2017/11/30 のログ
ご案内:「学生街」に柊 真白さんが現れました。
ご案内:「学生街」に飛鷹与一さんが現れました。
■柊 真白 >
(自宅、のマンションの入り口前。
いつもと違う着物姿で待ち合わせの相手を待っている。
部屋まで来るとは言っていたが、わざわざ上階まで上がらせるのも悪いし、ここまで出てくるのもさほど手間ではない。
気温は低いがどうせ今日一日は外を歩くのだ。
それが多少早まるだけだし、ならばこうして外で待っている方が良いだろうという考えである。
あまり動かず相手を待つ。)
■飛鷹与一 > 今日は待ち合わせだ。そんな訳で、服装も何時もと違う…程のバリエーションが無かった。
なので、私服姿にてマンションまでやって来た訳だが…。
「……え?真白さん?わざわざ外で待っててくれてたんですか?」
目が良いので、遠目でも彼女の姿は把握できた故に、慌てて小走りに近寄っていく。
てっきり部屋で普通に待機してくれているのだろうと思っていたので予想外だったらしい。
(しかも、あの着物姿だし…あ!俺がプレゼントした水色のリボンも!)
何時もの見慣れた白いゴスロリ衣装とは違う装い。これはこれでいいなぁ、と思う少年だ。
ともあれ、彼女の前までやってくれば「えーと、もしかして結構待ってました?」と尋ねてみたい。
一応、遅刻などはしていない筈だが…。体が冷えていたりしたら自分の魔術で暖める事も考えておく。
■柊 真白 >
(やがて彼の姿が見えた。
そちらを向いて、軽く手を挙げる。)
うん。
どうせ外出るし。
(彼の方へ歩いて近寄る。
足音が異様に小さいのはいつものこと。
だが下駄のわりにはと言うぐらいで、それなりに音はいつもより大きい。)
――変、かな。
(後頭部のリボンを触ってみる。
色はあっているとは思うが、どこか曲がっていたりするだろうか。
触ってみてもよくわからない。)
■飛鷹与一 > 「いや、そうなんですけど…まぁ、確かにかなり歩くでしょうし体も暖まるとは思いますが」
異様に足音が小さいのは何時もの事。暗殺者としては必須技能とも言えるだろうし。
ただ、下駄履きだからかそれでも音は何時もよりは大きく聞こえる感じだ。
「…いや、凄い似合ってますよ?…あ、ちょっと失礼を」
言いつつ、両手を彼女の頭に伸ばして軽くリボンの位置を微調整。そうしてから一度離れて確認。
…うん、これでいい。しかし、改めて見るとこの師匠、和装が矢張り似合う。
「じゃあ、行きましょうか?取り敢えず学生街を中心に回って、余裕があれば商店街方面も軽く見ていく感じで」
アバウトな方針だが、きっちり綿密に計画を立てるよりも気儘に楽しむのがお祭りの作法だろうし。
そんな訳で、連れ立って歩き出す――前に、右手を伸ばして彼女の左手をそっと握ろうと。
この前想いを告げた後なので、もうこのくらいの事は遠慮なしで堂々とやりたい所存。
■柊 真白 >
気にしない。
平気だから。
(こちらが好きでやっていることだ。
気にすることはない。)
ん――ありがとう。
(腕を伸ばされ、じっと待つ。
後頭部のリボンを触っている感触があって、それが終わればお礼を口に。)
私はいいけど、君はいいの?
小さな子供を連れまわしてるって通報されない?
(真顔でそんな冗談を口にする。
なんせこちとら見た目は小学生並みである。
伸ばされた右手をこちらから掴む。)
■飛鷹与一 > 「ん、了解です」
ジッと彼女の目を見てから頷いた。あまり気を回しすぎるのも良くないだろう。
リボンの微調整のお礼には、いえいえと笑いつつも彼女の疑問に「あ~…」と苦笑を浮かべ。
「そこはもうその場凌ぎで。従妹とか親戚とか誤魔化すか堂々と大事な人宣言します」
…うん、ロリコン野郎扱い確定されそうだ。特に風紀委員会の同僚と顔を合わせたら気まずい。
が、そこも覚悟はしているので今更でもある。変に物怖じしてもしょうがないし。
ともあれ、二人で手を繋げば学生街へ。今日は常世祭の最終日…と、祭りの初日よりも盛り上がっているように感じる。
出店も色々とある。定番のたこ焼きや焼きそば、射的にヨーヨー等も縁日みたいだ。
一部、許可を貰っているのか異邦人らしき人達も屋台の軒先を連ねているだろう。
「…うーん、何か変な気分ですね。どちらかといえば、俺は警備側な事が多かったですし」
と、周囲の賑わいを眺めつつ、彼女と連れ立って手を繋いで歩きながらポツリと漏らす。
■柊 真白 >
――恋人だって即答はしてくれないんだ。
(明後日の方向を見ながら、ぽつりと呟く。
独り言のようで、確実に隣の彼には聞こえる声。
ふーんとかへーとかそのあともぽそぽそ呟いている。)
君は去年の時はいたんだっけ。
(自身は今年が初めてである。
祭りの屋台のようであり、学園祭の出店のようでもあり。
どちらでもない不思議な雰囲気の通りを二人で並んで歩く。)
■飛鷹与一 > 「わかりました。じゃあ婚約者もとい未来嫁とみんなに紹介しておきますね?」
笑顔。うん、恋人と即答したいけど気恥ずかしいんだ…が、それよりも大胆な事をのたまっている。
…でも、後で埋め合わせはしないとなぁ、と思う。恋愛初心者だから色々と足りない発展途上。
「あ、ハイ。ただ去年は風紀委員会に確か丁度入った直後だったんで、見習いとしてあちこち借り出されてましたし」
だから、お客側として祭を楽しんだ記憶はないし、二度目ではあるがこうして楽しむのは初めてだ。
二人で歩きながら、「何か適当に食べていきます?」と、尋ねてみる。
屋台のメニューは一部個性的なモノもあるが、基本は定番のものばかりだ。
とはいえ、味はそれぞれ違うだろうし大当たりな屋台に巡り合えるかもしれない。
■柊 真白 >
――随分飛躍したね。
(呆れたように。
別に拗ねたわけではなく、いつもの悪戯のつもりだったのだけれど。
どうやら弄りすぎて変な耐性が出来てしまったらしい。)
ふうん。
じゃあエスコートしてもらおうかな。
(なんせこっちは常世祭初心者なのだ。
ふと目についたクレープの出店。
じ、と見る。)
■飛鷹与一 > 「あのですね、俺が何度真白さんに弄られてると思ってるんですか。流石に多少は耐性付きますよ…。
でも、まぁ関係を尋ねられたら誤魔化さずに恋人と答える事にします。」
決めた。もうロリコン云々は仕方ないと諦めよう。生暖かい目で同僚から見られるのは覚悟完了済みだ。
「エスコート…出来る自信は無いんですけどね…ん?」
フと、彼女の視線の先を追えばクレープの出店がある。何時かの異邦人街のそれとはまた違う。
ちゃんとしたこちらの世界のメニューのようだ。さりげなく彼女の手を引いてクレープの出店に向かう。
『へい、らっしゃい!』
「(…何で江戸前!?)…ど、どうも。クレープを二つ下さい。えーと…真白さん、どれにします?」
何か爽やかイケメンな店員さんに、良いスマイルと共に場違いな挨拶をされて困惑しつつ、メニューが載った看板を眺めて。
■柊 真白 >
成長したね。
師匠として嬉しいよ。
(そんなことを言って誤魔化す。
涙を拭う真似までして。)
――そういえば、前も食べたよね。
イチゴカスタードが良い。
(以前自身が食べたものはブラッドクレープで、彼と食べ比べが出来なかった記憶がある。
今回はそう言ったことが無いように普通のものを。
と言っても人の食べられないキワモノメニューはなさそうだけれど。)
ご案内:「学生街」に飛鷹与一さんが現れました。
■飛鷹与一 > 「何でわざわざ泣き真似してんですか…人の目が痛いんで勘弁してください」
実際、通行人から『あの子、妹さん(?)を泣かしてる』…的な目で見られていたりする。
気まずいので、さっさとクレープ屋台に移動する凸凹師弟カップルの図。
「あーー…えぇ、今回は普通のメニューだと思うんでまぁ俺は気が楽ですね」
あの真っ赤なクレープは衝撃的過ぎたのでよく覚えている。と、いうか普通の人間向きではないのは明らかだった。
ともあれ、少年のほうは「じゃあ、俺はチョコバナナ生クリーム」で、と注文を。
出来上がったクレープを二つ受け取り、イチゴカスタードを彼女に手渡す。
支払いについては、「ここは彼氏らしく奢らせて下さい」と、笑って二人分の金額を支払っておこう。
『まいどあり!』
「(だから何で威勢が良いのこの人…)じゃあ、食べ歩きと行きましょうか。もしくは、どっか座って食べます?」
■柊 真白 >
よそはよそ。
うちはうち。
(微妙に間違った誤魔化し方をしつつ、クレープを受け取る。
ここはおとなしく奢られておこう。
男を立てるのもいい女の条件だと誰かが言っていたような気がする。)
あの時はごめん。
(まさかと言うかさすがと言うか。
異邦人街はやはり異邦人街だったと実感する事件だったと思う。)
歩きながらでいいよ。
座って食べるようなものでもないし。
(そういいながらさっそく齧る。
カスタードと生クリームの甘さと、イチゴの酸味が良いバランスだ。)
■飛鷹与一 > 「…何か真白さんルールが発動してる気が…。」
微妙に外れた誤魔化し方をする恋人をジト目で見つつも、支払いも終えてクレープ片手に屋台を離れる。
むしろ、少年からすれば師匠は十分に今の時点でいい女だと思うのだけれど。
「あ、いえいえ。アレもアレで新鮮というか良い経験ではあったと思いますしね」
文化、世界の違いを間近に感じるというのは新鮮だ。なまじ異邦人とか多種族が入り乱れるこの島だから今更の感想だけど。
さて、師匠の言葉に頷いてクレープを頬張りつつ再び歩き出す。
こちらは、生クリームの甘さに比べてチョコはややビターテイストで味が互いに引き立っている。
そして、バナナが丁度良い具合にその緩衝材となっている感じだ。
「真白さん、そっち一口貰えますか?俺の方もどうぞ」
と、食べさせあいをしてみたい。何だかんだカップルぽい…互いの外見からしてちょっと犯罪臭漂う組み合わせは今更なので気にしない。
■柊 真白 >
人の目気にしてたら、これからもっと大変だよ。
(なんせ成長が止まるのだ。
人の目を気にしている場合ではなくなる。)
今なら食べても死なないからって食べないように。
結構面倒なことになるから。
(最悪死ぬまで死に続けることになる。
それが嫌ならおとなしくしておくべきだろう。)
ん。
いいよ。
(頷いて彼の口元へクレープを伸ばす。)
■飛鷹与一 > 「…あぁ、俺も外見これ以上変化しないぽいですもんね……」
そう、彼女との契約により少年も外見的にはこれ以上成長はしないのだ。
むしろ、この先数十年、数百年外見はそのままだという事を意識していかなければならない。
「いやいや、食べませんって。味覚は流石に変化しないでしょうし…いや、変化しても御免ですけど」
ただ、異邦人街で食事する時は地味に気をつけなければいけないなぁ、とは思う。
そんな訳で、彼女が差し出したクレープに顔を近づけて一口。モグモグと口を動かす。
「…ん、イチゴカスタードも悪くないですね。甘みと酸味のバランスが良い感じで…。あ、じゃあこっちどうぞ?」
と、今度はこちらのクレープを彼女に差し出してみる。
■柊 真白 >
今までよりは生きやすいだろうけど、それでも皆が皆そう思うわけじゃないから。
気を付けて。
(異能が身近になってきた最近ならば外見が変化しないことなど些細なものだ。
それでも島から出ればどうなるかわからない。)
まぁ、とにかく気を付けて。
(イチゴカスタードを引っ込め、代わりに差し出されたチョコバナナを齧る。
安定のチョコバナナである。
おいしい。)
――そうだ、君に言い忘れてたことがあって。
(唇に付いた生クリームを舐めとりながら。)
■飛鷹与一 > 「ですね……本土の師匠とか施設の先生に何て言ったもんかなぁ…。」
今更ながらそこを失念していたのを思い出す。まぁ、あの人達ならあっさり受け入れそうだが。
フと、意識せず笑みを浮かべてしまう。傍らの師匠が恋人ならば彼らは第二の家族みたいなものだから。
「分かりました。まぁ異邦人街は基本、風紀の警邏で出向く以外はあまり行きませんしね」
別に避けている訳ではないが、食べ物関連は最低限気を配らないといけないなぁ、と思いつつ。
ちなみに、異邦人街でもそうだったが、基本チャレンジャーでなく安定重視なのでチョコバナナは必然なのだ。
「あ、はい?何でしょう?」
彼女が言い忘れていた事。勿論、それに関して思い当たる事は直ぐには出てこないので首を傾げつつ。
そして、何かクリームを舐めとる唇の動きが変に色気があるのが困りモノだった。
■柊 真白 >
そのまま言えばいいんじゃない。
異能に差別意識みたいなのがあるなら言わない方が良いと思うけど。
(彼の性格を見るにそんなことはないだろうけれど。
だからそのまま言えば良いと思ったのだ。)
他にも気を付けてほしいことはあるけど、たぶん大丈夫。
死なないようにさえしてくれれば。
(クレープに齧りついて咀嚼して飲み込む。
口が大きくないので、こういう丸かじりする系の食べ物は食べるのが遅い。)
私、所謂世間一般で言う「いじめ」にあってるけど気にしないように。
(さらりと。
世間話をするような口調で。)
■飛鷹与一 > 「…ですねぇ。特に体術の師匠は、亡くなった奥さんが人外種族だったので、そもそも偏見ありませんし。
施設の先生も、なんと言うか大らかな人なんで全然気にしないと思います。」
少年に変に恐れや差別意識が無いのは、そもそも彼らの教えや気質が少年に受け継がれているからだ。
もっとも、その境界線が殆ど無いからこそ、虎穴に入る羽目になる可能性も実は高いのだが。
「分かってます。場合によっては無茶もしないといけないですが生き残る事を大前提と考えてますんで」
とはいえ、最近は風紀委員会の特別攻撃課に所属する羽目になったので、危険な任務も割と多いのが困りものだが。
そこは流石においそれとは口に出来ない。こちらもクレープを再び齧りつつ。
「――真白さん、それ彼氏として気にするなって土台無理なんですけども」
瞳をスゥ、と細める。とはいえ、感情的になっている訳ではない。一応まだ冷静だ。
彼女も知っているとは思うが、少年は直ぐに暴力に訴えたり突っ走る性格ではないのだ。
――一その代わり、一定ラインを超えると普段の穏やかさが完全に消えるのだが。
■柊 真白 >
ふうん。
(と言うことは師弟そろって人外の嫁を捕まえたことになるのだろうか。
いやこちらはまだそうなると限ったわけではないけれど。
もふ、とクレープを齧る。)
うん、与一くんが薄情な人じゃなくて何より。
(他人事のような言葉。
飲み込み、道の端に寄ろう。)
――人の中には感覚が鋭い人もいてね。
そういう人の中には人ならざるものへの攻撃性が高い人もたまにいる。
それがそういう形で出てるんだろうね。
(直接殴られたり、と言ったことはないけれど、ものを取られたりお弁当を台無しにされたり。
そういう間接的な嫌がらせがちょくちょくある、と言うようなことを伝えて。)
下手に刺激して暴走させるのも嫌だから。
■飛鷹与一 > 「…まぁ、師匠の奥さんには亡くなる前に面識はあるんですけど…何というか……いえ、何でもないです」
言いかけて顔をそらした。何かめっちゃトーンダウンしていた。トラウマでもあるのかもしれない。
こういう表情をするのは多分珍しいだろう。
「…まぁ、下手に報復すると更に溝が深まったり現状悪化しそうですしね…。
かといって、風紀委員の俺がしゃしゃり出て拗れても面倒な事になるでしょうし」
そこは理解している。だが今の話を聞いて何もしない、というのは流石に抵抗がある。
彼女の言葉に、クレープを食べる手を止めて吐息。なまじ直接的な暴力よりタチが悪いイジメというのは結構ある。
「――俺に何か出来ればいいんですけどね」
行動に移したい。だが迂闊に移せば彼女が更に孤立する。それは少年の望む所ではない。
とはいえ、現状維持もそれはそれで苦痛だ。どうすればいいのか…。
■柊 真白 >
――差し支えなければ、聞かせてほしいけど。
(隠し事をされているというわけではないだろうけれど。
何となく、自身の知らない彼がいるというのがちょっとだけ嫌だった。)
そういうこと。
他の人に矛先向くのも嫌だし、私だからされてないこともあると思う。
(直接的な暴力などはしても無駄だとわかっているだろう。
当たらないのだから。)
出来てるよ。
君がいてくれたから、あまり気にしないで済んだ。
ありがとう。
(彼がいなければとっくに何か起こっていただろうと思う。
あの時代の泥をすするような生活に比べれば充分だ。)
■飛鷹与一 > 「…あー、なくなった奥さんは【鬼】の末裔なんですよ。ただ、先祖返りなのかその血が濃かったみたいで。
で、偶に師匠の代わりに稽古を付けて貰った事があるんですが…その…手加減が苦手な人だったもので」
人間の師匠は厳しかったが、加減を把握してる人だった。
だが、奥さんだった鬼はそれが苦手らしく、何度も本気で死に掛けた。
一度、内臓が数個潰された事もある。…その時は、鬼の一族の秘薬とやらで何とか回復したが。
まぁ、要するに本気で何度も殺されかけたからトラウマじみている思い出なのだ。
「…あと、能天気というか天然入ってる人だったんで、まぁ俺も師匠も苦労したというか…」
目がめっちゃ死んでいた。だが、気を取り直すように首をプルプルと振って一息。
「…何もしないのは歯痒いですけどね。考え無しに行動に移せば良いって類でもないでしょうし」
そう、淡々と答える少年は冷静…に、見えるが矢張り憤りはあるのか、クレープを握り潰しそうになっていた。
「――だから、今は俺は何もしません。それでも俺も若輩で未熟ですから、限度はありますが」
もし、陰湿なイジメが悪化するようなら流石に動くと宣言したようなもの。
分かってはいるが、自分の恋人がイジメを受けていて平静をずっと保てるほど達観してはいないのだ。
■柊 真白 >
鬼。
久しぶりに聞いた。
――苦労したんだね。
(暗殺業をやっていた時の仲間にも一人いた。
しかし最近は名前を聞くのも珍しいほどになっていて、わずかに懐かしむような表情。
いつもに増して死んだ目をしている彼の背中をぽんぽんと叩く。)
と言っても三人ほどのグループがほそぼそとやってるだけだし。
外面はいいから、ほかのクラスメイトに気付かれることもないから。
(それなりに話すクラスメイトも増えてきて、だからこそ彼女らも手が出しづらいのだろう。
最近はあからさまな嫌がらせも殆どない。)
あまり気にすることじゃない。
目に余るようなら、その時は改めて相談するから。
――だから、それ潰すなら私に頂戴。
(すっかり自分の分を食べきって、彼が握りつぶしそうになっているクレープを指さす。)
■飛鷹与一 > 「…でも、お陰で回避能力と…勘や気配の察知は磨かれた気がします。
何せ直撃したら下手すれば死にますし、掠めただけで吹っ飛ばされますしね…鬼ですし」
苦笑気味に。少年の体術と気配の察知、勘の良さなどはその夫婦によって培われたものだ。
実際、かなり手加減して貰っているとはいえ、隣の師匠の動きをある程度見切れるのもそれが大きい。
背中をポンポンと叩かれれば、励まされているのは分かるのでありがとうございます、と呟いて。
「……まぁ、本当に厄介になってきたら俺に相談はして下さい。必ず力になりますから」
そこは念を押しておく。彼女の対処の限界を超える事はそうそう無いとは思うが…。
そして、我に返ればクレープはちょっと中身がはみ出して零れ落ちそうに。
慌てて力を抜きつつ、何となくそのまま残りを彼女に手渡そうと。
こういう時、フォローや場を和ましてくれるのは流石、長く生きているだけあるなぁ、としみじみ思う。
■柊 真白 >
与一くんがそこで死んでなくてよかった。
(死んでいたら今の自分はいない。
鬼の秘薬に感謝である。)
それはもちろん。
心配してくれてありがとう。
(差し出された崩れかけのクレープを受け取って。
破れてクリームが零れ落ちそうなところから齧る。)
それで。
次はどこへ連れて行ってくれる?
■飛鷹与一 > 「…いや、多分俺の死神の異能が発動してたと思うんでそこは平気かと。
まぁ、反作用で周りに災難を撒き散らすんで、発動はして欲しくないですけど」
少年の異能は二つあるが、生来持っている死神と皮肉で名付けた力。
あらゆる致命傷を自動的に受け流すが、反動として周囲にランダムに災難を撒き散らす厄介な力だ。
ちなみに、致命傷を防ぐだけなので大怪我レベルは普通に素通りしてしまうのだが。
どのみち、大怪我の状態のまま放置すれば異能関係なく普通に死ぬ。だから秘薬には矢張り感謝なのだ。
「心配しますって。くどいようですが真白さんは恋人で師匠で一番大事な人なんですから」
きっぱりと言い切る。心配一つしないほど薄情にも冷静にもなれない。
「そうですね…あっちに盆踊りならぬダンスステージあるみたいですし、いっそ二人で参加して踊ってみます?」
と、楽しげに笑って指差した先は、ちょっとしたステージになっていて、今も音楽に合わせてカップル等が踊っている。
まぁ、今の彼女は和装だから踊るとしても少し厳しいかもしれないが…。