2015/07/23 のログ
ご案内:「???」にシインさんが現れました。
ご案内:「???」に能見さゆりさんが現れました。
■シイン > 時刻は午前のまだ朝とされる時間帯。
そんな朝から誰かと待ち合わせをしているのか、『彼女』との約束の場所に現れている教師が一人。
手入れをされ陽の光で輝きを見せている黒の塗装の車に腰掛けながら、彼は待つ。
「少し早かったか。」
指定の時間より、少々早めに来てしまったようで、尚更に暇な時間が続いてしまう。
彼女が時間にルーズでなければいいが、と望みながら到着を待つ。
■能見さゆり > ……おはようございます
【時刻はほぼちょうど。
さゆりは特に何かがなければ遅れるということはない
もともと約束を上回る欲求もないのだ】
お待たせしてしまったでしょうか?
【もっとも目上との会合となれば、早く来るのも遅く来るのもあまりいただけない
予定は予定、予定を立ててるのは向こうなのだから向こうの予定に合わせておく
特に早く来たからといって特に時間的メリットがある待ち合わせでもない以上
ちょうど来るのが結局一番適当なのだとさゆりは知っていた】
■シイン > 声が聞こえた方角へと、顔を向かせる。
それと同時に腕の時計の時刻を確認。待ち合わせの時間は丁度。
彼女は約束を守れる者のようだ。
「おはよう、少し早めに来ただけで待ってはないよ。
早速だけど行こうか。案内をしよう。」
後部座席のドアを開かせて、車内に入るように促す。
時間は押してもいないが、あまり長居をして誰かに見られるのは宜しくない。
変な噂は立たないに限る。
■能見さゆり > ……分かりました
【笑顔で言われるまま素直に座席に座ると、ドアを閉める
後部座席だが立場上シートベルトは占めたほうがいいだろう】
■シイン > 車内は至って普通の車と言うべきか、特に変な所も無い。
「一応シートベルトは締めておいてくれ、何も問題無いと思うが、念のためにな。」
運転席に座り、自身も当然シートベルトを締めて、さゆりも締めたのを確認次第に車を発進させるだろう。
■能見さゆり > 【特にどうということもないだろう
車が発信すれば適当に外を眺めている……まあ、どうしても道順を覚えてしまうのはクセのようなものだ
GPSは便利だがそれ頼りのみというのは、案外危険なのだということをさゆりは知っている
機能は過信するべきではない】
……お聞きしてよろしいのでしたら、今日はどちらまでになりますか、先生?
【優しい声でさゆりは訊ねてみた】
■シイン > 「私が住んでるもう一つの場所だ。職員寮とは別に自宅を構えていてな、公共の場で訓練やら対話は何かと都合が悪い。」
バックミラー・サイドミラーだけでなく、音声集音機能を最大限に活用しながら、追手などがないか警戒をする。
軍属故に、自身の情報を知られすぎるのは嫌うようだ。
教師という立場上なのである程度は仕方ないが、それでも限度はある。
「別に取って食ったりはしないから安心してくれ。」
運転を続けながらそんなことを告げて。
■能見さゆり > ……いえ、そういうことでしたら私もあまり情報は集めないほうがよろしいですか?
一応、素性が素性ですから、どうしても調べてしまうので、問題があるようなら帰り際にでも消去しようと思います
ふふ、もしかしたら先生に改造されて軍属にされてしまう恐れはありますから?
【そこまで気にする必要があるのかはしらないが、とりあえず確認している様子をチェックすれば
冗談交じりに提案しつつ、にこやかに微笑んだ
……どうも、見た目によらず他人をからかうなどが好きな個性があるようだ
特に何もなければそのうち着くのだろうか】
■シイン > 「記憶消去などしなくていい。私は君を信頼して案内をしてるからな。
簡単に口外しをする程に愚かな者に見えないからな、私の目に狂いがなければだがな。」
これでも見る目は鍛えられている。軍人という群衆の中で、常日頃から人を見てきた故に。
機械も成長をするのだ、と。
「君は魅力的だからな、
そんなことを言ってしまうと、私に順従させる機械にしてしまうかもしれないぞ?」
最後に冗談だ、と付け加えさせる。
誂われるとは思ってなかったが面白いのか、ノッて応える。
雑談を交えながら車を走らせて数十分…目的地に到着した。
■能見さゆり > くすくす……まあ、私も、元は命令に従うだけの道具ですから
それはそれで喜ばしいと思ってしまうかもしれませんよ?
【冗談とも本気とも思える答えを返す
もともとこの手の機械は概して、命令に従うことが気持ちいいように作られている
そもそも反抗するなども考えなくて済むしスムーズな運用がし易いからだ
それにこの外見と答えからして、おそらく「そういった用途」でも優秀な機械なのだろう
目的地についても特に要請があるまでは降りようとはしない
そういったところも慣れたものである】
■シイン > 「ははっ、あまり本気にさせない方がいいぞ?
私はやると言ったらやってしまうからな。」
機械だが『機械』に対しての改造技術などを有している所為か。
本気の発言を、笑みを含ませてバックミラーから表情が見えるように伝える。
「ま、これ以上の話は"また後で"だな。」
目的地到着して、車を車庫に入れてから先にドアを開けて降りるだろう。
降りた後に、後部座席側のドアに移動をしてドアを開けた。
もう降りてもいいぞ、と。
■能見さゆり > ふふ……そうですね。
そういった辺のお話もあるものと思ってましたし、そのへんは追々
【いくら「授業」とは言っても、施設に連れてくるとなると明らかに個別指導だ
特に機械同士となれば、表に話しにくいことも含む、という意味だと解釈していた】
……はい、ありがとうございます
【ドアを開けてもらって降りると、様子をうかがうだろうか
「明かり」はあってもなくてもどちらでも構わないのはお互い様だが……まあ、特にそういうこともないだろう
人間をもしている以上、生活は人間に準ずるのだ】
■シイン > 車庫から出て自宅周辺をざっと見渡すと、自宅の隣には広い空間を有している施設が備えられているのが見えるだろう。
パッと見た限りでは金持ちの自宅程度に判断が付けられるぐらいか。
「さてさて、どうする?この前に話してた限りでは、感想戦を要望してたか。
もし実戦を想定した訓練をするのであれば、施設を使うが…?
そうでないなら、自宅内で話すのもいいぞ。」
二つの選択を示す。どちらも君の自由だ。そう告げる。
■能見さゆり > そうですね……せっかくですから感想戦と、あとは実戦を想定した近接戦を考えたい要望はあります
基本遊撃メインですので、そこまで接近することも少ないし、実用上あまり使わないのですが
銃撃戦も行いたい要望はあるのですが、たぶんどちらも多少被弾するように思うんで
そこがネックですね……
【特にさゆりの装備にはテルミット焼夷弾なども入っている
金属をも溶かすような物騒なものだ
当たらなくても人工皮膜ぐらい持っていく可能性が大きい
だいたい機械同士の銃撃戦となるとどうしても派手になるし、どちらかが優れば一方的に勝負が決まりやすいが
それまでは一進一退になりやすいのだ
要は感想戦もお願いしたいし、自身の現状も把握しておきたい要望があった
また、全力での近接戦は危険極まりない
このあいだでもアレだ、直にやるとなると寸止めという概念があまりない武器もある】
■シイン > 「感想戦と近接戦か。あと一応だが、彼処にある施設は銃撃戦も想定して作られているから出来なくはないぞ。
被弾したらしたで『私』は何も問題ないが、さゆりは良くないな。
その時はその時で、私が修復すればいいか。」
自宅内にはそれ相応の機器修復の道具が揃ってるとのこと。
万が一に備えて、用意していると説明をする。
「ネックな部分は解決したから互いに全力で行けるか?
訓練施設のような全力を禁ずる場所でもない。法も、人も、誰も止める奴は存在しない。」
だからこそ此処に連れてきたのだ。
最初から全力を見たいから、一風紀委員の実力というのを記憶したいから。
■能見さゆり > ……では、せっかくですからお願いできますか?
感想戦はその後で
決着については、多分あまり問題無いと思いますが
まあ、適度なところでお願いします
【適度ということは必要十分を満たしたなら被弾するしないにかかわらない
その辺の戦力ラインを把握できるかどうかということになる
機械人形らしい選択とも言える】
ところで、一つお聞きしたいのですが、先生は問題ない、というのはどういった意味でしょう?
スペアのボディという意味であれば私も所持はしているのですが
【大丈夫という意味だけはわからない
あとは学園が認めている教師である以上、風紀委員の立場であるさゆりに何か隠さないといけないようなものはない】
■シイン > 「了解した。決着については、そうだな。
言ってしまえば、私達のような者に決着などないからな。」
全力を出し切ってどの程度のものか計測できたら。
火力は?装甲は?速度は?機能の能力は?
其れ等がわかれば十分だ。
施設の方へ案内しながら会話を続け、自身の説明をしてなかったことを記憶から掘り返す。
別に風紀委員であれば問題はないだろう。
「私にはスペアボディはない。完全なワンオフ型の機械だ。
それでも機械だからな。従来であれば壊れたらどうしようもないが、
私には機械らしからぬ『異能』が発現しててな。」
戦ってれば嫌でもどのような効果なのか判るさ。そう彼は説明をした。
■能見さゆり > ワンオフ……ですか、それは気を引き締めてかからないといけませんね?
【笑顔でその意味を改めて反芻する
つまり一言で言えば特別製の最高級品ということだ、さゆりのようなN3001量産型ではない
量産型のベースになる場合もあるが、得てして最高級が求められ、そこから量産にむかないものを抜いていくことになる
もっとも、代わりにピーキーな場合やバランスが悪いものもあるが、それはこの間の模擬戦からはあまりそうは思えない
そもそも軍属となれば優秀であるから故なのだ
もっとも気を引き締め用が引き締めまいが、基本的に行動が変わったりはしないのだが】
……分かりました、お互い隠し球があるということで一つよろしいでしょうか?
【言われれば気付くだろうがさゆりは「荷物」を持ってきていない
ある程度の想像はつくが、単なる量産型と言うには既に異質なのだろう】
■シイン > 「ま、気軽にな。本気の壊し合いではないのだから。
それに隠し球が一つや二つで終わるとは私には思わないな。」
それを出すことになるかどうかは別として。
彼女からは特に携帯してるような武器が見当たらない。
内部に仕込んでいるのか、はたまた見えないような加工がされてるのか。
何にせよ、やらなければわからないのだ。
そうこうと話している内に、施設の入り口へと到着する。
厳重に入り口に指紋やパスワードなどのロックが掛けられ、其れを順を追いつつ解いていく。
数秒後には入り口が開けられて、内部が一望できるだろう。
施設内は想像以上に広々としており、それは暴れるには十分過ぎる程に。
別室には各種武器が保管され、銃は勿論。近接向けの武器なども存在する。
■能見さゆり > すごいですね……戦争でもやるつもりですか?
【まあ慣れていなくても扱えるし、ここの武器を使うのはそれはそれですごそうだが
一応手持ちがある
今日は自前のものを使うつもりではいるが、目移りするような装備ではある
羨ましい】
……では更衣室をお借りできますか?
一応正式装備からスタートしたいと思いますが……
そうですね、この装備だと一応、シールド発生装置があればありがたいですね
被弾が少なくて済みますので
では近接戦からお願いできますか?
ダメージが酷く、遠距離戦はもし出来なければその時はその時で次回に回そうと思います
【遠距離戦はそこそこやりようはあるが、近接戦は数をこなしていない部分はある
平均以上には出来てもどの程度かわからないのだ
故にそちらを重視した……戦闘はいきなり近距離戦から始まることもあるのだから】
■シイン > 「何も生まない戦争なんて起こす気など無いよ。
…此処にある武器は全部が私の私物だ。
名目上は生徒達に実物として見せる為に、あとは銃撃訓練の為に。
だからこそ、持ち込められた。」
元々は戦う為ではなく、教材としての一つ。
実際に戦争をするならそもそもこのような武器は不要なのだから。
「更衣室な、あとで案内をしよう。
で、だ…シールド発生装置は高価だからな一つしか持ってない。
それはさゆりが使うといい。私には不要だ。」
君のことを舐めてる訳ではないよ、そう後から説明を付け足す。
近接戦からの事を了承した後に自身も準備の為に一つだけ武器を選ぶだろう。
■能見さゆり > ふわぁ…………!
【正直、私物でここまで揃えるとなると圧巻だ
素直な感想が感嘆に出た】
わかりました
……一応保険として活用させていただきます
【本人が大丈夫だと言っていたからそうなのだろう
だとするなら通常、シールド発生装置が必要とは思えない
が、2つあれば生徒同士の模擬戦が組める
それがひとつしかないということはそこまでしっかりした訓練は
現状、自身が関わる状態でしか行うつもりはないということと考えた】
はい、お願いします
標準の正装に着替えるべきかなと思いまして。
【無論、N3001型正式スーツはアナログ的に着替えずとも即時着用も可能なのだが
それをやると制服が吹っ飛ぶことになる
さすがにその状態で帰りたくはない】
■シイン > 「それでいい、本当はもう一つか二つ。
シールド発生装置は欲しいのだがな。
あれは高価すぎて個人では手が出しづらい。」
幾ら軍で『少佐』という立場でも、自由に兵器を調達できない。
もう少し上であれば我儘が通せそうだが、なんともいかん。
シールド発生装置は、腰に備え付けるタイプであり、一度起動すれば耐久値が数値として現れる。
実戦ならば、当然敵に悟られぬように数値は隠すが、
訓練で使用を前提としている為に、そのような設定に組まれている。
「正装に着替えて戦うのも大事だからな、と…更衣室は此処だ。
男性と女性の方で分けられているから、一応女性用の更衣室を利用するといい。
私は私で別室で着替えてくるよ。」
流石に訓練用でもない私服同然の軍服で戦うのは無理がある。
■能見さゆり > そうですね……集団戦なども出来ますしだいぶ変わりますからね
もっとも、それほど使用頻度が高くないものを購入するのは難しいですから
様子を見て追々といったところでしょうか
【そもそも訓練室で物足りないという話になってから必要になるものである
つまり、条件が違いすぎて試し打ちにしかならないことを避ける、というところまで来た場合だ
そしてそう言う生徒は基本的に数が限られる
接近戦奈良訓練室でも用が足りるものも多いし、遠距離戦にて魔術その他武器の使用前提とした対応が求められた時に限るからだ
訓練室ではそのへんのヤバさが再現しきれない】
はい、ありがとうございます
【笑顔で嬉しそうに頷くと更衣室に向かい、異空間ポケットに入れておいたN3001型の正式な防刃防弾スーツに着替える
運動性を高める簡易アーマーのようなものだ
これにヘルメットが一応あるのだが、まあ、あれは特殊行動時での戦闘用に使うことが多いため今日は使用しない
そのままアサルトライフルを持って訓練用のところへもどる
ボディラインがそのまま出るスーツなので、非常に女性的なラインになる】
■シイン > 「授業自体もそこまで進んでいない。やるとしてもだいぶ先な話だな。
実践訓練を受ける生徒自体も少ないから尚更だ。」
体育館や訓練室などがある以上はシールド発生装置など使う機会は訪れないとは思うが。
念には念を、準備は徹底的に、確実性を。
「それでは、また後で。」
話を一旦区切り、別室にて体育館で来てた軍服とはまた別物。
肉体の筋肉が浮き出る程に、身体を締まらせさせる黒いボディスーツだ。
肌色の人工皮膚で覆われた肩から腕は晒されているようで、防具としては意味を成していない。
さゆりよりも、先に着替えは終えてたようで、佇みじっと到着を待つ
手には近接戦を想定しての機械じかけの鋼鉄のガントレットを装着して、如何にも近接戦を始めますと、言わんばかりだ。
■能見さゆり > お待たせしました……だいぶすごいですね?
【基本装備はワイヤーと刃物、そしてレーザーの爪だ
爪といっても、この場合、扱いやすく攻撃力の高い刃物という感じだ
通常の防具ならば大抵切り裂く】
では、よろしくお願いします
【場所が決まれば、あとは始めるだけだ
正直足場が良kればどこでもいい】
■シイン > 「男性がボディスーツを着るのは珍しいとは思うがね。
そうじゃないならすまないが。」
機械仕掛けの篭手は、金属のフレームと機械的機構を剥き出しにしており、防御などまるで考えていない攻めに武器だ。
元の腕より明らかに大きさが合わない程にまであり、姿勢を保たせるのも機械でなければ厳しい。
正に、後先を考えない攻めのスタイルと言った所だろう。
「あぁ、よろしく頼もうか。」
右足を前にと、地面を擦らせつつ、腰を下ろしていく。
平然と篭手が装着された手で構えながら相手の出を伺う。
何もなければ此方から仕掛けるつもりだ。
■能見さゆり > 【前と違い、軍用ヒートナイフを逆手に構えて、様子を見つつ円形に回る
お互いにこのあいだと出力と条件が違う
距離に劣るが軍用ナイフを下からクオーター気味に切り上げつつ
わざと半身になり、ブラインドになった逆手側で同時にワイヤーを回すが
これは見えない位置にワイヤーを出しただけで空打ちであるが、裏拳気味に
左手のレーザーネイルで払う
避けるなら距離ができるし、踏み込むなら手合……肘打ちが有効打な距離まで接近してしまうが、
篭手を活かすなら距離だろう】
■シイン > (さゆりから動いた。
以前に手合わせした時に感じたが、彼女の動きは『速い』。
まるで出力が移動速度に重点してるかのように、速さを持っている。
彼女との装備差は良い意味でも、悪い意味でも違う。
自分は一撃重視の機械仕掛けの篭手。力で勝負をする武器。
変わって彼女は、手数で攻め、幾つの武器で仕掛けてくる、技術と回数で勝負をする。
最も、軽装の其れですら、従来の機械人形や人間であれば一撃で致命傷に陥ってしまう可能性は否定出来ない。
動きにはついて行ける。『目』の良さは恐らく互いに同条件だろう。
彼女も簡単には攻め切れないと思うはず、それならば。)
踏み込みもせず、下がって距離を開けようともせず、ならば行う術は一つ。
機械仕掛けの篭手は動き出した。蒸気を噴き出し、轟音を鳴り響かせ、篭手の宛て先は『さゆり』ではなく施設の床に。
叩きこまれたと同時にさらなる轟音と床が砕け散り飛ばされる。
そして自身は篭手の反動を利用して、垂直に飛び上がる。
強引過ぎる回避手段。砕け散った破片は少なからず自身の人工皮膚を傷つけて、人口血液を撒き散らすだろう。
さゆり自身も多少は破片に当たるだろうか。避けるのは容易いと思われる。
■能見さゆり > ……!?
【地面砕き
フィールドごと条件が変わる、東郷さんがよくやるアレだ
ただしほぼ初手から扱うというのは様子見の意味合いが強い
破片も互いにほとんどはスーツに弾かれる
跳ねるように一旦飛び退くがでかい破片を回避しつつひねったところで、不規則な反転
ワイヤーによる軌道変更で予想通りの動きを避けつつ一連の動きから再びワイヤー設置
空いた手で背中越しにブラインドで相手の背後に落ちるよう手榴弾を放りつつ
まだ空中に浮いた状態の相手に向かって距離を詰めずにそのままドコからか取り出したハンドガンで射撃】
■シイン > (当然のように簡単には怯えず、引きもしないか。)
大抵の兵士や軍属の者なら、先程の地砕きで戦意喪失まで陥らせるのだが。
機械人形には効かないのは当然か、そう改めて認識する。
ワイヤーの設置を現状で、止める術は此方にはない。
やるとすれば不格好な力任さにぶち破る他ない。
対処できるものから順にやっていくが…
背後には今にも爆発間近な手榴弾。器用に投げる奴だ。
そして正面にはハンドガンを構えているさゆり、四次元ポケットでも持っているのか。
空中に居るが故に回避手段は限られる。二つの攻撃を躱すことは不可能。
危険性を考えるなら手榴弾のが危険だ。
決断は速やかに下った。
篭手は再度蒸気を噴出させて、グッと腕を構えながら蒸気噴出により一回転。
篭手による打撃で手榴弾を弾かせるが、背後は隙だらけだ。
二秒とせずに着地するが、狙うには十分な時間だろう。
■能見さゆり > 【手榴弾は後方で弾かれ爆発する
ただそのためのスイングが大きい
となれば容赦なく背中に全弾撃ちこみつつ、剣のように伸ばしたレーザーの爪で斬りつける
撃ち尽くした銃はリロードせずに捨て、この爪で決めきれない時のためにワイヤーネットを準備する
銃と爪で決めきれればよし、そうでなければ向き直ったところにワイヤーの網が飛んでくることになる
さゆりは手数型なのでどうしても少しでも中間距離を作ると手数を増やしにかかる】
■シイン > 着地するまでに背面はスーツをズタズタに切り刻み、弾痕が幾つも出来てしまう。
弾痕からは、複雑な機構が相見え、如何に精密性のある機械なのかを現している。
無事に着地をして背後を見せたままに、スーツに付着した細かな破片を払う。
そんな動作を見せてる間に目視できただろう。
彼の背後、先に傷ついてメンテナンスを行わなければならない状態に陥った、その状態が、瞬く間に機構から配線やら人工皮膚まで再生する姿が。
そんな間に彼は、横目で背後を伺う。
無言だがこういうことだよ、と説明をしている瞳だ。
■能見さゆり > ……ッ!?
【ダメージが治っていく
確かにコレならシールドはいらないだろう
が、そういうことであれば尚更もう少し先を見る必要がある
向こう装備は近接距離からはやや距離をとって、複数を相手するのに便利な状態である
で、そうなってしまうと、空いた時間を作らないさゆりは展開がスムーズになるので
こうしてネットを放ることが出来る
もちろんネットを放りつつ周囲にワイヤーを展開することができるが、コレだと近接というよりかは
やや銃撃の間合いである
あの腕でこれだけ動くということはもっと有利に展開できるところをむしろ様子を見られている気がする
これでは近接と銃撃戦、同時に展開しているようなものだから、大体の基本対応が判断されたように思う
ここで手を休めたほうがいいだろう】
……大体のところは出た気がします
もう少し近い距離を考えていたのですが、だいたい遠距離でもこの傾向は変わらないと思うので
【要はワイヤーによる不規則な変速移動と手数で攻めるタイプである
遠距離からの接敵で考えればもう少し強力な火器で攻め込んでるはずだし
近距離で言うなら、長引けばすぐ距離が多少離れるだろうコトが見て取れる
余程の達人で、さゆりが距離を空ける隙を作らせないのでなければたぶんコレが落ち着きどころかもしれない】
■シイン > 「…現在行っているのは近接と銃撃戦の混合実戦試合みたいなもんだからな。
ま、私は銃火器を持ってないが、どのような距離でも別に問題はない。」
正面へ、向き直りボディスーツ以外は修復した身体を見せる。
特に問題もなく動いてる様子で、不備など毛頭ない。
一定の距離をたもたせながら、思考を巡らせて会話を続かせる。
「一応私の一つ目の隠し球のネタバレは終えたが、どうする?」
展開されてるワイヤーに目を光らせながら、問い掛ける。
まだやるか…と。
■能見さゆり > いえ、多分大体のところは出たかと思います
特に確認したいのは基礎の見直しなので
どうしても私達の性質上、基礎を見直さず応用ばかり考えてしまうのですが
どのような動きであれ、基礎の歩法と立ち回りから見直していかないと
展開が広くなるほど通り一遍で荒くなりやすいように思います
そうなえば単なる火力で決まる勝負になっていくと思うので
それでは自動歩兵の意味が薄くなります
せっかく人型なのですから、そういった人型における基本行動の良さと完成度を見直したいと考えています
【なるほど機械人形であるがゆえに基本の戦闘プログラム頼りに発展させてしまうと
基礎的なムーブがなかなか洗練されない(というか機械人形は普通それをしない)ことで
反動が大きくなったり展開を作る見識が甘くなったりした際に単なる移動砲台になっていき
その存在意義を見失うのではないか、という話だ
さゆりの基本行動はあいた時間を可能な限りフル活用するスタンスであり
手足が休むことはほとんどない
そうした動きと時間の使い方は自動歩兵としては珍しいタイプであるようには思えるかもしれない
ほうっておくとこうやって行動をどんどん制限していくのだろう】
■シイン > 「ふむ、機械人形にして珍しいぐらいに基礎を大事にするタイプだな。
基礎の見直しとなると、戦闘方法は変えたほうが良いな。
主に私の事だが、私は自身の特性を活かした戦い方故に、荒々しいからな。」
先の地砕きや強引な手榴弾の回避が良い例だろう。
「細かな動作も出来なくはないが、どうしても有利な戦い方から変えるとなるとな。機械といえども難しいだろう。」
シインのタイプとしては、さゆりとは逆に近いだろう。
一つ一つの行動は武器の関係上でもあるが、隙はあり、行動の一つ一つで、それを埋める形になる
ただスペックの関係上、無理を押し通らせた強引な動きに、力のぶつかり合いに滅法強い。
■能見さゆり > まあ、手数勝負で利を取っていくスタンスなので
どうしてもそうなるんですよ
【あとは細かい対応その他だが、そのあたり、さゆりは基本的なことの
その精度錬度を欲している
武術家のような態度ではあるが、さゆりの方針からすると揺らがぬような芯を欲しているようではある
そうすることですべての精度が増すのだろう】
基本的に射撃も鍛錬と精度ですから、そういったところでの練度を高めたいです
そうした方面で、基本行動からの感想をお願いしたいなと思います
■シイン > 互いの実力は知れただろう、やはり機械だから判りやすいものがある。
「自身の機能性に依存せずに練度を高めさせるのは至難だろうな。
だが無理ではないからな、このまま感想戦に行くとしよう。」
構えを解いて篭手の機能も停止したのか、蒸気を噴き出すのは止まったようだ。
■能見さゆり > 機能性を使うと便利ではありますが、それは短期間に数を揃える時ですので
現状の自身としてはそういったところを丁寧にしたいと考えています
機械としては珍しいですが、そのほうがいろいろあんていするかと
はい、感想戦の方お願いします
……それで、どんな感じだったでしょうか?
【基本的に、とにかく相手の有利を削るスタイルなので、やや攻撃力に不安が残る
特に接近戦では相手のが上手の場合主導権を失うので余裕がなくなるといいところが殺されかねない
ただし手が空きさえすれば手数がどんどん増えるため、そ之対処に追い込みやすくなるといえる】
■シイン > 「そういう考えを持つ機械は好きだな。
常に前を向いており、向上心を捨てないさゆりはとても素晴らしい。
自分が簡単には出来ないから尚更に、変わった者が好きとも言えるな。」
ここまで変わったのは初めて見ると言っても過言ではない。
中には感情を誕生させたという変わった者も居るが、あれは例外だ。
「攻めの方が問題ないだろうな。
私は敢えて不利が遅く隙が生まれやすい武器を選んだのだが、そ
ういう武器相手には滅法に強く、且つ一方的にやれるだろう。
なんせあの怒涛の攻めだ。
ワイヤーを空中にも張り巡らせることが出来るなら完璧とも言える。
逆にこれが、小回りがきいて素早く動ける武器を得物の相手ならどうするか、コレが課題か。
あとは防御の方を確認できてなかったからなんともそこは言えないな。」
■能見さゆり > 基本はそんな感じだと思います
あと、実はタイミングを外す方法があるので
その辺りも使うとまた変わってくると思います
防御に関しては避けられなかったら割と紙なのですが
相手のペースに巻き込まれないことが大事ですかね
そういう意味でシールドとかちょっとした防御はありがたいですね
どうしてもかわせない部分での減衰を防げるので
ワイヤーはまあ、空中も使うことは可能ですが
舞台次第ですね
空中機雷なんかもあるので、そういった部分と組み合わせたいですね
【シインの動きは主に様子を見るようなものだったので
余計にきわだったとも言える
立体的な戦闘は理解しているようで、そういった装備の存在をほのめかす
おそらく初手の数手での有利を徐々に伸ばしていく方向性なので
時間を与えるとどんどん厄介になるタイプなのだろう
■シイン > 「ふむ…もしもの時を備えて、シールド装置を渡したのだからな。
実際は何も起きずに良かったよ。」
実戦想定の訓練とは言え、生徒を傷付けるのは不本意なのか。
それが人間であれ、機械であれ、何も変わらない。
「空中機雷とか厄介そうだ、対処に困る。
遠距離武器を持つ場合はいいが、そうでないと厳しいな。
様々な武器で戦うマルチウェポン系は使い手が習熟されてるほど恐ろしいものだ。」
篭手を装着している状態の腕を組ませながら、ポツリと呟いた。
■能見さゆり > とにかく追い詰めるのが仕事ですからね
そういったい意味でひととおり動けると思うのですが
あとはやはり鍛えていくしか無いですか
了解しました
【手数がきっちり用意できることは安定してできるが、今後はそのへんも行っていこう
性能にあぐらをかかないことが大事なのだから】
■シイン > 「そうだな、日々の訓練が大事となる。何にせよ、な。」
腕から篭手が外されて、鈍い音を出しながら篭手は地面に落ち、素手が晒される。
手先の人工皮膚は篭手の熱さの所為か、溶かされていた。
それも直ぐに治るのだが、語ることもない。
「この施設の惨状は気にせずにな、業者と部下に治させる。」
自分の攻撃が主にだが破壊された施設内部は気にせずに、と。
修理する程度の財力とコネは持ち合わせてるようだ。
「さて、それじゃ一旦休憩と行こうか。
目的は達したが、このままお帰りを願うなど、教師のすることではない。」
施設の隣には自宅が設けられている。そこで休まないか、と提案をする。
■能見さゆり > そうですね、大変参考になりました
ありがとうございます
はい、よろしくお願いします
【休憩と聞けばそのまま了承する
そして再び更衣室で元の制服に着替えに行くのだった】
■シイン > 「それでは着替え次第に出口にて、また会おう。」
背中がガラ空きの状態のままに、彼女と居るのは流石に宜しくはない。
さっさと着替えて、いつもの服装に戻ろう、と。
別室に向かう。良い収穫だった、そう記憶に刻んで。
ご案内:「???」からシインさんが去りました。
ご案内:「???」から能見さゆりさんが去りました。
ご案内:「異邦人街・路地裏」に久藤 嵯督さんが現れました。
■久藤 嵯督 > ここは、異邦人街に点在する路地裏の一つ。
学生街の路地裏ほど人通りは少なくはなく、ありふれた通り道として使われている。
とはいえ夜遅くにもなれば、外を出歩く者の絶対数は減るものだ。
異邦人街の路地裏には、たった一人の少女しか歩いていなかった。
少女の名はミィホ。二股に分かれた尻尾が特徴的な、所謂『猫又』というヤツだ。
友人達との遊びに夢中になり過ぎて家に帰るのが遅れてしまい、今ここを通っている。
彼女の保護者を買って出たとある一般人を待たせてしまっているので、その足取りはどこかそそっかしい。
ソレ
いつも通りの道を通って家に帰る途中で、『門』は姿を現した。
■久藤 嵯督 > ミィホの前の空中に展開される、巨大な魔法陣。
最初にそこから出てきたのは、空気を揺るがすほどの超音波。
音は壁から壁へと乱反射を繰り返し、その主に外の状況を知らせる。
そして陣の中心から、暗闇のように黒く、ハングライダーのように広い影が這い出てきた。
それは、巨大な蝙蝠の姿をしていた。
驚きのあまり、尻餅をつくミィホ。
しかしすぐさま立ち上がって、現れた巨大な蝙蝠に背を向けて走り出す。
門から出切った大蝙蝠は、”餌”を追い始めた。
■久藤 嵯督 > 牙を突き立てて、ミィホに飛び掛かる大蝙蝠。
それを間一髪横っ飛びでかわすミィホ。
再びあてもなく逃げ出そうとするが、立ち上がった拍子に転んでしまう。
その隙に大蝙蝠は大きく旋回。
一度距離を取って勢いをつければ、常人には目で追うことすら困難なほどのスピードで獲物に向かっていく。
万事休す。
そう、猫又が諦めたその時である。
■久藤 嵯督 > ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ワカ
「―――お前がそこに現れるということは、承っていた」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■久藤 嵯督 > パトロール中、再び襲ってきた頭痛。
それは最初弱いものであったが、時間が経つにつれて段々と強くなっていく。
(右の痛みが現れるまでの時間、左が場所か……)
『門』を知覚するこの感覚は、痛みそのものではない。
人間の脳が処理したことのない未知の感覚が、『痛み』と誤認されてしまっていたというだけのこと。
それさえ理解してしまえば、『この痛み』を『第八感』として取り入れることが出来る。
今はまだ慣れてはいないが、じきに痛みすら消えていくことだろう。
門の反応を辿ってやってきてみれば、巨大な蝙蝠に襲われている異邦人。
その服装から、学園生であることが容易に伺える。
ならば自分は風紀委員として、失われようとしているその命を助け出すべきだろう。
それが”仕事”だ。
蝙蝠の飛行ルート上に、『巣』を張り巡らせる。
蝙蝠はそれに気が着いたのか、空中で急旋回した後に大空へ逃れた。
■久藤 嵯督 > 「おい、そこの……すぐに他の風紀委員が駆けつける。
しばらくはそこで待機しておけ」
名も知らぬ異邦人にはそれだけ言い残しておいて、自分は大蝙蝠の追跡を開始。
タ ガ
動きが速いので『限定』を一つ外しておく。
二つ目を外すのは、相手を追い詰める時だ。
屋根から屋根へと飛び移りながら、空飛ぶ大蝙蝠を追跡している。
その道中、本部への連絡も欠かさない。
「……こちら久藤。異邦人街にて巨大な蝙蝠が一般生徒を襲っている。
現装備での捕獲は困難を極める。住民の安全を第一に考え、巨大生物は討ち倒すものとする。
そして『いO-14-1』近辺にて、襲われかけた女子生徒が身を隠している。
マーキングされた可能性を考慮し、彼女の保護を進言す――ッ!」
急旋回しきた大蝙蝠が、その足で嵯督を掴み取ろうとする。
間一髪でこれをかわしながらも、蝙蝠の足に『糸』を巻きつけておいた。
その気になれば光さえ見切ることが出来るのだ。『限定』を一つ外した今、これ位は容易い。
大蝙蝠と共に飛び上がっていく。
ご案内:「異邦人街・路地裏」から久藤 嵯督さんが去りました。
ご案内:「落第街上空」に久藤 嵯督さんが現れました。
■久藤 嵯督 > 上空110メートルを飛翔する黒い影と、それにぶら下がる一人の男。
落ちたらひとたまりも無いのが普通であるが、着地の瞬間に『限定』を三つ外せば死にはしないだろう。
それよりも今は、この暴れん坊を如何にかすることだけを考えるべきだ。
蝙蝠の首に糸を巻きつけて、手綱のようにしっかりと握る。
苦しみもがく蝙蝠は自分を振り落とそうとするので、360度ランダムの方向に振り落とされそうになる。
根競べには自信がある。このような化け物になど負けはしない。
しっかり手綱を握り続けていれば、蝙蝠は突然、振り払うのをやめてしまう。
それどころか迷わずどこかへと真っ直ぐ向かっており、嵯督はその行く先を見やる。
――標高約200mを誇る、スラムタワー。
こいつは、自分をあそこへぶつける気だ。
その軌道をずらすべく大蝙蝠の首を強く絞める。それこそそのまま絞め殺すぐらいの勢いでだ。
しかしこの大蝙蝠、案外頑丈なようで。
苦しみもだえはするものの、その軌道は全くブレることがない。
このまま猛スピードで叩きつけられてしまっては、この高さから落下するよりも酷い有様になってしまうことだろう。
ご案内:「落第街上空」に平岡ユキヱさんが現れました。
■平岡ユキヱ > 「苦戦しているようじゃーないの、久藤嵯督!」
車道を車よりも早く疾走し、建物を屋根から屋根へと跳躍し飛び上がる数人の影。
「平岡ユキヱwith風紀挺身隊! おまちどう!」
一番ド派手な髪で目立つ金髪ギャルが、空を跳躍し、壁を何度も蹴って上昇する
スラムタワーのテラスの一つに着地すると。木刀を抜いて超高速で向ってくる大蝙蝠と真っ向から対峙した。
背というか、首にしがみついている久藤の姿を目視でとらえるか。
「警告する! 貴様は常世学園の領空を侵犯している! 速やかに我々の誘導に従い、武装を解いて着陸せよ!」
巨大な蝙蝠に対し、最後通告を放った。
■久藤 嵯督 > (チッ……余計な事を)
生きるか死ぬか、ようやく面白くなってきた所だろ言うのに。
これでは難易度が下がってしまうではないか。
ともあれ来てしまったものは仕方が無い。こうなったら速やかに処理してしまうことにしよう。
「言っとる場合か! 来るぞ!」
『キィィィィィィィィィィ!!!!!』
最終通告への返答は、超音波。
空気をひどく揺らすそれは、ガラス程度なら簡単に砕いてしまうほどの衝撃を持っている。
しかし蝙蝠が平岡に対して行ったのはそれだけで、蝙蝠は下へ……スラムタワーの下の階へと突っ込んでいく!
スワムタワーまでの距離、残り僅か――
■平岡ユキヱ > 「おいこら久藤アンタ今舌打ちしたでしょ!? したよね!?」
目がいいんだぞ私は! と叫ぶユキヱさん。
「音波か…だがなあ!!」
超音波を真正面から受け止め、鼓膜と脳に直接の揺さぶるようなダメージを受ける。
歯を食いしばり、たたらを踏む。下に向けた顔の鼻から、出血が始まった。ボタボタと床に赤い点を描く。
別に仔細なし。
「言語による最後通告の拒絶を確認! 専守防衛…ぶちのめすッ!!」
爆裂するような勢いで飛び出すと、スラムタワーの外壁を疾走しながら蝙蝠を追いかける。
「『千刃訓(せんじんくん)』…!」
動きの「型」の再現を始める。宙で何回か不自然に向きを変えながら、稲妻のようなジグザグな軌道を描いて加速した。
■久藤 嵯督 > 両手は蝙蝠を巻きつけるのに精一杯なので、自由に使えるのは両脚のみ。
そして蝙蝠は新幹線もびっくりな速度で飛びながら、自分をスラムタワーへと叩き付けようとしている。
スラムタワーの上階からは平岡ユキヱが走って来ているが、彼女が何とかする頃には自分が叩きつけられているだろう。
さてとこの状況、どのようにして覆すべきだろうか。
七つの思考回路をフルに回転させる―――0.06秒経過にて思考完了。
コンクルージョン
《―――結論:》
蝙蝠は姿勢を平行にして、下階の天井であり上階の床にあたる場所へ自分をぶつけようとする。
勝利を確信する蝙蝠は部屋の中へ、天井すれすれに飛び込んでしまった。
その背中から、久藤嵯督の姿は消えうせていた―――
■久藤 嵯督 > ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
コンクルージョン
《―――結論:》
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■久藤 嵯督 > ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
コンクルージョン
《―――結論:可能である。》
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■久藤 嵯督 > 蝙蝠の首に巻き付いた糸が、蝙蝠の後ろに伸びている。
猛スピードで飛翔する蝙蝠のほぼ真後ろを追従しているのだ。
その糸の先に繋がれているのは、久藤嵯督その人。
ぶつかる直前で糸を伸ばし、猛スピードの遠心力を利用して攻撃をかわしていた。
繋がれたまま、蝙蝠と共に室内へと入っていった。
「―――なあ、トドメは」
片手だけ糸を解き、それをスラムタワー室内にある柱の一本に巻きつける。
柱に嵯督が繋がって、嵯督に蝙蝠が繋げられる形となった。
首輪を付けられた蝙蝠は飛ぶことさえままならず、その場でのたうち回っている。
しかし、糸の強度にも限界が近付いてきている。
振り払われてしまうのも時間の問題だろう。だから―――
「―――譲ってやるよ、平岡ユキヱ」
■平岡ユキヱ > 「…!?」
一瞬、というよりそうとしか認識できなかったのだが、久藤の身のこなしの『質』が変わった。
違和感を感じると同時、既に蝙蝠は柱に縛り付けれて。
まこと神妙にして不可思議な体裁き。いや、能力か…そう勘繰るのが凡夫の反応かもしれない。だがしかし。
「なんだかしらんが、とにかくよし!」
木刀を袈裟に構えたまま、ユキヱが鮫のように笑いながら追いつく。
「『千刃訓(せんじんくん)』…二の太刀要らずの型!!」
大気が揺らめく。裂帛の気合いと共に、その木刀を蝙蝠めがけて振り落した。
■久藤 嵯督 > ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ア ン サ ー
《―――答え合わせ:他人任せ。》
『雷』を使っても良かったかもしれないが、強度の下がった『糸』が先に焼き切れてしまう恐れがある。
しかし駆けつけて来た仲間に任せれば100%仕留められる。
仲間が来てしまってはこんな簡単に仕留められてしまうのだから、困……頼りになるのだ。
『ギュゥッ……! ―――』
振り下ろされた一太刀は、巨大な蝙蝠をいとも簡単に押し黙らせる。
もがくのよやめた蝙蝠は、痙攣し始めた。
糸はまだ繋いだまま蝙蝠の様子を伺ってみる。まだギリギリ生きている、と言ったところだろう。
まさか生け捕りに出来るとは思ってもみなかったが……
「ご苦労だったな、平岡。お前が来てくれたお陰でこんなにもスムーズにカタを付けられた。
いやほんと感謝してるよ、本当に」
若干棒読み気味なのはご愛嬌。
その表情はというと、いつも通りの仏頂面だ。
■平岡ユキヱ > 「…ッ!」
ザァァと床に着地の焦げた軌跡を描きながら、斬心。
蝙蝠が気を失うのを確認するまで、決してユキヱは油断も手も抜かない。
「制圧!」
刀のような生き様、その五体は完全に真剣であった。
どうもこの大蝙蝠は本当に動けないらしいと確信すると、流麗な動作で木刀を竹刀袋へと納刀した。戦闘終了。
自身の衣服のホコリを払いながら久藤に振り返り
「おーい! 棒読みか? こんなトコまで出張ったユキヱさんに棒読みですかー?
モン○ンなみのサイズ差覆してきたんですけどー?」
あんた絶対何か一物持ってるだろ! とか鼻血まみれのまま愉快な調子でツッコまずにはいられない。