2017/05/08 のログ
ご案内:「路地裏の廃墟」に百鬼さんが現れました。
百鬼 > それは、ただの偶然…ある意味必然と言えなくもないが、仮面からすればどちらでも良い事かもしれない。

何時ものように殺しの仕事をこなし、何時ものように報酬を受け取り…その帰り際。
偶然、路地裏の一角でその戦闘に遭遇した。とはいえ、自らは気配も音も完全に殺し、路地裏の廃墟の一つ…その屋上に佇んでる。

「………まさか、こんな場面に遭遇するとはな」

あくまで傍観者として、ただ眺めているだけだ。加勢も邪魔もするつもりはない。当事者達の戦いだ。
単純に、下手に介入して面倒な事になるのが嫌なだけ、と言えなくもないが。

(……認識阻害の仮面…ワイヤー…あちらは、黒刀とあの剣の二刀流…に、夢の神とやらも現出しているな…)

百鬼 > 「……あの左腕……夢の神、だけではないな…黒刀に侵食されているのか…」

一応、”本来の持ち主”はこの仮面なのだが、預けていたのがまた妙な事になっているものだ。
あのまま、黒刀に侵食され続けれれば――…。

「………やれやれ。」

溜息を一つ。どちらに零したものかは定かではない。あるいは眼下で繰り広げられている状況そのものに、かもしれない。
正直、今すぐにあの場に割り込んで取り敢えずあの娘の左腕を切り落とした方がいいか、と考えもするが。

(――それこそ、無粋だな…私が割り込んだとて状況が悪化するようにしか思えん)

百鬼 > 傍観者――正直、このスタンスは己でなく”真淨在処”の領分だ。百鬼は別に傍観を好む訳ではない。
…そもそも、面倒事にはなるべく関わりたくないし、出来る限りは回避をするスタンスだ。

(…”落とし所”がなければ、どちらかが死ぬか…或いは相打ち、か)

さて、どうしたものか。仮面の奥の双眸は静かに二人の戦いを見据えている。
どのみち、自分が下手に手を出す訳にもいかないが。あるとすれば、あの左腕を押さえ込むくらいか。

(…夢の神が邪魔だが…さて、出来るかどうか)

革手袋に包まれた右手を緩く伸ばす。狙いは一点、猫耳剣士の――黒化した左腕だ。

百鬼 > 「――…。」

一言、呟けば右手を無造作に振るう。ただそれだけで何かが飛んでいく訳でもなく。
”位相が嵌れば”、彼女の左腕は一応元に戻るだろう。戻るかどうかは五分五分だが。

正体不明――百鬼が持つチカラ。魔術とも異能とも言い難い、名前どおりの正体不明のナニカである。

「――…!」

純白の暗殺者が、半ば捨て身のごとき行動を取る、狙いは左腕…ならば、彼女の動きに合わせておくとしよう。
余計な介入は一切しない。己がする事はただ一つ。あの黒い左腕の沈静化のみ。

百鬼 > 「―――…」

無言で右手を下ろす。案外、自分が下手に手を出さずともどうにかなったのだろう。
どうやら、本当にただの傍観者で終わりそうだ…やはり、どうもこういうのは柄ではない。

「……やれやれ」

再び溜息を零す。今度はどちらかといえば己自身に対してのものだが。
一度、改めて眼下の二人を眺めてからゆるり、と踵を返す。
これ以上は見ていてもしょうがない。自分は少なくとも部外者だ。

「……何事も、ままならぬものだな」

そう、静かに呟けばその姿は闇夜に溶け込むように消えていく。

ご案内:「路地裏の廃墟」から百鬼さんが去りました。