2016/07/23 のログ
ご案内:「喫茶店」に五代 基一郎さんが現れました。
ご案内:「喫茶店」に綾瀬音音さんが現れました。
五代 基一郎 > ちょうど昼の時間か喫茶店は特に人で賑わっていた。
この夏の予定を話し合う学生達に、委員会の帰りか規模はさておき会議の話をする者達。

学生が主体で切り盛りしていることもあって
この時間帯のこの喫茶店は特に喧騒とまではいかないが、華やかな声と雰囲気で溢れていた。
学生独特の世界だろうか。

耳を傾ければこの夏に学生主導でお祭りをやろう、とか
今年も灯篭を流したいとか聞こえてくる。
試験期間が終わり、あと二度寝れば休暇期間なのだ。
彼らの頭の中には過去のことはさておいて、これからのことで一杯なんだろう……

そう考えてはいるがアイスコーヒーを頼み、ここで待っていた相手もまた然りで
夏期休講期間にて実家の方に帰省するというのでその前に……というわけで呼び出したこととなる。
しかし帰省するにしてもタイミングが速いなとも思いながら今時の形態端末ではなく
紙媒体の手帳を開きつつカレンダーのページを捲れば
店のガラス張りを通して待ち人が見えた。
手を上げるようにそのまま手に持っていた手帳を軽く振って見せて、在席を知らせた。

綾瀬音音 > (明日を過ぎれば夏季休暇――そうなって浮かれない学生は中々いないだろう。
少女もまたその1人であり、喫茶店へと歩む足取りは軽い。
四季を感じる国と民族に生まれて、それを謳歌しないのは人生の一部を確実に損をしている――と、思う程度には、今年の夏は楽しもう、と思っている。

本来ならば入れる気がなかった帰省の予定も、夏季休暇に組み込んでしまえは最早楽しみなものでしか無く、
既に気分は夏休みとそれほど変わりない。

まだ季節が変わる前に訪れた喫茶店の前、ドアに入る前に視線を向けたガラスの奥の店内に待ち合わせの人が見えれば此方も軽く手を振ろう。
そのまま喫茶店の中へと入り、待ち合わせだと店員に告げてから、男の待つ席の向かいへと座った)

こんにちは、先輩。
今日も暑いですねー
(声音も夏空同様明るいものだ。
お冷を持ってきた店員に、メニューを見ることもなくアイスティとカレーライスを注文して。
ここで食べたカレーは中々に美味しかったのは、まだ記憶に新しい)

取り敢えず、帰省ですけど。
ちょっと長くなりそうです。
お爺ちゃんが私達連れて旅行行くって張り切っちゃって
(まずは一番の用件を告げつつ。
当初5日ほどの予定だった帰省は、倍になると切り出して)

五代 基一郎 > 「あとひと月と残暑というものを考えると億劫になるようになったよ」

反対に夏期休暇期間などあってないような、風紀関係のというよりは
帰省する先もないものではっきりいえば日頃と変わらない生活を送るしかないものなのだから
自然と平常運転の心地であるからして。
綾瀬を迎える声はいつものトーンだった。

あぁ俺もカレーを、大盛りでと頼めば軽く店員に挨拶してから
また話はその夏期休暇、夏の話題に戻れば……

「いいじゃないか。ゆっくりしてくればいいよ。
 旅行でゆっくりというのもだけどさ。なんなら夏の間実家にいてもいいんじゃないの」

冗談めかす様にアイスコーヒーを啜りながら夏の予定を薦める。
最もそうはならないし、そうすることはないのだろうが……
しかし本土の北部だったような気がするがこの時期の旅行はどこへいくのだろうか……?
季節的にはそこより避暑になる場所はそうないと思うが

綾瀬音音 > 夏は夏で好きですけどね。
楽しいこと沢山ありますし。
海とかお祭りとか花火とか。
水着も今年は有りますしね。
……でも、これ以上暑くなると思うとちょっとうんざりはしますね……
(夏休みは学校で座って机に向かわなくてもすむだけでも嬉しい程度には、矢張り普通の学生なので。
授業は嫌いではないし、勉強も同じだが開放感には浸っている)

流石に10日位ってなるとちょっと……って気がするんですよね。
冬は音色ちゃん受験控えてますし、ゆっくりって訳にはいかないんで、今のうちに、って言われちゃうと。
まるまる旅行ってわけではないんですけど。
夏の間実家にいるっていうのも勿体無いのでちゃんと予定通り戻ってきます。
こっちはこっちでやりたいことありますしね。
(勿論冗談なのは解っているので、特に口調が沈むこともなく、少しばかりの申し訳無さが滲む程度。
理由は今言った通りのことであるし、親類と旅行も気軽に行ける場所に自分は住んでいるわけでもないので、祖父孝行も兼ねて、との気もしているのだ。
疑問の気配を感じ取って、なんかこの時期なのに温泉巡りするみたいですよ、と付け足した。
ここよりもずっと暑さは楽なのは事実だけれど)

五代 基一郎 > 「花火ね……花火ってどっちの方?あのほら川で打ち上げる花火大会とか見たことある?」

それこそそんな夏の風物詩の他愛もない話。
今年も夏場の祭り……常世神社は混むだろうし
水着といえば流れなのか何かはもう確証的に言えないが行くことになってる。
ここだけ、この話だけ普通の他愛もない日常の世界の言葉の世界であり

「別に誰が咎めるってわけじゃないよ。休める時に休むとかまぁさておいて
 夏の課題とかギリギリで終わらせるぐらいでいいしそういうのは。
 まぁ、待ってるよ。温泉……?温泉ね……

 あぁそうそう、音色……さん?といえばこれ、お手紙。
 前言ってたヤツだよ。帰省のついでになんか渡しておいてください。」

別に自分と綾瀬音音の関係は雇用でも主従の関係にあるわけでもない。
いまいちはっきり表せないところではあるが、そのように学生特有時期の休暇について
どうこう言うつもりもないし、そもそもゆっくりしてくればいいというのは本気でもある。
帰省する先がない人間からすれば、そういうものなのだが。

そう話しつつ温泉この時期に温泉行くような気候なんだろうか実家はと怪訝に思いつつ
鞄から出した白い封筒を一通、机の上にて綾瀬に寄越した。
宛名も宛先もない封筒だが、前時代的のように蝋で封がされているそれであった。

綾瀬音音 > 手持ち花火は実家にいる時は毎年のようにしてましたし、地元のお祭り――そんなに盛大でもないんですけどね、打ち上げ花火もやってましたから見たことありますよ。
上見てると首痛くなっちゃうんですけど、それもなんだか楽しくて。
(ごく当たり前の、そんな日常の話。
なんとはなしに今年の夏は忙しいなぁ、なんて思えば小さく笑った。
楽しいことで埋まる季節はいつだって楽しいものだ。

――まだちゃんと知らされていない“楽しい”とは違う予定もあるのは事実だろうけれど)

それもそうなんですけどね。
単なる気分の問題です。
宿題は出揃ったのでちょっとですけれどもう手を付けてます。
余裕を持って終わらせたいので。
はい、お土産買ってくるので待ってて下さい。
なんて言うか、遊べるような施設周りにあまりないんですよね。
その代わり温泉なら結構あるので、車で回ろっかって話で。
美味しいもの食べて、夏の汗を流すのも悪くだろうって。

――ああ、はい。
確かにお預かりしました。
ちゃんと渡しますね。
(責められているわけではないのは解っているが、単純に自分の気持ち、と言うよりは気分の問題だ。
とは言えそう言ってくれるのであれば、久しぶりに親類との旅行を楽しむ気分になる。
まあ、温泉なんてゆっくりする以外に特にすることもない場所でもあるのだし。

怪訝そうな雰囲気にここよりは涼しいですけれど、それなりに暑いですよ、と笑って付け足しながら。
単純に遊ぶ場所が少ない、と言うのが正しいところである。

そして、封筒を差し出されれば恭しく受け取って。
真っ白な封筒をひっくり返せば、古めかしい封をされたそれ。
珍しそうに瞬きして)

何かこう……密書めいた物を感じますね
(と、冗談めかして笑ってみせた)

五代 基一郎 > 「へー毎年。毎年か……打ち上げはさ、音の響きがね。物理的な振動でわかるのがさ……」

形がどうこうではなく、見た目だけじゃないんだよねあれと続けつつ
思う。このような他愛のない話、学生として楽しいこと普通のことを
綾瀬音音という少女と話せば話すほど思う。

いくら異能の家系が、とか本人に資質がと言えど本来この少女は
このような世界にいるべきものなのだと。何よりこうした
何気ない……大変容の前でも後でも、ただ自然に人が穏やかにという
世界の人間なのであるからして
やはりその……ズレた、本質的に変容した世界の側にいるべき人間でないのだろうと思ってしまう。
確信しつつあると言っていい。まだ入り口でもあるし、これならまだ
引き返せるしただ少し知っている人間として生きていくこともできる……
そして認めてはいけないことだが、この少女を通じて
自分が本来得るはずだった……失った時間を見ているが故に
そう思い、またそうあることを願いつつある自分は確かにあるようで
それはまだ開かれてはいないが綾瀬音音への手紙にも形として表れてしまっていた。

──このまま綾瀬を通じて普通の世界を見れればという想いが強くなっている。

綾瀬の予想とは裏腹に、その湧いてしまった想いは押し戻された。

「あぁうんなんとなくわかってた。
 綾瀬は初日から課題手を付けるタイプだと思ってたけどまさかもう始めてたとは……
 別に課題は逃げやしないと思うけどさ……いややる人間が逃げるパターンが多いのがこれだけど。
 というか周辺に娯楽施設ないのにお土産とは……いや温泉があるなら……?
 そうだね、まぁゆっくりしてくれればと思うよ。
 少なくともまぁ、なんだろうね。帰る場所に帰ることは大事だから」

要するに田舎と言っていいのだろうか。そこが想像できないのであるのだが。
楽しい事だけではなかったがそれなりに人がいる場所で育った身とすれば
娯楽施設がほぼばく、温泉施設はあるというのがなんともわからない。
観光地でもないようであるしと。

さておいて手紙よろしくね、としつつ……そう言えば店員がアイスティーとカレーを持ってくる。
それぞれに出され、ついでに自分もとアイスコーヒーを追加で頼めば

「それ、開けたらわかるやつだからね」

勿論嘘ではあるが。魔術だのなんだのと仕掛けをすれば
それこそ何がしかのものに引っかかるのはわかりきったことだ。
だからただの古めかしい、趣味的な封筒の作りなのではあるが
からかうように……もちろん言うまでもなく”開けてはいけないよ”と念を押す。

押せばカレーに手を付け始める。
もう匂いからしてやはりうまいのだここは。だからいただきますと小さくいうが早く
スプーンで掬いはじめた。

綾瀬音音 > 大体が庭で音色ちゃんと二人でって感じですけどね。
ああ、解ります。
特に近くで見たりするとビリビリする感じがしますよね。
光にちょっとだけ遅れて音がするの、好きだったなぁ……
(少しばかり目を細める様にして、懐かしむように。
ごくありふれた、当たり前の日常を語る。

自分にとっては当たり前の世界で、そんな中でそうなるようにして出来上がってきた“綾瀬音音”と言う少女は、
こう言う普通の日常の話をするのであれば、何処にでもいる少女なのだ。
徐々にズレつつある思考も意思も、それを強く侵すことはなく混ざりあり融和している。
適応性、順応性が高いと言ってしまえばそれまでだし、
それも事実だ。

だが――男のそんな感情は、矢張り知ることもなく。
相変わらず呑気に笑みを浮かべているのである。

ただ、この先輩とこうして話す時間は心地いいものであるのは事実であったし、
単純に“先輩”と言う言葉で片付けにくくなってきているのも事実である。
とは言え、自分の心の置き場所は矢張り定めぬまま)

夏は忙しいですしね、元々夏休みの前半には終らせる派なんです。
こう、頭にチラチラしてると落ち着いて遊べないんで、できるだけ早く終わらせたいんです。
温泉には無いかもですけれど、空港がありますからね。
どうせ飛行機ですし。
……そうします、久々ですしね。
ただいまって言ったら、おかえりって言ってもらえるのは嬉しいことだと思います。
(それを訊かれれば、中途半端に田舎なんですよ、と笑って答えるのだろうが。
そこそこ人はいるが、基本的には平和ボケが許されるようなのんびりとした場所が故郷である。
――観光地も含まれるが、そこまでの、少なくとも周辺住民的にはテンションが上がるような派手さはないのが実情だったりもした)

(手紙は確りと折れ曲がらないように脇に置いておいたバッグにしまいつつ。
軽くアイスティに口を付けつつ)

流石に双子とは言え、個人宛の手紙を見たりはしませんよ。
音色ちゃんには見分け方は秘密にねって言いますし
(開封して見る気は最初から無いので、以前の冗談を引き合いにしつつ、口調は軽く楽しげなものだ。
冗談嘘のたぐいなのは解っているし、何処までも軽い口調を雰囲気で、自分と同一性を抱えた片割れへの手紙を預かった。

そうして、自分もスプーンを握っていただきます、とカレーを口に運びつつ。
前回よりも美味しい気がするのは、状況が違うからか、それとも自身が変わったからか。
どちらにしても、笑顔が溢れる美味しさである)