内:「??? きっと恐らく、誰も来る事のない場所」に『室長補佐代理』さんが現れました。
■害来腫 > 【あれからどれだけ逃げて回ったか】
【学生街、スラム、歓楽街に異邦人街、果ては開拓村や違法部活郡まで】
【常世島のありとあらゆる場所を逃げて、逃げて、逃げて…気づけばここにたどり着いていた】
はあ、はあ…くそ、どこも封鎖されてやがる…何が何でも逃がさねえって事かよ…
【先日の菖蒲と活路との件で、残された蟲も一気に消費し】
【加えて何時だかあのマネキンのような男に食らった薬の効果が、力の弱まった今になって効果を出し始めている】
【最早人の姿さえ保っておられず、ただの黒い、人型の影の様な姿になった男が】
【一人愚痴を零している】
■『室長補佐代理』 > 誰一人すら来ない闇。
どこの誰にも届かぬ闇。
学園の闇。常世の闇。
その闇をしる『害来腫』の逃げる先……闇に常にいたのは、公安委員の影。
完全武装の装甲部隊。
対魔術刻印の刻まれた対異能用の重装甲を守った仮面の男達。
その男達に追い立てられ、『害来腫』はここまできた。
ここにまで。
『追い詰め』られた。
■『室長補佐代理』 >
闇が、嗤う。
■『室長補佐代理』 >
「よう、久しぶりだな」
「『元』同僚」
■『室長補佐代理』 > 靴音を響かせて。
笑みを張り付けて。
ザンバラ髪のそれは現れる。
フォークロアの怪物のように。御伽噺の魔王のように。
柱のような長身も、闇に蕩けて曖昧に。
汚濁のような微笑みも、夜に滲んで曖昧に。
左中指の銀の指輪だけが、鈍く輝く。
■害来腫 > は、ははは…よお
『元上司』
【力なく笑い、目の前に現れた存在に対し、今までに無いくらい、気軽に返す】
【だが、内心では既に読めているのだろう、「この男」が来た意味を】
全く…まさかトリがあんただとはな…
【闇が震える、己以上に黒い、漆黒が訪れた事に】
【今の自分は蛇に睨まれた蛙にもならない、ライオンの前に放り投げられた屍肉】
【後は無残に食いちぎられるのを、待つだけ】
くそ、まさかこの俺がこんな事になるなんてなあ…
【自嘲気味の笑い声を上げると、男が語り始める】
■害来腫 > 俺としたことが失策だったぜ…
てめえも、てめえの上も…「こうなる」事を予測済みで
俺を公安に引き入れやがったな
【男は言葉を続ける】
お前等は権力を持ったあの綺麗なだけが取り柄の頭でっかち…西園寺の暴走を早くから予測していた
何せ海千山千のあんた等だ、あいつがどう出るかなんざ手に取るようにわかっただろうよ
【更に続ける、今言っていることは男の状況と推測から成る、仮説に過ぎない】
【だが、それこそが真実だといわんばかりに、男は異論を許さぬとばかりに矢継ぎ早に言葉を捲し立てる】
■害来腫 > それで自滅すりゃあ後はトカゲの尻尾として切り落とし
はいさようなら、急場凌ぎで作ったはいいが、扱いに困った非常局は責任取らせて解散…で丸く収まるはずだった
ところがあの野郎が予想より出世したせいで、想像以上のダメージを公安全体が被る事になった。
公権力の地位が下がりっぱなしじゃ治安維持もままならねえ
そこで、次のトカゲの尻尾として「俺」が選ばれた…いや、元からそのための保険にするため乗り換えに応じたわけだ
【正気とは思えない笑い声を響かせる、いや、既に正気などとうの昔に失ってるのだろう】
【自身の肉体を失い、異能を持って人ならざる存在となったあの日から】
笑えるぜ、散々トカゲの尻尾呼ばわりしたあの野郎と、まさか同じような運命を辿るとはなあ
■『室長補佐代理』 > 延々と続く、『害来腫』(スケープゴート)の喚きに、一つ一つ頷く。
曖昧に。ただ肯定もせず。否定もせず。
ただ、ただ、頷く。
真実など、この世界には必要ない。
事実など、いくらでも歪曲する。
過去は所詮過ぎ去った時間以上の意味など持たない。
未来も所詮未だ去来しない時間以上の意味など持たない。
老人は過去に咽ぶ。子供は未来に夢を見る。
だが、『そうでない』のなら……見る者は今だけである。
これは、たったそれだけの話だった。
それ以上にもそれ以下にもならない話だった。
嘆きも祈りも真実なのかもしれない。
だが、そんなモノは『現実』と比べればクソ程の価値もない。
今回のこれも、それだけのことなのだ。
■『室長補佐代理』 > 気安く嗤って、闇が揺らぐ。
それが肩を竦めただけだと、気付くまでどれだけ掛かるだろう。
「お互いとんだ貧乏籤だよなぁ」
じわりと弧月が浮かび、闇が窄む。
それが目が細められただけだと、気付くまでにどれだけ掛かるだろう。
「『敵』ながら同情するぜ」
決定的な決別を口にして、闇が一歩前に出る。
じわりと笑みを滲ませたまま、ただ闇が近付いてくる。
「せめてもの餞だ。ご苦労だったな元同僚。疲れたろう」
左手を掲げ、銀の指輪を煌めかせ。
「今、楽にしてやる」
ただ、嗤う。
■害来腫 > っとだよ、ただ掌で踊って、用が済んだら握り潰される、まさしく虫けらってわけだ、ヒヒヒ!
【正気を失い、ただ笑い続ける…だが】
楽に、だあ…?
【その一言で、先程までと明らかに、男の様子が変わった】
は、あんたの口からそんな言葉が出るとはな
死んで何になる?天国に昇るか?地獄に落ちるか?
次は前世を引き摺ってクソみたいな人生這い蹲って生きるか?
それとも一周回って善人に生まれ変わるか?
そうじゃねえだろ、死んだら
終わりだ
■害来腫 > ゲームオーバーだよ、終わりなんだよはいさようならなんだよ!
どんな奴だろうと後には何ものこらねえ、死んだら無に帰るだけだ
俺から言わせりゃあ理想に殉じただの、信念を貫いただの
死ぬことに意味を見出したり、理想のために命を差し出す奴なんざどいつもこいつも虫けら以下のゴミクズなんだよ!
あんたならわかるだろ?人間生き残った方が勝ちなんだよ…!
どれだけクズだろうが悪党だろうが関係ねえ、生きてる事が、生き続ける事こそが勝利だ。
【蟲が、臨戦態勢を取る、どれだけ絶望的な状況だろうと、男は生を諦めない】
【死を拒絶し、みっともなかろうがなんだろうが生き足掻こうとする】
俺は死なねえ、ここであんたを殺して、これからも生きて生きて、生き続けて
俺のやりたいように生きてやる…!
だからよぉ!!!!
【男の言葉に呼応するように、最後まで残してきた蟲の群れが、神話の怪物の形をとる】
あんたは嫌いじゃねえが、ここで死んでもらうぜぇええええ!!!
【男が吼えた、体を失い、味方を裏切り、敵の靴を舐め、落ちぶれきってなお】
【生きる事への醜悪なまでの執着を吐露しながら】
■『室長補佐代理』 > 虫が、爆ぜる。
闇滲む男が寓話の化物なら、虫総べる男は神話の怪物。
常世に潜む、生きた闇。
汚濁を啜る、夜の輩。
生に縋り、生を謳い、生を謳う……生けるが故に毒撒くもの。
「終わりってのも悪くねぇぜ。元同僚。お前なら分かるだろ?」
影が、膨れ上がる。
輪郭が、滲む。
「知らない事もまた幸福だ。なぁ? 蠱毒の首魁(harmful moon)よ」
一歩、前に。
闇が、詰め寄る。
「お互い、『知らない仲』じゃあねぇんだ……諦めろとはいわねぇよ」
終焉が、大口を開ける。
「せめて、足掻け。『孤独』(ひとりぼっち)は嫌なんだろォ? 最期くらいは看取ってやる」
■害来腫 > 道連れには困ってねえんでなあ!!
【来る、圧倒的な、絶対的な力を持つ「何か」が】
あんたこそ、一人寂しく、ここで朽ち果てな
手前の後釜はきっちり俺が勤めてやるよ!!
【どこから呼び出したのか、そうしている間にも怪物は増え続け】
【アバドン、ミルメコレオ、ギルタブリルにドゥルジ・ナス…】
【瞬く間に、そうそうたる神話の怪魔、その似姿の群が顕現する。】
くたばれ!!
【人の形をした終焉へ、怪物の群れが殺到する。】
【似姿とはいえそのどれもが並以上の霊格を持った、間違いなく魔獣と呼ぶにふさわしい実力を持っている】
【分が悪い、どころではない、恐らく万に一つの可能性も無い】
【だが、男はそれでも諦めない、生にしがみ付き】
【只管に死を遠ざけようとする】
【「死んでたまるか」】
【怪物達は、そんな己が主の言葉に忠実に従い、目の前の敵へ一斉にその爪牙を振るった!】
■『室長補佐代理』 > 憎悪が、害意が、毒が、牙をむく。
明確な爪牙と化した殺意が跳梁する。
闇の中、神話の獣が跋扈する。
一片の躊躇もなく、容赦もなく。
闇の中、男の体に突き立つ。
その爪は、男の表皮を抉り取る。
その牙は、男の臓腑を貪り喰らう。
闇に縁どられた汚濁が霧散し、流れた朱すら墨のよう。
黒の水面がわずかに揺れて、そのたび『何か』が剥落する。
それは肉か。それは骨か。
それともそれは……
■『室長補佐代理』 > 「遅い――ゲームオーバーだ」
「提案しよう――喚くな」
■『室長補佐代理』 > 闇が、滲む。闇が、膨らむ。
それだけで、神話の化物が烈断され、斃れる。
それだけで、神話の怪物が刺し貫かれ、斃れる
闇の水面に、それを象っていた蟲が次々、沈む。
影が、笑う。嗤う。哂う。
男が覗き込む。男が目を見る。
覆い被さるその長身。
宵闇纏い、その相貌すらも伺えず。
嘲笑漏らし、その輪郭すらも歪み果て。
「さぁ、仕事の時間だ。蠱毒の王。約束の刻限は来た」
一度も、ただの一度も、『害来腫』から目を逸らさず。
男は、嗤う。
■『室長補佐代理』 > 男が、引き抜く。
その得物を。
その引き金を。
その右手を。
右手を、伸ばす。
手の甲に、悪魔の紋章が刻まれた、その右手を。
■『室長補佐代理』 >
右手を、伸ばす。
■『室長補佐代理』 > 銀の指輪が輝く。銀の魔が煌めく。銀の光が闇を引き寄せる。
男の輪郭から光が奪われ、その身がただの『黒』へと変ずる。
その長身はただ闇に混じり、影と化し、ただそのシルエットを虚空に浮かび上がらせる。
そこにいるのは、最早人ではない。
人の形をしただけの影。
人の形をしているだけの黒。
輪郭の中、沈んだままの黒瞳が、じわりと滲む。
茫洋の中、浮かんだままの口角が、じわりと滲む。
闇が、目前の男の『怖れる何か』が、形となって。
右手を、伸ばす。
■害来腫 > …くそが
【目の前の人物が、リアルタイムで全く違う『何か』に変わるのを感じる】
【そうしてその変化が終われば、そこにいるのは最早人ではなく開かれた地獄の門】
【或いは死神…嫌、最早『死』という概念そのものか】
【ありとあらゆる生ある者が受け入れざるを得ない者、遍く全てが逃れざるが故に忌避するモノ】
くそがくそがくそが、ど畜生が!!
俺はあいつ等みてえな負け犬にはならねえぞ…!!
ぁぁぁあああああ!!!!
くそがよぉぉおおおおお!!!!!
こんな所で、死ねるかぁぁああああ!!!!
【最早生への執着のみで自我を保っている男は】
【現れた存在が齎す、絶対的な終わりに対し、半ば恐慌状態で】
【蟲の触手による一撃を振り下ろす】
■『室長補佐代理』 > 触手に貫かれてなお、影は笑う。笑う。笑う。
振り下ろされた一撃は影をすり抜け、虚空を叩く。
影は、避けない。闇は、躱さない。
その必要すらない。
なぜなら既に『定義』されている。
『蠱毒断ずるその闇』は、定義されている。
その黒影は****のよう。
御伽噺のバケモノのように。月夜に浮かぶ魔のように。
「……なるほど……人すら超えたバケモノ……蠱毒の王に、人である俺では何もできないだろう」
イデアの影に、浮かぶ燐光。
迫るは無数の蠱毒の牙。
生に曳かれる死者の腕。
しかして、それにも……。
「けれど、どうやら。指輪の“君”は人ではない」
右手を、伸ばす。
「Eloim, Essaim, frugativi et appelavi.」
「我は求め訴えたり」
嗤う、嗤う、口端を歪めて、ただ笑う。
「『君の友人』 其の名に於いて」
「我、君主の権限を願う」
身が滲む。その背が滲む。
体が滲む。その目が滲む。
「鍵よりこぼれたかけらのひとつ」
「ソロモン王の名を以て」
「模倣式は導き出す」
「汝が姿と我が権能、失われたもの」
「暴く影」
「足掻くすべてを智とするもの」
「顕現せしは72柱 序列3位が地獄の君主 Vassago」
影が、男の身を包み。
その右手が、影が。
無数の爪を、顕現させる。
人型の影に、『闇』が絡み付く。
長身は長躯となり、長躯の輪郭は滲む、それと闇の境目すら曖昧となる。
宵闇纏うその姿。
常世の闇をその身に喰らい、悪魔の叡智をその身に宿す。
■害来腫 > 【理解した、というよりは嫌でも理解させられた】
【相手は…いや目の前の「存在」は、人がどうこうできる存在などではないと】
【そうしてやがて聞こえてくる呪文…それもまた、魔術師崩れの男には】
【それがどういったものかは理解できると同時に予想の範疇のものであり】
【ここへきてようやく、自分の最期にして最大の失策を、悟るに至った。】
【対峙してはならなかったのだ】
【戦ってはならなかったのだ】
【尻尾を巻いて逃げ出すべきだったのだ、今までのように、もう来ないこれからのように】
【なぜならアレは、比喩等ではなく、本物の※※※なのだから】
【人が勝てる道理など無いものなのだから】
…れは
【今まさに、必滅の一撃を振るおうとする相手を、正気を失った引きつった笑みで見続ける】
ひ、ひひひ…まだだ、まだ俺は、死なねえぞ…!!
【その最期の言葉は、酷く陳腐で、惨めで…だが、男がどういった存在だったかを】
【これ以上ないくらいに表した一言だった】
■『室長補佐代理』 > 殺到する数多の蟲。無数に突き刺さる爪と牙。
『害来種』の妄執は形となり、悪意の群れは肉を切り裂く。
無数の害意が男を貫き、血を啜り、眼光すらも刃となって、男を射抜く。
嗚呼、だが、それでも。
男は、
「Vassagoそれは邪知の化身」
「秘奥の真意をただ暴き」
「隠された罪。その罰ですら、抜き身とす」
「悪魔の契約。それは絶対。即ちそれは」
「我は汝。汝は我。我思う故に……汝在り」
嗤う。
「『主観論』(コギト・エルゴ・スム)」
「The iMitation ∴high agent∴your best arc enemy」
男は、傷つかない。
男は、死なない。
男は、倒れない。
敵を知る。悪魔の契約により、それを知る。
知り得たのなら、定義する。
定義即ち。
「俺は『定義する』……俺は『お前を終わらせる俺』になる」
知り得たのなら、それは成される。
「生を貪る哀れな蟲よ」
「お前の声は届かない」
男の影が、膨れ上がる。
それは汝自身。それは汝を知るもの。それは汝の敵。
汝を知るが故、汝を謀る。
右手を、伸ばし、
「残 念 だ っ た な !」
振り下ろす。
振り下ろされる、その右手。
滲んだ闇は偏在し、変質し、偏向する。
無数の数式が。
無数の術式が。
編み込まれる。ただ『目前の敵を斃す』ためだけに。
組上げられる。ただ『目前の敵を斃す』ためだけに。
それを滅ぼす。喰らう。滅する。終わらせる。
それ以外の機能の全てを消失した闇が、迫る。
目に映る全てを喰らい付くし、世界ごと改変するかのようなその闇が、迫る。
■『室長補佐代理』 >
我思う故、我在りて、我思う故、汝在り。
しかして、我思わざるは……汝無し。
■害来腫 > 【必滅の術式を編みこんだ、右手の形をした闇が男を引き裂く】
【断末魔をあげる間もなく、男の体がぼろぼろと崩れ落ちた】
【全てが終わった後、そこに残っていたのは】
【体を形作っていた蟲の死骸の山と】
【無数の蟲と融合した、脳と脊椎…融合した蟲達は今だ息があるのか、弱弱しく】
【それぞれが蠢いている】
【恐らく異能で体を代替わりするだけでは持たず】
【魔術で蟲と融合することで、今日まで生きながらえてきたのだろう】
【既に異能の力を維持する力も失った今、このような状態で生きられるはずもなく】
【融合した蟲達も徐々に動きを弱め、やがて動かなくなる】
【こうして、あれほど生に執着し、非道の限りを行った男は】
【誰も訪れる事がないであろう場所で、その醜い妄執の残骸を晒し…息絶えた】