2018/09/26 のログ
ご案内:「どきどき常世ランド」にアガサさんが現れました。
ご案内:「どきどき常世ランド」にルベールさんが現れました。
アガサ > 常世島に存在する完全屋内型の大型プール施設。
その名も『どきどき常世ランド』
物凄く、恐ろしく、チープな名称だと思うのだけど、聞けば何故か施設の名称は毎年変わ──

「……この間来た時は『わくわく常世ランド』だったような……」

前に来た時は屋内調度もハワイアンな雰囲気だった筈だけど、今はハロウィンを意識した様相を呈している。
もしかしたらシーズンごとに切り替わるのかなあ。なんて暢気に考えながら私は2Fにあるベンチに座り、カボチャシェイクをぞろぞろと啜る。
目の前には吹き抜け回廊の如く巡らされた激流プールが景気良く流れていて、間違いなく以前来た場所と同じなのだと確信させてくれていた。

ルベール > ざっばんざっばんざっばん。

その激流プールの中を、鯉が龍になるが如き勢いで遡る姿。
競泳水着と帽子だけは確認できるかもしれない。
力こそパワーと言わんがばかりの叩きつけるようなクロール………車輪のような回転速度はクロールと呼ぶには若干憚られるが。
その泳ぎ方で激流を逆に泳ぐ。

よく見れば、同じ女子寮に住む高身長女子。
同じ一年であるルベールだと分かるだろうか。

「っしゃー。一周ッ!!」

アガサの前でがばりと顔を上げて立ち上がれば、流される前によっと、と飛び跳ねるようにプールから出てくる。
一周したらしい。

アガサ > 前に来た時は友人のアリス君と一緒で、彼女の水着が流されたりとかしたなあ。
なんて、夏休みの思い出を振り返るようにしながらプール内の人々を豪快に押し流す激流を見て瞳を細め……

「うわ」

何か居た。
獣にも鳥にも似ておらず、また魚にも虫にも似ない名状し難き何か。なんて事は無いのだけど、
行動を見たら『なにか』としか言えない。
まさか直瀑にも等しい激流を遡る人なんて、少なくとも私は初めて視た。
監視員の方々もそうらしいのか、横を見たら目を瞬いて少し困惑しているように見えた。

「……いや一周!じゃないと思うなあ!って君は──」

飛び出して来た彼女に見覚えがある。
確か年上の同学年で、曰く異世界から来たとか何とか噂を聞いた事もある。

「……えーと、何してるんですかルベールさん……ですよね?あの、監視員さんも目が点になってますけど」

ベンチから立ち上がって一方的な顔見知りかもしれない相手に声をかける。
外国人モデルのような長身はともすれば威圧感すらあって、少し怖い。

ルベール > 「ふしゅー…っ、流石に、けっこ疲れたわぁ……」

膝に手を当てて、何度か深呼吸。
息継ぎをすればするほど、エネルギーをそちらに使わなければならない。
故に、激流をさかのぼる際には出来る限り無呼吸での活動がモノを言う。
息継ぎを可能なまでに減らして、そのエネルギーを全て注ぎ込んでの活動なのだから、当然と言えば当然の疲れ。

「……ん? ああ、どうだった? 真似できないだろー。」

名前を呼ばれれば、褒められたのだと思い込んでえへん、と胸を張る。
泳ぐのに邪魔だろう大きさの胸が揺れた。

監視員の方を振り向けば、「次レベル上げてって伝えといてー。」などと、訓練場さながらの自由さを見せて。

「……えーっと、あれだ、寮にいたよな。」

んで、と振り向けば、名前は憶えていない様子を見せる。
なんだったかなー、といった所作で頭を掻いて。

アガサ > 荒い深呼吸を繰り返す姿は、草原を駆け抜けた後の駿馬を想起させる。
女性らしさに富んでいるのに、それよりも目立つ鍛えられた体躯がそう思わせるのかな。
なんて見上げながら埒外な思考をしていると、存外気さくな声が振ってきて目を瞬いた。

「真似しようとも思いませんし、レベルとかも無いですよう!
……で、名前を知らないのも無理無いと思います。私も其方、ウロ憶えでしたし。
そうそう寮生の。私アガサって言います。アガサ・アーミテッジ・ナイト。今年の春からの一年生です」

頭を掻く相手を見上げたまま胸を張って物怖じせずに答える。
生憎揺れるものなんてのは無いけれど。

「……で、ルベールさんは何でまたこんな所で逆走みたいな事を?」

ともあれ、何ゆえ訓練施設ではなくこんな所でそんな事をしているんだろう。
と、気になったのでカボチャシェイクを啜りながらお訊ねしてみるのだった。

ルベール > 「ふぅん、アガサ、アガサね。さん付けとかいいよ、私も一年だしさ。
ルベールってだけ覚えてくれればいいさ。」

アガサに対して汗を拭いながら応えた上で、相手の疑問に首をかしげる。

「んー、んー?? なんで、って………
なんでだったっけ?」

はて、と首をひねって、ひねって。

「……楽しいから?」

あたまのとてもわるそうな答えが返ってきた。

「いやだってほら、運動ってさ、強度ってのがあるじゃない。
普通に散歩でもいい運動になる人もいるしさ。
私がいい運動しよう、と思ったらこうなるっていうか、ただ流されてるだけがつまんないっていうか。
ほら、かっこいいじゃない、流されない生き方って。」

物理的。

アガサ > 「あれ、何か私の名前に思う所でも──と、それはそれは話が早いなあ。
それじゃあ遠慮なく、改めて宜しくね。ルベール君!」

どうもルベールさんは余り拘らない御様子。
そうなれば私としては気安いもので、あっさりと相好をがたがたに崩して笑顔を見せて、
ついでに背中の一つもぱしんと叩いて改めてのご挨拶となるのでした。

「……で、楽しいから。いやまあ、そりゃあ此処はプール施設だし楽しいのは大事だし
仰る事も御尤もだけど……」

けれども笑顔は直ぐに苦笑いへ。だってこの人考え方が物理的過ぎるんだもの。
もしかしたら水面を沈む前に歩く。とかやったりしているのかもしれない。

「……ところで、そういう事を言うってなるとやっぱり運動系の部活とかやっているのかい?
ほら、体格も立派だし、見るからに鍛えてそうだし」

勝手なルベール君予想は兎も角とし、彼女の見た目は彼女の言う通りに格好いい。
周囲の男の人達がそれとなく目線を飛ばしているのが私にもよく判るくらいで、
そうなると言もあって何かスポーツ系でもやっているのか、はたまた噂通りに異世界からの来訪者なのか。
なんてことも気になって、シェイクの容器をマイクのようにしながら訊ねてみるんだ。

ルベール > 「んにゃ、名前覚えるの苦手なだけ。しばらく間違えるかもだけど勘弁ね。
おう、よろしくな!」

なんて、背中を叩こうとして……頭をぽんぽんと撫でる。
力が強い自覚はあるらしい。

「最初はさ、流されないようにその場に踏みとどまる、ってやってたんだけど、それは簡単だったからさ。
逆に流れに沿って泳いだら、壁に激突するのがオチだし。
全力を出せるってわけさ。

……んー? ああ、部活? いろんなの試してはいるけど、まだ今一歩決め切れてないかなあ。
バスケ、サッカー、ソフトボールに陸上………。」

ひーふーみー、と指を折って数える。
球技や単独競技が多いのは、何となくわかるだろうか。
ついでに、シェイクの容器を向けられれば、はむ、と咥えてちゅーっと少し貰っておく。

アガサ > 「となるとルベール君は歴史の授業とか苦手だね?
ふふん、休み明けのテストは大丈夫だったのかな!」

宙を泳ぐルベール君の手が私の頭。頭頂部で丸められたお団子髪に着地して揺らしていく中で鼻を鳴らす。
ちなみに私は中の上。可も無く不可も無くって成績だ。

「運動系は心配なさそうな感じだね。うわあ色々やってるなあ……球技が好きかい?
私はそっち系はあんまり──って飲んでどうするんだい。飲んで。
喉が渇いてるなら休憩がてらお店でも行く?それともー……全力を出すとかとは違うけど、ウォータースライダーとか行く?」

マイクのつもりで差し出したけど通じなかったらしい。間接キスとやらになってしまったけれど、
同性だし別にいいやと軽めにツッコミを入れるに留め、ずるずるとシェイクを飲みつつ幾つかの提案をした。
ウォータースライダーは小さなボートのようなものに乗って滑り落ちる、ちょっとしたジェットコースター風味な奴だ。
波のプールの奥にあって、此処からでもその全体像は良く見える。宛ら、巨大な蛇にも見えるかも。

ルベール > 「あ、どっちにしろ覚えられないからとってないんだよな。
でもなー、どっかで取らないといけないんだよなー。
基礎知識テストで2点しか取れなかったからなー。」

ぐぬぬ、と溜息をつきながら腕を組む。むー、と悩みながら、組んだ腕の上に胸を載せて。

「……んー、いや、直接ぶつかる競技だと怪我させるからさ。
 球技なら、まあ、それでもぶつかるけどそれが目的でもないし。

 まあ、休憩はもうちょっと後でもいいかな。
 あれいいな、逆から入って一番上までかけあがるとかやろうぜ。」

凄まじい迷惑行為を提案しながら、ウォータースライダーにずるずると引きずっていこうとする。
目をきらきらと輝かせてのパワー発揮。

アガサ > 「おや、そうなんだ。でも基礎知識である程度は履修しないと……
いやその点数は不味いんじゃないかなあ。それ呼び出し来るんじゃないかなあ」

溜息を吐く所作も何と言うかサマになっている。
それに対し溜息を吐く私もある意味判り易く落胆しているのだから、多分サマになっている。

「格闘技系だとそりゃあ怪我は付き物だろう。怪我をさせるーなんて随分自信があるようだけど、
そういう油断って危な──いやちょっとそれこそ危ないというか、逆走は監視員さんに怒られると思うよぉ!?」

会話の端々から窺える自信に満ちた様子は個人的には好ましく、何処か親しみ易い。
だからそれこそ油断をしたのかもしれず、気がついた時には腕を捕まれ引き摺られる私の姿があったんだ。
かくして私達は吹き抜け回廊から1Fに降り、通路を歩いてウォータースライダーの元へと向かう。

「とりあえず逆から入るとかするとね。他のお客さんと衝突するからね?
だからほら、ちゃんと普通に遊ぼうよ」

ウォータースライダーの受け口たる四角いプールを指差しながら一応の説得というか説明を試みる。
差す先ではスライダーから滑り落ちてきた人がプールに着地している所だ。

「あの浮き輪みたいなのに乗ってコースを下るんだよ。結構面白そうだろう?
一人乗りと二人乗りがあるけどどっちにしようかな!」

間違ってもルベール君が逆走しないように、今度は此方が彼女の腕を掴み
スタート地点へと続く階段へと引っ張っていこう。
抵抗されたら、そりゃあ敵わないのは明白だけども意思は大事さ。

ルベール > 「いやほんと、呼び出し来るんだよねぇ。」

はっはっは、と大笑いしながらも、特に気にした様子も見せず。
風邪ひいたことにしたわー、とあっさりと大きな声で言う。

「……あー、いや、させるからさ。
自信があるっていうか、確信に近いもんがある。
そりゃ上もいるだろうけど、……大方の奴が消し飛ぶぞ。」

拳を握りながら、ふふん、と笑う。
実際、暴れたくなる時だってあるくらい……だけど、まあ、そこは上手くスポーツに昇華できている。

「……あー、そっか、上から他の子が降ってくるのか。
それぶっとばしてもいいんだけどー、なー。 わかったわかった。後ろからついていくから。」

腕を引かれながら、ふーん、とその説明を聞いて。

「んじゃあ、二人乗りにのって、私の前に座れよ。
できるだけ早く滑り降りればいいんだろ?」

なんて、腕を掴み返してわくわくうきうきと階段をのぼりはじめようか。

アガサ > 「……君、絶対風邪とか引かなさそうだよね」

豪快に笑うルベール君の腕を引きながらの小声。
聞かれたかどうかは不明とする。

「消し飛ぶって……物騒だなあ。
……噂でルベール君、きみって異世界人だって聞いたんだけど
もしかして戦ったりが日常だったりしたのかな?」

得意気にする顔を見て、気になっていた事をそれとなく訊ねていると
なにやら物騒な事を言い始めている事にも気付く。
聞かなかった事にしておこうと、思った。

「二人乗りだね。うん、体格的に私が前のが良さそう……
って違うからね?速度を競うものじゃないからね?」

ルベール君は何か勘違いをしている気がする。
私の腕を力強く掴み返すのが、なんとなく証拠っぽい気がして口端が引き攣るけれどもう遅い。
私達は階段を上りきって、ウォータースライダーのスタート地点まで来てしまったのだから。

「ええと……二人乗り用ので。はい……はい、大丈夫。ルベール君、お酒とか飲んでないよね?」

係員に二人乗り用の浮き輪ボートを申請し、幾つかの注意事項を聞いて傍らに確認をし
それらが滞りなく行ったなら、ボートに座ってスタートを待つばかり。

ルベール > 「あん? そうだな、風邪はひいたことないなー」

耳もよかった。その上で意図したことは分からず、うーん、と考え込んで。
病気は経験がほとんどないな。なんて。

「あ、そうだぞ。剣とか魔法とか戦争とかそんな感じ。私、そのど真ん中にいたからさ。
いやー、ここは平和だねぇ。」

んー、っと背伸びをしながら、平和を満喫している様子。
刺激が足りないとか故郷が恋しいとか、そんな素振りは一切ない、自由な背伸びだった。


「……大丈夫大丈夫、酒なんて飲んでないしさ。
誰よりも早く下まで降りるから任せときなって。」

あっはっは、と笑いながら、これで素面なのが逆に怖いくらいに大笑いして、よいしょ、っとボートに座って。
………手で漕げるな、なんてぼそりと呟く声が聞こえたかもしれない。

アガサ > 「わあ健康体。そういう世界だとやっぱり頑強じゃないとダメなんだね」

幸いにして意図した事は伝わらなかったので、噂の真実に繋げて話題を平和的に着陸させる。
ボートに乗り込む際に、少し不躾にじろじろとルベール君の身体を見るけれど、所謂『人間』にしか見えない。
異世界人といっても色々あるんだなあと、しみじみ考えながら後ろに乗り込んで来た彼女に凭れるように背を預けようじゃないか。

「……今、すっっごく平和じゃない事を言われた気がするなあ!
降りる速度を競うものじゃないからね?違うからね?フリじゃないぞ!」

預けたら、耳朶に染み入る、嫌な声。
何だか幾つかの不穏な言葉が聴こえた気がして、振り向こうとした所で無慈悲に響く係員からのスタート合図。
ゆっくりとボートを押されて私達は大蛇にも似たコースへと──

アガサ > 【一時セーブと言う形で中断】
ご案内:「どきどき常世ランド」からアガサさんが去りました。
ご案内:「どきどき常世ランド」からルベールさんが去りました。