2016/09/03 のログ
ご案内:「異邦人街安アパートの一室」に綾瀬音音さんが現れました。
ご案内:「異邦人街安アパートの一室」に五代 基一郎さんが現れました。
綾瀬音音 > 「お話があるので、お家に行ってもいいですか?」

(そんなメールを男にしたのは今朝のこと。
了承が貰えたので、夏休みも終わったばかりで気だるい授業をこなした放課後、
着替えてから男の家に向かう。
インターホンを押して、鍵が開いていればそのまま、かかっていれば合鍵を使って既に慣れた動作で上がり込む――
とは言え本日は少々緊張が滲む。
そのまま見慣れたやっぱり事務所なのか居間なのか判別つき難い部屋へと。

男の姿を見れば、ちょっと曖昧な雰囲気でへらっと笑って、
いつもの通りに座った)

ええと――こんにちは
(取り敢えず取り掛かりに、といった感じに挨拶を口にしてから、視線を数瞬漂わせて――



それから、意を決した様に男を見た)

五代 基一郎 > さて話とはなんだろう。

あまり覚えがないことだった。
確かに今後、彼女の卒業に向けて色々忙しくなり始めている。
その都合上に何か手が必要なことでもあるのだろうか。

インターホンを押せば、待っていたのだからというように中から
入室を促して自信は茶を淹れていたわけだが。

「こんにちは。」

何やら曖昧な、どうも話を切り出せないような雰囲気がある。
綾瀬音音からそのような話がというのもと今更に思いながら。
さてでは一体どのような話だろうか。
まさか、とは思うが血生臭い話ではなかろうかと一瞬身構えながら問う。
その何か始線を受けながら……

「話って何かな。」

綾瀬音音 > (意を決しては見たものの、結局あー、とかうーとか良く解らない唸り声が口から漏れて出る。
視線がやっぱり泳ぐ。

どう説明すればいいのか迷うような、そんな気配を全身から発しながら。
それでも、男から話を促されれば今度こそ、意を決したように――)

ええと――私異能と体温が結構繋がっているので基礎体温つけてるんですけど、なんだか高温期が続いてて、それにええと、その――ちょっと“遅れ気味”で、それでそのまさかと思って、いや身に覚えがあるっていうか先輩もあるとは思うんですけれど――

(そこまで一気に捲し立てる。
肝心なところはぼかしているので要領は得ないだろうが、ピンとくるならピンとくるかもしれない――そんな内容。
顔を俯かせる。
耳まで真っ赤になりながら、小さく)


      た。

(上手く、言えない)

五代 基一郎 > 流石に、ではあるが。

ある程度察することもできるし、というよりここでやれ
”未知の病原体に感染したのか”や、何者かに奇声されたのだろうか……
等とは考えは行かない、はずだ。

身に覚えがあるかないかと言えばそれは芋づる式に思い出されれば
あると断言する程度に覚えがある。元々そういう目的でもあったわけではあるのだから。

それが何か、とあるならテーブルにつくよう促し、茶を薦めていたが。
自分の湯呑を近くに置いて対面に座るわけでもなく、隣に座り
持ち上げるまではいかずとも、膝の上に乗せるように抱き寄せた。
ちょうど音音の腹部へ両の手をあてるように。

「ね。言って。音音の口から聞きたい。」

確証を得るため、とかではなくそれが何かの儀式のように
君から”告知”してほしいと迎えるように、それやそれらをを望んでいることを伝えながら頼んだ。

綾瀬音音 > (本来学生であるのならばするべき事をせずにしていた訳であり。
とは言えこんなに早くにこうなるとは思っていなかったのが本音でもあり。

いやもうなんと言えばいいのか、自分でもびっくりなのである。
驚いているし、恥ずかしいし、照れくさいし、嬉しいし、不安なのである。

俯いたまま、視線だけで男の動きを追って。
隣に座りその膝の上に抱き寄せられれば、その華奢な身体から力が抜けた。
それから、腹部へと置かれた両手に自分の両手を絡めるようにしながら、
首を上げて男を見上げ)

その……、赤ちゃん……でき、ました……
(聞きたい、と言われてもその言葉を言うにはちょっとばかりの勇気と、それを遥かに上回る照れがある。
そうして、男の手指に絡めた己のそれに力を込めるように。
ここに新しい命が、まだ膨らみも何もないけれど、確かにいると伝えるように。
ここに宿るようにと、望まれた命)

五代 基一郎 > 意図的であったのは確かだ。
するべきことをしないのか、と聞かれたときや所謂そういう日には
そうしないことを選んでかつ問いかけられればそうするように促して
であるならばそうなるのは必然にことであったわけであるが

最もそれらは望んで行ったからでもある。
とはいえ望んだものの、実際に人として生きてきた中で初めての経験でもある。
それは今膝の上に乗せている相手もそうなんだろうが……
おめでとうというのは他人過ぎる話であるから、一つ。言葉に迷ったものの

「ありがとう。」

と。受け入れてくれたことや、宿してくれたことや宿ったこと……
いくつかの、それらだけではないのだろうかというように感謝を言葉に表して
不安が伝わる手に、指を握り返して伝えた。

「家、どこか借りようよ。卒業までのさ。仮住まいだけど。きっと大変になるし。
 居住区の方にさ。あと帰省早くしないといけないね」

綾瀬音音 > (当然――尋ねた上でそう返され、それを受け入れるのにはちょっとどころではなく勇気が必要だった。
自分はまだ未成年であり、“常識的に言えば”とんでもない事だ。
それこそ若気の至りで云々、だと言われかねない行為である。

それでも、それが望まれているのであれば、断れなかった。
そして――それでもいいと、頷いて受け入れたのも事実だ。
最近では戸惑いつつもそれを望んでいたと言っても良いだろう。
だから、自分達の手の下の奥に、命があるのは当然のこともであるし、

ああ、なんだかとても――途轍もなく、愛おしい)

ん、こちらこそ、ありがとうございます。
(一人では、この生命はなかったのだから。
感謝を伝えるのならば此方もだ。
見上げたままへらっと漸く、いつもの様に笑って。
安堵した様に己の体重を男へと預けた)

――そうですね。ちょっと寮っていうのも落ち着かないですし。
卒業までに生まれるわけじゃないですけれど、何かと楽になりますし。
……そうですね。音色ちゃんとかお父さんお母さんにも言わないとなぁ……。
連休使う感じになりますかね
(家族の顔を思い出して、少しばかり眉を寄せる。
どういう反応を示すのかさっぱり浮かばない。
とは言え、黙っているわけにも行かないだろう。
ならば、早いに越したことはない)

五代 基一郎 > 最初はそういう選択肢があるという程度ではあった。
最後のというのもおかしい話だが、そうすることで繋ぎ留める……
綾瀬音音という人間がいる場所を作るための手段というのはあった。
しかしいつからか手段と何かが入れ替わり、それを臨むようになれば
早かった。それは全てに優先されるように、目的として徐々に入れ替わって行った。
日常生活から、何まで。
だからこそこれは大きな転機となるし、事実今多くの事柄が変わろうとしている。
学生という身分でありながらではあったが……そうであったとしても
今これは喜ばしいことであると今抱き寄せている相手に言えた。

「寮の方だと一人で色々やらなきゃいけないし……広い所がいいかな。
 月末にする?開けとくけど。帰省のついでに向うで住む場所探すのもいいかもね」

見上げられ笑顔が向けられれば応えるように軽く口づけをして迎え
その二人分の重さを受け入れながら微笑む。
帰省についてなにかを思う音音とは別に、その言葉を聞けば
何かどこか遠くにある、あこがれるような存在を描くように
呟くように、語りかけるというより呼びかける。

「お父さん、お母さんか……なるんだなぁ。」

それが誰を指すか、というのは言葉を発したものと
すぐ近くにいる音音をと呼びかけて。

綾瀬音音 > (元々それらの行為は自分にとってはまさしく“愛の行為”であり、
愛しあった人以外と情を交わすのは論外な話ではあったのだけれども。

だけど――だからこそ、こうして愛しあった人とこうして育める命があるというのは幸せなことだと思えるし、
矢張り不安がないわけではないけれど、以前よりは幸せな未来を描くことも出来る。

自分にとっても当然これは転機。
だって、もうひとりの身体ではないのだし、
ふたり、でも無いのだから。

くすぐったそうに笑いながら)

そこまで広くなくてもいいんじゃないですかね。でも荷物の量にも寄りますけど。
そうですね。じゃあそこら辺で。チケットとか取っておきます。あんまり頻繁に行ける距離じゃないですし、それがいいかも
――ん、ん……
(くちづけられれば幸せそうに落とされる吐息。
いつだって好きな人からのそれは幸せな気分にさせてくれる。
だから、自分からももう一度同じ甘さで返して、甘えるように。

呟く様な呼びかけに、ふ、と、
心に広がる、擽ったい感情。
やっぱり笑うしかない。
だって、これは本当に――)

なっちゃいますねぇ……。
10ヶ月なんて、あっという間に過ぎそうな気がします
(10月10日、なんて言うけれど。
卒業して暫くの後には、お父さんとお母さんになっている。
どんな風に、かなんてまだ解らないけれど)

ねー、お父さん?
(なんて、冗談めかして笑いかけてみたりして)