2016/11/18 のログ
ご案内:「寂れた社」に宮比 奏楽さんが現れました。
宮比 奏楽 > 夕方。日がくれるころ………

社は、明かりがついていた。
ボンヤリ、少しだけ。

そっと障子が灯るくらい。

入り口で寝ていた少女はそとにはいなかった

ご案内:「寂れた社」に久世藤士郎時貞さんが現れました。
久世藤士郎時貞 >  
「思ったよりおそくなったのう」

それもそのはず露店をぶらぶらと見て回っていたのである
物見遊山と言うのも良いものである

断じてお金は使っていない
使っていないったらいない

・・・・・・本当は少しだけ使った

秘密である

「明かりがついておるな
 帰ったぞ?」

がたがたと立て付けの悪い障子を開ける

宮比 奏楽 > 「おっそーいっ!」

中央に、おこた。
巫女服、みかん。ちっちゃい冷蔵庫。
そして、ランプ。

見事に現代に、マッチした少女がそこにいた

久世藤士郎時貞 >  
微妙に現代風になっていた
もっとも彼には現代なんてわからないわけだが

「ゆるせ
 道に迷うておった

 しかしこたつか。これは良い

 明かりもあるのはありがたい
 これはギヤマンか?
 やけに綺麗な」

そういいつつこたつに入ろうとする

思えば建物だけでなく、いたるもののが綺麗にまっすぐで完璧な曲線でそして巨大で緻密で美しかった

釣りにもらった硬貨のなんと綺麗なことか
買ってきた雑誌のなんと色鮮やかなことか

信じられない精度だ
ここの職人達の腕は常軌を逸している

「そうだ、ほれ
 頼まれていたひまつぶしだ

 それと食い物な」

そう言ってこたつの上に成果物――ティーン向け雑誌と串焼きを放り出す
串焼きは――当然冷めていた

宮比 奏楽 > 「きゃはは、なにそれぇ、だっさーい」

なにやら、変な言葉遣い。

「ランプっていうらしいよ、なかなか発達してるよねここ」

ミカンを剥きながら、ほっこり。
どこから持ってきたのやら………

「瓦版?」

雑誌に興味もちつつ

久世藤士郎時貞 >  
「ださい?なんだそれは?
 ・・・・・・貴様何か毒されておらんか?」

もぞもぞとこたつに入り込むとふぃーと声がもれる
秋ともなれば寒さも堂に入ってくる
ビバこたつ

「ああ
 見事な彩色であろう」

とはいえ中身は見ていない
ティーン向け雑誌なので中身は10代女性の関心がありそうなあれこれだろう

許可も取らずに蜜柑をひょいとつまみ上げると無造作に二つに割っていく
雑なようだが簡単で意外に食べやすいむき方である

宮比 奏楽 > 「時代遅れって意味だそうだ。………つかれた」

くてんっとこたつの上に顔を乗せる。

「なんか、言葉もいろいろ新しくなってるようじゃな」

ミカンの白いのもきにせずもぐもぐ。
串にてを伸ばせば………

「………つめたいんじゃが」

じとめ。

久世藤士郎時貞 >  
「時代遅れのう
 よくわからんが
 ・・・・・・それは本当に日の本言葉か?
 やけに軽薄な雰囲気を感じるぞ」

同様にこたつに顎をのせむっすりと見返す

「あいにく
 形あるものはいつかは失われ
 あたたかいものもいつかさめるものだ

 諸行無常」

なむなむとこたつの中で手をすりあわせる

「あつあつがよければ神通力なにがしで温め直せば良かろう」

うん?と首を傾げる
見ようによっては煽っているように見えたかも知れない

宮比 奏楽 > 「時代は変わった。そういうことなのじゃろう」

ふぅっと一息。
煽りのように聞こえるそれを。

はんっと、鼻でわらった。
腹立たしく。

「そんなものは必要ない。何故なら………」

凄んで………

「でんしれんじ、なるものが、ここにあーる!」

よいせっと、出した、箱。
奇妙な、箱………

久世藤士郎時貞 >  
「でんしれんじ・・・・・・!?」

神器だろうか?
ゴクリと生唾を飲み込む

つるっとしてぴかぴかの金属の箱は何ともいえない凄みを放っていた
――少なくとも彼にはそう見えた

宮比 奏楽 > 「ふふふ、見て驚くなよ? 聞いて戦くなよ?」

公園の人たちに、生活には大切だからともらったものである。
たこあしと、電気のランプ。こたつ、でんしれんじに、ちっちゃい箱の冷蔵庫。
それと、ミカン。

全て、好意によるものである。

「さぁ、見るがよい!」

いざさしこんで、串をいれてスイッチおーー

久世藤士郎時貞 > ぶぅーぅ・・・・・・バツン――

と破裂音にも似た音が鳴る
と同時にあたりが真っ暗になった

当然、神社と言うものは人が住まうようには出来ておらず
どこにあるのか申し訳程度に設置されたブレーカーが勢いよく落ちた

――のではあるが

そんなことをこの侍が知るはずもなく――

「敵襲じゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

ばんと勢いよくこたつを蹴り上げ即席の盾に
畳も使いたいところだがここは板張りと断念

宙を舞うみかんと電子レンジついでに神様

未曾有のありさまであった

宮比 奏楽 > 「おごっ!?」

顎から打ち上げれて、喋るのだけできなくて………
痛みはないが、その行動が気に触ったのか

「きぃーさぁ、まぁ………!!?」

やんややんや、と、おおさわぎになって。
収まったのは、月明かりが出たころだった

ご案内:「寂れた社」から宮比 奏楽さんが去りました。
ご案内:「寂れた社」から久世藤士郎時貞さんが去りました。
ご案内:「異邦人街」にシング・ダングルベールさんが現れました。
シング・ダングルベール > 『異邦人街』
ご案内:「異邦人街」にセシルさんが現れました。
シング・ダングルベール > 祭が始まり久しいが、今日も今日とて人通りは多い。
木枯らし舞う中行き交う人の姿は様々で、原型がわからない程の厚着や、逆に半裸に腰蓑だけの獣人やら。
そんな中に立つシングはいつも通りのローブ姿。
待ち合わせ中である。

シング・ダングルベール > 「はー、結構な寒暖差があるもんだなあ、この島は。」
セシル > 「シング!」

異邦人街に通った声は、女性にしては落ち着いていたが男性とは取りづらい柔らかさをしていた。

「待たせてしまったか?約束の時間の五分前と思ったが…」

やってきたセシルの姿は、いつもとかなり様変わりしている。
本人は、何の気もない様子で手をひらひらと振っているが。

シング・ダングルベール > 「いや、俺もついさっき着いたところだよ。むしろ今出てきたばかりまである。
 ほら、あの辺の喫茶店に住んでて……って、曲がり角でよく見えないか。はは。」

フードを拭い頭髪をあらわにする。硬質的な短髪。

「おかげで部屋が暖かかったものだから身体が驚いてる感じもあるよ。
 やー、この島じゃ、こんな時期から息が白くなるんだなあ。」

シング・ダングルベール > 「んー…………。あー……。

 
 な、なんか、いいね。……こう、いきなり言葉に詰まるけど!
 似合うというか、ちょっと驚いてる……! ほんとうに!」

セシル > 「あの辺…ふむ。
確かに見えんな。だが、道はイメージ出来るぞ。覚えておこう」

シングの示す方を見ようと、身体を傾けたりする。
雑に括られた柔らかい髪が、さらりと零れた。

「私の故郷はもっと寒かったぞ。
こちらは一番寒い時期でも厚手の服ならこのコートで多少もったが…貴殿は温暖な地域の出身か」

セシルは、薄手のコートを前で開けながら、この気候に平然としている。

「…そうか、以前友人と服を見に行った時に選んだんだ。
異邦人街だと、こちらの世界の標準体型から外れた者向けの服屋が充実しているから便利だな。

…友人との約束に、風紀委員の制服は堅苦し過ぎるだろう?」

言葉に詰まるシングと対照的に、セシルは、いささか鈍感にすら思えるほど朗らかに笑った。

シング・ダングルベール > 「あー……よそう。やめよう。わかった。
君はいつも平常心で大らかなのは本当にすごいと思う。
 俺も落ち着くよ。落ち着く。」

はあ、と。

「でも、それなら俺も御洒落すべきだと。心の底から後悔している……。
 考えが浅かった……。あえて言うが、そのセンスは凄く好きだ!
 でもそれに比類できない自分を今ばかりは呪うよ……。
 次の機会に、君を御洒落で驚かせてみせる。必ずだ。」

思わず拳に力が籠る。長年付き添ったローブ姿のままで。