2015/07/19 のログ
ご案内:「落第街 地下 とても暗い部屋」に雨宮 雫さんが現れました。
ご案内:「落第街 地下 とても暗い部屋」に佐伯貴子さんが現れました。
■雨宮 雫 > ここに、佐伯を監禁して三日目。
佐伯の交友関係については不明だが、姿を見ないという点で気にする人間が出てきてもいい頃合だろう。
足取りを調べれば最後の目撃地点は落第街になるだろう。
まぁ、先にもっと名前の知れた組織や委員会、クラブが調査対象になるだろうけど。
と、診察台に座らせた佐伯の姿に時折、視線をやりつつ、長机の上の器具を片付けていた。
「佐伯。
佐伯の異能を使って欲しいのだけど、ボクに。」
■佐伯貴子 > (風紀委員会本部では事務仕事がたまっているだろうか)
(3,4日では気づかれるおそれもないだろう)
はい。
しかし、ランクがあります。
ランクが上がれば能力も当然増しますが、死に至る危険もあります。
廃人になる場合もあります。
どの程度の強化をお望みでしょうか。
(喜びに満ち溢れた瞳で相手に応える)
■雨宮 雫 > 「どう指定すればいいのかな、永続の方でやって欲しいのだけども。
廃人はちょっと困るから加減はして欲しいけど……佐伯の方で調節できるのなら、今より二~三倍のレベルに、とかかな、かな?」
長机の下に無造作に置いてあったビニール袋から、拉致した時の佐伯の服を取り出しつつ、軽く、フードの奥で首を傾げた。
■佐伯貴子 > ランクは7まで定義されておりまして、2,3倍ですとランク3になります。
ランク5までは高い安全性が実験結果で証明されています。
ランク5の場合は、個人差がありますが5倍程度の体感になるようです。
…個人差が大きいので、およその数字しか言えないのですが…
(申し訳無さそうにいう)
(他にもデメリットや代償がなくなったり、色々な表れ方をする)
(制服を取り出されて改めて自分が何も身につけていないことを確認した)
■雨宮 雫 > 「成る程ね、じゃあランク5でお願いしようかな、かな。
そんな顔しなくてもいいのだよ、佐伯は何も悪くないのだからね?
ボクは、このままで大丈夫かな、かな?」
佐伯の傍へと近寄りつつ……自分は今、顔も見せていないが、大丈夫か?と。
■佐伯貴子 > 畏まりました。
永久強化ランク5ですね。
終了しました。
(微笑む)
(予備動作などは不要であるから)
(その気になれば死に至る強化を何度でも重ねがけすることも出来る)
(それが自分の異能である)
他に何かできることはございませんか?
■雨宮 雫 > 「ん、じゃあ。
ボクが強化して貰ってる間に服を着て ぁれ、もう終わり?」
思わず、自分を見下ろしてみるが、特に何も変化はない……何も自覚も無い。
袖から真っ白な手を出し、自分の体をペタペタと触って見てもやはり……変化は無い、よな。
■佐伯貴子 > 発現には個人差があります。
すぐに発現する方もいらっしゃいますし、そうでない方も。
永久強化は相手によるので不安定なのです。
(あるいは気づいていないだけでもう発現しているかもしれない)
(新たな異能が発現すれば気づくのにも時間がかかるだろう)
私は服を着ればいいのですか?
■雨宮 雫 > 「成る程ね、じゃあボクのもそのうち……―――
―――うん、服を着て。その格好は、ボクはいいけど外ではマズイからね?
ん?」
パっと気付けるようなものなら良かったのだが。
まあコレは検証を自分ですればいいのであり と、軽く眼のあたりが痛んだ気がして言葉に詰まる。
■佐伯貴子 > わかりました。
(下着をつけはじめたその時、相手の異変に気がつく)
どうかされましたか!?
(駆け寄り、相手の様子をうかがう)
(低確率とはいえ、何らかの異常をきたすこともありえる)
■雨宮 雫 > 「ん いや、平気だから。
ちょっと疲れただけなんだと思うからね。
問題ない、問題ないのだね―――― ふふ、早く服を着るのだね?」
駆け寄ってくるのを手で制する。
近づいたら、反対の手で顔を押さえているその隙間で緑色の目が強く輝いているのが見えただろう。
■佐伯貴子 > なら、いいのですが…
(心配そうに相手のそばから離れると、手早く制服を身につける)
(洗脳されていても毎日行っている動作は染み付いているようだ)
(緑色の目が異能なのだろうか?などと思いつつ)
終わりました。
(姿勢を正して次の言葉を待つ)
■雨宮 雫 > 「うん、うん。
佐伯は心配性だね、でももう平気だね、だね。
佐伯はその制服が良く似合うのだね、うん。」
ローブのフードを深く被り直し、長机の蝋燭を手に取る。
ふ っと芯に息を吹きかけて火をつける。
「じゃあ、佐伯。
診察台に座って、この火を見て。
よーく、見て。」
■佐伯貴子 > あ、ありがとうございます。
(こんなことをしておいてこの制服が似合うとは、よほど肝が座っているのか)
(などと、普段なら考えたかもしれない)
わかりました。
(言われたとおりに座り、炎を見つめる)
(既に意識は半分催眠状態のようなものだ)
(暗示などにかかるのも早いだろう)
■雨宮 雫 > 「ふー…… さて。
じゃあ佐伯、佐伯は船とか乗った経験はあるかな、かな?
ちょっと思い出そう、思い浮かべよう。」
このままでは外へ出せない。
記憶を、変えてしまおう。外の、島の外のナニカに攫われたのだと。
■佐伯貴子 > 常世島に来た時…定期便のフェリーで…来ました…
(その時は希望に満ち溢れていたことを覚えている)
(多少の自由が許されていたとはいえ、真っ白い壁に囲まれた実験施設からの脱出)
(そして本当の自由)
(船酔いはしなかった)
(ただ未来が明るかった)
■雨宮 雫 > 「そうかぁ、じゃあその感覚を思い出そうか。
船の揺れてる感覚を、よぉーく思い出して。ココじゃなくて、船の中に居るような感覚になろうか。
波の音、少し揺れる部屋、窓が無いは船倉だからかな?
暗いのもきっとそうだね――――」
蝋燭の火が不規則に揺れ、催眠を深く深く、誘導していく。
部屋の環境を違うものにと結びつけて、記憶を捻じ曲げるのだ。
■佐伯貴子 > はい…船の揺れる感覚…
暗い…船倉の中…
(次第に、あの時の揺れの感覚が戻ってくる)
(ここは船の中だ)
(船の中に閉じ込められたのだ)
(いつ、誰にだろう)
(何をされたのだろう)
■雨宮 雫 > 「船に入れられる時に顔はチラッとみたかな?
佐伯は外国人の顔、見分けつくかな?
青い眼に浅黒い肌、日本人じゃないね、きっと、島の外から来て生徒を攫おうとしたのだね―――身体検査をされて、帰れないと言われて、ここに、押し込まれて。」
耳元で、英語で、ドイツ語で、短い文章を囁く。
外国人に結び付けやすいように短い単語や、文章を刷り込んでいく。
■佐伯貴子 > 外国人は…常世島に来るまでは…あまり縁が…
(しかし、もう知識や体験として日本人以外との接触の経験はある)
(外国語の授業も受けている)
(言葉のあまりわからない国の人間の船に載せられたのだ)
(自分は誘拐されたのだ)
■雨宮 雫 > 「映画に出てくる外国人は、脇役は余り見分けつかないかな?
そのせいだろうね、余り細かく思い出せないけど、日本人じゃなかったのだけは思い出せそうだね、佐伯。」
まずは、自分に結びつかないこと、つかせないことが大事。
何せ誘拐に人体解剖までしているのだから、露見はさせられない。
「意識がグラグラするのは船が凄く揺れたせいなのかな?
でも、お陰でドアが少し、開いたみたい―――外に出れるかも、しれないね。
外へ、出たいよね?」
パチン、と指を鳴らすと佐伯の座る診察台の前から正面の壁に向けて、床に薄い光のラインが引かれる。
「さ、立って。帰らなきゃ、いけないよね?」
■佐伯貴子 > 細かくは思い出せない…
船酔い…なのかも知れない…
外に…
(誘拐されたのなら外に出なければ)
(遠泳にも挑戦した、本土と常世島の間なら…運が良ければどちらかにたどり着けるだろう)
(立ち上がる)
逃げないと…
帰らないと…
(心配させてしまう)
(自分が危険なのは構わない)
(友人が悲しむのは嫌だ――!)
■雨宮 雫 > 「じゃあ、歩いて、見つかるといけないからゆっくり静かに歩こう。
頭の中に帰って会いたい人の顔を思い浮かべて、それだけで一杯にして、足を動かして。」
そう広い部屋ではない。
すぐに壁端に辿りつくだろう、真っ黒い、壁が見えるだろう。
「外は夜かな?
真っ黒い、海が見えるよね?
そうしたら、後は逃げるだけだね―――佐伯は、どこに帰りたい?」
■佐伯貴子 > 静かに…歩く…
レイチェル…四十万…エルピス…園刃…
それに…霜月…鈴成…
(心配をかけてはいけない人物が他にも次々浮かんでくる)
(自分は大丈夫だ!)
(壁の前に立った)
女子寮に…風紀委員会に…どこでも…
あの島に帰りたい…
■雨宮 雫 > 「そうそう…… 島には、ボクも居るからね。
すぐにまた、会えるよ――― じゃあ、飛び込んで。
そこできっと、気絶しちゃったんだね。
佐伯は 暗い水の中できっと でも、大丈夫だからね。
おやすみ?」
おやすみ、に合わせて ふっと蝋燭の火を吹き消す。
■佐伯貴子 > (飛び込まなくては)
(逃げるためには飛び込まなくては)
(海に飛び込もう)
(そして――)
(火が消えると同時に意識を失い、床に横になった)
■雨宮 雫 > 「―――うん。
じゃあ、後は運ばないとね。
一回、下水道から外に回って―――海岸に。」
目が覚めたら、浜辺に居るだろう。
無事に、帰りつけたのだと安心するといい。
ひゅー と細く長い口笛を吹くと、天井に、一斉に緑色の光が灯る。
佐伯を運んできた蟲がびっしりと天井に張り付いていた。
ザワザワ キチ、キチチ と壁を伝って降りてきて、佐伯を運んでくれるだろう。
「じゃあ 無事に外に出れそうだね、佐伯。」
両手を打ち合わせて、印を組み、壁を抜けて部屋の外へと。
本当は、このまま攫ってしまいたかったのが残念だ。
■佐伯貴子 > (来た時のように蟲に運ばれていく)
(帰らなければ)
(安心させなければ)
(そんな思いを抱きながら――)
ご案内:「落第街 地下 とても暗い部屋」から雨宮 雫さんが去りました。
ご案内:「落第街 地下 とても暗い部屋」から佐伯貴子さんが去りました。
ご案内:「夜の浜辺」に霜月 零さんが現れました。
ご案内:「夜の浜辺」に雪城 氷架さんが現れました。
■霜月 零 > 夜。
雪城氷架を電話で呼び出し、二人で人気のない浜辺に来ていた。
用事等はあるが、今回の目的はそうではなく……デート、である。
「んー、静かでいいなあ」
少し伸びをして軽い調子で……努めて軽い調子で話しかけてみる。
■雪城 氷架 > 「そうだな、さすがにこの時間になると涼しいし」
夜の浜風に長い長いツインテールを揺らしながらそう応える
静かな波打ち際の音が聞こえる
古い言い方をすればロマンティックというヤツである
「最近電話しか話してなかったもんな、ようやく夏休みに入るところだし…まぁ私は部活とかもあるけど。
零は夏休みは何か予定とかあるのか?」
たなびく髪を少し手で抑えながらそんなことを聞いてみる
■霜月 零 > 「俺は別に、かな。強いて言えば、ちょっとくらい帰ってこいって言われてるくらいだ」
小さく笑って言う。
……が、内心はドキドキしてたまらない。白い肌、白いツインテール。それが暗い夜と、その奥に広がる海に非常に映える。
本当にしばらくぶりに会って、その姿を見て……この組み合わせは、反則だ。
顔が赤くならないように、でもやっぱりちょっと赤くなりつつも言葉を紡ぐ。
「そう言えば氷架は軽音部だっけか。ライブとかやんのか?」
夏休み。練習期間でありながら、本番の期間でもある。
コンクールやコンサートがあるかは分からないが、ライブくらいはやるのかなと気になった。
■雪城 氷架 > 「はは、そりゃ親がいるなら子供の顔くらい見たいだろうな。
数日だけでも帰ってやったらどうだ?」
お盆の季節もやってくる、地元にはきっと縁日もあるだろう
家族と過ごす時間というのは大事なものだ
「んー、学園祭に向けて一応練習はするし、合宿の予定もあるよ。
どうなるかは仕上がり次第になるとは思うけど───ん、零、どうした?顔赤くない?」
じぃ、と背伸びしてその顔を覗きこんでみる
どうした?と言いつつまぁ自分のことを何か意識したんだろうということはわかっているのだけど
■霜月 零 > 「ま、芙蓉と一緒にちょっとくらい帰るさ。つーか、元々は夏は殆ど帰ってる予定だったんだけどなあ」
父親直々に稽古を見て貰えるし、関係のある寺社仏閣における祭事にも参加しなくてはならない。こちらに来た当初の予定では長く帰り、仕事をこなしつつ体を休めるつもりだったのだ。
……それが、帰るのが勿体無く、もっと言えば学園に残りたくなる理由が出来るとは、思わなかったのだが。
「ああ、成程学園祭か……って、うぉ!?」
学園祭。ならば恋人の晴れ舞台を見に行くのは決まりだなと思いつつ、少し烏丸九郎に遠慮しそうになる気持ちもある。
が、ここでの遠慮は逆に無礼だろうか……などと考え始めていたら、顔が赤い原因がこちらを覗き込んでいる。
「お、お前な……分かってんだろ……?」
近い。ドキドキする。心臓が早鐘を打つように鼓動し、体中の血流が加速する。
いつまでたっても、この美しい恋人の顔を見つめ続ける事に慣れないのだった。
■雪城 氷架 > 「そうなのか?なんか学園に居残る理由でもできた?」
これも勿論答えはわかっている
そしてきっと予想通りの答えなのだろう
「そうだな、なんだか零の考える事、少しずつだけどわかるようになってきた。
それだけお互いの距離が近くなってきた証拠かな」
近い、とても顔が近い
氷架がチビなので背伸びしてるけど
お互いの吐息も感じられる距離
「…テスト前だったから、もうすぐ一ヶ月だな。
なんか、もっと長い時間一緒にいる気がするよ。
………零は正直だからなー…よし」
ぱっと離れて、顔を見直す
「零、今何かしたいことあるだろ。私も。
いっせーの、で言ってみようか、それ」
■霜月 零 > 「お前、ホント全部わかってるだろ……」
小さく溜息。もしかしたら、自分はイニシアティブを取れないタイプなのかもしれない。
「ちょっとずつ分かり合えて、距離が近づいて。ホント一か月とは思えねぇよな……言いすぎかもしれんが、俺としちゃあ半年くらいは居た気分だ」
居て当然、と言うと語弊があるが、居ないことが考えられない。
高々一か月くらいなのに、一緒にいる事が当然で、そうでないことがひどく寂しく思える。
ぱ、と離れた顔を見て、そして言われた言葉に少し考える。
そして……
「よし、言ってみるか」
いっせーのーで、とタイミングを振る。
■雪城 氷架 > いっせーの、とタイミングを合わせて、口を開く
「キス」
笑顔でそう言うのだ
■霜月 零 > 「キス」
こちらは少し顔を赤くしながら。
……以心伝心。完全に同じ気持ちだったようだ。
「……流石だな」
言いながら、そっと腕を広げる。
■雪城 氷架 > 「だなっ」
にへっと笑うその顔は少しだけ赤い
広げられた腕に駆け込むように小さな体をどふっと預けて、顔をあげる
「えっちとか言うかと思ったけどやっぱり零は純情だよな、うん」
■霜月 零 > 「はは、以心伝心ってやつか?」
顔を綻ばせる。顔は赤いが、笑みは純真で。
……その後の言葉にはまた一気に顔が赤くなるのだが。
「お、お前な……!」
したいけど。とってもしたいけど。
流石にちょっと言い出せなかったのだ。言ってやろうかこのう。
■雪城 氷架 > 「そうかもなー」
背伸びして、その腕を背中へとまわす
例の心音が聞こえるめちゃくちゃ早い
こういうところが本当に、なんというか可愛いなとも思う
「ん、それともほんとはそっちがしたかったけど、
照れくさくて私に合わせてキスって言ったのか?」
にんまりとした意地悪な笑みに変わる
■霜月 零 > 「で、お見通しかよ……!」
完全に茹蛸になる自分の顔。
緊張とか焦りとか動揺とかから力が入りすぎないようにそっと抱きしめて、顔をずいっと近づけてやる。
「…………そう、だよ」
恥ずかしいけど。とても恥ずかしいけど、お前も恥ずかしがれっ!
■雪城 氷架 > 「へっ」
あれ、ムキになって否定するかと思ったら、まさかの肯定だった
こんなはずじゃないというかそういう返答はこないと思っていたので、耳まで赤くなってしまう
って、零の顔も真っ赤だった
抱きしめられて顔がとても近い
「そ、そうだよって、え、いや、えっと……そのっ……」
冗談だよ、零のすけべー、なんて言ってやるつもりだったのに全然そんな言葉が口から出てこない
思わず目線を逸らしてしまう
■霜月 零 > 「お前なあ……」
じーっと見てやる。ええい、あの時の再現だ。
「俺だって健全な男子だぞ……お前みたいな綺麗な彼女に、そう言う気持ちを抱かないわけ、ないだろうが……」
自分の方が恥ずかしいけど、冗談で人の我慢してた気持ちを突っついた罪は重い。
捨身で反撃に出てやる。どうだ、それはまだ早いとか言って退くんだろ!あの時の再現だ!
■雪城 氷架 > 「………」
少しだけ罰が悪そうに視線を戻す
そうだ、こういうやりとりはあの時と同じじゃないか
お互いに意地張りなところがあるのはわかってる
「…そ、そうなのか…そうだよな…。
……でも、順番ってものがあってさっ……」
まだ早い、とは言わない
そう、まだ踏んでないステップがある
二段飛ばし三段飛ばしで登って、大人の階段を踏み外すのは笑えないではないだろうか
「……ん」
背中にまわしていた腕でぐっと零へ体を顔を近づけて、いきなりこちらから唇を奪ってやる
ただ、いつもと違うのは───唇が閉じていない、食むようなキスだってこと、だろう
■霜月 零 > 「まあ、だから我慢してたんだよ……」
自分でも尚早な話だとは思う。これはこちらが我慢すべき話だ。
ただちょっと……突っつかれて、漏れ出てしまった。反省せねば。
等と考えてたら、唐突に唇を奪われた。
「んっ……!」
いつもの啄むだけのようなキスではなく、唇を開けたままの食むような、貪るようなキス。
当然受け入れる。自分も食むように、貪るように唇を重ね合わせに行く。
……至福の時だ。
■雪城 氷架 > 実は、ほんのすこしだけ勇気を出した
唇を押し付け合うだけなら子供だって出来る
でも大人のキスは違う、やり方というのがある
ちゃんとできないかもしれないけど、零が今以上の関係を望んでいることもわかった
勿論自分も望んでいる、ただ踏み出せなかっただけで
「っは……っ…ん、っ……」
思わず息を止めてしまっていたので一度口を離して呼吸する、
顔が熱い、どれだけ顔が赤くなっているかなんて想像もつかない
そんな顔をよーく見られる前に、再び唇を重ねてゆく
ぎゅう、と背中にまわした手で強く、
剣術で鍛えられたその体をしっかりと掴んで
■霜月 零 > 情けない、とちょっと思う。
子供のころから、まあ友人がいなかったわけではないが、剣術に多くの時間を割いてきた。
全ては足りない才能を補うために。
才能が千の過程を省略するならば、万の努力にてそれを踏み越えるために。
そのためか……色事にはとんと疎い。
ちょくちょく最近は勉強したりもしてるが、こういった時の作法なんて知らない事ばかりだ。
だから、氷架にリードして貰ってばかり……何というか、ちょっと情けない。
だけど、それ以上に、氷架の導くままに、たまにはちょっと自分も頑張ってみて。
そうやって唇を重ねる時間が幸福過ぎるのも、困ったものだ。
「んっ…ふぅ、んっ…!」
一瞬のブレス。そしてまた重なる唇。
自分は今どれだけ赤い顔をしているのだろう。氷架ほど肌は白くないから、少しは目立たないだろうか。
そんなこともちらっと考えつつ、少し抱きしめる手に力を入れる。
ともすれば折れてしまいそうな、美しくも華奢な体。
それを守る様に、優しく包み込むように抱きしめる。
■雪城 氷架 > 「っは……」
つぅ、と透明な細い糸が伝い、唇が離れる
…違う、これだけじゃない、わかってる
「………」
こんなこと女の子のほうから言うことじゃない
だから口ごもった
もっと深いキスの落とし方、おそらく零は知識としては知っているだろうけれど
「……零のしたいキス、していいよ」
おそらく零の眼には真っ赤になっている自分の顔が映っているのだろう
■霜月 零 > 「……」
また言わせてしまった。ちょっと申し訳なく思うが、それと同時に嬉しく思う。
ならば、応えなくては嘘だろう。
「じゃ、じゃあ……」
そっと抱き寄せ、真っ赤な氷架の顔に自分の真っ赤な顔を近づける。
唇は開けたまま……舌も、口の中に入れていく。