2015/06/15 のログ
ご案内:「魔術学部棟・第三研究室」に獅南蒼二さんが現れました。
■獅南蒼二 > いつものように、研究室の扉は固く閉じられている。
塗装のはがれた、無機質な金属の扉がそこにあった。
「………………。」
扉の向こう側は、廊下からは伺い知ることはできない。
魔術学を応用しての盗聴や透視には十分な対策が施されていた。
中で行われている出来事や、話されている内容を知るには、それに特化した異能が必要となるだろう。
尤も、彼の噂を知った上でこの場所をうろつく異能者など、居るはずもないのだが。
ご案内:「魔術学部棟・第三研究室」にクローデットさんが現れました。
■クローデット > 「………随分、無骨ですこと」
羽根扇子で隠した口元で、そんな事を呟く。
…しかし、その羽根扇子を畳むと、そこにあったのは気品漂う微笑で。
コツ、コツ。
華奢な手が、自然なノックの音を奏でた。
■獅南蒼二 > ノックの音は響くこともない。
扉は中空の構造ではなく、文字通りの鉄板なのだろう。
音が向こうに届いているかどうかすら、不安になるだろうが…
「……入れ。」
届くはずの無い声が、クローデットには聞こえるだろう。
■クローデット > 「………」
届くはずの無い声がはっきりと聞こえれば、その笑みを深める。
「失礼致します」
そして、その重厚な金属の扉を、少し力を入れて押し開いた。
■獅南蒼二 > 入ってきた生徒の顔を見れば、僅かに目を細めた。
研究室の中は思ったよりも整頓されており、左右の壁に山ほどの本が並んでいる以外は、普通の部屋だ。
この男もデスクに座ってキーボードを前にしながら、煙草を吹かしている。
「…用件は何だ?」
真っ直ぐにクローデットを見つめ、そうとだけ、事も無げに問う。
それと同時に、指先をくるりと回せば…クローデットが押し開けた扉が閉じて、自然にロックをかけた。
■クローデット > 「お初にお目にかかりますわ。
この度フランスの魔術研究機関より編入致しました、クローデット・ルナンと申します」
そう言って、恭しい礼を取る。
「…あたくし、魔術の研鑽のために編入して参りましたので…
図書館の禁書庫の閲覧許可は、魔術学教員に取る規則がありますから、その許可を頂ければと思って参りましたの。
………構いませんか?」
礼をとった姿勢のまま、獅南の表情を伺う。
■獅南蒼二 > 「それはそれは、勉強熱心なことだな。」
肩を竦めて、苦笑を浮かべる…しかし、瞳は真っ直ぐに、クローテッドを見つめたまま。
僅かに目を細めてから、煙草を灰皿に押し付けて、火を消した。
「さて、見知らぬ女生徒が禁書で何をしでかすのか…
…使用目的と期限を明確に…それから、お前が禁書を扱うに値する人物だと、見せてもらわねばなぁ?」
獅南の表情は、明らかに、笑っていた。