2015/09/09 のログ
ご案内:「常世保健病院」にダリウスさんが現れました。
ダリウス > 生活委員会保健課の救急搬送業務に対応できるよう連携を前提として設立された救急指定病院
その広い受付の窓口で職員と何やら会話する白衣の男

職員は男に大して少しだけ困ったような顔をして見せる

ダリウス > 「うーん、僕達正式な研究区の職員なんですけど、ダメですかねぇ。無理を言っているつもりはないんですけど。
 あ、いえいえ…無理強いをするわけではありませんよ」

はは、と笑みを浮かべる男
対する事務職員は少々困った顔を続けている

「検体サンプルをいただけるだけで良かったのですけれどねぇ。
 面会も、風紀や公安の者でなければできないのですかね?
 うーん、そうですか、残念です」

ぺこりとお辞儀して踵を返す

「やはり西園寺偲に関してはガードが硬い。
 ま、色々な事件につながる人物ですから無理もありません、が」

やれやれと、小さく肩を竦める

ダリウス > 「さて…」

白衣を少し捲り、腕時計を確認する
もうすぐ夜といったところ、あたりに患者の数も少ない

まぁ、煩雑な時間を避けて交渉に来たというのもあるのだが

「うーん、保健課にも用があったのですが、少し粘りすぎたかなぁ…。
 一応、彼らは24時間体制で動いているはずだけれど…」

とはいえ重要な話を持っていく予定だった
学生相手にできるような話ではない、できれば保健教諭が望ましかったが

「来島クンでも訪ねてみますかね?
 間違いなく一瞬で追い出されるでしょうけど」

ダリウス > 受付の長椅子にかけ、鞄からタブレットPCを取り出し、起動する

西園寺偲の検体サンプル、
言い換えればガウス・ブレインの確保に関しては頓挫と言わざるをえない

情報の共有は迅速に限る

「まったく、もうちょっと融通が効いてもいいと思うんですけどね」

ダリウス > しばらくタブレットを操作していたがやがてそれも終わり、電源を落として鞄に仕舞う
そして鞄から新たに、少し大きめの…B4サイズくらいの封筒を取り出す

中から数枚の書類を取り出し、ぱらぱらと目を通す

「……部下にお願いして生活委員会に提出しても良かったんですけどね…。
 どのみち保健課には協力してもらなければいけませんし」

ぴた、と書類を捲る手が止まる
じっと見る一点、そこに書かれているのは

『特異指定脳波検診の項』

所謂サイキックに分類される異能力はその特異な脳波から得られる力であるという仮説は、此処に来て信憑性を増している
脳波を分析し、その脳波を発する脳細胞を移植すればそれは異能の移植と同義である

「コレに関しては保健課の方々とお話する必要もありますしね。
 うん、歓迎されるとは思いませんがやはり僕が行ってお話するべきでしょう」

ご案内:「常世保健病院」に雪城括流さんが現れました。
雪城括流 > うわあ、いまは見たくない顔をみちゃったな…みたいな表情でその様子をちょっとはなれた柱の影からじっと見ている。

さらにいえば括流の認識では本来こんな場所にわざわざ出向くような相手ではないのだ。
厄介ごとの気配もさらに感じつつ、どこからともなく妙なオーラを発していた。

ダリウス > 「とはいえ、こんな時間では教諭もいるかはわかりませんし。今日のところは出なおして───」

資料を鞄に仕舞いなおして、よいしょ、と長椅子から立ち上がる
とんとん、と腰を叩いて伸びをするとごきっと音がした

「あいたた…此処のところ椅子に座りっぱなしだったからかな……ん?」

なんとなく視線を感じて、あたりを見回す

雪城括流 > 括流はきちんと隠れているわけではないので、視線を後ろにめぐらせればすぐに気づくだろう。
そう言うことに長けている性質でもないのだ。やろうと思えば魔術でやるだろうが。

腰を痛めたような様子にちょっと変な表情をする。
「…。」
普通に病院に来ただけとかないよね。と思いつつ。

ダリウス > 「…?」

柱の影に人影が見えた気がして、そちらに歩いて行く

「何か、僕にご用ですか?」

歩きながら、その姿を目にする前に優しい口調で言葉をかけてみる

雪城括流 > 「えっ。」
気づいて無い?ボケたか…そうかついに…

「ここは常世保健病院です。
…何かお体に悪いところなどございますか?腰とか頭とか脳とか。
頭部の治療なら超高度特殊医療の行えるA.M.Pが地下にございますわ。」

せっかくなので柱から体を離し、普通の職員らしく応対してみたようだ。
普通かは分からないが。

ダリウス > 「ん」

柱の陰の姿が目に入る
それは見知った顔で
聞こえてきた声も、よく知っている声ではないか

「なぁんだ。括流じゃないか。
 どうしたんだい隠れて、悪いけどまだボケてないよ」
はは、と軽く笑って………

「久しぶりだけど、少し雰囲気が変わったね。何か面白いことでもあったかな?
 氷架の調子はどうかな?キミに迷惑をかけていないかな?
 あの子にとって括流はお姉さんみたいなものだったからね。
 涼子と氷架だけだったら正直不安だったんだよ、こんな島に引っ越させるの。
 二人共無事なのは括流の監督が行き届いていたからかな、ありがとう、括流」

つらつらと
饒舌に口がまわる
その声は嘘が混じっている様子を感じさせず、自然体だ
ただしその口元、笑顔だけはどこかうそ臭い、そんな雰囲気を纏っている───

雪城括流 > 「別に隠れていたわけじゃないよ。
雰囲気が変わったというのは、気づかなかった言い訳?
まあボケていなくても、人の記憶は曖昧だしね。」

別に隠行していたわけでもないし、怪訝そうな表情で答えてみせる。

「あの二人だけだと不安なことには、同意する。
よく考えると危険ばっかりだね。この島は。」

顔をしかめて――よく考えれば目の前の人物がどうでも良くなる程度には、ちょっと破綻しすぎているかもしれない。
まあちょっとつんつんするくらいはいつもどおりだろう。

「そう?なら監督はちゃんと手が足りてるから、ドイツに帰ってもいいんじゃないかな。
ところで調子が悪いわけでなければ、病院に何の用?」

饒舌な感謝を拾ってそうさらりと投げ返す。

ダリウス > 「相変わらずだね」
つんつんした態度に苦笑して

「そうだよ、だから下調べも兼ねてモデル都市として生まれたばかりのこの常世に君に行ってもらったんじゃないか。
 僕も歩いてみたけど、落第街に限らずあちらこちらに危険な異能力を持ったサンプルが闊歩してる。
 愛する奥さんと可愛い一人娘を過ごさせるには、
 心強いお守りが必要…という判断は正しかったんじゃないかな?ヒュクルールクルケイア」

片手をあげて、眼鏡をなおす

「もっとも意外なことも多かったけれど…。
 僕から涼子と氷架が離れたら、あの悲惨な事故の仔細を話してしまうかと思っていたよ。
 僕としては、どちらでも良かったんだけど」

相変わらずの笑みを崩さず、言葉が流れるように続く

「仕事だよ。此処の研究区に異動になったんだ。
 この病院に入院している異能者のデータを提出してもらえないか交渉に来たんだけど、
 なかなか手ごわくってね、はは」

雪城括流 > 「学園の情報についてはひょーかのためもあって教えたけど、利用したみたいな言い方は不愉快だね。
…何か少し誤解しているんじゃないかな。そんなに楽しいことでもあった?」

多少不機嫌そうな様子を漂わせながら、胸の前で腕を組む。

「どちらかというと離れていたと言う選択のほうが正しかったよ。
…いないからといって、二人に事件の仔細を話して何の意味があるの?」

つんつんしつつ…やや不可解そうにそう尋ね返す。

「だからこそ言ったのに。
病院は治療する場所だ。そこで患者から提供されたデータをぽんぽん売るようだと、信用、ひいては治療に支障が出るよね。
大人しくあきらめたほうがいいと思うけど。」

特に保健病院は保健課が担当しているため、そう言うところが厳しいかもしれない。

ダリウス > 「怒らせたなら謝るよ、すまない」
素直にぺこりと頭を下げる

「楽しいことはたくさんあるよ。
 此処の研究区は全世界でも異能力の研究に関してはトップクラスだ。
 そんな場所に研究室を持てて心弾まないはずがないじゃないか。
 ……あ、もしかして皮肉だったのかな?」

再び笑みを顔に戻して、言葉を続ける

「涼子の心を僕から引き離すことが出来ると思うよ」
何の意味が、という言葉にはさらりとそう返す
表情には一切変化は見られず、淡々とそう答えた

「ま、半分はダメ元だったんだけれどね。
 ちょっと諦めるには惜しい異能の持ち主だったから。
 …と、そういえば括流は保健課に在籍していたんだった、丁度良いね」

鞄からいそいそと封筒を取り出して見せる

「生活委員会の許可はもらってあるんだけど、保健課にお手伝いをしてもらいたくってね。
 ほら、もうすぐ健康診断があるだろう?そこで得られた一部情報の提供と共有をね。
 一応、研究室として正式な手続きを踏んでいるよ。
 ……得体のしれない異能力に怯える子っていうのも少なくないからね、此処には。
 僕達研究区の人間もそういった子の役に立つことができるんじゃないかな」

雪城括流 > 「…楽しいというか、浮かれているのかもね。
その愛する妻と娘を守るには役に立ちそうに無いんだけど。」

ため息をつき…。

「その淡白さはどう読むのがいいのかな。
話さないでくださいと言われている様にも聞こえるんだけど…。
少なくとも私に益は無いよ。安心していい。二人に話すことはそうはない。」

怪訝そうな、意図を探るような縦長の目で、変化の見られない相手の表情を伺う。

「半分どころか8割ダメだから、今後はあきらめたほうがいいんじゃないかな。」

封筒を受け取って、面倒そうな顔をする。

「手伝い?健康診断でも強要はできないよ。
情報も提供してほしければまず生徒各自にサインしてもらう同意書の書式も揃えておくべきだ。
保健課の手伝いも希望者を集めるくらいしかできないからね。掲示だけはしておくけど、それでいい?」

実際に掲示してくれるかどうかはともかく、封筒を無造作に振り回しつつそう答える。

ダリウス > 浮かれていると言われれば笑顔のまま肩をすくめて見せる
否定はできないらしい

「雪城涼子は僕にとって唯一無二の存在だからね。
 命を落とすことで異能が変質し、霊体となって行使することができる事例は、彼女が世界初とも言える。
 それまでは異能力は脳に由来する超能力の一種としてしか思われていなかったんだから。
 おっと話が逸れてしまった、まぁ、それぐらい大事だということかな」
うん、と自分自身で納得するように頷く

「うん、成功法は諦めるよ」
くすりと笑みを浮かべて

「勿論協力してくれる生徒だけで構わない、
 でも自分の異能の正体を知りたがっている子はたくさんいるだろう?
 僕が此処に来てからいくらもそういう少年少女に出会ったよ。
 だからこそ研究区は今回の健康診断に異能の検診も織り込むよう要請をしたんだ。
 別に僕達の研究室だけというわけではないよ。ただ、僕達の研究室が一番分析能力に長けるというだけさ。
 うん、提示してくれるだけでいいよ。承諾が降りたらご協力おねがいしますね。雪城括流せんせい」

にっこりと笑って、封筒を振り回す様子を眺める