2016/07/14 のログ
ご案内:「常世学園プール」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 「ぃいいいいっやっほおおおおおおおおう!!」

豪快な掛け声とともに、七生の姿が宙を舞う。
透き通る様な水が張られたプールは強化アクリル張りの天井を通した太陽光でキラキラと水面を輝かせていた。
午前中からの熱気についに根負けした七生は、自主鍛錬という名目で午後の授業の一切の出席を止め、
昼食を食べて一運動を終えてからプールへと赴いていた。

プールサイドを全力疾走して、プールの縁ギリギリで跳躍。
天井近くまで跳び上がったら、今度はそのまま自由落下。さながら変身ヒーローの必殺キックの如き勢いで湛えられた水に飛び込む。

七生はそれを幾度となく繰り返していた。わざわざ毎回飛び込む時のポーズを変えて。

東雲七生 > 「あー!!もう死ぬかと思った!暑さでどうにかになるところだった!
 小龍包とか蒸し餃子とか、あんな感じの肉汁のジューシーなもちもち料理になるとこだった!!」

勢いよく水面から顔を出し、呼吸と共にそんな声を上げる。
授業をサボタージュしてやってきたプールには、七生の他に利用者も見当たらなかった。
少なくとも、最初に飛び込んだときには。

けれどもまあ、授業以外で利用する物好きなんてそうそう居ないだろうと高を括ってのやりたい放題である。
怒られたら反省するけど怒られなければ反省しないスタンスで今日は生きたい、そんな気分だった。

東雲七生 > 満足げに笑みを浮かべてプールサイドへと体を揚げる。
去年買った黒地に垢のラインが走る水泳パンツ一枚の、当然の様にほぼ裸だ。
去年より鍛えられた身体は、本人は納得いっていないものの幼さが勝りがちな顔に比べて不釣り合いなほど筋肉質である。

「よーし、もっかい!もっかい!」

よほど飛び込みが気に入ったのか、子供の様に目を輝かせながらプールから離れ始める。
助走は大事、跳躍の勢いにも影響してくるので。

東雲七生 > 「よーし……いっくぞー!」

一度小さく跳躍をしてから、一気に駆け出す。
プールサイドを走るのも飛び込むのもまず間違いなく起こられる案件だがそれも人が居ればの話。
ほぼ貸切の状況で誰も咎める者が居ない中、七生の悪乗りは最高潮に達した。
プールの縁を全力で踏みつけ、高く高く、脚力の限りを尽くして跳びあがり──

ゴッ   「ぐぎゃっ」

頭から天窓の強化アクリルとぶつかって、鈍い音と短い悲鳴を上げた。
そしてそのまままっさかさまにプールへと落下し、盛大な水柱が立つ。

ご案内:「常世学園プール」に霧依さんが現れました。
霧依 > 緩やかにバイクを置いて、煙草休憩。
今日もTシャツとハーフパンツのラフな格好。
特に訓練をする必要は無いけれど、どんなものがあるのか見に来た、といった形が正しい。
故に、健康とは正反対の煙草を口にしたまま、暑い日差しを見上げて吐息をついて………

「……ん。」

水の音がする。
そういえば、この近くにプールがあった気がする。
すい、と視線を向けて、窓から中を覗き込んで………おや。

衝撃の瞬間をしっかりと見届ける。

彼が顔を上げれば、窓の外でひらひらと手を振りながら、口パクで「見 た よ」と伝えておこう。

東雲七生 > 大きな水柱が立った後のプールは実に静かなものだった。
子供の様にはしゃぐ生徒が沈黙した今、場に満たされたのは静寂と。
水と。
特大のたんこぶを脳天にこさえて水面に浮かぶ七生のみ。

「………。」

居た堪れない。あまりの出来事に言葉を発することも出来ないまま水面を漂っていたが。
僅かな視線を感じたか、ふいに窓の方へと目を向けて

「……!?」

見られていたのか、と驚愕に目を瞠る。

霧依 > 手をひらりと振ってその場から消えれば、すぐに戸から顔を覗かせて、施設の中に入ってくる。
靴こそ脱いでいるが、先ほどと同じラフな格好だ。

「ほら、やっぱり思い出は頭の中に留めておくに限る。
 記録に取っておいてもよかったかもしれないけれど。」

小さく笑いながら、ぱちりとウィンク。
意地悪なことを言いながら、こんなところもあったんだね、と周囲を見回して。

東雲七生 > 「うぐぐ……」

恥かしさのあまり呻き声しか出せず。
恨みがましく女の姿を睨みつける。
ともあれ全て自分が招いた事なので睨むだけだし、睨む事すら八つ当たりなのだが。

「出来れば忘れて。今見た事は忘れて。
 この施設だけ覚えて帰れば良いよ、そのうち授業で水泳やる時に使うだろうし。」

もっともまともに授業に出てればの話だが。
まだずきずきと痛む頭に辟易としつつ、ゆっくりとプールサイドへと泳ぎ始める。

霧依 > 「僕から記憶を奪いたいなら、忘れるくらい素敵な夢を見させてくれないとね。
 この施設そのものか。 水泳の授業はあんまり得意じゃないんだよね。」

泳ぎが苦手なのか、と思わせておいて。

「順番を待つのが嫌いなんだ。」

集団行動が全く出来ない女だった。
プールサイドに腰掛けて、足を水に浸す。

「……で、大丈夫なのかい? 外まで聞こえていたよ。」

東雲七生 > 「……強化アクリルでしこたま殴れば忘れたりしない……?」

物騒な事を口走りながら、プールの水で頭の瘤を冷やす。
プールサイドに掴まって、らっこの様に浮かびながら女を見上げれば、水泳の授業が得意じゃないと聞いて。
てっきり異能の関係で泳げなかったりするのだろうか、なんて考えた矢先に、

「……いやまあ、気持ちは分からなくもねえけどさぁ。」

別に水泳の授業に限った話でもないだろうと肩を竦める。
じんじんと熱を帯びた痛みが頭からして顔を顰めつつ。

「大丈夫、一応。頑健なのが取柄みたいなもんだし……。」

霧依 > 「それは試さないと分からないね。
 試してみるのかい? ここから逃げても間に合わないから、抵抗はしないけれど。」

なんて、相変わらずの飄々とした物言いで。
そうだな、と顎を撫でてプールを眺める。

「………それならよかった。
 僕が同じことをしたら、きっと沈んだまま浮かんでこないから、やっぱりどうしてもね。

 しかし、暑いから泳ぐのもいいものだよね。」

ちゃぷちゃぷと足を揺らして。

東雲七生 > 「むむむむ……」

ちょっとだけ試そうかとも思ったけれど、流石に強化アクリルの準備が出来そうにないので早々に諦める。
しかし、今の醜態を忘れさせられそうな程の素敵な夢となると皆目アテが無いのもまた事実だった。

「俺だって本気で気絶したらきっと沈んだままだと思うよ。
 去年よりだいぶ水に浮かなくなってきてる気がするし。

 ん、気持ち良いよ。ここんとこ暑い日が続いてて俺ももううんざりしてたし!
 霧依も泳ぐ?今ならほとんど貸切で泳げる!」

飛び込みだってやりたい放題だよ、とやたら熱意を込めて飛び込みを推す。

霧依 > 「そうだね、泳いでみようか。
 こんなこともあろうかと、水着は持ってきているんだ。
 ちょっと着替えるよ。 飛び込みかあ、………久しくやっていないけど、できるかな。」

浮かばなくなる、という言葉にふむ、と頷きながら。
鍛えているのは事実なんだろうな、と理解して。

んしょ、と立ち上がると、カバンを手にプールサイドでTシャツをぐい、っと一気に捲り上げて、その場で脱ぎ始める。
下着姿になれば、腕を背中に回して。

堂々と着替え。

東雲七生 > 「おー、準備が良いじゃん。いてて。」

なんで水着を持ち歩いているのかとか色んな疑問が浮かんだが、頭の痛みに敗けて一度水の中にもぐる。
ひんやりとした水に包まれ、頭の熱も少し引いてから再度水面に顔を出して。
のんびりと着替えに行った霧依を待とうかなんて考えていたら。

まさかプールサイドで着替えるとは思わなかった。
あまりの事にぽかんと口を開けて絶句し──

「ちょ!?……ちょっと待ってちょっと待って!
 なんでそこで着替えてんの!?誰かに見られたらどうすんの!?」

ていうかオンタイムで見てしまっているのがひとり。
別に異性の裸体を見るのは初めて──ではないが、心の準備くらいはさせて欲しい。

霧依 > 「……ん? あぁ、いや、こっちの方が早いかなって。
 ああ、安心しなよ、着替えてからちゃんとそこのシャワーを浴びて入るからさ。
 それに、後を向いていたら見えないさ。」

ぷつりとブラのホックを外せば、ぽい、とブラをカバンに突っ込み。
ビキニタイプのそれを身に纏う。

「見てみたけれど、バイクでやってきて煙草を吸っているような不良以外は、だあれもいやしない。
 だから大丈夫さ。

 ああ、だからアクリル板で頭を叩かれたら完全犯罪になるのかな。」

東雲七生 > 「叩かないってのー!!
 ……早い早くないで言えば、確かに早いと思うけどさ!?
 それでも、もっと、こう、何て言うかさ!?」

見える見えないでは無く目の前で異性が着替えているという状況が色々と悪いのであって。
それをどうにか理解して貰いたいが、何故だか全て承知の上でこの女は着替えをしたような気がする。
非常によく似た行動パターンを、七生はよく知っていた。

「逆に言えばそういう不良が来るかもしれないって事だよね!?」

わんわん。風紀を乱すのは宜しくないと思います、と風紀委員でもないのに口を出す。
目を逸らすでもなくプールの中から仰ぎ気味に見上げてるから、説得力とかまるで無いけれど。。

霧依 > 「ふふ、何て言うか?
 ……まあまあ、いいじゃない。そういう不良はこんなところに来ないさ。
 ほら、向こうを見た方がいいんじゃないかな。」

言いながら、ひょいと立ち上がってハーフパンツまでおろし始める。
なんでもありのこの女は、全く気圧される気配もない。

風紀って何だろう、くらいの女だ。

東雲七生 > 「う、うるさいうるさい!
 来たらどーすんのさ!どーすんのさー!
 む、むしろ見られたくなかったら霧依がちゃんとしたところで着替えれば良いしー!」

俺は何も疾しい事してないしー、ともう真っ赤な顔で目をぐるぐるさせながら主張している。
まさに混乱此処に極まれりといった様子だ。
どうせ最終的には場所を移すなりこちらの視界を塞ぐなりするだろうという読みも、なくもないが。
ほぼ9割方、ただの維持である。


残りの1割は、まあ仮にも男の子であるから。

霧依 > 「そうしたらその時さ。」

堂々と言い放つ。 相手を混乱させることに関しては強い。
相手が意地でもみつめるのであれば、くるりと後を向いて、下着も全て脱いでしまう。
自由な女は、何も気にした素振りもなく、そのままそこで着替えきってしまって。

「………さ、飛び込みだったっけ?」

振り向いて、さて、と。
恥ずかしがる素振りすら無い。自由人である。

東雲七生 > 「………。」

わなわな。
結局着替えきられてしまい、何故か敗北感に包まれる。
読みが外れただけでなく、もっと何か決定的に負けた様なそんな気がして、七生はトマトの様に真っ赤な顔を水の中に一度沈めた。
目に焼き付いた光景は水で流そうとしても流れない。

ぱしゃ、と軽い水音と共に再度顔を上げて。
変わらず真っ赤なままだが敗北の証として甘んじて受け入れながら頷く。

「そ、飛び込み。
 授業じゃ絶対怒られるやつだけど、ここは俺しか居ないしプールも深いし全力で行けるよ!」

霧依 > 「じゃあ、………行こうかな。」

相手の気持ちなどどこ吹く風。軽く走って、台を踏み切って。
ダンッ、と音をさせながら空を舞う。

「……よ、っ……」

くるり、と空中で回転をすると、さぱぁっ、と静かな水音と共に、滑りこむように水の中へと。
フォームは完成はされていないのだけれど、靭やかな肢体と一緒に見ると、なめらかなフォームに見えて。

東雲七生 > 「……お、おおー。」

思ったよりもだいぶ真面目な飛び込みだった。
勢い任せのフォームも何も気にしていない七生のそれとは違って、
完璧ではなくとも流れる様な飛び込みに目を奪われる。
まるでイルカみたいだ、などと嘆息の息を漏らし、思わず拍手をして。

「すっげーじゃん!
 あのくるっ、て回るの凄かった!くるっ、て!」

子供みたいに目を輝かせて、すいーっと静かに霧依へと近付いていく。

霧依 > 「ぷぁ、っ………。」

顔を出せば、こほん、こほん、っと咳き込んでしまう。

「……いやあ、久々だと全くうまくいかないよ。
 もっともっと昔は、もっと身軽に飛べていたんだけれどなあ。」

相手に言葉に苦笑をしながら、こちらもすい、っと身体を動かし。

「飛び込みは無茶をすると身体を痛めるから、あんまりしないんだ。」

昔、ちょっとね、と手首を抑えて苦笑する。

東雲七生 > 「大丈夫?」

咳き込む様子を見ながら小さく首を傾げる。
昔はもっと身軽に、という言葉を聞いて特に悪びれる様子も無く笑みを浮かべて

「あー、もしかして昔より太ったり?」

とデリカシーも何もあったものじゃない質問を飛ばした。
が、手首を抑える様を見て、小さく一言謝罪の言葉を口にし、

「あー……ごめん。
 それなら、誘わない方が良かったかな……?」

ご案内:「常世学園プール」から霧依さんが去りました。
東雲七生 > ~続きは日を改めて~
ご案内:「常世学園プール」から東雲七生さんが去りました。
ご案内:「常世学園プール」に東雲七生さんが現れました。
ご案内:「常世学園プール」に霧依さんが現れました。