2015/06/19 のログ
■アリストロメリア > (タロットの起源だが――……
良く分かっておらず、謎に包まれている
エジプト発祥説だとか(これは現代では否定されているが、18世紀あたりでは大流行し、主力の説の一つであった)
トランプが先か?タロットが先か?等という話もあれば
中国発祥だとか、何処から来たんだお前と言いたくなる説もあり
15世紀の北イタリアで製作された――……なんてお話もあるが正確な所は正直不明である)
(が、現存する最古のタロットの一つとして
『ヴィスコンティ・スフォルツァ版』と呼ばれるものがある
ヴィスコンティ・スコルツァ版タロットは、15世紀後半にフランチェスコ・スコルツァが画家に書かせ
様々な博物館や図書館、世界中の個人コレクションに散らばる約15デッキのタロットの総称である
全てが残っている訳ではなく悪魔、塔が欠落しており始めから無かったのかどうかは不明であるし
もしかしたら他の絵柄が描かれていた可能性も否めない)
■アリストロメリア > (と、いうのもヴィスコンティ版タロットの一つである
キャリー・イェール版において
通常の大アルカナとは違い『愛徳』『信徳』『望徳』等、今現在流通しているものとは違う札が見受けられる
また、愛徳が女教皇、信徳が法王、望徳が星に当たる)
■アリストロメリア > (そしてこの三つは『三対神徳』といわれ
キリスト教において神との存在と向き合う為に人間として求められる徳として提唱されるものであり
とても興味深い
最も、いつ頃にその札が現代における女教皇、法王、星へと変化したのは定かではないが)
■アリストロメリア > (――……とりあえず、カードの歴史と成り立ちは
この程度が分かっていれば、この辺は問題ないだろう
最も、そんなにこの辺りも出ない気もするし)
■アリストロメリア > 軽くタロットの成り立ちの歴史を復習しましたし
今日はカードを引いて明日の運勢を調べてから帰りましょうかしらね
(――……と言えば、鞄からデッキを取り出して明日の運勢というより既に今日だが……
の運勢を調べてみる)
■アリストロメリア > (The Sun逆位置)
明日は天気も悪そうですが……タイミング自体も悪そうですわね
上手くいかずやる事が空回りしそうですし
相手に尊大な態度に思われがちになりそうですわ……
こういう時は無理せず大人しく、やり過ごした方が良さそうですわね
ご機嫌も宜しくないかもしれませんし
明日はゆっくりと休むか、息抜きや気分転換になる事を行って
あまり何か重要な事は避けた方が無難ですわ
■アリストロメリア > ――……こんな感じですわね
ではそろそろ帰りましょうか
(鞄にカードをしまえば、帰宅していった)
ご案内:「第二図書館」からアリストロメリアさんが去りました。
ご案内:「《サイバーアレクサンドリア大図書館》 第六六階層」に《銀の鍵》さんが現れました。
■《銀の鍵》 > ――深き世界へと降りていく。
――電子の記号で構成された世界の深い所へと降りていく。
《サイバーアレクサンドリア大図書館》、学園内の情報の一部が眠る場所。
その深淵へと《銀の鍵》は降りていく。
自らの異能と技術で電子の結界を次々と突破し、危険な《氷》※をも打ち砕いて
降りていく。
落下するかの如く、黒きサイバースーツに身を包んだ《銀の鍵》は降りていく。
そのスーツにいくつものプログラムを仕込んで。
ステルスプログラムによって身を隠して。
降りていく。
※Intrusion Countermeasure Electronics 通称《氷》(アイス)。侵入対抗電子機器の略称。ここでは攻撃性のあるセキュリティシステムである。
■《銀の鍵》 > 第六六階層。
学園内で起こった事件の情報が集まる一領域。
ネットワーク関係の事件にまつわるデータが保管されている場所だ。
「――開錠」
《銀の鍵》はそこへと降り立った。その手に握った《銀の鍵》によって閉ざされた門を開いて。
目の前に広がるのは闇。深き闇だった。
格子状に広がる世界すらそこにはない。
真なる闇が広がっていた。
《銀の鍵》のサイバースーツの淡い光のみがそこを照らしていた。
「……第六六階層。ここに間違いない。
この中に、師匠の情報があるはずだ」
ステルスプログラムを展開している。今はまだ侵入には気づかれていないはずだ。
破壊した《氷》に関しては、偽装プログラムを仕掛けておいた。
やがて気づかれるには違いないが、時間稼ぎになる。
■《銀の鍵》 > そこには何もない。何の情報もあるようには見えない。
電子の世界の図書館。一応は仮想現実として再現された世界のはずだ。
だがそこには何もなかった。
第六六階層には闇が広がるのみだ。
「……なるほど。こういうセキュリティか。
だが、そんなもので俺は欺けない。
――行くぞ。今日こそ、何としても師匠の居場所を突き止めてやる」
《銀の鍵》が両手を広げる。
鈍い電子音のようなものがあたりに響き始めた。
彼の前に突如無数のモニターのようなものが出現した。
それが彼の目の前に、整然と並び始める。
「クラッキング――開始だ!」
すると、一斉にプログラムが起動しはじめる。《銀の鍵》が準備してきた数多のプログラムだ。
それはこの領域全体を移動し、探り、改竄していく。蝕んでいく。
隠された部屋の真実を暴かんがために動き始めていく。
イメージは重要ではないものの、それは翼の生えた顔のないものだった。
《夜鬼》と呼ばれたプログラムが、この領域全体を侵していく。
《銀の鍵》はそれと同時に、自分の目の前に出現したいくつものウィンドウを叩き始めた。
凄まじいスピードでこの領域に展開されたステルスセキュリティにクラッキングをかけているのだ。
師匠から教わったハッキングの数々。電子の世界で生き残っていく術。
それらを駆使して、彼はこの領域の闇を暴いていく。
「……いける。問題ない。このままだ……!」
次第に、目の前の世界が歪み始める。
いくつものも文字列が現れては破壊されていく。
幾何学的な模様がこの部屋一体に広がっていき、淡く、赤く、輝き始める。
■《銀の鍵》 > 不可視の防壁が崩れていく。この領域全体を覆っていた闇が解かれていく。
バラバラと、ガラスがはじけるように崩れ去っていく。
現れたのは、赤い世界。
赤い線、赤い格子状の線で彩られた世界が明らかになっていく。
「――随分とあっけないな」
崩れていくステルスのセキュリティを見ながら《銀の鍵》は言った。
自身の放った《夜鬼》、自身の行ったクラッキング。それによって、この部屋の隠された姿が明らかになっていく。
《大電脳図書館》第六六階層。
通称――セラエノ。
いくつもの赤黒いブロックが積み上げられたようなイメージ。
いくつもの情報が石版のように折り重なったようなイメージ。
この学園都市で記録された事件。
この学園都市で封印された事件。
それが集まる場所であり、そして――
「――ッ!?」
反転。
脳髄を揺り動かす、吐き気を催すようなアラームが鳴り響きはじめ、《銀の鍵》はすぐさま脳髄へのダメージを軽減するための防御プログラムを展開する。
何かが来ようとしていた。
アラームが鳴り響き、赤い光が部屋に満ちていく。
いくつもの情報が記録されたと思われる石版状のデータパネルには理解不能の文字列が表記されていく。
何かが来ようとしていた。
「……簡単すぎるとは、思ったが……!」
■《銀の鍵》 > 禁忌の知識が眠る場所。
人が知るべきではない知識の眠る場所。
だが、彼はそんなことは知らない。知るはずもなかった。
瞳があった。
燃えるような瞳だ。
電子で構成されたそれが突如《銀の鍵》の前に現れた。
そして、その周囲を取り巻くように、歪んだ五芒星が描写されていく。
「何だ、これは……!!」
《銀の鍵》は身構える。異様な気配があった。
普通の《氷》ではない。
明らかに《銀の鍵》の経験したことのない何かの気配だ。
そして、五芒星がはじけ飛んだ。
封印を解かれたかのように、五芒星に取り囲まれていた瞳が燃え上がっていく。
鍵を解いたのだ。
《銀の鍵》は。
■《銀の鍵》 > 『――――――!!!』
何かの声にならない声があがった。
空間を引き裂くようにな叫びがあった。
電子で構成された恐怖。
電子で構成された怪異。
電子の空間を引き裂いて、燃え立つ瞳の中からそれが現れる。
「く、ううぅっ……!」
電子で構成された仮面越しに、思わず《銀の鍵》は口を押えた。
吐き気を催した。
それの叫びは脳髄にしみこんでくる。
それの姿は脳髄を侵してくる。
「なんなんだ、これはッ……!!」
《銀の鍵》はそれを正確に認識できなかった。
脳髄を守るための防御プログラムによって、目の前のものの真の姿は隠されていたからだ。
かろうじてわかるのは、黄色い衣服をまとった何か。冒涜的にもそれは人に近い姿をしていた。
服の中から毀れる無数の触手。電子で構成されていながら、有機物のような姿。
名状し難い叫びを持って、それは顕現した。
■《銀の鍵》 > 『The King in Yellow』
《銀の鍵》の視界に、歪んだそのような文字が見える。
「な、んだ、これ……!」
《銀の鍵》は立っていられない。
根源的な恐怖があった。
嗚咽。震え。後ずさり。
人では敵わないなにか。
それがそこにいた。
「クッ……! 駄目だ、これはヤバイ!」
必死で防御プログラムを起動し、自分の脳髄を守る。
このままでは完全に電脳死する。