2015/09/16 のログ
■シイン > 「やっぱり御面によって持つ効果も違うのか。」
効果によっては一度や三度まで使えたりと、ますます興味が湧いてくるというもの。
「いやいや、未熟だなんてとんでもない話だ。
異能の力を御面という物を題材として力を付与している。
それだけで素晴らしいことだと私は思うよ。
もし依頼され、もし望める付加が自由に付与可能になれば、それはそれで素敵なことだ。」
と、べた褒めである。
そして、数ある御面の中から、一つ。気になっていた御面を指定して聞いてみる。
指を指して、指の向けられた先は兎の御面だ。
「その兎の御面はどういうものなのだろうか?」
■芒 > べた褒めされると悪い気はしないが、少し恥ずかしくある。
照れつつ返事をする。
「そうなったら素敵だろうね」
少し間を置きポツリと呟く。
「……でも怖くもあるね」
過ぎたる力は悪用される。
万が一、完全に制御出来るようになったとしても、私は作れるとは言わないだろう。
力の無い私を守るためだ。
「あぁ、これかい……これはだね、簡単にいうと人と少しだけ心を調和させる力があるんだ。
力が弱いから、ほんのお守り程度の気休め的なものと言った方がいいかな」
■シイン > 「怖さを持つのは普通か、なんせ異能の力が誰でも自由に使える御面なのだから。
もし使うのが誰でも可能ならば、小さな子供ですら扱えるのだから。」
もし何かを破壊することが出来るような、そんな能力の御面が存在したら。
考えてみれば以下に手軽で恐ろしいか、それが容易に想像出来る。
「人と少しだけ心の調和か。素敵な能力だ。
もしよければ、それを買わせてくれないかな。」
説明を聞いて尚にそれが欲しいと。
先に聞いた二つの御面よりもコレがいいと。
そして顔を隠してた部分の黒衣を下ろして素顔を晒すだろう。
顔の各パーツはまるで整えられたかのように綺麗に。
声と同様な中性的な顔立ちだ。
赤髪の長髪を僅かに揺らしながらに、その真紅の瞳を狐の面を被る主人へと向け長良に返答を待つ。
■芒 > 「買ってくれるのかい?ありがとう!
ちなみにここの面は全て千円だよ」
思わず声もはずむ。
黒衣を外したかの者を見て、自分も狐の面を外す。
自分の女性のような顔立ちを見せるのはあまり好きではない。
けれども相手が自分の素顔を晒した以上、自分も晒さなければ失礼であろう。
そして黒衣の者の目を見て話す。
「この面は効果が薄い分恐らく長くは持つだろう。
君が清らかな心を持ち調和したいと願えば。
……もし万が一、邪な心や願いを持って調和しようとした時、その面は半分に割れてしまうだろう」
そう言い、私は黒衣の者に兎の面を渡す。
■シイン > 相手が御面を外したことに特に意を介さずに。何も言わず。
例え女性的な顔立ちであろうとも、それは何も珍しいことではない。
だから敢えて何も言わなかった。相手が言わないのであれば、此方も言わない。
それだけのこと。
「また安いんだな…もっと単価を上げても良いと思うが。」
唯一つの御面にしては少々値が張ってしまうが、能力付与となると話は別。
それこそ何万か、それ以上か。
「その言葉、心得ておこう。」
しっかりと心に刻み込ませる。
人と接したい、人と関わりたいと願う自分ならばある意味でお似合いだろう。
そう思いつつ、此方も渡され差し出される面の対価に、懐から一枚の札を渡す。
■芒 > 顔についてどうこう言われるのは自分の体験上あまりいいものではないし、言うべきことではないと思っている。
向こうもそれを察したのか、あえて何も言わなかったのだろう。
内心ほっとしながら、また狐の仮面を着ける。
そしていつもの『面職人の芒』に戻る。
「まいどあり。生憎私はまだ未熟でね。
それに何より、祭りの屋台で売っている面は千円が相場と決まっているだろう?
受注生産ならば、また代金は別だけどね!」
千円札を受け取り、面の下で屈託の無い笑顔で答える。
■シイン > 「ま、流石に受注して生産するとなれば値は張るのは当然として。
通常の御面だとしても千円は少々高い気はするがな。」
小さく笑いながら、早速と購入をした兎の御面を被ってみる。
背も高く体格も良い男性で、黒衣を纏ってるのだ。
そんな者が兎の御面など可愛らしいのを被れば、さぞ不釣り合いで不似合いか。
「良い買い物をしたよ、御面屋の店主さん、ありがとう。」
それだけ言い残せば、兎の御面を被りながらに境内から去って行く。
帰りの際に笑い声が一つ聞こえたとか、聞こえないとか。
ご案内:「常世神社お面屋台」からシインさんが去りました。
■芒 > 「そういってくれるなら職人として嬉しく思うよ」
「毎度ありがとうございました!」
少しこそばゆく思いながらも去っていくお客に一礼し見送る。
■芒 > 「さて、面も売れたことだし、そろそろ店仕舞いとするか」
背負ってきた葛篭に道具などを片付ける。
……さて手元に残った満月の面と狐の面の効果だが。
満月の面は簡単にいうなら着けた者の心を少しだけ自信を持たせることが出来る。
そして狐の面は……いやこれはやめておこう。
偶然の副産物とはいえ、人によってはあまり良いことをもたらさないだろう。
観賞用の非売品。
■芒 > 彼岸花の花言葉……それは『追想』
ご案内:「常世神社お面屋台」から芒さんが去りました。