2016/07/15 のログ
霧依 > 「ううん、……でも、そうかもしれないな。
 昔より肉付きがよくなったってよく言われるんだ。」

なんて、ぺろ、と舌を出して傷ついた気配もなく笑って答える。
だろう? って腕で身体の一部を抱くようにして、ウィンク。

「いいや、大丈夫さ。
 その昔、プールで女の人と話していたら、その女性の恋人に怒られてしまったことがあってね。
 プールに突き落とされた時に、ちょっとね。」

耳元で愛を囁いていたから仕方ないのだけれど、まあそこは言わないでおく女。

東雲七生 > 「そ、そうなんだ……。
 で、でもそれは太ったと言えるのかどうか……」

だろう?と同意を求められたところで昔を知らないので比較しようも無く。
顔を赤らめながら視線を彷徨わせ、曖昧に言葉を返してお茶を濁そうとする。

「何それ、ひっでーじゃん!
 首とかじゃなくて良かったな!
 変に水に落ちたら寝たきりになってたかもしれないのに!」

羞恥心から赤くなっていた顔がそのまま分かりやすく怒りで赤らむ。
半ば自業自得である話であることも、女の普段の行いから何となく察せそうなものだが、
本人は至って真剣に怒っているし、身を案じてもいた。

霧依 > 「ま、人と人が触れ合っていたら、怒ってしまうこともあるさ。
 その後、その二人はケンカして別れることになってしまったから、若干申し訳ないんだけれどもね。」

頭から落ちていたら、まあここにはいないだろうね、なんて言いながら、気にしている様子は無い。
相変わらず、力の抜けた………ある意味、達観した気配を身に纏ったまま、怒る相手をまあまあ、となだめる。

「……それに、泳げないなら水着で海に飛び込んだりはしないさ。
 泳ぐのは好きだよ。 歩く方が好きだけれど、時にはそうじゃないこともしてみたくなる。」

飛び込みはどうしようかな、と飛び込み台を見て。
先程よりも更に高い飛び込み台に目線を移す。

東雲七生 > 「そう……なのかな。
 別に喧嘩することでも無いと思うけどな、よく分かんないけどさ!
 それに、だからってそんな危ない事をしなくてもいいじゃんか……」

宥められながらも納得がいかない様子で頬を膨らませる。
子供じみた所作だが、童顔の七生がやるとそれなりに相応に見えるだろう。

「霧依が泳げるのは身を以て知ってるけどさあ。
 ……泳いだり、歩いたり、バイクに乗ったり、色んな事するんだな。」

俺は大抵自分の足しか使わないから、と水の中の自分の体に視線を落としてから、
女の視線を追う様に飛び込み台を見る。そして行くの、と訊ねる様に女へと視線を向けて。

霧依 > 「短気な人はいるものさ。
 それにいちいち怒っていたら、こちらも短気になってしまう。

 ふふ、大したことは無いさ。
 僕の言うことはそれなりに聞いておいてくれれば、それでいいよ。」

穏やかに微笑み、膨らんだ頬を指でつついた。

「………ああ、好奇心が刺激されると、どうしてもなんでもやりたくなってしまってね。
 ………どうしても、ね。」

すいすい、と泳げば、プールから上がって歩いて行く。
どうやら、興味が湧いたらしく、ぱたぱたと歩いて行ってしまう。

「来る? 下で見ている?」

東雲七生 > 「それはそうだけどさあ!

 ……ぷひゅ。」

まだまだ腑に落ちない様子で何か言いたげな様子の七生だったが、
頬をつつかれれば気の抜ける様な音と共に口から空気が抜けていく。

「難儀な性分だよなあ、俺が言うのもだけどさあ。
 怪我には十分気を付けてよ?」

プールから上がって飛び込み台へと向かう霧依の後ろ姿へと声を掛ける。
自分は下で見てる、と告げて見送りながら少しだけわくわくし始める。
思えば海や川で泳ぐときはひたすら気がすむまで飛び込むから、人の飛び込みを見るのは初めてかもしれない、と。

霧依 > 「そうかな、僕は好き勝手に生きているだけだから、気楽なものだよ。
好きな時に好きと言って、嫌な時に嫌と言うのは、結構難しいものだということを教えてもらったんだ。
それができているから、僕はきっと幸せ者なんだと想うよ。」

ぱち、とウィンクをして、階段を登る。
ゆっくりと登っていけば、本当に飛び込み用の高い台にまで登って行ってしまい。

………踏み切りの板の前に立って、胸の前に手を当てて、深呼吸を一つ。

緊張しているようには見えないけれど、随分と高い。

東雲七生 > 「霧依は、ね。
 ……心配したり、振り回されたりする方は堪ったもんじゃないよ。」

もうすっかり慣れたウインクを受け取ってから、階段を上る霧依に聞こえないくらいの声量でぽつりと溢す。
けれど、そんな生き方がとても羨ましく思えたのも事実で、どうも納得出来ない七生だった。

「わー、本当にやる気だ。」

飛び込み台を下から見上げて、感心した様に呟く。
せめて怪我はしないで欲しいと思いつつ、静かに見守っている。

霧依 > 人とふれあうと口では言いつつも、他人と距離を持っている彼女ならではの、自由な生き方。
誰とでも親しげに話すが、同時に誰に対しても同じ距離を保つ。

そんな女は、まるで散歩にでも行くかのような歩き方で板の上を歩いて。
眼下に見下ろす少年に、僅か手を振る。

そしてそのまま、とん、と。
ちょっとそこにある小石を飛び越えるかのようなステップで、飛んだ。
躊躇も、迷いも何も無い。 歩くそのままの速度で宙に舞えば、特に回転はせずに、脱力して落下し始め。

東雲七生 > 人との距離の取り方を掴みきれてない自分にとってはとてもじゃないが難しそうな生き方だろうな、と七生は思う。
いつか自分も旅に出てみれば分かるのだろうか、
そんな事を考えながらこちらへと手を振る女へと大きく、手を振り返して。

「……あのまま空中歩いたらどうしよう。」

それほど自然に、飛び込みというにはあまりに気負わな過ぎる様子を見て。
一瞬、投身自殺みたいだと不謹慎な考えが頭を過る。
それと同時に少しだけ不安になって、
じーっと文字通りに固唾をのんで片時も目を離さないまま着水の瞬間まで見届けるだろう。

霧依 > 何故か、脱力したまま。
ギリギリまで頭から落ちる。
見ている人が息を呑むほどに。気を失っているかと思えるほどに。

最後の最後、自然と手が伸びて、非常に高いところから落ちたにも関わらず、それにしては静かに水の中に滑り込んでいく。
水しぶきも然程あがらないまま、………す、っと最後に顔を浮かび上がらせて。

「………いやあ、高いところは怖いね。」

そんなことを、他人事のように言う女。

東雲七生 > 「霧依?……霧……っ!?」

あまりにも静かに落ちて来る物だから途中で気でも失ったかと七生の顔色が変わる。
多少無茶をしても何とかなる程度には鍛えてる自分ならともかく、
少なくともそんな風には見えない彼女が水面にぶつかれば。
焦る気持ちを静めながら、それでもどうにかしようと動こうとした矢先、
腕が動いて、そのままするりと彼女は水の中へと消えた。

「……あ、え、……?」

呆然とする七生の前に浮かんだ顔を一瞥すると、
一気に緊張が緩んで深く深く息を吐く。

「………俺にはお前が怖いよ。」

霧依 > 「………どうにも、興味があると何でもやってしまうからね。
 ちょっと、このままにしていたらどうなるかな、って思ったんだけれど。

 ……どうやら、身体が拒否したらしい。
 僕の身体は、どうやら僕よりも頭が良いみたい。」

からりと笑って、手首をプラプラと揺らす。
危うい旅人は、崖のギリギリまですぐに歩いてしまうタイプ。

「……僕が怖いかい?
 じゃあ、脅かしてしまおうかな。 がおー、って。」

なんて、軽く口にしてウィンク一つ。

東雲七生 > 「良かったよ、ちゃんとした身体を持ってて。」

まだ少し動悸が収まらない、と息を吐きながら胸を手で押さえる。
本当に、本当に堪ったもんじゃない、と自分の先の呟きを思い返しながら。

「わあ怖い。
 気ままな猫かと思ったら狼さんだったわけか。」

まったくもう、とウインクに返す溜息。
自分より年上の後輩なのに、年下の後輩よりよっぽど目が離せないや、と。

霧依 > 「そういうことだね。
 どちらかといえば、僕は猫で、狼に襲われる側だと思っていたんだけれど。

 この島には、あんまり狼はいないから。」

くすくすと笑いながら、すい、っと身体を水に任せて泳ぎ始めて。

「………夏の間は何をするのかな。
 僕は、島をいろいろ見て回るつもりだけど。

 狼だから、縄張りは広げないとね。」

東雲七生 > 「つくづく狼に縁があるよ……。」

ぽつりと溢す独り言はプールの水に溶かしてしまおう。
類は友を呼ぶ、なんて思いたくもないから。ノーわんこ。
そんな事を考えていたら、泳ぎながらの質問を投げ掛けられて。

「え?夏の間?
 あー、そうだなー川に行ったり海に行ったり、去年補習三昧で出来なかったアウトドアを満喫する!
 あとは虫取りとか、バーベキューとかもしたいけど。
 でもでも、やっぱり一番は泳ぎたいな。水の中に居ると暑くないしさ。

 縄張りを広げるのは良いけど、たちの悪い物の縄張りに足突っ込んだりしないでよ?」

霧依 > 「………アウトドアか。 テントでも持って島を歩こうと思うんだ。
 いいよね、アウトドアは。」

ゆっくりと頷きながら、相手の言葉にははて、と首を傾げて。

「どうだろう、一応気をつけてはいるんだよ。
 いつでも、ずっとね。

 あまり目立たないようにしているし、奥ゆかしいだろう?」

と、ウィンクを一つ。
実際は落第街にも幾度か足を向けているのだけれど。

東雲七生 > 「テント!?
 ……良いなあテント、流石にバイト代だけじゃ手を出せないしなぁ。
 キャンプもしたいんだよねぇ。良いなあ、テント……」

行動系男子の例に漏れず、キャンプへの憧れを目を輝かせながら語る。
いいな、いいな、と子供の様に羨ましがっていたが、今日何度目か分からないウインクを受け、
少しだけ気恥ずかしそうに眉を寄せた。

「霧依の一応はアテに出来るんだか出来ないんだか分かんないよ。
 それに、奥ゆかしいっていうのは、何て言うか、もっと……違う気がするけど。」

奥ゆかしい人は他人の目の前で着替えたりしないだろうし、と腑に落ちない様子で首を傾げる。

「まあ、……何だろう。霧依が興味本位で動くのはもう諦めるけど。
 ある日突然、居なくなられたりしなければ……ね。それなら良いよ。」

霧依 > 使うかい。皆でキャンプにでも行くなら別に使ってもいいけれど、でも僕の持っている物は、二人で狭いと思えるくらいの代物だからね。」

テントに瞳を輝かせる少年に苦笑を浮かべて。
使う分にはどうぞ、と口にする。

「そうかな。 まあ、確かに自分のやりたいようにやっているから、違うといえば違うのか。
 この島だと、何が起こるか分からないからね。

 なぁに、僕の力がちょっと強くなったら、明日にでもいなくなってしまうからね。
 困ったな、その時には挨拶ができやしない。

 だから、こうやって水に浮いていたり、地面に立っている間は大丈夫さ。

 それとも、僕と離れるのは寂しいかい?」

言いながら、飛び込んでくる? と手を広げてみせる。
彼女は地面に足がつかない旅人だから、ふんわりとその辺りはぼやかして答えてくる。

東雲七生 > 「そっか、一人用なのか……うーん、まあ俺一人で使うのも良いけど……
 ま、いーや!必要な時が来たらお願いする!」

少し考えた後、一度保留を宣言する。
色々な準備や、予期せぬ事態が起こるかもしれない、それらを考えるには今この場は不釣り合いで。

「そうなんだよなあ、霧依の力がコントロール出来なくなったら。
 うん、それは困るよ。凄く困る。」

一転、眉を八の字にして困った様な寂しそうな顔をして。
覗き込む様に、じぃっと霧依の瞳を見つめてから。

「……寂しい、よ。
 霧依に限らず、友達が、知り合いが、居なくなるのは。
 ………とってもとっても、寂しい。俺自身が、少し欠けちゃう様な気がして。」

飛び込みこそしないものの、広げられた手にそっと自分の手を重ねる。
ふぅ、と息を吐いてから一度、口をきゅっと結んで、再び開いて。

「霧依、あのね。
 俺さ去年の夏の終わりに、自分の記憶が消えてくのを体験したんだ。
 ……俺がこの学校に入学する前の、普通に生活してたはずの記憶がさ。」

霧依 > 「………………そうなんだね。
 東雲先輩は、他の人を内に持っているんだな。

 ………きっと人は、そう簡単には欠けないよ。
 でも、気持ちは分かるから、大丈夫。」

相手の言葉を聞いて、静かに目を閉じて。
ゆっくりと考えこむ。

「………うん。
 それをこうして口にするってことは、落ち着いているのだろうけれど。
 どうなりそう、なのかな。」

安易な心配も、安易な励ましもしないままに、相手に尋ねる。

東雲七生 > 「そんな大層なもんじゃないよ。」

少しだけ恥ずかしそうにはにかんで、静かに言葉を続ける。
重ねた手を、少しだけ握りながら

「その時はね、凄くこわかったんだ。
 家族の事も、友達の事も、全部ぜんぶ剥がれ落ちて行って、最後には実感の無い生きてきた事実だけが残っててさ。
 それと同時に、俺は俺自身が何なのか分からなくなって。居るのか居ないのか、それすら分からなくって。」

その時の心境を思い出したのか、下唇を噛んだ。
僅かに震える声が、それでも伝えようと、伝えたいと口から零れる。

「でも、その日、夜中だったけど俺の事知ってる人と会えてさ。
 名前も、呼んで貰えて。俺は俺なんだって教えて貰った気がして。
 ……その日からその人と一緒に住んでるんだけど。

 だから、何て言うかな。
 俺の事を誰かが覚えてくれてるから、俺は俺なんだなって今は思えてるの。」

へら、と少しだけ無理をして笑みを浮かべようとする。
笑み、にはギリギリ届かないくらいには、弱弱しいそれであったけれど。

「だから、霧依。
 酷く自分勝手なお願いになるんだけど。

 ……少なくとも、俺が卒業出来るまででも良いから、

 遠くには、行かないで?」

霧依 > 「………」

静かに聞く。静かに静かに聞いて、目を閉じて。

「僕は、ずうっと旅人だった。
 他には何にも無いんだ。 素敵な景色を見て、その場でいろいろな人に出会うけれど、それを頭に仕舞って、また次に。

 いつだって手ぶらで歩いて。
 だあれも僕を知らない場所に行って、下手をしたら人がいない場所にも行って。
 ………だから、僕と東雲先輩はきっと正反対。

 僕は寂しくないんだ。
 それを寂しいと思う気持ちは、きっとどこかに忘れてきてしまった。
 何時消えるか分からぬ僕だから、友達も、家族も全部、おいてきてしまったしね。

 でも、安心したよ。
 寂しいという気持ちを理解する心は、まだあったらしい。」

ゆうらり、ゆらり。
言葉はくるくる回って、遠回りに。

「………だから、答えよう。

 僕はそのうち、この力のことが分かったら。 ……分からなくても、手がかりが無いなら。
 ふらりとどこぞへ行こうかと思っていたんだ。
 波に揺られて、帆も張らなければ漕ぎ出しもしない船だから、同じ場所には留まれない。

 ………そんな僕を繋ぎとめようって言うのかい?」

と、相手に問いかけながら、額に唇をそっと当てて。

「ここにいることにするよ。」

返事を待たないままに、唇を額に軽くつけたまま、囁く。

東雲七生 > 「………ぁ、」

額に触れる感触に頬が赤くなる。
何だか変な風に伝わってないだろうか、とか
ちゃんと伝わったならどうしてこんなことされてるんだろう、とか
色々考える事はあっても、言葉にならず、ぽかんと開けられた口から、あぅあぅ、と呻きだけが漏れて。

「誰かを、どうこうしたいなんて、思ったことは無いよ。
 それこそ、好きになった事だって、あったとしても覚えてない。
 
 それでも、寂しくなっちゃったんだよ。
 居なくならないで欲しい、って思ったらもう我慢できなくって。」

思ってたより俺はずっとずっと弱かったんだ、と泣きそうな顔で笑いながら。

「家族に甘えた思い出も失くしちゃったし、甘えん坊なんだよね、たぶん。

 ありがとう、ごめんね霧依。
 いきなり変な話しちゃって。でも、霧依の事も少し聞けて良かったよ。」

霧依 > 「それが一番大変だ。
 感情はコントロールできやしない。
 コントロールできないからこそ、本音が出る。
 本音を口にするのは大切さ。 言わないで貯めこんでおくと、そのうち、口にできなくなってしまうから。

 色々なものを失うかもしれない。 もう既に失ったのかもしれない。

 ………僕のような人間で良いなら、捕まっているといい。
 どちらの向きに流れていても、僕はずうっとマイペースだから。

 僕は、どれだけ強く捕まえていても気にしないから。
 不安になったら、好きなように。」


囁く言葉はしっとりと、流れ落ちるように僅かに響いて。
手を握るなら、僅かに握り返そう。
甘えるならば、甘えさせる。 ここにいるよと、口にせずに伝える。


「いいのさ。
 僕にできることは、ここにいることと、話を聞くことだから。
 ……それに、僕の話はおまけのようなものだしね。」

東雲七生 > 「霧依って……何て言うか、大人だよね。」

ぱくぱくと何度か口を開け閉めして探った結果、ようやく出た言葉も的確じゃない気がして首を傾げる。
達観、諦観、あるいはその両方、それらを表現するには七生の中にある語彙は少なすぎて。

「掴まるよ、しっかりと。
 俺は俺のままで居たいもの。ただ流されてたら、きっと色々零れ落ちちゃうからさ。

 だから霧依も、不安になったらいつでも俺の事を頼って良いんだから!
 俺は先輩だからね、何て言っても。」

にぱっ、とようやくいつもの笑みを浮かべ、
大昔に流行った玩具の様に、霧依の腕にひしっとしがみついて見せた。

霧依 > 「……そうかな。
 大人は、こんなところで着替えたりしないし、飛び込む時は安全に気をつけるさ。」

しらっと、当たり前じゃないか、なんて口調で言ってしまう。
イタズラに笑って、口笛を吹いて。

「………そうだね、きっと、その時は。」

笑う。
人に縋らぬ女は、しがみつかれたまま、ゆったりと泳ぎだす。
表情は相も変わらず飄々としたままで、不安は見えない。

そんな女は、甘えさせるかのごとく。泳いでいる間、触れ合っていることを気にする素振りもなく受け入れて。
きっと、二人して疲れきってしまうまで、なんだかんだで遊んでしまうのだろう。

東雲七生 > 「うぐっ……
 分かってるなら、帰りはちゃんと更衣室で着替えろよな。」

また近くで着替えようとしたら今度は全部見てやるんだからと、
むっと眉根を寄せた後、すぐに笑みを浮かべる。
こんな言葉の応酬でも、出来なくなるよりはずっと良い。そう思いながら。

「絶対、約束。というか、そんな暇与えないけど。」

笑う女に、少しだけ真面目な顔をしたが。
いきなり泳がれては、流石に驚きを隠せず。
戸惑いの声を上げながらも、泳ぎ辛いだろうからと静かに腕から離れて。
それでも寄り添うように泳いだりじゃれ合ったりしたのだろう。

「そうだ、帰りはバイク、載せて。俺も。」

そんなお願いもしてみたりしつつ

ご案内:「常世学園プール」から霧依さんが去りました。
ご案内:「常世学園プール」から東雲七生さんが去りました。