2018/01/04 のログ
斎藤 朱莉 > 「おお、そっかそっか。そんじゃ安心だな!」

くっしゃくっしゃ。乱暴だが、慈愛を感じさせる撫で方。

「だなあ……ありゃあ、確かライラって生徒だったな」

言いながら、ライラにも声をかける。

「あけましておめでとう。調子はどうだ?」

ライラ > 「Frohes Neues Jahr.
 夜であるならば、吸血鬼たるわらわに不調などありえぬ話じゃ」

無駄に偉そうである。
実際、眠りにつくまでは偉かったのだが。

「面白いのは住んでるモノのほとんどが外様である事じゃろうな。
 現地産のものは食材くらいではないかえ?」

言いながらグラスを傾ける。
乾杯の代わりらしい。

「この国独自の宴かと思うたが……ずいぶんとわらわに馴染みのある宴で少々飽いた。
 しばし、歓談につき合わせてもらうがよろしいかの?」

伊都波 凛霞 >  
「あけましておめでとう。私は伊都波凛霞、三年生だよ、
 あなたは、…ライラさん、でいいのかな?」

先生の口にした名前を反復する
彼女が否定しないので、名前はあっているのだろう

「新しい年を皆で祝う会。
 私は此処で生まれ育ったのでなんですけど、外でも同じなのかな?」

斎藤 朱莉 > 「吸血鬼か、成程」

苦笑気味に。例外も多いが、吸血鬼は高慢な態度を取る者が多い。ある程度の納得感があった。

「ああ、確かにな。ここには色んなところから人が来てるからな。食材くらいしか現地産がないってのは言い得て妙かもしれねーな。
アタシは、構わねーぜ」

クツクツと笑う。中々いい勘所の子だと感心しながら。

「アタシの地元なら、まあ普通にあったな。アタシゃ人狼だけど、そういう風習も人と同じだった」

ライラ > 「ずいぶんと長く眠っておったからのぅ。
 わらわの知る宴は、一昔も二昔も前のものじゃ。
 それに下々のものではなかった。
 ……もっとも、人の根はさほど変わっておらぬようじゃがな」

グイとグラスを干し、グラスをテーブルに置いた。

「ああ、しかし変わったものも多いのぅ。
 夜が明るくなり、人が忙しなくなった。闇の眷属も肩身が狭くなったものよ」

伊都波 凛霞 >  
「人狼と、吸血鬼かあ……」

ちびちびと口にジュースを運びながら、この場の人率の少なさを感じる

「あ、お二人は普通の料理食べれ…ますよね?
 ライラさんは、血しかダメとかそういうのは?ってお酒飲んでる……」

人外というか妖かし相手は家のある山で慣れたものであるが、
流石に食事の嗜好とかまではわからない

斎藤 朱莉 > 「人の本質ってのは、いくら年月を重ねても変わらねーのかもなぁ。
まあ、文明が伸びた分、確かに夜は明るくなったな。不夜城、なんて言葉もあるくらいだ。と言うか、本当に長く眠ってたんだな…何年くらいだ?」

ライラと話しつつこっちもくいー。強いが故に、ぐいぐい飲んでいる。

「大丈夫、アタシも普段から普通のモン食ってるからさ。
伊都波は、人外は慣れてねーのか?」

その反応から、彼女はもしや人外に不慣れなのかと訝りつつ。

ライラ > 「確か、ガス灯が街にでき始めたくらいじゃったから……かれこれ200年ほどかのぅ?」

それより前から在ったため、すごい年齢生きてたりする。
生きてるって言わないかもしれないけれど。

「好まぬし、栄養という面では一切意味は無いがのぅ。
 食べて味を楽しむだけなら可能じゃよ。
 もっとも……血が一番良いがな」

とやや顔を顰めて答える。

「普通は人外と出会えば死と同義じゃ。
 慣れるも慣れぬもないじゃろうに」

伊都波 凛霞 >  
「妖怪とは慣れてますけど。
 妖怪と一緒にされたら怒りません?」

一応そう問う
なにせ青垣山の山奥である
意思の疎通が出来ないレベルの妖怪なんかもいる
さすがにこうやって言葉を交わすレベルの人外と同じにはできないというか…

「うーん、血はなかなか難しいですよね。
 輸血パックなんかも安価なものってそうそうないし。
 …あはは、幸か不幸か、普通じゃないもので……」

質問などに答えながら、自分もテーブルのものに手を出す
人もまばらになってきた中、あとは式典委員だけでもなんとかまわりそうである

斎藤 朱莉 > 「200年!そりゃ凄いな…それだと、文化の面でも結構様変わりしてたろ?」

驚きとともにライラに問う。なんせ200年だ。文明が一つの転換を迎えてもおかしくない時間。そうなると、目覚めた時は随分と混乱したのではなかろうか。

「んー、アタシは別に気にしないなぁ。ぶっちゃけ似た様なモンとも言えなくもないしな」

ざっくばらんに笑う。そもそも、人狼は人外と言うよりも敵対存在として見られることの多い存在である。それ故に、そういう扱いもそういうものと受け入れているのかもしれない。

「一応クギ刺しとくけど、同意なしに吸血はすんなよ?
…ま、確かに普通そこらで人外と会ったら即死モンだわな。ここが特別なだけか」

ライラにクギを刺しつつ、言っていることに頷く。教師としてここにいる時間が長くて、少し感覚がマヒしていたのかもしれない。

ライラ > 「そもそも、極東の島国のさらに辺境にわらわの棺があるとは思わなんだわ。
 時代も場所も違うのじゃ、様変わりどころではないわ。
 故郷のシュバルツバルトも様変わりはしたのじゃろうな……」

小さくため息。慣れたと思っても感傷は顔を出してくるものだ。

「夜の支配者たる吸血鬼をそこらの有象無象と一緒にするでないわ。
 ……全てを失っても、わらわは誇りだけは失っておらぬ」

とてもとても嫌そうな顔になり、扇でそれを隠す。
ちらっと見えたら牙を剥きそうになっているのが見えたかもしれない。

「同意を得るための魅了の魔眼じゃ。
 もっとも、それに屈する程度の輩はわらわが血を吸うに値せんわ!」

なかなか面倒臭い基準があるようです。

伊都波 凛霞 >  
「う、うーん、なるほど…」

両者両様
けど流石に唐傘の化物のようなやつあたりと一緒にする気にはなれない
ライラという吸血鬼の言葉も然りである

「式典中の騒ぎは厳禁ですよー…?
 っと、そろそろ私はこのへんで…妹を探してこなくっちゃ」

ぱたぱた、とテーブルを整えてぺこりと一礼

「それでは本年もよいお年となりますようにっ」

定番の挨拶を告げて、再度一礼してから足早にその場から去っていった

ご案内:「学園内新年会会場」から伊都波 凛霞さんが去りました。
斎藤 朱莉 > 「シュバルツバルト……ドイツか?そりゃ遠くから来てんな……」

言いつつ、意地を張るライラに微笑む。

「誇りは失ってない、か。流石だな、ストルツィア・ヴァンピーア(誇り高き吸血鬼)。そういう意地ってーのは嫌いじゃない」

くつくつと笑うものの、その後の言葉には肩を竦める。

「お前な……魅了の魔眼なんてもんを試金石に使うなよな。上位吸血種の魅了なんて防げる方が珍しいだろ」

前提条件が面倒すぎる。しかも厄介すぎる。
渋い顔をしたものの、その場を離れる凛霞を見て笑顔で挨拶する。

「妹、見つかるといいな。それじゃあ、良いお年を」

ライラ > 「誇りのない支配者など、なんの価値も無い。
 そこらの壷を置いてる方が何もせぬ分まだマシじゃ」

辛辣に切手捨てる。
文字通り、誇りが服を着ているかのように。

「昨今は気高さの無い同胞がおるようでな。まったく嘆かわしい」

心底軽蔑する顔になった。
人によってはご褒美かもしれない。

「じゃから申しておる。それすらできぬ奴は値せぬと。
 眷属も増やしておらぬのじゃ、モータルにとって悪いことではあるまいよ」

扇を閉じて貴人の礼をもって見送る。

「よい一年を。そなたらの一生はとても短い。悔いだけは残さぬようにな」

斎藤 朱莉 > 「違いない。まあ支配者の是非はともかく、そういう層が誇りを捨てちまったらついていく民が報われねぇ」

頷く。政治思想史を教えている分、そう言った所には一家言あるのかもしれない。

「まあ、吸血鬼であっても支配者じゃない奴もいるからそれはそれぞれだと思うけどな……まあ、レジスト出来なかったら放置ってのはある意味穏当か」

レジストされた後どうするんだ、と聞くのはちょっと怖かった。変な事はしていないのだろうが……。

「おいおい、アタシの一生はそれなりになげーぜ?まあ、お前ほどじゃないだろうけどな」

ライラ > 「吸血鬼は種じゃ。
 支配者である種が誇りのないやつを認めれば、すぐに堕ちる。
 堕ちた同胞ほど邪魔なモノは存在せぬよ。
 やつらは、勝手気ままに増え続ける。食事の量は有限じゃというのにな。
 ……ふむ。祝いの席での話ではなかったのぅ、許せ」

謝罪も偉そう。
相手は教師だけれど、ひたすらに偉そう。

「長いというても、百やそこらじゃろう?
 死ねるというのは、偶に羨ましくなるものじゃ」

斎藤 朱莉 > 「……成程な。そもそも『支配種』であるからこそ、その前提からブレた奴は度し難い、ってことか」

その是非はともかく、主張には理解を示す。
……確かに、堕ちた人狼なんて言うのは本当に身内にとっても迷惑だからだ。

「いや、いい。しかしまー……一応生徒だろ?教師に向かってその態度はなぁ」

まあ、吸血鬼らしいけどな、と笑いつつ。

「確かに、人狼はせいぜい100近く……吸血鬼と比べるのは、流石に烏滸がましいな」

ライラ > 「今宵は無礼講なのであろう?」

咎められれば、現代風にウィンクして茶化してきた。
それなりに適応はしているらしい。

「生まれは変えられぬ。皆、先に逝く。
 であるなら、残される側はせめて未練を残さぬようにと祈るだけじゃよ」

やや疲れた顔をしただろうか。
すぐに扇で隠してしまったが。

「ああ、それと血を吸う対象じゃがな。
 そもそも耐えたとしても男はありえぬ。論外じゃ」

斎藤 朱莉 > 「ああ、そうだったな。無礼講だ」

ははは、と笑って酒を呷る。成程、無礼講なら上下関係を説くのは無粋だった、と。

「長寿には長寿の悩みがある……この学園は、そういう事案が起こりやすい。悩ましい問題でもあるな……」

基本的に、この学園は人間の基準で様々なシステムが構成されている。言ってしまえば、人間用のモノを人外にも開放している状態だ。
そうすることによって生まれる歪みは、朱莉にとっては悩ましい問題でもあった。

「おいおい、女性限定か。かなりの偏食なんだな?」

その後の言葉には、苦笑で返すが。

ライラ > 「上限に厳しい種じゃからのぅ、無礼講というのは新鮮であったよ」

普段から気にせず偉そうですけどね!!

「“そう”作ったのは人間であろ?
 世代が変わるほどの時も経っておらん、これからもっと大きくなるぞえ。
 ……世界がそのままなら、な」

何か起こるぞ と暗に言う。
何かまではわからないけれど。

「わらわは悪食ではないのでな。
 愛するものからしか吸いとうない」

斎藤 朱莉 > 「あー、そこら辺はうるさそうだよなあ、吸血種」

吸血種は基本誇り高い。その分、上下関係には非常にうるさい種でもある。
彼らなりに、自分らの秩序を保つために必要な事なのだろう。

「そうだ。正直……このままだと何かしら起こりかねない、ってのは同意するよ」

人を基準にそれをヒト以外にも当てはめる。その矛盾、その歪みは時間経過で拡大していく。
正直、朱莉は不安な状態だった。この学園は、どこまで秩序を保てるのか、と。

「あー、そういう……で、そうやってるから殆ど吸えない、と」

ライラ > 「そもそもからして、親の命令は絶対でな。
 子は逆らえぬのじゃ、故に我ら吸血鬼は……ええと、ピラミッド型じゃったか?
 そのような社会にしかならぬ。
 稀に下克上が起こるがの」

本当に、極稀に。

「ふん、起こってから慌てるのが精々じゃろうに。
 何を不安に思っておるのやら。
 優れた国もどれほどが当時のまま残っておる?
 世の中などなるようにしかならぬわ。それが嫌なら隠れ里に籠っておればよかろ」

呆れた顔で扇を泳がせる。
どうなったとて己の立ち位置は絶対に揺るがないと確信している故の発言かもしれない。

「わらわに限った話ではなかろう?
 お主とて、つがいの一人や二人おるんじゃろう?
 見目麗しく子を宿すには適齢ではないか。」

斎藤 朱莉 > 「へぇ、そういうもんなのか。なんつーか極端だな……」

人間界にもカースト制と言う極端な形の身分制度が存在するが、種全体でそうなるのはレアな気はした。

「……ことが起こった後だと、誰かが割を食った後だろ。アタシはそれが嫌なんだよ」

どうにもならないだろうけれど。どうしようもないのだろうけれど。
それでも、悲劇を防ぐことを、諦めたくないのだ。

「あのなあ……生憎アタシは独身だ。そういう浮いた話もねーよ」

ちょっと寂し気に。中々声をかけて来る者もおらず、ぼっち街道まっしぐらである。

ライラ > 「窮屈極まりないぞえ。
 まったく面倒臭いものでな」

笑いながら愚痴る。
過去に色々あったらしい。

「誰かが割を食うのは仕方なかろう。
 獣ですらそのようになっておるし、民が死んでも王は残る。
 王が死んでも民は残るがの。
 世代が変われば潮目が変わるぞ。それを防ぐのは……並大抵ではない」

何度も見てきたのだろう、それを思い出して苦笑い。

「なんじゃ、おらなんだか。
 欲しければ押し倒してしまえばいいじゃろうに。何を戸惑うのやら」

ご案内:「学園内新年会会場」に笹貫虎徹さんが現れました。
斎藤 朱莉 > 「まあ、変わるってのももう期待しづらいよなあ」

窮屈そうだ、とは思う。だが、そこまで時間をかけて熟成されたシステムは、もう変えるのが困難なのだ。

「……わかってんだけどなぁ。んー、アタシもまだまだ若造っつーことかなあ」

分かってるけど、でも諦めたくないと我儘のようなことを言う。ある種の理想主義のようなものだ。

「そういうわけにもいかねーだろ。そもそも、そんなレイプまがいのことしてまで相手欲しくねーぞアタシは」

笹貫虎徹 > 新年会、というものが開かれているらしいと小耳に挟んだのはついさっき。
新参者の自分でもまぁ、生徒なら大丈夫かねぇ?と、いう訳でどんなモノかと私服姿で訪れた覇気の無い少年。

「……お~~豪華だねぇ…でも、空いてる場所とか知り合いの姿は無し…っぽいなぁ」

うーん、と唸りながらもそれ程気にした様子も無く、途中で酒…ではなく、烏龍茶が注がれたグラスを拝借して適当に歩き回る。
と、そこに人の少ない一角を見つけた。片方はグラマラスな女性。片方は…ドレス姿の少女。

(……凄い組み合わせだなぁ)

等と呑気に思いつつも、他の場所は空いてるとも言い難いのでそちらにテクテクと足を運んで。

「あーーすんません、ここちょっとお邪魔していいすかね?」

と、二人に会釈をしつつ一応敬語でそう尋ねてみたりする。

ライラ > 寄ってきた少年に、貴婦人の礼を返し。

「今宵は無礼講らしいからの、誰であっても構わぬ。
 遠慮する必要はないぞえ」

初対面でもこの偉そうな態度はどうなのかと思わなくも無い。
しかしこれが素なのだ。しょうがない。

「ここの料理も悪くないぞえ。
 夕餉がまだなら、気にせずに食べるがよい。わらわは少食ゆえな」

浮かべた笑みを扇で隠す。
そして朱莉に向かって。

「このような男はどうなんじゃ、お主としては」

無茶振りっていいます それ。

斎藤 朱莉 > 「ああ、確か……笹貫、だったか。いいぞ、今日はそっちのライラも言ってる通り無礼講だ」

笑ってまた酒を呷る。とはいえ、まだまだ余裕と言う様子だ。
が、その後のライラの言葉には呆れ顔を返す。

「お前な……教師と生徒だぞ?論外だ論外」

笹貫虎徹 > 「どうもです。他の場所はまだ賑わってて混じるにも流石にどうかと思ったもんで…。」

呑気な口調だが若干苦笑気味に。人見知りは特にしないが少人数で落ち着いて談笑の方が少年的にはマシなのだ。
なので、二人しか姿が見当たらなかったこの一角は渡りに船、と言えなくもなかった。

で、貴婦人のような所作と姿の少女の言葉にほぅほぅと頷いて料理を眺める。
実際夕食はまだ食べていなかったので、皿とフォークを手に取り適当に見繕っていく。
ちなみに、少女の偉そうな態度を気にした様子は無い、むしろそれがこの人の自然体なのだと思ってるようで。

「……ん?俺がどうかしたんすか?」

食事をいざ!という所で急に自分の事が話題に上った。流石にキョトンとした面持ちになる。

「あーーハイ、笹貫虎徹。去年入学した1年です。…えーと、確か…斎藤センセイ?今、何か俺の話になってます?」

論外、と言われたり教師と生徒、という時点で薄っすらと察したが一応尋ねてみる。

ライラ > 「斉藤先生が独り身は寂しいと言うておってな。
 では、どのような男なら好みなのか という話じゃ。
 教師と生徒であろうが、精々10やそこらしか離れておらぬではないか、解せぬ」

本当に解せないようで首をかしげている。

斎藤 朱莉 > 「アタシの事知ってんのか、あんまり講義が人気無いからアレなんだけどな」

くつくつと笑う。朱莉の『政治思想史』は異能と直接関係のない一般教養科目であるため、履修者はそこまで多くないのであった。

「まあ、ライラの言う通り独り身がどうこうっつー話になってな。
……あのな、教師と生徒ってだけで倫理的にアウトだっつーの」

呆れ顔。常識が違うのは仕方ないが、やはり噛み合わなさは禁じ得なかった。

笹貫虎徹 > モグモグと食事を食べ始めつつ二人の言葉に頷く。流石に口の中に物がある状態で喋る無作法はしないが。

「…ゴクン。…いやぁ、斎藤センセイも好みとかあるだろうし、やっぱりホラ。教師と生徒というか倫理観というか世間体?の問題もあるんじゃないかなーと。
俺としては、斎藤センセイみたいな人に押し倒されてもそれはそれでいいと思いますけどね」

と、貴婦人な少女ほどではないが、割と柔軟?思考なのかそう述べる。勿論人としての倫理観も承知していはいるが。

「ええ、俺は魔術も異能も使えないんで、授業面はその辺りも考慮して履修は一応してるんで。
むしろ、政治思想史は履修しようかと思ってるんで、今日遭遇できたのは幸いかなぁ、と」

内容が理解出来るかはさて置き、頭は良くないが少年も履修項目は考えてはいるのだ。

ライラ > 「……こやつも、そう言っておるぞ?
 何ぞ問題でもあるかのぅ?
 わらわの頃も家庭教師相手に色々したとの話は聞いておる。
 別におかしいわけじゃなかろう?」

爛れた貴族生活の上に、さらに爛れた吸血鬼。
そこに倫理とかあんまりなかった。

「おぬしには魔術も異能も必要なかろうよ。
 そも常人には無いからこその“魔”術に“異”能じゃ」

斎藤 朱莉 > 「あのなあ笹貫。お前、一歩間違えればそれセクハラだからな?」

そこまで怒っていない様子でクギを刺す。あくまで一応の注意と言ったところ。

「でもまあ、政治思想史を履修するってんなら歓迎だ。アタシの講義は思考力を問う方式だからな。単なる丸暗記じゃなく、自分で考えることが出来る奴には単位をやってる。それを踏まえて頑張れよ」

今度はニカっと笑って。教師と言うよりは姉御と言う感じの笑い方だが。

「あのなあライラ。今の道徳だとやっぱ教師生徒で関係持つのはよくないんだよ。生徒がその気になったとしても、嗜めて抑えてやるのが教師の仕事だ」

笹貫虎徹 > 「あー…成る程…すいません。とはいえ、斎藤センセイは確か結構人気ある筈っすよ?
美人でスタイルも良い。それで生徒思いとも聞いてますし。少なくとも悪い話は聞いた事無いですしね」

セクハラ、と言われて首を傾げたが何となく理解したのか頷いて軽く頭を下げる。
とはいえ、本気で怒られてはいないと気付いてもいるので反省してるかどうかは曖昧だ。

「あー頭悪いなりに頑張ってみます。凡人なりに努力してみる感じで。」

姉御的な笑みに思わず姐さん…!と、言いたくなるがそれは勿論抑えておこう。
そして、ライラと呼ばれた貴婦人の少女の言葉とそれを嗜める女教師の言葉を聞きつつ。

「まー、教師生徒云々を抜きにしても、そもそも俺が斎藤センセイから男として見られるかどうかっていう問題もありますしね。
あーでも、一度デートとかいうのしてみたいっすね。俺、まだ経験した事ないんで」

二人の会話を聞きつつ呑気に口にする。少年も少年で割とマイペースである。

ライラ > 「師弟の間ではよくあったのじゃがのぅ。
 これも時代の移ろいかのぅ……解せぬ」

まったくわからん とばかりに首をかしげている。

「良かったのぅ斉藤先生。人気はあるようじゃぞ。
 後はおぬしが選ぶだけじゃな!!」

なんかお見合いお婆さんと化している気がする。

「ところで、今時分の若い者はデートとやらでどんな事をするんじゃ?
 逢引じゃろう?
 人気のない所で睦みあって子を為すんじゃろうが、どうにも変わっている気がしてならん」

斎藤 朱莉 > 「そ、そうなのか…?そりゃあまあ、うん…嬉しいっちゃ嬉しいけどなあ」

ちょっと明後日の方向を見て頭を軽く掻く朱莉。
あまり、異性として見られることに慣れていないのであった。

「ま、頑張れ頑張れ。そこまで難しくしてねーから」

実際、過去に行った試験は合格者が多かった。そのため、決して難易度は高くないとされているのが政治思想史である。

「男として見るかはともかくとして、まあデートってより学園案内なら出来るけどなあ。まあ、わざわざアタシがする必要ねーだろうけど」

そう言えば、新一年にはそういうのも必要かもな、などと頭の中でぼんやりと考えたりする。

「お前な……デートってのはその前段階だよ。お互いの距離感を縮めていく作業。性交なんてのはそのゴールの先みてーなもんだ」

ライラにはツッコミ。仕方ないのだが、やはり常識面ではかみ合わなかった。

笹貫虎徹 > 「まぁ、こういう話は当人にはあまり耳に入らない事も多いすからねぇ。」

少し照れている様子の斎藤センセイを眺めて小さく笑う。うん、我ながら普通の若者ぽい反応は出来ていると思う。

「了解っす。一応、予習復習とかはちゃんとこれでもするタイプなんで頑張りますよ」

異能や魔術が実技も込みで絡んでこない授業、というのは実は意外と多くないのだ。
彼女の受け持つ講義を自分がどの程度理解出来るかは今後次第だが、予定通り履修はしてみようと決めた。

「んーー……俺は教師を全員知ってる訳じゃないすけど。案内とかデートは斎藤センセイがいいと思いますけど」

特に気負いも無く、真顔でそう述べながらウーロン茶を口に運ぶ。無礼講とはいえ勿論お酒ではない。

「そうそう。デートっていうのは、まぁ一緒に食事したり娯楽を楽しんだりとかそんな感じかな。
一夜を共にするっていうのは、まぁ昔に比べたらその辺りは手順?が出来てるのかなー?と。お互いの相性とか好意云々もありますし」

まぁ、それでも風俗関連は昔から連綿とあり続けているのだから、一概にそうとも言い切れないが。

「だから、ライラさんが言う師弟のアレコレは、今の時代とむしろ稀なんじゃないかなーと」

ライラ > 「忙しなくサイクルを早めていると思うておったが手間もかける。
 貴族ならまだわかるのじゃが……下々までそれか。理解に苦しむのぅ」

現在で500歳くらいであるが、その実は半分くらいは寝てたし そうでなくても引きこもり。
コミュ力こそあるものの、その辺の具合はよくわかっていないのだ。

「そも、家柄も関係なくそういった関係になれるのはなんとも自由じゃな。
 羨ましくも思うが、面倒臭そうじゃ」

そう言って、お酒を飲み干した。
また新しいものを要求している。手酌をするつもりがまったくないのだ。

斎藤 朱莉 > 「まあなあ……生徒からの評価ってあんま耳に入ってこないんだよなあ」

頭ポリポリ。やっぱり恥ずかしそう。

「おう、その気合があればアタシの講義はなんとかなるさ。頑張れよ、笹貫」

がんばる気概を見せる生徒を応援する。のはいいが、やっぱりその後の言葉には顔を赤くする。

「お前、結構恥ずかしい事言うんだな……」

案内やデートは斎藤がいい、と言われてしまうとやっぱり女性として恥ずかしさと言うか、複雑な気持ちにはなる。悪い心地ではないのだが。

「まあ、自由は自由なりの面倒があるってこったな。何事も完全にいいことづくめとはいかないもんだ」

ライラには、苦笑しつつ。理想を追うものの、やはりそううまくいかないというのも熟知しているようで。

笹貫虎徹 > 「まぁ、性的方面は昔と比べると自由度が増した分、それなりのやり取りを挟むのが現代の常識なのかな、と」

性的経験が少ないので偉そうに言えた事でもないが。ウーロン茶をちびちびと飲みながら呟くように。

「ええ、赤点補習にならないようには何とか。」

一応、可も無く不可も無く程度の学力レベルだが予習復習授業内容を怠らなければ付いてはいける…筈だ。

「…ん?いや本心ですし。まぁ、斎藤センセイの気が向いたら案内とかデート希望…もとい予約で一つ」

ゆるり、と右手を挙げてみせる。一応人並みの思考や感情はあるので、そういうのも経験してみたい。
そして、恥ずかしげも無く言ってのける少年も少年だがそこは自覚が薄かった。

「まぁ、昔も今も形は違えど面倒な事は多々あるって事じゃないすかね…。」

二人に比べたらただの人間で、人生経験も浅い小僧が言えたセリフでもないけれど。

ライラ > 「まだまだ研究が必要みたいじゃのぅ。
 人に紛れるのは本当に難儀じゃ」

敵わんとばかりに顔を顰めて、扇で隠す。

「よかったのう、斉藤先生。よくモテておるようじゃ。
 これはそのうちに夫も見つかるじゃろうな。
 笹貫とか言うたな、お主は女殺しの才ならあるやもしれんな。
 その調子で押したら誰か落ちるやもしれんぞ。
 誰にもで、なら嫌われるかもしれんがの」

笑いながらそう答えて、テーブルからやや離れる。

「わらわは、そろそろ深夜の散歩といこうかの。
 今宵は楽しかったぞえ、縁があるならば綺麗な月の夜にまた逢おうぞ」

ご案内:「学園内新年会会場」からライラさんが去りました。
斎藤 朱莉 > 「ったく、からかうなよな……」

ポリポリと頭をかいてライラの言葉にテレ顔になる朱莉。
そして虎徹の言葉には少し考えた後で。

「……そんじゃ、今度案内くらいはするか。アタシとしても、今後の予行演習になるしな」

そう微笑む。ある意味ではデートの約束なのだが、それには気づかない朱莉先生。
そして、くぴっとまた酒を呷ったところで。

「んー……流石にちょっと回ってきたな。アタシも夜風に当たってくるよ。笹貫、講義にくるの楽しみにしてるからな!」

そう言ってその場を後にした。

ご案内:「学園内新年会会場」から斎藤 朱莉さんが去りました。
笹貫虎徹 > 「うーん、からかい無くても斎藤センセイなら直ぐに相手くらい見つかりそうなもんだけどなぁ…」

首を傾げて素朴な疑問を。このセンセイは自分が思っている以上に魅力的で慕われていると思うのだけれど。

「…おぉ、まさかオッケーが来るとは。じゃあそれでお願いしますセンセイ」

軽く頭を下げる。正直了承されるとは思っていなかったが。…一応待ち合わせとかした方がいいのだろうか。
あと、ある意味で校内デート?みたいなものだが、そこはまぁあまり考えない事にしよう。

「ええ、俺もボチボチ帰ります。講義は早めに申請しますんで受理のほうお願いします。
あと、ライラさん俺って別に女殺しじゃないんですけど…えーとまぁ、また会えましたら」

二人それぞれに会釈をして見送れば、皿に残った食べ物を平らげてウーロン茶を飲み干す。

「…うーん、我ながら少しは感情が成長してるのか…な?」

疑問系になってしまったが、自分ではよく分からない。だが小さな楽しみは出来た。
そのまま、他に知り合いの姿や見知った姿も無いので少年も二人から遅れて会場を後にするのであった。

ご案内:「学園内新年会会場」から笹貫虎徹さんが去りました。