2016/05/24 のログ
ご案内:「演習場」に那岐夜車丸汀さんが現れました。
那岐夜車丸汀 > 訓練施設の数ある空間の中でも 何故か 入り口を除いて中がとてつもなく真っ暗。
そして無数の長い燭台の上に揺らめく無数の蝋燭の火。

それ以外明かりという明かりがほぼない中で楽器を手に佇むのは

「…」

無言だった。

深呼吸を数回してから息を整えると背筋を伸ばし、

楽器を構え 弓を弦に置くと 短くても強い音を弾く!

フッ とまた 蝋燭の火が消えた。

那岐夜車丸汀 > そして 消えた燭台の明かりがどこなのかを把握する為に 一回だけ舌打ちをして場所を把握する。

一音でその方向だけ火を消す行為は問題なし、と判断。

では、一曲弾いてこその音調攻撃は如何なものかと試す事にした。
成功していれば 曲が終わる事には全ての燭台の上にある蝋燭の火は消える筈。

(では やってみましょう。)

再び楽器を構え 一音ではない暗譜による曲調べを。
まろやかで幽玄な紡ぎによる放射性魔術を。

《レクイエム》

音が発すると同時に 少女の近くにあった蝋燭の火が 一つ一つ消えていく。

ご案内:「演習場」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 「うーん……深雪と勝負、かぁ……。」

ぶつぶつと独り言を漏らしながらの絶賛考え事の真っ最中。
一か所に留まってられない性分の七生は、考え事をする時も歩きながらが多かった。
良い子は危険だから真似しない様に。

「負けない策は色々講じれるけど、勝つとなると難しいよなあ、やっぱ……」

ぶつぶつ。
軌跡的に障害物に当たる事も無く歩いていた少年の耳に、
僅かな違和感が生じる。あれ?と思い違和感の強まる方へと歩いて行き──

(おわ、なんだこの部屋。真っ暗。)

那岐夜車丸汀 > …数分も立たない内に 全ての燭台の上にあった蝋燭の火が 消えた。

《レクイエム》の曲自体が短い為でもあるが、多少アレンジしてて原曲は如何せん短すぎるし。
頼りない記憶の割には 真面に覚えていた曲の一つ。

また 少し遅れて チッと舌打ちをして蝋燭は無論 消えているのはいいが、
燭台がなぜか 半数ほど倒れているのは 明らかな

「…し、失敗しましたかっ。…何故?」

ええと、と手元の端末を操作…が、端末は平らだ しかも反響定位でもっても反響するのは端末そのもの。

操作が出来ていない…不味い 部屋を明るくする術がなかった。

東雲七生 > ──声がした。

(誰か居る?……いや、聞き覚えのある声だな今の)

僅かに首を傾げ、怪訝そうにしつつも
暗がりの中に足を踏み入れ、手探りで辺りを窺う。
夜目が利く方である自負はあったが、流石にすぐには目が慣れない

「誰か……居るかー?」

両手を前に、ゆっくりと。
さながらゾンビの様相で進みつつ問い掛ける。

那岐夜車丸汀 > (違う息遣いと声がする …ああ、次に使う人が来ましたか!)

真っ暗に近いというか真っ暗なその空間、確かに操作をしたのは自分。
そして無数の燭台と火を灯して実験と称した練習もしたのも自分。

結果は…目的は果たしたが 失敗という微妙な代物。

床は半数は火が消えた燭台が並び、半数はなぎ倒された状態。
気を付けないと 燭台に足を引っかけかねないが―

(聞き覚えのある声がします 助かりました!)

「ああ、 居ります。端末の明かりが戻せなくてでして… 」
「床気を付けて下さいね…燭台半数倒しちゃって散乱しておりますので」

端末を持った状態で 動かないでおこう。
彼が此方へと来てくれるのを待ってみようと思ったからで。
大体 明かりを戻す術がないし。

東雲七生 > 暗闇の中を手探りで進む。
今迄散々真夜中に野外に出歩いて暗さは経験しているものの、本当に灯りの無い真っ暗闇は初めて経験するものだと思い至る。
文字通り一寸先の見えない恐怖に肌が粟立ったタイミングで再び声。

「あっ、そ、そう。
 そっか、端末持ってるのか。じゃあちょっと待ってて、俺が代わりに動かすから。」

注意された通り足元に意識を向けつつ、声を頼りに汀の方へと歩を進める。
なるほど光の無い生活とはこれほど不便なのか、と変な関心をしつつ、ゆっくりゆっくり近づいて──

(お、たっ──!?)

余計な事を考えていた所為か、注意を促されたにも関わらず燭台に蹴躓いた。
不意を食らって為す術も無く、そのまま汀の方へ倒れ込んでいく──

那岐夜車丸汀 > 屋外の真っ暗とは違い過ぎる屋内の真っ暗さ。真夜中であっても意外と明るいのは屋外。
とはいえ 少女にとっては昼だろうが夜だろうが いつも色なき世界にて過ごしているので
異能が無くても過ごせるが 人含めて普通の目を持つ生物は基本7割を視覚に頼っているという。
では その視覚が役に立たないときは? そりゃあ 動きは鈍くなろう、現に先輩の動きが 鈍い様な…。

「はい、待っております…何も出来ませんし…」

端末を一旦帯に差し込むと 楽器も召喚していたのでそれを戻そう。
と 何かがすっ転んだ音とそれに弾かれた音 滑る音 此方に倒れこんでくる 音!?

(え、えええええ。 あ、)

ガスッと音を立てて東雲先輩が此方へと来た、バランスを崩して此方も尻餅をついてしまったが 尻が痛い位で
特段 怪我はしていない筈。そっと彼へと手を伸ばしてみよう。

「いたた、大丈夫ですか? 先輩」

東雲七生 > なるほど油断してるとこうなる。
倒れ込みながら頭の片隅でなおも感心している自分が居て、何だか面白くなってしまった。
暗いからといって重力が消える訳でもなく、
盛大に倒れてから自分の不甲斐無さに泣きたくなった。

「いったー……ああ、うん。大丈夫。
 声でしか分かんないけど、近さからすると巻き込んだ?
 だったらごめん──」

そういえば転ぶ間際に手が布っぽいものに触れた気がする。
悪いことしたな、と罪悪感を抱きつつ。
暗い中、伸ばされた汀の手はすぐに七生の柔らかな髪に当たるだろう。

那岐夜車丸汀 > 重力までは弄ってもいない 端末の操作は明かりを消す事 しか出来なかったのだ。
端末の操作方法自体 一つしか教わっていなかったので こう的を出すとか全く。
決められた作法以外全く出来なかったので 端末を弄り倒して壊すより彼の様な見える人を頼らざるを得ないわけで。
尻餅をついてしまって 若干の痛みは耐えよう、少しは痛いけどそれだけ。

「すっ転んだ音 燭台がどこかに飛んで行った音 滑る音 そして此方に雪崩込んできた先輩そのものの音。
…さしもに 巻き込まれましたが 結果 お傍に寄れましたので問題は御座いません。…ええと 此方に端末が。」

帯に差していたここの備え付け端末を彼の手に載せよう。でもう片方の手は彼の髪の毛に当たっていた。
…異性の髪の毛を触る事はなかなかない。さわさわと暫く触って感触を確かめにかかってしまうだろう。
それが 徐々にぺたぺたと頬などに下がるのは言うまでもないが、嫌がられればそこで終わらせるつもり。

東雲七生 > ややウェーブがかって柔らかな頭髪。
毛が細くて多い為か、何だか小動物の体毛に近い手触りだ。
図らずも異性に撫でられている状況に、視覚で確認できずとも顔が赤くなっていく。

「その声、えっと……汀か。
 そうかお前なら暗くてもあんまり関係ねえもんな……
 つか、お前いつもこんな状況で生活してるのか、すげえな。」

さんきゅ、と短く礼を言って端末を受け取ろうと手を伸ばしたが、
いきなり頬まで下りてきた手に驚いて思ったより勢いがついてしまう。
結果、

(……あ、れ?)

七生の手に触れるたのは端末と思しき無機質な感触では無く、
着物のような布の手触りと、やや重量感のあるふくよかさだった。
自分が触れているもの、箇所の重大さに気づく様子も無く怪訝そうに小首を傾げる。

那岐夜車丸汀 > 色なき世界にて過ごしているが やはり触感には負けてしまう。
危ないもの 害をなすもの 以外はほぼ嫌がられもしない限り ほぼぺたぺた触る。
触ってその者がどんな顔か どんな肌をしているのかー主に柔らかいの硬いのかだが 触って確かめる。

「汀に御座います。昔は…瞼を閉じていても明るいかどうかは分かったのですが、
最早 それも感じることも敵わず 意識をすれば…いえ、もう見えますまい。
…それが普通で御座いますのに??……あら?」

彼が端末を受け取らなかった、あ、こっちもぺたぺたしすぎてた。
と、お互いにお互い一方は真っ暗でも動けるが 一方は…。

…胸部付近に感触が…ああ、まぁ 此方も存分に触ってしまった事だし
此処でキャーとか言ったら余計に混乱が生じそうで 申し訳なさそうに

「撫でて堪能をしてしまい 申し訳ございません。
…そのう、先輩の手がですね…  私の胸に… そんなに触りたかったのですか??」

にこぉりと見えていないと思うが 含みのある笑みと言葉でもって敢えて聴こう。いつまで触っているのかと。

東雲七生 > 暗闇の中で触れられることの如何に居心地が悪い事か。
確かめる様に頬を、顔を触られれば、反射的に目を瞑り。
年相応の少年っぽさ、というよりは若干幼いようなもちっとした肌の感触を汀にじっと伝えている。

「そっか、それが当たり前になったら、凄くも何ともねえよな……。
 俺じゃちょっと想像も出来ねえや、こんな状況で日常を送るなんて。」

次第に光を失っていくことも、怖かっただろうな、と瞑目したまま考える。
それでもやはり、“それが普通”になってしまうのだろうか、と。それも怖いな、とも。

それはそれとして、七生は自分の触れているものへと意識を向ける。
手触りは、さらりとした布である。なだらかな丘陵のような隆起で片手に余る。
軽く押せば確かな重量とともに柔らかさがあり、綿入れか縫い包みかと見当をつけてふわふわと弄んでいれば、

「ああいやいや、別に、ちょっとびっくりしたけどこう暗くっちゃあな。
 ……ん、俺の手、ああ汀って何かクッションとか──

 え、あ、はい!?
 えええ、あああ、いやいや、ご、ごめん全然気づかず!」

その正体に思考がちょっと追い付かず、
全てを悟った直後に、暗闇の中に底冷えのするような笑みを垣間見た気がして慌てて手を離した。
知らずにまさぐって良い様なものではなかった、と思い至る頃にはもう 大混乱である。

那岐夜車丸汀 > 存分に堪能しました 悔いは御座いません。

これで 後は色さえわかれば 忘却してもいいまで覚えるー東雲七生という先輩の顔立ちが記憶にしまわれるだろう。
…意外と 可愛らしくもちもちっとした肌触りが何ともそそったのですが。

「若干 昔の事ですので…今は異能がありますので割と普通に過ごしておりますよ?
まぁ、長らくそうしてしまうと 違うのが想像できません。」

己の記憶全て蘇っていない。微妙に抜けているので思い出すのに時間はかかる。
どうも人ではないっぽいのは確かなので 異能の熟練度は高いし特段困っていない。

現時点で触られているのは 胸だ。衣装によって包まれてはいるが如何せん大きい胸部だ。
それをじっくりと触られているのだ クッションの様に弄ばれて。

「うふふふぅ。私は特に 気にしませぬので。
…こちら 端末です。真っ暗を明るくして下さいね。

処で 先輩はどうしてここに?? あ、もしかして 使います??
でありましたら、燭台を片さねばなりませんが。」

此方は冷静に はい、端末 と彼の手の上にしかりと載せるのだ。
では 頼みましたよ、と底冷えするような笑みを微笑みかけて
燭台を異能で探知しながら 片付けし始めるだろう。

東雲七生 > 先輩と呼ぶにはいささか幼すぎる顔立ちと背格好だけど、
多分年齢的にも凄く年下だけれど、それでも先輩は先輩なのです。
肌年齢も最近遊び半分で調べたら一桁台だったとか。でも先輩です。

「そ、そうだよな。うん……」

異能ってのは、場合に因ってはライフラインにもなるのか。
そんな道も、あるのか、と感慨深げに心に刻む。
少しだけ、己の異能を疎ましく思う自分がちょっとみじめに思えたり。

混乱の片隅で、そんな冷静な思考が働いたが大部分は混乱中。
過去に見かけた姿からはあまり想像できない物をお持ちだった、着やせって怖い等々、様々な思いが頭の中をぐるぐる回って。
いくら暗くて状況が視認できなかったとはいえ、とんでもない事をしでかした自分が、もう、よく分からない。

「あっはい、明るくでも何でもします!
 ホントーにすいませんでしたっ!!」

今度は確かに渡された端末。
暗闇の中で目を凝らせば、うすぼんやりと液晶のバックライトのお陰で操作ができ、


「あ、いや。
 俺はたまたま通りかかっただけで!その、使うつもりは!」

室内の灯りを全点灯させつつ。
突然の光に思わず目を眇める。顔中真っ赤になってるが、汀はそれを知る由もないだろう。

那岐夜車丸汀 > 年齢が外見が、色々と小さかろう幼かろうだろうが
先輩は先輩。此方は背丈も大きく恐らく人の轍を超えちゃっている何かかもしれないが、
一年なのだ、後輩だ。年については本当はどうかはまだ不明だ。

「まぁ、 形さえわかれば 案外困りませんけど。」

異能が日々の生活を補ってくれるのは正直助かる。
少し周波数を変えれば 蝙蝠とか呼び寄せられるが、これを昼間にすると問題が色々と―
夜にするに限る…夜でも場所によっては 吸血鬼!?とか騒がれるのだが どうしたものか。

まぁ 色々とありましたが 彼に端末を手渡す事が叶った今
座って黙ってはない。片付けを黙々とするのだ、
ややあって 全て片付け終わると、彼の方を振り向いて。

(…何か 相当…いえなんでもないです)

彼の顔色は分からないのだが はて、と首を傾げてから 深々と頭を下げると

「そうでしたか あ、そろそろ 私 行かねばなりませぬので 御前失礼致します。」

それではごきげんよう、と言いたそうな淑女の礼をすると そそくさーとその場を辞して立ち去って行ったという―

ご案内:「演習場」から那岐夜車丸汀さんが去りました。
東雲七生 > 目が合わせられないどころか、まともに顔もむけられない。
ただただ明かりの点いた室内で後片付けを行う那岐夜車丸と、横目で見たり、近くの燭台を運ぶのを手伝ったりする程度で。

「そうでした。
 ああいや、うん。そっか、お疲れ様。
 ごめんね、その、色々と邪魔して!」

一礼されれば慌てたようにこちらも頭を下げて挨拶に代える。
その際にちらりと、視線が先刻触れていたと思われる場所へと向けられ、頬の赤みが増したりもしたが、そこは年頃故仕様の無い事である。
そしてそのまま、去り行く背を黙って見送って、

「………。」

その場に残され、ぽつねんと佇み──
ハッと我に返ると、端末を出入り口付近の定位置に戻して、逃げる様にその場を後にした。

ご案内:「演習場」から東雲七生さんが去りました。