2018/08/21 のログ
八百万 頼 >  
大事な大事な恋人が、どこぞの馬の骨に横からかっさらわれるんはイヤやからな。

(自分なりの忠告と言うか助言と言うか。
 そんなところだ。)

最初死んだときは幽霊なったんかと思たわ。
色々無茶やったからなぁ、初めのころは。

うん、蘭ちゃんに泣かれんの、結構きついからな。

(彼女が笑ったのを見て、こちらもいつもの笑みを浮かべる。)

美澄 蘭 > 「頼さんに勝てるような人が現れるとは思えないけど。
…でも、気持ちは受け取っとくわ。ありがとう」

忠告というか、助言というか…いや、もうちょっと相手の「我」を感じる。
その「我」が何となくくすぐったくて、笑った。

「…その状況は…ちょっと、嫌過ぎるわね…」

「最初死んだ時」の話を聞いて、顔全体を強張らせる。
どういう状況に放り込まれてそうなったのか、とても心配になるが聞いてはいけないような、そんな気分になった。

「…私、そんなに泣いて………ああ、泣くまでいった回数は少なくても、泣きそうになったりは割とあるかも…」

「泣かれるのはきつい」という言葉に言い返そうとして、言い返しきれない自分を自覚し、苦笑い。

八百万 頼 >  
ゴロゴロいる、とまでは言わんけど、それなりにはいると思うで。

(彼女は自分のものだ、と言う意図が入っていたことは間違いない。
 それが彼女に伝わってしまったようで、なんだか恥ずかしくなって顔を逸らした。
 「死んだとき」のことはあまり語らない方が良いだろう。
 面白い話でもない。)

回数がそんなでもないだけに、な。
結構ショックやったわ。

(特に自分のせいで泣かせたとなれば、なおさら。)

美澄 蘭 > 「まあ、理論上はそうかもしれないけど。
わざわざ探そうなんて気もしないし…あ、でも「お守り」なんかはあってもいいかもしれないわね。今すぐじゃなくても、この島を離れることになる前に」

いつものスマートな振る舞いとは違ったぎこちなさで顔を逸らす頼に、そういう風に言ってくすくすと笑う。
「お守り」。その言葉の意味を、相手はどのように受け取るだろうか。

「…ショック、かぁ…頼さんも、そういう場面にはそんなに慣れてなかったのね」

言われてみれば、泣いたり泣きそうになった時の「子ども扱い」、随分あたふたしていた気がする。
自分が感じていたほど精神年齢の差は大きくないのだろうかと、今更ながら思案がちにアイスティーをすすった。

八百万 頼 >  
お守り、なぁ。
――虫よけのお守り、とか?

(コーヒーを口に含んで考え。――すぐに答えが出た。
 ちょっと悪戯っぽい笑顔を向ける。)

そら、好きな女の子泣かしてしもたらショックも受けるやろ。

(酷いなぁ、なんて拗ねたような顔。
 色々な人を泣かせては来たが、それとこれとはまた別の話だ。)

美澄 蘭 > 「…まあ、そんな感じ。
私は揺らぐつもりはないけど、面倒は減るでしょ?」

「年相応に、チープなやつでも違うと思うの」なんて、楽しげな、少女らしい笑みを浮かべて。
大人びた行為にほんのり頰を上気させるさまは、やっぱりまだ若々しいというか何というか。

「それはそうだけど…酷いことに「慣れ」たりしててもそれとは別の話なんだなぁって思うと、何か、こう…不思議な感じがするでしょう?

…でも、そうよね。完全に麻痺しちゃってる方が怖いものね。気持ち汲みきれてなくてごめんなさい」

相手に拗ねたような顔をされれば、謝罪の言葉はそれなりに素直に。
ハードな場面やら痛みに慣れているとは言っても、そこには自分が好きになったような人物がいるのだと、改めて感じていた。

八百万 頼 >  
ええで。
蘭ちゃんがええならこの後行こか?

(ならば話は早い方が良い。
 自分は暇なので、彼女の都合が合えばこの足で向かうとしよう。)

慣れてる言うても、やっぱ人泣かすんは嫌やしな。
蘭ちゃんなら、なおさらやで。

(慣れているのと何も感じないのとは違う。
 とは言え彼女に悪気があったわけではないのはわかっている。
 なのでええよ、と笑顔を浮かべて。)

美澄 蘭 > 「あ、この後?
…う、うん…いい、けど。もしかしたら、今日だけじゃ決まらないかも」

まさかの急な話に、きょとんと目を大きく瞬かせた後、おろおろと視線を戸惑わせながらも頷く。
チープなもので良いとは言ったが、大事な「お守り」だ。すごく、迷ったりしそうだ。

「…何ていうのかしら、こう…修羅場じゃないけど、そういう感情の渦巻く場にも、慣れていそうなイメージがあったのよ。異性との接し方も慣れてそうだったし、余計に…。

…「嫌」なのにそういう場に何度も居合わせたり、あるいはそういう場を作るはめになってたりしたら、その方がよっぽどしんどいわね。そんなこと、ないに越したことないのに」

相手の言葉を頭の中で丁寧に咀嚼するように、ゆっくりめに頷いて。
「蘭だから尚更」という言葉にはくすぐったさを覚えもしたが、どう反応して良いか分からず、ほんのり頰を上気させつつもアイスティーをすすって誤魔化したりした。

八百万 頼 >  
せやったら尚更早い方がええやろ?

(にんまりと笑いながらテーブルに手を付いて。
 「お守り」を前に迷う彼女の様子を想像するだけで楽しい。)

そういうんに慣れてるのは間違いやないけどな。
せやけど、裏の奴らも一部のぶっとんどるやつ以外はやりとうてやってるわけでもないんや。
大抵はボクらと変わらん普通の人間やで。

(そういうやり方しか知らなかったり、慣れてしまっていたりするだけだ。
 女の子慣れも間違いではないが、深い関係になったことはない。
 と言うことは黙っておく。)

美澄 蘭 > 「…そう、ね。これから慌ただしくなる一方だし、選べる時間がどれだけあるか分からないし」

コクリ、と、まだ少しぎこちなく頷く。
この学園の卒業のために必要なあれこれやら、次の進路に進むためのあれこれやら…もっと卑近なところでは夏休み中の課題やら。残り半年前後の学園生活は、恐ろしくあっという間に過ぎてしまうだろう。
目の前にいる「大切な人」と、どれだけの時間を重ねられるだろうか。

「普通………そうね、前にもそんなこと言ってたわね。
…その意味では、島の外も中もそんなに変わらないかしら。こっちの方が、幅が広いだけで」

嘗て、母を交えて聞いた話を思い出しながら思案がちに視線を少しだけ落とす。

なお、「年上だし、年頃だし」という考えで、相手の過去の経験を詮索するつもりは蘭にはなかったりする。

八百万 頼 >  
ほな、決まりやな。

(にっこりと。
 さて、どこに行こうか。
 あまり高いものだと遠慮されてしまうし、かと言って本当に安物では「お守り」にならないし。)

どうやろな、意外と外のそっちの方が広いんかもしらんで。

(あまり外に出たことが無いのでわからないが。
 けれど日本はともかく、海外へ行けばここのスラムのようなところは珍しくない、と言うような話は聞いたことがある。)

美澄 蘭 > 「え、ええ」

落ち着かない手つきで、いそいそとそういった店に向かうための準備を始める。
蘭の方は学生の時分であれば「場所」こそが威力を発揮するものだと考えているので、予算は逆方向にシビアだろう。普通の学生であれば有難いくらいだろうが、頼はかえって困ってしまうかもしれない。

「まあ、他のめんどくさい状況っていうか、ヒトの歴史の重みっていうか…色々あるしね。
そういうことも含めて、もっと知りたいと思ってるし…知って、伝えることが出来るようになるために、勉強しに行くんだけど」

改めて、そんな将来への希望を口にする蘭の瞳は、真っ直ぐな光を宿している。

八百万 頼 >  
(彼女が席を立つ用意をしている間に立ち上がって伝票を手に取る。)

――蘭ちゃんは、強いな。

(知れば知るほど嫌になる――と言うことばかりでもないけれど、自分が知ってきたものはそういった類のものだ。
 知らないからこそなのか、それも覚悟の上なのか。
 わからないけれど、まっすぐな目をした彼女のことを、強いと思ったから。

 店の会計はとりあえず自分が払い、彼女が自分の分も出したがれば素直に受け取るだろう。
 そのあと学生向けのジュエリーショップへ向かい「お守り」を選ぶだろう。
 お互いに妥協出来るラインであればシンプルなデザインになるだろうから、それをペアで買って。
 それを自分で彼女の指に通したがったとかなんとか――)

ご案内:「とある喫茶店の個室」から八百万 頼さんが去りました。
美澄 蘭 > 「そう?」

恋人の呟きに、不思議そうに首を傾げる。
知ることで辛い思いをすることもあるだろうけれど、そういう「現実」から逃げることで後悔するのもきっと自分だろうと思っている…後は、生来の知的好奇心だけ。少なくとも本人はそう思っている。

そんなこんなで「お守り」を選んでいた時、少女はどんな顔をしていただろう。
きっと、喜びと緊張と気恥ずかしさの入り混じった、そんな顔を…。

ご案内:「とある喫茶店の個室」から美澄 蘭さんが去りました。